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第35回「戦の鬼」

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これに対し、吉之助(鈴木亮平)は、「慶喜松田翔太)はうまく逃げただけ。おいは慶喜を討つ」と刀の鯉口に手を掛け、「撃つか、おいを」と龍馬に問う。
龍馬は「どうした!腹が減っただけ」とカステラを取り出し食いながら、
「将軍は天下を捨てただけ。その本義を分かってやれんかよ」
「坂本さ、誰よりも知っている。慶喜は、日本は自分のものと思うとる。土佐が挙兵に加わらんでも、薩摩だけでもやる。おれひとりになってもやる!」
「そうか。無念だ。おまんと、これからの国の形を語り明かそうとやってきた。おまんとは、乗る船が違うようじゃ」
龍馬は、残念そうに、ええじゃないか踊りの町のなかに去って行った。さびしい!
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吉之助は出兵を仰ぐために薩摩に帰る。藩主に「討幕したい。勅命を賜った」と進言する。この勅命は本物ですかね。
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久光(青木崇高)が「失敗は許されんぞ!」と問い詰めると、「西郷が引き受けもうす」として、討幕の許しを得る。これもひどい!
 
吉之助はひさしぶりに帰宅し、生まれたばかりの寅太郎を抱き上げ、しばし安らぐ。再び兵を連れ京に発つ。
 
近江屋。
龍馬(小栗旬)と中岡(山口翔吾)が、火鉢を囲んで一杯やりながら、大政奉還の行く末を話しているところに、あやしげな物音とともに、いきなり23人が斬りかかる。
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龍馬は抜かずの太刀で受け止めるが、額を斬られる。相手が去ったのち、「中岡!」と叫んで立ち上がり、太刀の刃で傷を確認し「まだ死ねん!」と叫び、絶命。慶応31115日のことでした。
 
数日後、吉之助は3000の兵を連れ京に戻り、そこで龍馬の死を知る。
薩摩藩邸にお龍(水川あさみ)が飛び込んできて、吉之助に「あんたが殺した」と龍馬が残した文「西郷と喧嘩した。袂を分かつ」を見せ、「ただ商いがしたかった。船で世界を旅したかっただけ。なんで殺した」と怒りをぶつける。
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「あの人は新しい時代に居なくてはならん人だった。じゃが守れんかった。すまんかった」と頭を下げ、謝る。
「何が新しい時代や!そんなもん来んでもよい」と“えいじゃないか”の踊りの中に消えて行く。
 
さて、ここから吉之助のクーデター開始です。
薩摩藩邸。吉之助は数人の藩士を集め「江戸に下り、商家を襲って火を着けよ。どこでもよい。大きいところがよい。薩摩がやったとわかるようにやって、連中を怒らせるようにやれ!」と江戸でのボヤ騒動を指示する。討幕の戦略がどこまで詰めてあるのか気になります。()
 
大政奉還で、村を出て5年、岩倉(鶴瓶)が京に戻る。吉之助は岩倉を招き「天子様に働きかけ、幕府の廃絶を宣言して欲しい。慶喜及びこれに組する公家を御所に近づけないようにする」と岩倉をクーデターに巻き込む。岩倉が西郷の言うままに動くということに違和感があります。
 
慶応3年129日。吉之助らは、越前、芸州、尾張を持って御所の警備を固める。
吉之助は一蔵に「そっちは任せた」と小御所会議の進行を任せ、警備兵に「われらに弓引くものはすべて成敗せよ」と厳命する。
 
「王政復興の大号令」によって、ついに260年余続いた徳川幕府は終わりを告げる。
御所で新政府の取り決めを決める小御所会議が開かれる。が、慶喜の姿がない。
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慶喜公が一大名として参加しないのはおかしい。すぐ呼ぶのが筋だ」と容堂(大鷹明良)がケチをつける。
公家のひとりとして参加している岩倉が「大政返還のあとは、官位や領地を天子様に帰すのが筋だ」と反論する。
「これは、陰険な誰かのたくらみとしか思えん。幼い天子様を出しにして天下を盗もうとしているのではないか」と容堂が怒り出す。春嶽(津田寛治)もこれに同調する。
徳川家と慶喜について寛大な処置を望む声が大きくなり、岩倉や一蔵らは劣勢となっていく。
 
この状況に吉之助は「討つなら今しかない!」と大政返還に見切りをつける。
 
二条城。慶喜は、幕臣から「御所門前の西郷を討ちたい」と進言され、「西郷に銃を向けることは朝敵になる。朝敵にだけはなりたくない」と聞き入れない。
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御所。会議が長引く。
一蔵が「容堂が慶喜公を呼び戻せとねばっている。これでは最悪の事態になるかもしれない。ここは岩倉様に気張ってもらう意外ない」と吉之助に状況説明。
吉之助は「岩倉殿にこれを渡してくれ!そんなこと短刀一本あれば終わる」と一蔵に短刀を預ける。
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有名な逸話。このやりとりを容堂が見ている。これでは嘘っぽくなりますね!()
「ここは御所ぞ!」
「かまわん。国家に仇する逆臣を討つのじゃ」
(この状況を信吾(錦戸亮)が見ている)
 
