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第21回「別れの唄」

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文久元(1861)年1月、吉之助(鈴木亮平)と愛加那(二階堂ふみ)の間に男子は生まれた。
 
赤子が誕生して7日目には、イジャシハジメという儀式が行われた。大島に来て2年。35にして父親になった吉之助は大いに喜び、生まれた子に菊太郎と名づけようとするが、佐民(柄本明)が反対。「菊次郎としてくれ」という。「いずれ吉之助は薩摩に戻り西郷家のために妻を迎えねばならない。その奥方が産んだ子に太郎とつけるべきだ」という。これに愛加那が「旦那さんの初めての子、太郎とつけてなにが悪い」と反対する。「島で娶ったお前は、お上の定めで薩摩には連れて帰れない。西郷さんは薩摩の大切な人。政の潮目が変われば、この子はいつか薩摩に渡ることができる」と諭す。これで愛加那はあっさり引き下がる。里千千代(里アンナ)が祝いの唄「幸せなことがありますように」と歌う。さきの運命を知っている愛加那に、もう涙が止まりません。
 
一方、薩摩の正助(瑛太)は、国父・久光(青木崇高)から名を賜って大久保一蔵と名を改めた。久光が抜擢した若い4人の側近の一人として、小納戸役に抜擢され異例の出世を遂げていた。久光は藩主茂久(中島来星)に許しを得て()、「ご公儀への不満は日本中に充満している」と大久保を薩摩に残し、桂(井戸田潤)、堀(鬼塚俊秀)、中山(天野義久)を京に派遣する。
 
一蔵は、誠忠組が屯する吉祥院に出向き、「久光様がいよいよ動かれるぞ!そして吉之助の帰還が許された」と伝える。しかし、久光が動く理由がわからない!
大山(北村有起哉)、新八(堀井新太)、海江田武次(高橋光臣)と名を改めた俊斎たちは大いに喜ぶが、有馬(増田修一郎)の姿がない。
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子供たちに手を引かれ海辺にやってくると、大勢の人が鉄の輪を囲んでいる。「遅くなってすまんかった」と海から舟で正助がやってくる。ふたりは3年ぶりの再会を果たす。吉之助は愛加那を紹介し、正助が一蔵と名を改めたことを聞く。
 
家に招かれた一蔵は久光からの帰還命令を差し出す。吉之助は「それはできん。」と書状を押し返す。
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一蔵は「今の薩摩はおはんを捨てたころの薩摩ではない。鉄砲の大砲も準備できている。亡き斉彬様(渡辺謙)の遺志を成し遂げられる。諸藩の有力者と手合わせするにはおはんが必要だ」と帰還を勧めるが「おれは何も知らなかったが、薩摩はこの島から搾り取って苦しめた。しかし、明るく踊って唄って、美しい島だ。おいはここで生きる力、人の愛を教えてもらった。ここは極楽じゃ」と首を縦に振らない。
 
愛加那が、鉄の輪がうまくゆくことを確認していた大久保を訪ね、「旦那様は帰らない」というと、「西郷は薩摩の宝です。この通りです。吉之助を帰してください」と頭を下げる。一蔵は、「必ず戻ってきてくれ」と何度も念を押し、薩摩に帰っていった。
 
愛加那が菊之助をあやしなから、魚釣りから戻った吉之助に「わたしとこの子と、ここで生きてくれんだね」と確認する。吉之助はそうだと頷く。愛加那は「旦那様に隠し事をしていた」と一蔵から預かった小箱を渡す。中には斉彬から拝領した刀があり、吉之助は万感の思いでこれを見る。
 
愛加那が機織をしながら、一蔵が言った「薩摩の宝」を思い出し、菊次郎を背負って浜にやってくると、ユタ(秋山菜津子)に出会う。ユタに「夫とずっと一緒にいたい」と訴えると「お前は一人ではないよ。三人だ!生まれてくる新しい命のために強くならなれ」と祈る。
 
愛加那が戻ってくると吉之助は藩主久光に「島にとどまりたい」と書状をしたためていた。愛加那がしょんぼりしているので、唄を歌ってくれという。愛加那は歌いながら泣き崩れる。愛加那は書きかけの書状を引きちぎり、吉之助の胸蔵を揺さぶって、「ここにいるのは私の旦那様ではない。薩摩の西郷吉之助じゃ!」と叫び、家を飛び出してゆく。吉之助がこれを追うが、富堅(高橋努)に止められる。別れることがわかっていても、これを受け入れられない愛加那。二階堂さんの演技で、しっかり伝わってきます。しかし、愛加那は強い女、・・・
 
翌日、吉之助は佐民から、「愛加那は身ごもっているから言えなかったのでしょう。愛加那も菊次郎も愛しい。しかし、それ以上にあなたはなさねばならぬ務めがあります。愛加那はあなたが薩摩のお仲間のことが、とても大切な人だということに気づいていました。この3年、いろいろと夢をありがとうございました。あなたのいるべき所は、ここではありません」と愛加那の言葉を伝えます。
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吉之助は海辺に駆け出す。そこには、愛加那ひとり佇んでいたが、海になかに入り出す。これを追って海に入り、吉之助は愛加奈那を抱きしめ「身体は?」。と、愛加那は「薩摩に帰るんだね。ずっと前から分かっていた」と微笑む。この微笑みに、涙です! 吉之助は「必ず戻る、ふたりのために」に「幸せなことがありますように」と涙で島唄を歌う。
 
旅立ちの日。愛加那は吉之助の髪を結って送り出す。吉之助は島の人々に、愛加那と菊次郎に別れを告げ、島唄「あなたは私のことを忘れて、行ってしまう。必ず戻ってきて、離れてみると心が苦しいのです」を聞きながらを大島をあとにする。愛加那は菊次郎を抱き、目に一杯の涙で、舟が見えなるまで見送るのでした。
吉之助が去った大島では、愛加那が菊次郎を背負い、時に薩摩の方を気にしながら、笑顔を見せ、皆を鼓舞し、サトウキビを収穫にいそしむのでした。
 
吉之助が、藩主の命で薩摩に戻ることになり、愛加那とのつらい別れでした。愛加那の辛さは想像を超えます。が、ラストの二階堂さんの笑顔が救いでした!
一蔵の説得に応じず島に留まろうと決心して、愛加那の言葉でこれを翻す吉之助。革命家にしては、ずいぶんと優柔不断な人だったんですね。() 愛しながらの悲しい別れのドラマ、見ごたえがありました!
 
せっかく一蔵が島にやってきたのだから、薩摩の状況、聞き知る江戸・京都の状況、久光の上洛の戦略ぐらいは語るべきでしたね。大河ですから!()       
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資料 20180604
鈴木亮平西郷どん」愛加那ら残し薩摩へ12・0%