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「ぼくのおじさん」(2016)

イメージ 1ぼくのおじさん」(2016
山下敦弘監督作品、松田龍平寺島しのぶクドカンさん出演ということで期待していました。
「ぼくの家に居候してる“だめだめ”おじさんが、お見合いで知り合った美女を追っかけてハワイにむかいそこでどうなったかという話」です。
冒頭からおじさんのだめっぷりが半端でなく笑い種一杯でくすくす笑えます。「苦役列車」「もらとりあむタマ子」「御園ユニバース」と“だめだめ人間”を描いてきた監督の真骨頂です。そして最後には“めざめる“というオチがあります。この作品ではどのようなオチをつけてくれるかと楽しみにしていました。だめだめおじさんがオチで見せる哲学者としての勇気・正直さに感動するぼくをみて、だめだめおじさんから沢山のものを学び取り、おじさんは決して無駄は人ではなく、子供の成長にとっては掛け替えのない人だということが分かります。
こんなおじさんがいる社会はほっこりだとおもいますが、今は遠い世界のことのようで映画をみて楽しむほか無いんでしょうか。エンドロールを使ってぼくの気持ちが描かれるところが面白いです。(#^.^#)
松田龍平さんのしぐさや語りで演じるのんきで無神経で世間知らずの“だめっぷり”“でも憎めない”演技が見事で癒されます。(#^.^#)
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物語、
○おじさんという人イメージ 2
先生(戸田恵梨香さん)から「自分のまわりにいる大人について、だれでもいい、連休あけまでに作文を書いてきなさい」と宿題もらって、パパ(宮藤官九郎さん)にしようかママ(寺島しのぶさん)にしようかと考えているんだけど決まらない。「雪男ちゃん」イメージ 3(ぼく・大西利空君)おじさん(松田龍平さん)が顔を出し「ところで雪男君、マンガ少年ヤックの発売は」というので「止めた。ちゃんとした本を読む」と答えると「マンガは必要だ。哲学者は頭を使う。昔は道を歩いていてどぶに落ちた人がいる。現代の哲学者はマンガでポップカルチャーを語れないようではだめだ」と言う。()「お金頂戴、買ってくる」と言うと割勘で1/3出すと言う。買ったマンガを猫と一緒に読んで笑っています。これを見てぼくは題を決めました。ぼくのおじさん
おじさんはぼくの家の居候です。いちばんいやな居候だから猫にも相手にされない。家の猫がくわえているイワシを奪って朝食のおかずにしたりする。勉強も教えてくれない。動物園にもつれて行ってくれない。俺はやさしいから檻に居るのを見るのがつらいんだと言う。
おじさんはスポーツも出来ない。サッカーでキーパーを教えればゴールポストに頭をぶつけるし、とにかく何にもしない、できない。
イメージ 4「万年床しないで!」とお母さんが怒鳴ると「哲学者は深い思索してるんだ」と言い叱られる。
僕の部屋に来て「実にけしからん、俺に挨拶をしない」と怒るから「お土産くれたらちゃんとする」と答えると「おじさんだからしないでいいんだ」と言う。「パパ、ママもくれるよ」と言うと「買って来ればいいんだな!」と出て行って玩具のムカデを買ってくる。「買って来たんだからきれいな言葉を使え」と言ってるところにママがやってきて「これ何!!」と悲鳴を上げ卒倒する。()「こういうときはちゃんと真実、つくりものだということを教えろ」と怒るんだから始末がわるいよ。
イメージ 5「悪戯もいい加減にしなさい」とママは泣くし、パパが「お前はいくつになった」と叱る。そうすると「もっと子供は逞しくなければならない。こんなもの南の島にはぐじゃぐじゃいるよ」と反発する。() とにかく屁理屈ばかりのおじさんです。
こんなことで父はおじさんに縁談を勧め家からだすことを考えています。おじさんは非常勤の大学の講師で、一週間に90分の授業を持っています。これでは食っていけないので僕を誘って遊びに出るんです。ママが昼ごはん代をくれるので。バスに乗ろうとすると30円安いから電車にするんです。「本は未知につながる」と書店に立ち寄り「現代の哲学者はマンガを守備範囲にしなくては」と言い袋閉じのマンガは古本屋で読みます。とにかくお金がない、でも稼ぐことをしない、お金のないケチなおじさんです。イメージ 6
腹ペコだと言うと割引券を見せてカレー店に。コロッケは乗せてあるが野菜がないと言うとテーブルにあるふくしん漬を一杯載せて、一皿で2度味わえるカレーだと食べる。ところが割引券で清算しようとすると期限切れ。あああ(大笑)
ぼくは宿題に「こんな毎日を過ごしています。おじさんは大丈夫でしょうか」と書く。

