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第13回「城主はつらいよ」

みなが城主就任を訝る中、直虎の領主としての最初の仕事は、農民からの徳政令要求を認めるかどうか。現地を視察し、民の声を聴き、時代の成功者としての方久を重臣に加え村の土地を貸しその利息で農民を救済しようという決心。領主として、「自灯明」を心に問題に毅然と立ち向かい自ら決断するにいたるという直虎:柴咲さんの爽やかな表情が、井伊に新しい風を吹き込みそうです。はやく威厳が付くといいですね!
「自灯明」は奇しくも映画「ムーンライト」(上映中)の中で語られる「自分の道は自分できめろ。周りにきめさせるな」に繋がり、それぞれの生き方を支える言葉になります。
方久:ムロツヨシさんの再登場、ふっくらとして以前とは比べ物にならない成功者としての風格があり、新しい時代のヒーローとして登場。これからの井伊家とのかかわり、そしてコミカルな演技がとても楽しみです。この作品に笑いが少ないだけに、家康とともに大いに期待したい。


政次の姿勢は曖昧で直虎を窮地に追いやり後見者としての地位をものにする?これまでの次郎との友情をどう考えているのか?剣の修行をする政次には異様なものを感じます。太々しい政次はこの物語を面白くするでしょう。
先の「検地」今回の「徳政令」で当時の農地・農民の実情がコミカルに描かれ楽しめます。
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〇次郎が城主の座にイメージ 4
井伊家の評定で、直虎が井伊谷の領主となるということが決まる。しかし、中野直之は「直虎は、女子であり、しかも10歳より寺で暮らしていて政が出来るとは思ない」と猛反対する。奥山六左衛門も、直虎に政を任せることに無理があると思っている。しかしこのふたりは頼りない。井伊にはこんな人ばかり?(笑)
南渓は「今川氏が小野政次を後見に推している」と伝え、直之と六左衛門を押し黙らせる。そして「直虎の出家が本土安堵と引き換えであるから、次郎は還俗せずそのままの身分で、領主としての名を直虎とし、寅松が元服するまで後見をするまでだ」と説得する。
政次は直虎に覚悟のほどを聞くが、直虎もこれを強くけん制し「先代たちの意志を継いで、いたずらに侵されず、みんなが安心して日々を送れる国にしたい」と意気込みを表明。政次は誠心誠意仕えると誓うが腹に一物がありそうな言いよう。
イメージ 2
領主としての実感がもてない直虎(あたりまえ)に、早速南渓が「これは今川氏親殿が制定した国を治めるための掟。寿挂尼様が作ったとも言われている」と説明し領主としての指南書”仮名目録“を渡す。

新野屋敷。乕松:寺田心ちゃんが女たちのなかで亥之助と一緒に書の手習い中。“しの”は直虎が寅松の後見に据えられたことに反発したが、直虎が後見とならない場合は政次がなると知って癇癪を起す。この話を聞く“なつ”は辛いでしょう。
一方政次は、鈴木重時菅沼忠久近藤康用の三人と酒を酌み交わしながら井伊の行く末を「今の井伊を得ても苦労するばかり。直虎はすぐに音を上げ放りだされる」と直虎のやりようを傍観する姿勢。この3人の目付は井伊之屋3人衆といわれ井伊の行く末に大きく関わる。

〇農民の徳政令願いイメージ 1
領主としての直虎は先ずは南渓から授かった「仮名目録」を読みはじめる。政次が「書類に目を通して欲しい」と持ってくるが意地でもこれを見ない。そんな直虎のもとに瀬戸村の甚兵衛という農民たちがやってきて、新しい領主が女の直虎と知って驚くが、「陳情したいことがあるので村に一度来てほしい」と願いでる。直之は「領主たるもの軽々しく村回りなどしないものだ」と答えるが直虎は出向くことを約束する。
イメージ 7直虎が訪れた瀬戸村は耕作を放棄された土地が点在し荒れ放題となっていた。甚兵衛は「桶狭間をはじめ何度も戦に駆り出され、男手が足りなって耕しきれないからだ」と説明し「年貢を納めるために、銭や米を銭主に借りことになり年貢と銭主への二重の支払いに耐えかね土地を手放す者や一家をあげて村を逃げ出す者があとを絶たない」と借金を棒引きにする徳政令願い出る。銭主は瀬戸方久だと言う。
直虎は「領主は我じゃ、すぐ処置する」と返事、これに直之が「この件、皆に謀るべきもの」と安受する直虎に怒りを露わにする。
直虎が井伊家の居館に戻ると六左衛門が多数の証文を直虎に見せる。井伊家は戦のたびに商人から借り入れをして支度をし、戦で亡くなった者への堪忍料や化粧料もかさんでいることを知る。

瀬戸方久との再会
直虎が方久の名を証文に発見したとき、豪商の瀬戸方久が面会にやってくる。直虎が対面した方久はかっておとわが家出したときに泊めてくれ、褒美ほしさに井伊家におとわを突き出したあの男でした。(第2回あばら屋の男として登場)
方久は「もらった褒美の銭を手元に、魚を干し物にして売り、その利益を手元に茶屋を営み、さらに茶屋で戦の状況を耳にするようになると戦場で商いを始めていた。食料や薬を仕入れ戦場で売り、戦地で刀剣や鎧を拾っては次の合戦の場に持ち込んで売りさばくうちに、方久は蔵が建つほどの商人になっていた。銭を嗅ぐ銭の犬だ」と語る。

