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第31回「終焉」

第31回「終焉」
秀吉の最期。秀吉の亡くなった先の「政」の不安とともに最期によせる三成・信繁そして茶々・寧らの想いが情感深く描かれている。秀吉の遺言をめぐる三成と家康の闘いは、お互いの智恵くらべでとても面白いドラマになっているがあまりにも秀吉が憐れ、惨め。そして、最期に“家康を殺せ”と三成に命じ誰にも看取られることなくひとりで逝った秀吉の悔しさ寂しさに涙。
「老いた秀吉を見せたくない」という茶々の想いで秀吉は秀頼に会うことが出来なかったが、臨終に信繁の機転と秀頼の英邁さで、秀頼が「父上!」と言葉をかけたことで秀吉は死に旅立てたと思え救いになった。
秀吉の最期の言葉を実行しようと昌幸にすがる三成の一途な想に、そしてこれを実行する昌幸と出浦の運命特に出浦の素破として家康殺害に赴く姿に打たれる。
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○秀吉の遺言を巡る三成と家康の確執
・三成、秀吉の遺言を作成。
秀吉に「何かあったら呼んでほしい」と鈴を渡す信繁。秀吉の衰え方がすごい。うれしそうに鈴をふる秀吉に安堵する信繁。今回はかなりつらい話になりそう。
大谷屋敷で、三成、吉継、信繁が秀吉亡きあとの「政のあり方」を相談するが、吉継は「老衆には問題がないが問題は奉行衆だ、わしを外せ、足を引っ張るだけ。やつれた姿を見せ恥をさらしたくない」と言い出す。三成は「老衆を立てつつ奉行の役目を明らかにして老衆だけでは何も出来ぬようにするという”秀吉の遺言”5人の老衆の花押を取る」と言う。吉継は頷くのみ。
この遺書を家康に見せ「秀頼公を守るのが殿下の望み」と伝えると、承知したと家康。そしてこれに花押を記す。
・家康、秀吉の遺言に花押。
伏見城家康の屋敷では、「いよいよだ」と正信。阿茶局は「ようやく殿の出番」と言えば「わしにどうせよと言うか」と家康。「天下を」と勧める阿茶局
「殿は乗り気でない、本心かどうかはわからない」と阿茶がこぼしているところに正信がやってきてさきほどの秀吉の遺言を読み聞かせ「これでは殿が思うがままには出来ぬ」と話す。ここに三成が駆けつけ秀吉の遺言が定まったことを報告。そして「まずやらねばならないのは朝鮮から兵を引くこと。自分が兵を迎えに九州に出向くので家康公はここに居て欲しいこと。そして、この間に何かあっては困るので家康公だけで物事を決めないこと」を申し出る。これに家康が「わしが行く」と言い出すが「引き上げるが日の本一の大軍、謀反の動きがでれば困る」と三成。「わかった、ここ伏見で守ることにする」と家康。たしかに不躾な三成な言いようであるが家康はこれを受け入れることにする。 
