映画って人生!

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「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016)

イメージ 1ソラニン」から三木孝治監督作品を見続けています。今回は福士蒼汰さん、小松菜奈さんでファンタジックなラブストーリーを撮ったという、どのような作品を見せていただけるかと楽しみにしていました。原作は七月隆文さんの同名ベストセラー小説ですが未読での鑑賞です。
物語は、一目ぼれした女性福寿愛美(小松菜奈さん)と恋人同士になった美大南山高寿(福士蒼汰さん)が、周囲からもうらやましがられるほど順調に交際が進むなかで、彼女の抱えている思いも寄らぬ秘密が明かされ、これに向き合う姿を描くというもの。思いもよらぬ秘密は、とんでもないもので、二人の過ごす時間軸が逆になっていて一緒に居られるのは30日で5年ごとに会えるというもの。

物語の前半、ミステリアスだが交際はとても順調で羨ましい。若い人たちはこうあったらいいなと思いながら観ているのでしょうか。(#^.^#)
後半突然彼女の告白があり、時間の限りがあるなかでどう過ごすかと苦悩するふたりの心情に入り込み切なくなります。切なさだけでなく、一瞬を真剣に生きることや普通に生きていることの幸せに思い至ることになります。ここまでは彼の目線で描かれますが、もうひとひねりあって彼女の目線で再び彼に会うというパッピーエンドでファンタジックな物語になっています。

時間軸の理解にすこしばかり脳に刺激を受けることになりますが、この設定で物語をもう一度見直すという、こんなこともありうるなと、非常におもしろい構成になっています。「ベンジャミン・バント」と違って巡り合えるふたり。うまい話しでしっかり泣けます。

福士蒼汰さん、小松菜奈さんは、大きな仕掛けのなかで変化する感情の表情をうまく演じています。福士蒼汰さんは当初初々しさ、次第に不安を抱え苦悩しひとつの答えを見出す成長していく演技はみごとでした。大きく成長しましたね!そして小松菜奈さんは、「渇き。」の気の強い放縦な女というイメージが強かったですが、今作ではミステリアスで心優しく誠実な女性を繊細な表情で演じすばらしい女優さんに成長しましたね!

