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「マンハント」(2017)

イメージ 2冒頭、ドウ・チュ(チャン・ハンユー)が「こんばんは、おかみさん」と居酒屋を訪ねと、「ドウ・チュ?」と和装イメージ 3風の女将さん(ハ・ジウォン)。「女将さん、チャイナ」、「こっちはちっとも分からない」と目で挨拶。「ここに来ると昔の映画が忘れられん」と映画の主題歌を口ずさみ、「男は死に向かって飛ぶことが必要なこともある」と映画を語り始めます。バックに「亡くした男のふるさとが・・」と演歌が流れています。一体この作品は何処の国の物語か?()
このオ-プニングに本作作製のメッセージすべてが託されています。監督は「レッドクリフ」のジョン・ウーさんです。冒頭で語られる映画は高倉健主演、原作西村寿行の「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)です。もうほとんど内容を忘れていました。()
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この作品は1979年に、中国で文化大革命後初の外国語映画として公開され大ヒットし今でも多くの人の心に数々の名セリフとともに刻まれているそうです。人々の鬱積した心を解き放つような高揚感があった、映画のもつ力ではないでしょうか。
監督は、この映画を、高倉健さんを愛し、日本映画に多くを学んだと言い、名だたる監督となった今、映画の魅力を楽しんでください!と「マンハント」のタイトルでリメイクしたのでしょう。
突っ込みどころが一杯とか言わず、大らかな気持ちで楽しむことにしました!!
日本が、大阪がとても美しく描かれ、監督の持ち味であるアクションの面白さ、男くささが溢れるストーリー展開を楽しみました。就中、わたしのふるさと岡山がロケーション地、牧場と新薬開発センターとして登場します。岡山にこのようなところがあることを知って戴けるとうれしいですね!

物語は、
酒井社長(国村隼)率いる天神製薬の顧問弁護士ドゥ・チウがある朝目覚めると、ベッドに社長秘書・希子(TAO)の死体が横たわっていた。何者かの罠と気づき、その場から逃亡を図るドゥ・チウ。大阪府警の敏腕刑事・矢村(福山雅治)、新人の部下・百田里香(桜庭ななみ)を従え、独自の捜査でドゥ・チウの行方を追っていく。しかし捜査を進めるうちに、次第にドゥ・チウ犯人説への違和感を募らせていく矢村だったが…。
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物語は天神製薬の記念パーテイから始まり、TAO、遠波真由美を演じるチー・ウエイが圧倒的な美しさを見せてくれます。
ドウ・チウが、目覚め窓を開けると大阪城を、大阪の街が大パノラマで映し出されます。隣に美女が死んでおり、驚き、警察に電話すると浅野警部(トクナガクニハル)がやってきて、ドウ・チウを連れ出し「警察を売ったな!」といきなり拳銃を突きつける。ここからドウ・チイメージ 6ウは地下鉄ホームから線路を伝ってトンネル工事現場へと逃走する。ここはとてもスリリングな絵作りになっている。
これを追う警部矢村は、百田を従え、トンネル工事現場にドウ・チウを追い込むが、彼に人質として捕らわれてしまう。()ここからは車内でのドウ・チウと谷村の格闘、イメージ 7そして車がハト小屋に衝突してハトが飛ぶ。() 蹴りを喰らって矢村立てず、放置してドウ・チウが逃走。
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ドウ・チウは天神製薬でなにがあったかと中の島バンクスで酒井社長の息子酒井宏(池内博之)に会う。会談中、社長命で殺し屋姉妹、妹のドーン(アンジェルス・ウー、監督の娘さん)、がライフルでドウ・チウを狙う。が、はずれてドウ・チウが水上バイクで逃走。そこに矢村が駆けつけ、ふたりの水上バトル戦。この作品のなかでの見せ場です! よくぞこの役(危険)を福山さんが引き受けたと思います。ドウ・チウが橋を利用して脱出、祭りのなかに姿を消します。とても臨場感のあるシーンでした!

ドウ・チウはかって天神製薬の研究員として勤務していた北川正樹(田中圭)の元婚約者遠波真由美とともに、彼女が経営する牧場に身を隠し、新薬開発のある秘密を聞かされます。この牧場は、岡山県蒜山高原にあるリゾート地に所在し、かっての軍馬生産地です。
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矢村はドウ・チウを追って牧場に。ドウ・チウを捕らえ手錠を掛けたところに、殺し屋姉妹がオートバイでやってくる。妹ドーンは二丁拳銃で、これに矢村とドウ・チウが手錠で繋がったまま各々が拳銃で(二丁拳銃)で応戦、激しい拳銃バトルが始まる。
ここでは、レインの横っ飛びでの射撃、スローモー描写など、監督特製のバトルシーンを見せてくれます。
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矢村とドウ・チウが牧場から脱出、これを追う殺し屋たち。ヒチコック作「北北西に進路を取れ」をオマージュしたカーバトル。ロケ地は、岡山と鳥取の県境にある花見山スキー場です。
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こんな調子で最終章、天神製薬の新薬開発センター内(岡山県工業技術センター)で天神製薬グループと谷村、ドウ・チウの密室空間バトル。なんでもありの激しいアクションでした。ここで、人体実験モデル男として坂口秀夫さんが登場し、熱演です!
ラストは、駅(station)での熱い男たちの別れ「明日がある」です。十分に楽しめました!!
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