「三成がいいたいことを言い去って行った」と信正。「先が思いやられる、いっそ反故にしてがどうか、秀吉が書いたより新しい遺言があればいい」と進言する。
イメージ 4真田屋敷では、昌幸がふたりの孫に桃太郎のはなしを聞かせている。出浦は碁を打ちながら「秀吉はまもなく死ぬ」と言えば、昌幸は「何も変わらん」と言う。出浦は「家康を倒せば必ず世が乱れる。お主の夢は武田の領土を取り戻すこと。いつでも用意できている」と励ます。
・三成が吉嗣にこれまでの経過を知らせると「やりすぎるな。遺言に従うと約束をしたが油断できぬ」と吉継三成は信繁に改めて協力を求める。
・家康、遺言の書き直しイメージ 1
家康が片桐のところにやってきて、信長から贈られたという鎧一式を携え殿下への見舞いだと秀吉の部屋に。「しばらくだれも通すな」といいながら秀吉に「老衆に後を託すと一筆書いて欲しい、これで秀頼公を守ることが出来る」と促し、考える力を失っている秀吉は「秀頼のこと成たりそうろうにと衆に頼み・・・」と正信が言うがままに遺書を書く。書き終わり「これで殿の仕事がやりやすくなる」と正信。ここで秀吉が追伸「返す返すも秀頼のこと頼み申しそうろう」を書く。見ていて、みじめ!!
・三成、家康が書かせた遺言への加筆イメージ 2
三成はこのことを片桐から聞き激しく叱責する。「家康は断じて許せぬ」と怒りを露わにする。まだ手はあると三成、再度秀吉に遺書を書かせる。豊臣家のためにはここまでやらねばならぬと三成。秀吉は疲労困ぱい。「眠るな!」と叱咤し、家康への遺言の行間に「五人の者に申し渡しそうろう。・・・なごりおしくそうろう」と書き加え、最後に「以上」と書かせる。「以上でもう書き足しはできぬ」と三成。家康はなんでこんなに行間がある文章を作ったのか。()
ここに寧が現れ「死にかけてる人に何をさせるの、静かに寝せてやれないの」と激しく三成を責める。ここで寧と三成の間に大きな対立が生まれる。
寧は秀吉の寝姿を見ながら「これではかわいそう、秀頼に会えたのか」と信繁に問うと「茶々が会うことに反対している」ことを伝える。「秀頼公にやつれた姿を見せたくない。秀頼公には偉大な父親だった」という茶々の考え方を伝えると「殿下の姿を見てどう思うかは本人に任せればいい。あの子は賢い子、今の姿にがっかりしない」と寧。
信繁は茶々に会い寧の考えを伝えると「会えば殿下の大きさを知ることになるが他のこと、殿下が元気でいたころには見えなかったもの、心の卑しさ醜さ冷たさを感じる」と心配をする。
・真田屋敷に孫の顔を見に来たとういう忠勝、泣く子をあやすが、百助がしっかり泣く。(立派な演技だ)()「百助のほかに子がいることをいつになったら父に打ち明けてくれるのか」と稲は不満。仙千代が不憫だという“こう”。これを見て「世の中、先伸ばしていいことはない」という昌幸。(笑)