これ以降、息巻いていた容堂は一言も発せず、形勢が逆転する。岩倉の「疲れました。そろそろ終わりにしましょ」で会議が終わる。その後、辞官納地の命令が下されることになる。
 
慶喜は西郷に短刀を突き刺される夢にうなされ、ふき(高梨臨)に起こされる。慶喜は吉之助に怯えている。()
 
一蔵が「終わった」と短刀を吉之助に戻す。警備兵のなかから勝鬨が上がる。が、慎吾はふしぎな思いでこれを見ている。吉之助に笑みがこぼれる。
吉之助は狂っているのでしょうから、ここは狂気の凄みのある表情でしょう。鈴木さん、おかしいよ!
 
藩邸内の指揮所に慎吾が「聞きたいことがある」やってくる。一蔵が顔を出し「慶喜が大坂に逃げた! すぐに兵はだせんだろう」という。これに吉之助「すぐに戦を仕掛ける必要はない。すでに手を打っている」と・・・
 
大坂城慶喜はここに居を移していた。幕臣より「江戸に火の手が上がっている。後ろに薩摩がいる」と報告を受ける。
これに「すぐに兵を挙げるべし」と進言するが「ならん!薩摩に戦の大義を与える。乗るな!」と止める。しかし、慶喜に願いもむなしく、庄内藩が江戸の薩摩藩邸に砲撃を開始する。
 
年が明けて、1月2日。吉之助は「旧幕府軍の攻撃で江戸の藩邸は大きな損害が出ている。敵は1万5千の兵をもって攻め上ってくる。天子様の命令により天下万民を守る正義の軍だ。敵は朝敵、官位も領地も返上しない大泥棒。慶喜の首を獲る」と攻撃命令を下す。
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一方、旧幕府軍が京に向けて進軍を開始。しかし、ここに慶喜の姿はなかった。
 
慶喜は、城内に留まり、これからの戦について思案する。
「我が方は数に勝る、必ず、勝つ!」
「西郷が怖いので逃げ出したのでは?」とふき。
「うるさい!あいつはここまで追いかけて来る」
なんと臆病な慶喜か。(笑)
 
吉之助は慎吾から「あれだけ嫌いだった戦をどうしてするか」と問う。吉之助は「慶喜が異国に日本を売ろうとしている。生かしておけない」と戦をするわけを話す。???
「兄さ、いつか民のためだと言っていたが・・」と問うと、「わしは迷っておれん。どんな手段を使っても撃つ」という。
「江戸に火を着けたのも兄さ?」
「みんな、おいがやらせた。ほどほどではいかん。地の端てまで追い詰める!」
「兄さ、鬼になってしもうた!」
「おはんも、死力を尽くして戦え!」
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本懐を遂げるためなら、どんな卑劣な策もいとわないとする吉之助。すっかり変わってしまった兄の様子に、慎吾は戸惑いを隠せない。
 
感想:
吉之助は、慶喜大政奉還に、慶喜がこのまま引き下がることはないと断定。龍馬らの反対にもかかわらず、あらゆる策を持って慶喜を追い込み、戦を仕掛けるという展開(王政復古クーデター)。今回も超駆け足で、よく分からず、感情移入して観ることはなかった。
 
大政奉還、これは斉彬の考え方であり、当時の多くの賢者に受け入れられる策ではなかったのでしょうか。新政府の実態が今だはっきりしない段階で、早々と武力によるクーデターを主張し、小御所会議をぶっ潰す吉之助の考えがあまりにも強引に思える。自分の力に酔っているという感じ。

慶喜はひどい男として描かれ、こんな男だから信用できないと言うことのようですが、慶喜はこんなバカな男だったのでしょうか。遊郭のヒー様なんぞは嘘でしょう。
 
お龍が薩摩藩邸に「龍馬を殺したのはあんただ」とやってくるが、なぜ彼女にこう叫ばせたのでしょうか。西郷は、お龍が言うように、ひどい人に見えます。このドラマ、何を信じてよいのかわからない。
 
江戸に火をかけ、旧幕府側を挑発して戦を仕掛けるという、まさに後の満州事変。ここまでしなければならないという西郷。賢い、戦略のある、太っ腹で、穏やかな人というイメージが変わりました。( ^)o(^ )
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記事 20180918
鈴木亮平主演の大河「西郷どん」第35話は11・7% 前回から0・2ポイント微減