プロデユーサーが川村元気さんで、監督が大根仁さん。おふたりが何を企んで韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」(2011)をリメイクしたかと観てきました。舞台が1990年代のはっちゃめっちゃに元気のよかった女子高生たち、コギャルブームを、平成の最後の年に描くという記念すべき作品でした。( ^)o(^ )
韓国版は観ておりません。笑って、笑って、彼女たちの絆にほろりとさせられます。「銀魂」、「カメ止め」に次ぐ笑いの大作です。(笑)
コギャルの広瀬すずさんを見せんがための作品というぐらいに、振りきれた彼女が魅力的です。( ^)o(^ )
あらすじ(HPより引用)
日本中の女子高生がルーズソックスを履き、空前のコギャルブームに沸いた90年代、そんな時代に青春を謳歌した女子高生の仲良しグループ「サニー」のメンバー6人は、20年以上のときを経てそれぞれ問題を抱える大人になっていた。
「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい。」
芹香の願いをかなえるため、奈美が動き出す。
夢と刺激で溢れていた高校時代と、かつての輝きを失った現在の2つの時代が交差して紡がれる物語は、ラスト、“強い気持ち”と“強い愛”によって、予想もしていなかった感動を巻き起こす!!
****
テーマは「青春と再会し自分を取り戻す」で、いつの時代でもいえること。ここで描かれるのは、SNSが登場する以前、顔と顔を突き合わせ直接感情がぶつけたコミュニケーションで出来上がった友情。SNSでは得られない絆の強さが描かれています。
奈美が芹香の願いを聞いて、高校を訪ね先生に相談するシーン。先生から「あんた達の世代はやり過ぎた。顔に全部書いてあって、わかりやすかった」と言われるんですが、この時代のコミュニケーション法が的確に表現されています。
「今の子は大人しいね!」というシーン。女の子6人がベンチに座り、全員が携帯をいじくっている。「何だ、これは!」、6人で群れる意味がない。
高校生の奈美。淡路島から地震で東京に転向。「LA・LA・LA LOVE SONG」に乗って奈美が登校。小室哲也さんが音楽担当。安室・オザケン・trfにhitomiさんなど、たっぷりと当時の代表曲を聞かせてくれます。先日観た「マンマ・ミーア!」のように歌で物語に引き込まれます!
奈美が淡路島から転校してきた日。そこで出会うのが茶髪で細い眉毛にミニスカートとルーズソックスという高校生。恐る恐る登校する奈美。(笑)
教室ではやかましく騒ぎ、カラオケで歌い踊り、男狩りをやり、パンツを売って金を手にする。薬と売春をしないのが掟の5人。口が悪い裕子役の野田さんと底抜けに明るい梅役の富田さんのはじけた演技に笑わされます。(笑) 大人になっての小池さん、渡辺さんへの繋がりもよく出来ています。
奈美はどうやって、このメンバーに迎えられたか? リーダーの芹香が鰤谷(小野花梨)グループに薬を辞めるよう注意しているとき危機状況に。いつもの美奈と違って、芹香を救おうと無我夢中で彼女らに立ち向かったことで、仲間に迎えられる。この演技が、これまでにない広瀬さんのぶちぎれ“白目”演技。おもしろいです。
このがむしゃらな奈美の記憶が、サニーの再結成に繋がっていくという展開に説得力があります。
奈美は最初に口を利いてくれ隣の席であった梅(渡辺)を誘う。彼女は現在パチンコ狂の旦那のためにあやしげな不動産屋に勤務しているが成績不老で社長(新井浩文)にいじられている。梅は直ちに参加表明。しかし、ふたりでは無理と探偵・中川(りりー・フランキー)に捜索を依頼する。
やっと探し出した裕子(小池)。これまでのぶっ飛んだ性格を封印し、夫の浮気を疑いつつセレブなマダムとして暮らしていたが、浮気相手が若い女と知って、梅に会うと一気に青春に戻る。ふたりが繰り広げる口合戦に大笑いです!
これで残るは心と奈々。中山はふたりに会うは難しいという。心は、学生のころは下着を売ってシャネルを買ったりする女でしたが、今は夜の仕事で成形を立て、5歳の娘がいるが、実家に預けているという。
50歳を前にして、裕子も梅も、かっての生気がない。
奈美は心が働くクラブに出かけると、ひもの男で身動きができないらしい。奈美の血が騒ぐ。「今夜は貸し切り」と金を払うと「あんたは、わたしを笑いものにした」と奈美の申し出を拒否する。奈美は心をぶん殴ります。これでやっと心の“心”が動く。あの日の奈美が救いにやってきた!
ことの次第を、病院に芹香を訪ね、若い頃のようにベッドに横たわって話すと、「この物語、私でなく、あんたのものにしたらいい。あんたは主役の顔をしている」という。「これを観て!」とCDを渡される。
文化祭参加練習中に撮った「未来にむかって」というビデオレター。あのころの夢いっぱいだった今の彼女らに涙です。
奈美は「皆の元気づけで、島にいるときには考えられなかったが皆に会って、なんでもできる気がする。これからもみんなと仲良くする」と語っていたのでした。
「何とかしなければ」と奈々との記憶をたどる。
「サニー」の名で、6人が集まろうというとき、奈々が「こんな田舎ものと一緒じゃ」と反対して家に帰った。奈美は奈々の家に押しかけ、一緒に屋台で飲んで話合った。(笑)
奈々が奈美を嫌うのは二度目の母親が嫌な人で関西弁を話すからだとわかって、ふたりはお互いの良いとことを認め合って泣きながら、飲んだ、飲んだ。ふたりの酔っぱらうところが面白い。
文化祭。どのメンバーもtrf曲。目立とうとサニーはオザケンの曲でダンス出演という時に、緊張のあまり奈美が水を飲みに行って鰤谷に脅され、これを知った奈々が奈美を庇って、顔に大傷を負わされ、救急車で病院に運ばれた。雨の中で、みんなが泣いて奈々を見送った。
これ以来、奈々は消えてしまっていた。 文化祭がパーになり、みんなで泣いた記憶で奈々はきっと戻ってくれると奈美は確信していました!
芹香は、全員集まるという望をかなえることなく、突然逝ってしまった。
葬儀場で、奈美と梅が「皆きてくれるかな」と待っていると裕子が「離婚した、彼からフェラーリを取ってやった!」とやってくる。そこに心が「おまえらババだ!」と入ってくる。梅と心がやり合う。(笑)
探偵の中川がやってきて、芹香さんから私が死んだらやってと言われていたと「サニー再結成」の新聞広告を見せる。
そして皆さんに芹香さんの遺言がありますと告げる。「今後は奈美に任せる」とあり、再起不能な梅と心にすてきなプレゼントがありました。(笑) 「踊って受け取って!」に従い、踊っていると・・
そこに、最後のプレゼント。
奈々が20年前と全く同じ姿でやってきました。池田エライザさんが昔と今を演じた意味がここにあったんですね! 青春はすぐそこにある!!
自分のあの時代を思い出させてくれ、元気が出てきます。大ヒットできなくても、記録に残る名作です。リメイク、関係ありません。( ^)o(^ )
***