○秀吉、寧と茶々との別れ
信繁のところにきりが生せんべいを持って来て「まだ秀頼公は殿下のところに来ないの」と問う。「哀れでならぬ」と答えると「殿下はこれまでひどいことししてきたのだから仕方がない」というときり。「殿下が亡くなると上田に帰るの?」と問うが信繁が「わからん」と答える。
・家康が秀吉を見舞い先日の手荒な行いを詫びる。
信繁がこれに立ち会う。「この燭台の火が消えるとき己が命が消える」という秀吉の言葉を伝えると家康「どれだけ華やかな暮らしをしていても死ぬときはひとり、諸行無常、戦さは大嫌いだ、間違いなく勝てる戦さはない。伊賀超えは一度で沢山。殿下がいなくなって世が乱れてはもともこもない」と丁寧な見舞いをする。
小早川秀秋が見舞いにやってきて、不安そうに秀吉に話かけると目を覚まし「秀頼を頼む、秀頼を頼む」と訴える。家康が「秀頼のことがさぞ気がかりだろうな」と言ってるところに秀秋が燭台の火をふっと吹き消してしまう。驚きの顔の秀吉は大きな声をあげ、その夜から意識が混濁状態に陥いる。
 
・茶々が秀頼を秀吉に会わせないことについて大蔵卿局が「茶々様自身の問題だ」と言い「茶々様は死に行くひとを目の当たりにしたのは鶴丸様の死が初めて、それ以来死を恐れている」という。そこに茶々がやってきて「今夜ですね、会うてくる」と秀頼を連れて秀吉の元に。三成は秀吉に一日も長く生きて欲しいと無心に水垢離を取っている。
・茶々が秀吉の部屋に入るも秀吉の容態に驚き近ずけないが、「母上、私が参る」と秀頼。秀頼の「父上」の声に、秀吉はその顔に手を当てて安らぐ。この光景に押され茶々も“殿下“と最期の挨拶を終える。寧が茶々に「秀頼を立派に育ててくれた」と声を掛けふたりで微笑み、秀頼の成長を喜ぶ。
 
○家康の暗殺
・朦朧とした意識の秀吉、唇から血を流す子を見て成長した秀頼と錯覚。“ああ”と驚きの声をあげ、これを聞きつけた三成、信繁が駆けつける。三成が秀吉を抱き抱えると「佐吉、家康を殺せ」と迫る。イメージ 5
さっそく三成はこのことを昌幸に私の師匠ということで力を借りたい」と家康暗殺を依頼する。これに昌幸は「聞かなかったことにする。明日の朝徳川内府が死んでいても真田は一切かかわりがない」と請け負う。昌幸は三成に頼まれたのではなく自らの力で徳川を倒す、万一失敗してもすべての責任を負うという昌幸の覚悟。
出浦を呼び出し暗殺を依頼
「徳川に死んでもろう、ただししくじっても死ぬな!」と家康暗殺を依頼すると「一番カラスが鳴くまでに戻る」とこの任を引き受け単身で乗り込むことにする。死をもって昌幸を立たせようとする出浦「わしが失敗した場合はお前が家康を倒せ」と佐助に命じる。
・信繁が秀吉を訪ねると「頼む佐吉を支えてやってくれ、寂しい男でな」と秀吉。この言葉に感動する信繁、もう上田に帰ることはない。
・出浦、家康暗殺に失敗
出浦が家康の屋敷に忍び天井から覗くと信幸が秀忠とともに家康に「全く言いそびれていた、どうかお助けください。いまさら舅に打ち明けることはできぬ」と忠勝に百助の他に子がいることを伝えて欲しいと訴えている。「わしから忠勝に言う、後家にしては不幸だからな」と家康。秀頼が「江を嫁にもらったがやっかいだ、話を聞いて欲しい」と信幸に話そうとするが、信幸は何か周囲に異変を感じる、忍び?。
家康が忠勝を呼びだし信幸の件を話そうとする矢先に、信幸と秀忠が家康を訪れ「忍びが潜んでいる」ことを伝える。忠勝が槍で天井を突くと出浦が発見イメージ 3され忠勝と斬り合いになる。出浦は忠勝の槍をぶった斬り、ふたりは剣と剣の闘いになる。戦いは互角、出浦は闘いが長引くとみて消え玉を投げるとそこに信幸がいて不覚にもすきを与え背を斬られるが、きり合いながら“どろん”と消える。切り合いは見ごたえのあるシーンだ。
・この騒ぎを聞きつけた信繁が父昌幸を訪ねると信幸もやってきて「父上がやってくれた!」と。そこに負傷を負った出浦が佐助に支えられて現れ「わしがとしたことが」と無念がる。昌幸は泣いて出浦を抱き抱える。長いふたりの友情が垣間見え泣ける。なんとか出浦には生きていて欲しい!!
 
○秀吉の最期
秀吉は目を見開き人を呼ぼうと鈴を取ろうとするが鈴を取り損ね落とし、這い出てこれを追いだれにも看取られることなく、一筋の涙を流し、おそらく秀頼のためにもっと生きたいという無念の涙を残して、ひとりで死へと旅立った。今日の秀吉の衰えた小日向さんの演技見事だった。これで小日向さんのお芝居が観れないのはなんとも寂しい。ご苦労さまでした。

記事1 20160808
真田丸」第31話は17・3% “小日向秀吉”最期でV字回復http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160808-00000105-spnannex-ent