監督特有の光にこだわった京都の風光明媚な風景映像がこの作品の切なさによくマッチしていてすばらしい。そしてなによりも小松菜奈さんがとてもうつくしく可愛く撮ってあります。(#^.^#)
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物語は
1日目(初めて会った日)イメージ 2
高寿は通学電車のなかである女性(愛美)に一目惚れ、宝ケ池駅で降りた彼女を追っかけ声を掛け、お互いに二十歳、高寿は美大でカトーン(風刺絵)を学んでいて、彼女は美容師の専門学校に行っていると紹介し合います。ふたりの表情を交互にアップで撮ってありこれがとても美しく微笑ましいです。突然彼女が馬涙を見せ、何故と聞くと「ちょっと悲しいことがあって」と言い「また会えるよ」と手を振って去っていきます。
学友の上山正一(東出昌大さん)にこのことを話すと「お前は絵にしか興味がないと思っていたが、ナンパだぞ。会いに行け」とけしかけられる。
2日目イメージ 10
いつもの電車に乗ったが会えない。京都動物園でキリンの絵を画いていると彼女がやってきて「この絵教室に貼られるよ。キリンのお尻のラインがいい」と言う。「どうして、ここに」と問うと「昨日宝ケ池駅で、ここで絵を描くと言ったよ」と返事(??)。宝が池にやってきて「ここは5才の時、あそこの桟橋から落ちて女の人に助けてもらって、その人は命の恩人なんだ」と話すと「私も5才のとき死にかけた」と言う。連絡先を聞くと青いノートを出して、こっちではないと言いなイメージ 3がら別の黄色いノートを破いて電話番号を。
部室で上山に話すと「連絡だけ!それはない。すぐ電話しろ」と押されて電話すると「今日は会えてうれしかった」と言う。明日みなみ館で映画を観ることにして三条大橋で会うことを約束する。
3日目
友達に会うと「お前張り出されているぞ」と言われ、教室にいくと確かに!!
デートの心得として「会う前に付近をぶらついて好きなものを探しておけ」と言われ福寿さんにはピザを食べてもらうことにする。
三条大橋で会う。彼女がうれしそうにやってくる。裏通りが面白いと誘うと「こんなところが好き」と言い、選んでおいた店でピザを食べてもらう。「おいしい!から揚げも食べたい」と言う。
映画を観てカフェでお茶。 () 外を見て「可愛い犬、ポメラニアン」と声イメージ 5を上げる。(あとで出てきますので)夜になって美しいイルミネーションのトウデカエデの木を見て写真を撮る。「こうやっていることが変な感じ」と言うと「南君とのデートが初めて。一目惚れと言われて嬉しかった。ずっと憧れていたから、本当のことを言うとず~とあなたのことを見ていたんだよ」と。
僕と付き合って欲しいと言うと「私は癒し系でなないよ。食べ物で気分を左右されるよ。もうひとつ、私は涙もろいよ」。
4日目
上山に手伝ってもらって引っ越しをしているところに彼女がやってくる。上山に紹介すると「いい子だ、大事にしろよ」と気を利かして帰っていく。ふたりだけになりお互いの呼び名を「エミちゃん」「高寿君」にすると、ここで彼女が涙を流す。彼女が命の恩人から貰った箱を見ているので「5年後にばったり会って次に会えるまで預かっていて」と言われたことを話す。
彼女は僕の小学校の頃のノートを見て「クリエーターなんだね。高寿君はず~とそうなんだ」と懐かしそうに眺める。
外に出て、歩いていて寒いので手をつなぎ「すごくいい」と言うと彼女がまた泣いて「うれしいこと言うね」と。駅で「また、明日」と別れる。これが僕たちの合言葉になり毎日デートした。京都の町が美しい!!
6日目
彼女が料理をしてくれるので写真に撮る。ビーフシチュウを食べる。美味い」。「隠し味にチョコレートを使った」という。「何故、うちの隠し味がチョコレートだということを知っているんだ。前にもこんなことがあった、キリンの絵のとき。エミちゃんは予知能力があるの」と問うと「あったらどうする?あなたの未来が分かったらどうするの。出来ないんだけどね。食べよう」と何か変な感じがする。
15日目
「明日はなにしようか」と言いながら彼女に髪を切ってもらう。彼女が後ろ髪を結ぶときのうなじがとても美しい。彼女が「エミちゃんでなくエミと呼んでいい」と言う。夜ビデオを観ていて「抱きしめたい」と言うと「抱きしめていいんじゃない」と。キスして寝る。彼女は泣いていた。帰るというので駅まで送ると「また明日ね」と彼女からキスしてくる。
ここで映画タイトル「ぼくは明日、昨日のきみにデートする」が出てきます。
イメージ 4部屋に帰りると彼女の青いノートが置いてあることに気付く。そこには、「3月16日、私の最初の日(高寿にとっては最後の日)大学の教室で彼の絵のモデルになる。」と書いてある。そして日付が3月15日、3月14日と遡っている。
彼女から電話があり「見た、あなたには理解できないでしょう。あなたに隠しごとがある、明日話すから6時に例の箱を持って教室に来て」と言って電話が切れる。(公衆電話ボックスからの電話)
朝、美術教室に行くとエミが椅子に座っていて「あのね、現実離れした話なのよ」と話し出す。「この世界には別の世界があり私はそこから来たの。時間が逆に進んでいる、あなたとは時間が逆なの。時間の方向が違うの。箱を持ってきてくれた?」。箱を渡すと鍵を開け中から写真を取り出す。そこには自分の両親と自分とエミが写っている。「箱を預けた人は何歳に見えた。私は30歳で貴方は10歳よ。私たちは5年に一度しか会えない。月が満ちて欠ける30日だけ。あなたは10歳のとき未来の私にあったの。5歳の時にも会ってる。川で溺れ助けたのはわたし」と話す。「私も5歳のとき死にかけたの、助けてくれたのはあなた。35歳のあなたよ。私は君に命を救われた。だからこうして恋人として会えたの。この髪を私が切ったのよね。昨日はエミにとっては明日、高寿君に会いに行くの」と。このはなし、解りずらいですね!!
