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第23週「大番頭のてのひら」

第23週「大番頭のてのひら」
第23週視聴率:24.1%
今週は、不景気や、やがてやって来る戦争への不安のなかで、あさの女子教育の将来を見据えてぶれることのない大学校設立に邁進する姿に、千代の初恋や雁助のその後など家族の様子が描かれました。成澤、千代や啓吾、亘、藍之助、養之助ら若い人達との係わりが多くなり、視聴率は気になるところですが、若い人たちがしっかり支えており、今世紀の期間平均最高を期待したいと思います。
こんな中で、かっての大番頭であった雁助の事故でみせるうめや加野屋のみなさんのやさしさ、千代の恋に見せる複雑な親の心が感動的に描かれ、又、このドラマの影の人、栄達さんとうめさんが泣かせてくれました。終盤にきて衰えることのない、すばらしい脚本、演出です。
来週以降、あさの女子大学設立とこれを支える人々の活動が描かれ、感動の最終話を見届けることになりそうです。(*^_^*)
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今週の物語は、
燐寸工場を経営する雁助が、石油缶が落ちてきて、頭を打って意識不明と言う大怪我で、奥さんからお金を融通してほしいとの依頼を受け、あさは学校設立準備等で手が離せず、新次郎、喜助、戸惑いのあったうめが神戸の病院に向うところはか始まりました。
イメージ 1そこには長男が居て「もうあかんかも」、「父が倒れた瞬間に金返せ言うてきた」に、借金額を確認すると2000円、今の8000万円だと言い、新次郎は「相手はもうどないにもならんと思うてんとちがうか」と思いながら、うめを残し喜助と大阪に帰り、あさ、栄三郎と話し合う。
栄三郎が「雁助は大事な身内やで、維新の時父が倒れたときこのまま加野屋は潰れるかと不安だった」と、又あさは「一つの事故でこんなに何もかも崩れてしもうて」とかっての自分のこと思い出して同情を寄せます。
病室では雁助の家族が居なくなって、雁助とうめがふたりになり、大奥様からのお見舞いと折ずる鶴を枕元に。「あんたの奥さんに会えるとは思わんかった。あんさんみたいにしっかりしたものが、上からものが落ちてきてこんなことになって。二度とお顔見れんと思うていたが、このようになると淋イメージ 2しゅうて、もういっぺん声聞かして!眼さまして!
このシーンでは、先のうめと雁助の別れが思い出され、涙です。友近さんの演技が上手すぎます。
そこに、あさがやって来て、雁助の手に触って、「懐かしい。病院で聞いたら、旦那さんが私の手を握っていたと聞いて、うめ手も握っておいて。働き者の良い手や」と一生懸命に手を摩るあさ。あさの知ってか知らずのうめへの気使い、そして言葉ではなく身体に触って励ますという、大森さんの人を思う細かい愛情を、こんな形で描いてくれるのが、ほんとうに心に沁みて、泣けます。

うめとあさが「なんで、夫婦というのはけったいなもの。あないに自分の夫を悪ういう。ながい間一緒にいたら、めんどうなことも言いたくなるのか何かこぼすのは自信なのかな。慰めてもろうて、それでうまく行っている言うてもろうて安心する。世の夫婦はこんなもんです」などと話してるなかで、雁助が目覚めて「うめ!なんでや、頭が回らへん」。
奥さんがやってきて「生きている、なんで、どんな石頭や」「うめさん、あんたのおかげです」「身内でもないのにみてくれてはって」と家族とともに喜びです。
これを聞くうめの気持ちが切なくて。もう帰るといううめに、「一緒にかえりましょうな」と新次郎家族を持たないうめに思い寄せるやさしい新次郎やあさの気持になんとも言えない温かみを感じ、よくできたドラマだと思います。
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雁助が見舞いのお礼に加野屋を訪れ、うめと会うことになり、再び生きて会えたことを喜びそっとうめを抱きますが、うめはシェイハンで握手し、うれしそうな顔で、さようならと去って行きましたこれからもずっと友情が続く大人の関係ですね。うめは、人のために尽くす人ですが奥さんがいる男を好きになる女ではありません。

あさの女子大学校設立準備は
成澤からの手紙「伊藤閣下らの支援が得られることになった」に喜ぶ亘に、これからは学校の中身が問われると心を引き締めよう促します。そして、学校設立趣旨本を読んでもらうよう支援者を説いて廻りますが、なかなか理解が得られない。「あんたが悪評高い女実業家か」と罵倒されるあさを見て「蹴飛ばしたろかと思いましたと」憤慨する亘。あさの若い頃に似ています。(笑)
資産家の工藤には「出資したとして、計画が流れたらどないしますね」と問われ、「私と、山倉さんと二人で残りを工面しなければと思うている」と自分が引き受ける覚悟を示しますが、これに平十郎が「この国がいくら発展したとしても、女性に対するに考えが根本的に変わるとは永久にない」とあさのやり方に意見します。あさは「ペンギンが沢山おらんとあかん、私が倒れてもいいように。そのための学校です」と益々大学校設立に燃えます。ここで気付くのですが、加野屋には、誰もが自分の意見を言うことができるという、すばらしい雰囲気があります!!
加野屋では、雁助の融資の話が出ますが、「雁助さんが断ってきた」と栄三郎が言い、よのさんが「様子を見て欲しいと」と心配します。やさしいおばあちゃんです。
ここで、栄三郎が生命保険の話を持ち出し、「経営不振の会社を買う」と言う。これには、加野屋の第3の事業になると平十郎が賛同します。
あさは「なごう生きるようになって、必要かも」と言い、新次郎は、事業が広がるとして反対。これには、栄三郎は強く必要性を訴えます。新次郎は「栄三郎が初めて自分で始めると言うた事業。心配したふりをしたんや」と賛同します。
はつから養之助の婚礼は身内でするという便りが届き、新次郎は「式があったら和歌山に行きたかった、前に行った景色が思い出され、二人で旅をしたい」と言い出します。新次郎にも人生の疲れがでてきたのでしょうか。