〇直虎の徳政令対策イメージ 3
直虎がその才覚に感心していると、方久は「領主にもなれば良い筆で良い字を書くもの」とみごとな硯箱を献上する。直虎はこれを受け取り感謝し「瀬戸村の借金を棒引きにしてやってほしい。井伊の分は払うが」と切り出す。これに方久は「井伊家の借金をいまここで耳をそろえて返してくれるなら瀬戸村の借金を負けてもいい」と返事する。直虎が「出来ぬ」というと「屋敷を売って村を2~3くれればいい。徳政令を出せば井伊家は潰れる」と言い出す。
その夜、直虎たちは借財や領内の年貢など洗い直してみると、その額は30年かけても返しきれないほど膨れ上がっている。これにでは瀬戸村の農民たちに徳政令を発布できないと直虎は悩むのでした。
イメージ 6
翌日瀬戸村に徳政令が出ると聞きつけた祝田村の農民も「徳政令をだして欲しい」と願い出る。農民たちは僧でもある直虎の慈悲深さを称賛するが、直虎は「徳政令を出すと井伊家が潰れてしまうので、今は出せない」と告げる。
農民たちは「井伊家のためなら農民は黙って死ねということ」と詰め寄る。直虎はこれを聞いて逃げるように屋敷に入ってしまう。政次がやってきて「これでもまだご領主さまになられるか」と問うと「それではそなたが後見になるではないか。井伊家を潰してもそれだけは御免だ」と言い放つ。夕方、直次は剣の練習に励む。これまでにないこと。そして「さて・・」と直虎潰しを考える。

〇政次の暗躍
そのころ、三河一向一揆に足をすくわれた家康は碁盤で次の手を思案中、東進を一時中止していた。今川氏真は井伊家をはじめ遠江の反今川派を治めたところで蹴鞠を楽しんでいる。そこに政次が報告に訪れ「次郎が直虎という名で家督を継いだが還俗せず直虎と名乗っただけで本領安堵を押し通しているだけでございます」と寿挂尼に報告。これに寿挂尼は「政次を後見に推したからには下がるわけにはいかない」と言う。これに政次はひとつの案を提案する。

〇直虎の思考錯誤
直虎は、井伊谷の農村を視察し、シミだらけの節くれだった甚兵衛の手を見て、彼らを捨てて置けないと。
瀬戸村の方及を訪ね、「農民の謝金棒引きは無理だろうから、しばらく返済を待ってくれないか」と申し出るが方久は同意しない。
そこで直虎「われらは農民の年貢に支えられておるのじゃ。彼らが疲れて力をなくしては返済はかなわないではないか」と訴える。方久もこれに「それでは土地を使って商いを起こしてはどうか」と言い「米を多くつくる工夫をして時期を見て売りさばく、米以外の高く売れる作物を作ってはどうか」と提案をする。
イメージ 5
直虎はこの策は妙案であるが「許されるか」と南渓に相談を持ち掛ける。南渓は「領主は筆一本でそれができる力がある」と言うが直虎には「力ずくでそんなことをしてよいのだろうか」と躊躇すると、南渓は「こんなことには正解などない。結果がよければ正解、よくなければ不正解。うまくいくかどうかは誰も請け合ってくれない」と「自灯明」の精神「自分自身をよりどころとして生きよ」を説くのでした。これは「人の上に立つ者の喜びでありまた辛さでもある」と言う。

〇直虎の決断
直虎は評定を開き「瀬戸村と祝戸村が徳政を願いでているが、一方で井伊家も方久に世話になっており徳政を出すことは出来ぬ。そこで二つの問題を解決する方法として方久を家臣に加え、瀬戸・祝田両村を方久の所領とすること」を宣言する。
「これで方久には年貢が入り、それを持って現状借財の返済を猶予し、猶予が明けるまで農民たちは年貢のみ収めればよいことになる。加えて村に新しい商いをお輿し、農民たちがおのずと返済できるよう方久が面倒みることになる」と言い添える。
これを聞いた直之は「素性もしれぬ商人を名門井伊家に加えることが出来ぬ。乗っ取りだ」と言い六左衛門は「新野の娘たちの所領の瀬戸村と“しの”の所領の祝田村を方久に与えることはできない」と言いふたりは席を立つ。おれを追うとして倒れた直虎に、政次が「慣れぬようなので」と手を出すが断る。
方久の「銭は力。銭が何千騎の武者にも匹敵する力で、瀬戸村から銭が湧き出るようになれば、考えはかわる」を聞き、直虎は自分の決意に自信を持つのでした。
ところが、方久の手下から「瀬戸村と祝田村の農民たちは徳政令を出すように今川氏に願いでている」という報告が入る。「何故井伊を飛び越え今川に願い出る?」と方久がそして直虎も「何が起こっているのか」と疑念を抱くのでした。・・つづく・・
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記事 20170403
柴咲コウ主演NHK大河「おんな城主 直虎」第13話は13・1% 前回から0・2ポイント上昇