カフェでデート。「あのメモ帖は僕が話したことだとしたら、あなたは書いたことをなぞっていたんですか?」と問うと「私の辿った大切な運命だから」と話す。「そう話す君は変わらないように見える」と言うと「あそこにいるのはポメラニアンなのかな」と呟く(過去のことが消えている)。
19日目
遊園地でデート。ふたりでメリーゴーラウンドで遊ぶが楽しめない。「これまで理想的だと思っていた、何もかもうまく行くことはメモ帖に書いてあったことなのか」と問うと「私たちの辿って来た、辿ってゆく運命よ」と彼女。
次に科学館に行く。「お腹がすいたね、お昼は何だったかな」とエミが言うので「どうしてもメはモどおりに行動しなければ駄目なの? 僕と一緒にすでにしてきたことを知らない。それが見えてきてきつい。会っていてもエミでないように感じがして一緒にいてもつらい」と話すと「こうなることも予定どおりよ」とエミ。
コインランドリーで上山に会うと「喧嘩でもしたか」と言うから「すれ違いかな」と言うと「月と地球もすれ違っている。ただ、延々とぐるぐる回っている。お前、会えるんだから話せ!」と言われ「月は年に5cmずつ離れている」と言い返すと「なおさらだ。会え!、どんどんすれ違っていくぞ」と言われる。
「なんでこんなつらいことをエミはするんだ」とエミに電話しようと携帯を見て、髪を切ってもらったときやイルミネーションを見て手を繋いだとき、お互いに名前で呼び合うようになったとき、いつもエミが泣いていたことが思い出す。「僕にとって初めてのことがエミにとっては二度と戻れない大切なものだったんだ。でもエミは笑っていた」僕は何をしているのか・・・。
ランドリーから急いで帰りエミに「日付が変わるごとにすれ違っていく。僕は明日君にひどい行動をとってしまう。でもこれを乗り越えた。こんな苦しいことを乗り越えようと思ったのも君のことがこんなにも好きだからだ」と電話する。エミが「私もだよ、私もあなたが好き」と返事する。僕は「明日会えるから、昨日の君に会いに行く」と言う。
21日目イメージ 6
始発でやってきたエミに駅で会い、抱擁する。「エミが泣く理由がわかった、すまなかった」と謝ると「聞いてない」と言いながら彼の胸の中で涙するエミ。「5歳のとき近所の祭りで爆発事故があって誰かが助けてくれて、それは35歳のあなた。未来の人はこの人だと思ったの。辛くてもそうしようと思えるのは今のあなたに会えたからなんだよ」とエミ。
22日目イメージ 7
彼女から「今日の予定は稲荷神社」と電話があり彼女の予定でデートすることになる。僕たちは残された日々を大切に過ごすことにした。カフェで抹茶ロールを食べる。小松さんの抹茶ロールを齧った時に唇にかすかについた白いクリームを舐める仕草がとても可愛い。イメージ 9次は鴨川河川敷での飛石遊びと思い出作りに写真を撮る。二度と戻れない20歳の僕たちのために。
上山のいるバーバキューに参加し、みんなにエミを紹介を紹介する。「おまえ雰囲気が変わった」と言われる。帰りに、川沿いの道を歩きながらエミは「こういう関係でなくなって行くのね」と言うので「ぼくもそうだ、お互いに頑張ろう。エミを愛している」と頷き「僕たちはすれ違っていない。端と端が結ばれて繋がっているんだ」と話し掛ける。「私にとって最初の日は高寿にとっては最後の日。これから不安なことがあったら言って」とエミ。
29日目。
彼女を伴って故郷に帰る。途中でタコ焼き屋さんで30個買って食べる。エミはタコ焼きを頬張り熱い熱いと足をばたつかせる。そして私が35歳のとき、高寿は5歳でマンガを描くのが好きだった」と思い出し「あんたは必ず本を作る人になる」と言う。
両親には「福寿さん、おれの彼女」と紹介する。夕飯は母の作ったビーフシチュウで「書きし味はチョコレート」と言う。両親は大変エミが気に入ったようだ。母は「また来て頂戴」とエミにお願いしている。ここで4人の写真を撮る。帰りに僕は「なんで家族になれないんだろう」と言うと「ごめんね!」と彼女。僕は涙が溢れて仕方がなかった。
3月16日、僕の最後の日。
キャンパスに向かって絵を描いているとエミがやってきて、モデルになってもらって描く。「今は、絵を描くことしかしてあげられない。予定していたからでなく僕の30日間の思い出を込めて書き留めておきたい」と話すと彼女が「私からお願いがあります。25年間の大まかなことは青色のノートに書いてあります。今日は黄色のノートに細かいことを書くので教えてください」と言って、「最初に日は電車に乗って・・・」と話し始め沢山の涙を流すのでキャンパスに画く筆が止まる。「こんなことではエミは愉しくない。こんな台本どおりやったらぜんぜん楽しくない」と言うと「今日の日までちゃんと楽しかったり、苦しかったり、いろいろ感じられたのは君が頑張ってくれた御蔭」とエミ。「そんなことはない。何があるかわかっていても楽しいものは楽しい。ごめん」、俺も涙もろくなった。
イメージ 8電車の駅で彼女で見送る。彼女は「私はいい恋人だった?今日は楽しかった」と言うので「楽しかった。ここがピークなんでね」と返事した。エミは「これからはすこしずつあなたの過去に戻って行くのね」」と言うから「すれ違ってない。僕たちは端と端を結んでつながっている。二人でひとつの命なんだ」と言い含めた。2400、電車が走り去り彼女は消えていた。
5年後
桜の季節がやってきて、「私たちはすれ違っていない。端と端がつながっていると教えてくれたあなたはすばらしかった」と愛美(ここからは清原果那さんに交代)は呟き「これ、わたし?」と絵を見る。「私はあなたに愛されていた。私はあなたに会いたくなった」とこの日からかけがえのない30日が始まり、絵を描いてる君に会いに行きます。
1日目、
彼の実家に彼とふたりでやってきて「福寿さん、おれの彼女」と紹介され、ふたりで鴨川の河川敷の飛石遊びして写真を撮り、・・・。ここからは、これまでのストーリーをほぼ逆行して描かれますので省略。彼のアパートを訪ねドアーに手を掛け、思い止まって電車に乗るとそこにあくびしてる彼がいて、やっと彼に辿り着くことができました!!
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