和歌山では、養之助が兵隊検査に合格しました。お嫁さんになるせっちゃんにおとうちゃん、おかあちゃんと呼ばれ戸惑うはつと惣兵衛。はつは本当にうれしそうな顔です。イメージ 3
養之助の結婚式。はつの露芝の着物に見惚れる惣兵衛うつくしかったですね。あおいさんの和服姿に敵う人はいますまい。(*^_^*)
あさから沢山のお金が届いて、おおきにと感謝です。そこに、藍之助からの手紙文が届き、目で追う仕草に、いかにも待ってたという感じでした。養之助に手紙が配達され、それは新兵招集でした。

東柳君が加野屋にやって来て、よのさんの「女子が若い男と外で話しするのはあかん」と言いながら、啓吾を見て一目惚になる加野屋の大騒動。二人の面談には、うめさんがきちんと控えていますから安心です。
二人はすっかりお気に入りのようですが、新次郎はちょっと淋しそうです。
残念ながら、あさは大学の件で取り込んでいて会えませんでしたので新次郎に様子を聞きますが返事は「内緒や」と。おそらく文句の付けようのない相手ですが、そう言い出せない父親の複雑な感情がよく出ています。
よのさん「あの時の千代はいい顔してる」とあの人と一緒にしたらと言い出しました。亘が早速身元調査、東柳子爵の次男。あんないい人が大阪にお嫁にくるかと心配です。あさは、千代の思うように嫁入りさせたいらしいですが、新次郎は相変わらず、反対? いやいい男だすと。

あさは、成澤に「今井はうちの実家です。父が成澤さんに感動して土地を寄付してくれてる」と東京に大学をつくることを勧めます。イメージ 4
しかし、成澤は計画が進まないことに落胆し「いきなり大学ではなく高等女学校から検討しては」と言う。これには、あさ「なんとあほな。根性がない、先生は若いから1020年言うてるが、うちにそないな悠長なこと言うて、一番大切な女の大学諦めてどうする。うちの目の黒いうちに大学みせておくれなはれ」と発破をかける。
今井忠興が亡くなり、忠嗣の嫁があさを訪ねてきて、目白の別荘の譲渡を伝えます。成澤が渋沢を説得し「加納銀行がついてるなら会計取締をしてもいい」と言い、渋沢が付くことで計画に勢いが広がり始め、あさは大阪、神戸の支援者に賛同者名簿を見せて、説得に動きます。工藤さんも時代に遅れないようにと賛同。計画は大きく前進します。ここでも、あさはこれには夫新次郎の顔が利いていると「旦那さんのお陰や」と感謝します。夫への心使いを忘れないあさは素敵です。

こんななかで、栄達さんが加野屋にやってきて来ました。足が痛むようです。藍之助に「養之助が兵隊にとられてしもうた。来月出発や。山が忙しいときに。藍之助、帰って来てくれみかん山に男手が足らん、せっちゃんも実家に帰って。おかあちゃんとおとうちゃんでは無理や、帰ってきてくれ」と言い、新次郎に「この子を返してください。お願い申し上げます」と頭を下げます。
これまで喋ることの少なかった栄達さんがしっかり喋ってのお願いでした。栄達さんには山王寺屋につぐ2度目の危機、何としてもここは切り抜けたい。惣兵衛とはつはこのことを言い出せないことを知っての決断だったのではないでしょうか。言葉から思いが伝わってきます。
そして、よのさんが準備してくれた菊さんの好物の饅頭を食べながら、大阪の思い出「最後に大阪の町みてよかった。淀川のながれみてなつかしかった」と語る栄達さん。老けメイクといい、ゆっくりした所作・喋り、うまい演技でした。
和歌山のはつと惣兵衛の落胆ぶりが気になります。が、これを読ませるような辰巳さんの口上、うまい演出でした。そして、なによりも、よのさんのすべをお見通しの気配りに泣きました。

藍之助が何も言わんと帰ってきました。
藍之助は、養之助に「よめさんもろうたばかりなのに。がんばらにゃいかん」と声をかけ家族の想いを知って帰ってきたようです。
養之助が新兵訓練に出発する日、はつは「気付けて行っておいで」と送り出しましたが心配そうです。
3年やってみてという約束だったのに、藍之助はなんで帰ってきたのか心配しているのではないでしょうか。「これがこの子にとってよいことなのか」と母の気持ちです。

養之助を招集を受け、藍之助は夢をあきらめ和歌山に帰ってきました。あさは大学設立に走り廻り、二つの家族を描くことでこの時代を生きた人たちのドラマになるといううまい脚本だと思います。

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