○おじさんのお見合い
・おじさんはママの勧める見合い写真をみて「この人はキツネに似ている」「タコに似ている」「猿に似ていてデアンダール人だ」と文句ばかり言う。妹は「あじさんは断られることが怖いのよ」と言う。妹の方がしっかりしています。()
ママは頭にきて叔母さん(キムラ緑子さん)に頼むことにします。叔母さんは画廊を経営していて、ずけずけ物を言う人でおじさんは苦手のようです。叔母さんがやってきて「いいお嬢さんがいるから」と勧めるが、おじさんは「論文を書かねば」と断ります。叔母さんは「写真家のパーテイーがあるから、お見合いのような堅苦しいものでないから。最近彼氏と別れたひと」と強引に見合いを進めます。おじさんは「アーテイストなんて者は世の中のあまりものだ。先方も断れなくてやってくるんだろう」と叔母さんの手前お見合いをすることになります。
 イメージ 7
・画廊に出向く途中でお土産を買おうと和菓子店によると、若社長青木伸介(戸次重幸さん)が「この店200年の味だ」と試食品を勧めていて、叔父さんがをだそうとすると若社長と呼ぶ声で向こうに行っていまい叔父さんの口に入らず無念がります。()この若社長とはこれから大きなかかわりが出てきます。
イメージ 8おじさんはお土産を持って画廊を訪ね、ハワイの写真を見てホノルルのダイヤモンドヘッドに興味を持ったようで「このビーチは・・」と。おじさんが詳しいのはTVばっかり見てるからです。そこに「ハワイのことが詳しいのね」とおばちゃんが寄って来て、これを見たおじさんはこの人がお見合いの人と逃げ出しドアーにぶつかって卒倒、() ここに「お怪我ありませんか」と超美人稲葉エリー(真木ようこさん)が現れ、この人がおばちゃんの娘さんで、一緒にお茶することになります。
おじさんがエリーさんの写真を褒めとエリーさんも「写真がわかる人、コーヒーの味もわかる」とふたりは意気投合です。おばちゃんは「コーヒー農園は私で三代目。嫌でこの娘を連れに来た。この子小さいときはハワイにいたの」と話します。おじさんは「僕もそろそろ行先を決めなくては。いくつか大学があってハワイに見つけなきゃ」とおじさんはえりーさんに一目ぼれです。

・「ぼくはおじさんを守りたいとおもいます」と書いた作文を先生に提出。先生は「みんなのなかから選んでコンクールで応募します」と発表。「景品は何かな」と皆で話しながら帰るとおじさんが何か売ってハワイに行くことを考えている。
イメージ 9おじさんは「密航という手もあるがへたをすると牢屋にいれられるから筏でいけばいいが体がもたない」と言い、哲学者としての面子から金を作らないで行くらしい。() ビールやウィスキーの懸賞でハワイ旅行を当てようとして、空き缶を拾ったり、教え子に協力させたりして大量のはがきに応募券をはりつけて出すが当たらない。全財産を使ってしまいます。()
妹は「お土産にアメリカ人形が欲しい」と言い、僕も「何か・・」と言いかけると「実はなお前を一緒に連れていくことにしている」と言う。1ヶ月後、エリーさんはハワイに発ってしまいました。
先生から作文コンクールに僕の作文が入賞したとの知らせが入る。副賞はなんとハワイ旅行で父兄同伴という。こんなことでおじさんとふたりでハワイに旅することになります。(こんなおじさんのことを書いたら当選するでしょう)()
 
