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「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(2017)

イメージ 2岡山先行上映。これが鑑賞理由です。(#^.^#)  YouTube動画をきっかけに話題となり、「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」のタイトルで書籍化もされた実話の映画化。監督は「64 ロクヨン」の瀬々敬久さん、脚本は「いま、会いにゆきます」「セカ猫」の岡田惠和さん。佐藤健さん・土屋太鳳さんが主演です。

結婚を約束し幸せの絶頂にいた20代のカップル・尚志(佐藤さん)と麻衣(土屋さん)。しかし結婚式の3カ月前、麻衣が原因不明の病に倒れ昏睡状態に陥ってしまう。尚志はそれから毎朝、出勤前に病院に通って麻衣の回復を祈り続ける。数年後、麻衣は少しずつ意識を取り戻すが、記憶障害により尚志に関する記憶を失っていた。2人の思い出の場所に連れて行っても麻衣は尚志を思い出せず、尚志は自分の存在が麻衣の負担になっているのではと考え別れを決意するが・。(映画.COM
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ふたりは、コンペでの出会いから始まって交際は順調で婚約し、結婚式場予約まで進んで、突然の麻衣の発病。いわゆる難病物、タイトルとあらすじでどこが感情の山場など分かっているという物語。それでも、泣けます。(#^.^#)
ひたすら麻衣の症状とこれを見守る麻衣の両親と尚志の看病がドキュメンタリーのように描かれます。
特に病名が「抗NMDA受容体脳炎」というもので、300万人にひとりという奇病。発症時に精神症状が強く現れるため精神科で治療することが多く、要因は卵巣の腫瘍による脳炎であると言われます。本作ではこの症状とリハビリが丁寧に淡々と描かれています。
イメージ 4土屋さんはよく研究してうまく演じています。全くセリフがなく顔の表情も失った演技、特殊メイクも含めて、とてもリアルです。前半の健康で明るい演技よりこちらの方がすっと上手でしたね!() リハビリを得て、新しい麻衣に生まれ変わる演技もよくて、これまでの土屋さんとは違った、演技の幅が出てきたように思います!

激しい精神的な興奮が治まり長い冬眠症状(植物人間)になり、これを看病する。絶対に諦めない、目が覚めるまでの苦しさ・不安がよく伝わります。全く表情のない顔を毎日看て、バイタルのデーターの変化に一喜一憂する毎日。目覚めてからの数年にわたる厳しいリハビリ。家族でなければ耐えられない。麻衣の母・初美(薬師丸ひろ子さん)が尚史に「あなたは家族でないイメージ 1から、もういいです」という気持ちが分かります。これに「傍に居たいだけです」という彼の気持ち。仕事の車両整備が趣味でその他は麻衣の傍にいればいいという奇跡のような男だったことに感動します。これを、佐藤さんがストイックに演じてくれます。イメージ 5
しかし、遂に諦める、無念の涙にくれる演技は胸を打ちます。この作品のなかでのベスト演技でした。
麻衣が失った記憶を取り戻すために尚史が撮り貯めたシャメ。これがばんばん流れるシーンには少しうんざりしましたが、ラストはタイトルのとおりですから、ご安心ください。そして、お母さんの隠していた秘密、これに泣かされます!

岡山の魅力も随所に描いてありますが、一番は医療環境が整っていること。緒方洪庵のふるさと、シーボルトの娘イネも滞在した地、歴史的な遺産です。
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