○おじさんとハワイに旅行イメージ 10
・ハワイにやってきたがなかなかエリーさんの家が見つからない。エリーさんが窓から見つけてくれました。エリーさんは農園をやるらしい。おじさんは機内でビールを飲み過ぎトイレに行ったきり帰ってこない。トイレが終わってタバコが切れたとタバコ屋にいくがおつりがないと断られ、他のタバコ屋を探していて道に迷い、入れ墨のある男に100ドル札を見せると葉っぱを売ってるところに連れて行かれ麻薬を買ったらしい。ぼくはメリーさんの部屋でお茶を飲んで待っていると部屋にお菓子屋の若社長の写真が飾ってあるを見つけどうしてここにあるのかと不思議に思っていました。イメージ 11
おじさんは帰る途中で(麻薬容疑で)パトカーに連れていかれ、エリーさんの助けで帰ってきてそのまま寝てしまう。花火の大きな音がしていたが見ることもできなかった。
朝、食事時おじさんはパールハーバーに行くと言い出す。ここで偶然菓子屋の社長青木さんに会い「青木君、恋人を追ってハワイまで来たか、本当の恋だ。カントの言葉にもじもじするほどエイメージ 12ス・イスト・グート、これでよしといって死んだ」と話し掛ける。おじさんは「いずれこちらの大学で教えることになり、いまは独身だがエリーさんと一緒になる」と匂わす。おじさんはぺらぺらと決まってもいないことを喋ります。おじさんとぼく、エリーさんの3人で出かけ、ここしかないという展望台でパールハーバーを望み、あじさんが「日米戦争で在米日本人が米国籍を取得するために頑張った」はなしをします。
帰りに青木さんに出会い、エリーさんが「何でここに居るの」と聞くと「君に会いに来た、男がいるなんて聞いていないぞ」と、これを聞いたエリーさんが「そうよ。この人と一緒になるの」とおじさんにキスをする。ぼくは何も言わないでこの場を離れました。
おじさんは、このキスの意味をエリーさんに聞くと「ああでもしないと彼は帰ってくれない」と言うもんだからおじさんは「今度来たらおれにまかせろ」と言うのでした。
 イメージ 17
・オワフ島を離れコーヒー農園のあるハワイ島にやってくる。エリーさんの家はピンクのかわいい家です。エリーさんはぼくたちを連れて墓参して「オハナを連れてきた」と報告します。アハナとは家族という意味だそうです。コーヒー園を見にいくと銃を携えた管理人がやってきて「いい男を連れて来たな」と喜びます。彼はエリーにこの農園をしっかり守っていこうと話しています。
うつくしい鳥を見ながらエリーさんの家でハワイ料理をごちそうになる。おじさんは「お婆ちゃんが苦労して残した農園をエリーさんは手放さないだろう」と言い、壁に掲げてある写真のお婆ちゃんが「欲しかったら奪え」と言ってるように思えて「先祖様が手にしたものを手放すのはよくない。大地の味を体感する」と農園で働くことになりました。
翌日、エリーさんは墓で「ママからの連絡でクライアントの件はだめになった。どうしたらいいかわからない」とひとりごちて泣いているとそこに日本の寿百貨店から電話が入る。
イメージ 13おじさんは農作業で披露困ぱいし「太陽と土を十分堪能した。カント曰く疲労の後は休息である」と倒れ込む。そして僕に太ももを揉ませるんです。
エリーさんの部屋を訪ねると青木さんが居るので、おじさんは「エリーさんのことはイメージ 14俺に任せろ」と青木に食って掛かると「あんたは繋がってない。おれが本当の恋をしている」とふたりは掴み合いになる。ぼくは「ふたりとも大人だから話し合ったら」と勧めるとおじさんは「エリーさんからオハナと言われた。オハナが家族の意味で農園で働き苦楽を共にしている」と言い、青木さんは「私は弟に店を譲ってここに来ている」と言う。ふたりはベロンベロンになるまで飲んでお互いに言いたいことを言い合い、男なら勝負しようということで「あしたエリーさんを迎えに来る」と青木さんは去り、「エリーの唇を奪う」とおじさんが息巻くのでした。エリーさんの取り合いが決闘で決まることになりました
おじさんとふたりで寝ていて気になるのでエリーさんの部屋の写真を調べると映ってるのは青木さんだった。おじさんにはいわないで寝ました。おじさんに言えなかった。
 イメージ 15
・朝、コーヒー園で決闘です。ぼくがエリーさんを呼びにいく。管理人が銃をぶっぱなしながらやってくる。青木さんがやってきてエリーさんに「店を弟に譲ったのでこれからは失望させない」と言うとエリーさんは「何べんも聞いた。失望させないで。貴方は自分の人生を進んで。私は契約が決まったので忙しい」と返事する。これを聞いて青木さんは「敵ながらあっぱれ。これでは勝負にならない。おれ彼女を泣かせてきた、勝負にならない」と帰り始める。
ここでおじさんが「あいつばかだな、寿屋に店を売って助けると言えばいいのに。出店して面倒みてもらうのに、おばかさんとしかいいようのない」とエリーさんに届くように喋っちゃった。これを聞いたエリーさんが青木さんのところに走って行って抱擁しキスです。おじさんはこれを見て「エス・イスト・グート」と言って泣いていました。なんと間抜けなおじさん!
 
イメージ 16
・海辺で夕日を浴びながらぼくはおじさんに写真のことを早く言うべきだったと謝るとおじさんもお前を助けなかった(夢のこと)と言うので、僕はおじさんのことを少し見直した。おじさんは日本の皆のこと思い出して「帰ろうか」という。ぼくもそう思うと言いました。
 
○エンドロール
おじさんが「エレベストも高いが本が高い。担当者は資本主義・・・、」と呟いておりぼくはおじさんが可愛そうだな(いいところもあるのに)と思った。
先生に日記を見せると「こんどおじさんを紹介して」と言われ可愛想だと思うんだなとぼく。
おじさんは部屋で「WAO!」とか言って、それは別のはなし・・・終。
 
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