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第40回「波乱の新政府」

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明治2年、菊次郎(城絵史)は奄美大島から鹿児島の西郷家に引き取られ、世の中は大きく動こうとしていました。そのうねりに、父西郷隆盛鈴木亮平)も身を投じようとしていました。
 
そんななか、岩倉具視鶴瓶)と大久保利通瑛太)が「久光(青木崇高)は新しい政府に力を貸すためすみやかに上京すべし」という勅書を携え薩摩へやってきた。しかし、久光は“ごほんごほん”と咳き込み、体調不良を理由にこれを断った。()
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岩倉が「おそれおおくも天子様のおことばを断るとは!」と怒りを露わにする。
鶴瓶さんの演技ベタが目立ってきましたね!
 
別室に移り、
隆盛は一蔵に「何を企んでいるか」と大久保に問う。
「日本全国の藩を取り潰そうと考えている。今、藩がばらばらに行っている地方の政を、藩を潰して政府が直接行うようにする。途中で降りられん!」
「そこまでやるか。それには強い軍がいる。反乱を起こさせない軍じゃ。天子様の軍を作ってはどうだ。その威圧で天下ににらみを利かせてはどうだ!御親兵だ」
「よろしく頼む」
 
西郷家の庭で剣術の演練に励む若い侍たち。隆盛から御親兵の話を聞き、「天子さまの軍じゃ。新しい世の中での働き場所じゃ」と歓喜し、剣を振る。従道は「おれと一緒に働こう!」と檄を飛ばす。
 
台所で支度する奥さんたち。大久保の妻・満寿(美村理江)が「旦那様に東京へ連れていくと言われたが断った。旦那様には私が行かなくても面倒を見てくれる人がいます。旦那様はここに帰って来ないと覚悟を決めている」と糸(黒木華)に話す。
 
大久保が、臥せっている久光の訪れ「悪いようになしない」と上京の件を考えて欲しいと申し出るが、「そんな口を利くな!お前の指図は死んでも受けん」と断る。
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大久保は「これでは時世に取り残されます。わたしはもう島津ではなく天子様に仕える身です」と深々と平伏し「これで失礼します。島津久光殿!」と言い、去る。久光はこれに涙を見せる。久光にとってはむごい結末でしたね。青木さんの名演技を楽しみました!
 
 
夜、隆盛は、寂しそうにしている菊次郎を側に呼び、「東京に行きたいか」と聞くと「わからない」という。「今はしっかり学んで、時をかけて考えればよい」と励まし、東京に発つ。
 
明治41871)年2月、隆盛は熊吉を連れて、東京に着く。
上京した隆盛は、すっかり様変わりした風景に驚く。その日、大久保邸で隆盛を歓迎する祝いの会食が催され、新政府の面々が一同に会した。
洋間も豪華、料理も築地の料亭から取り寄せたという贅沢な西洋料理。隆盛はびっくりするものばかりであった。
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客は三条実美(野村万丞)に岩倉の公家組、木戸(玉山鉄二)・伊藤(浜野信吾)の長州組、板垣退助(渋川清彦)・後藤象二郎瀬川亮)の土佐組、江藤新平瀬川亮)・大隈重信(尾上寛之)の肥前組。誰がだれなのか区別がつかない、困りましたね。(笑) しばしば対立が起き、その裏には激しい主導権争いが起きていた。
 
さっそく木戸が「取り潰しの件、聞いておろう」と話しかけ、伊藤が「すぐにやったほうがいい」と言い出す。大久保は「促進したい」というが、議論が紛糾する。木戸が「長州ですら抑えきれん」と猛反対。隆盛は政府内の厳しい空気を感じ取るのでした。
 
皆が去ったあと、一蔵が、おゆうが淹れた紅茶で一息入れ「これが政府の実情じゃ。土佐と肥前が手を焼いているらしい。まだ、早急には藩の取潰しはできん」という。
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隆盛は「そう簡単には腹はくくれんぞ!それが人の心ぞ」というと、一蔵は「それでは鉄道が出来ん。ここにおはんが来た。これはおはんに託された仕事。おいについてきてくれ、頼む」。
「・・・・」
「すぐに御親兵の勅を出す」
 
そこに、「父上!」と大久保とおゆう(内田有紀)との間にできた達熊という息子が現れ、隆盛は複雑な思いをする。
 
その結果、鹿児島、山口、高知の3藩から合わせて8000人という大軍が東京へやってきた。隆盛が住む長屋に帰ってくると、彼らがそのみすぼらしに驚く。
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政府内では廃藩置県の案が煮詰まるころであり、大久保が勧めようとするが皆が反対する。
これに大久保が「これでは金が底をつく、新政府はどうなる」といら立つ。
隆盛が「簡単じゃ。質素倹約に努めればよい」と発言。これに一同しらける。
 
そのとき、給仕が昼飯を運んでくる。各自の前に豪華な重箱が置かれる。これを西郷は断る。大久保はこの態度に不快感を示す。
 
夜の宴席で、三条、岩倉が、西郷を動かすよう大久保に促す。
 
夜になって、隆盛と熊吉が住む長屋を訪ね、大久後が「皆があれではやりにくいと言う」と昼飯のことを注意すると「あはんら何をやってる。私腹を肥やす役人と腹を切った横山安武の言っていた通りだ。」と忠告する。
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大久保は「立派な家に住むのも豪華な料理を食べるのも、異国と舐められん、対等に話をするためだ。百年先の民の暮らしを考えてのことじゃ」と言い切る。
 
雨が降る日。「東京の雨には気が滅入る。薩摩に帰るというならいつでもお供をします」という熊吉に送られて、西郷は練兵場に出かける。
 
大久保が、木戸を自宅に招き、「土佐と肥前が反対している。これでは改革が遅れる。強く出るほかない。手を貸して欲しい」と廃藩置県の勅を出すことに協力を求める。木戸は西郷が動くことを条件に協力を約束する。
 
 
数日後、大久保は木戸と手を組み、土佐・肥前を出し抜いて廃藩置県詔書を賜る。
後藤、板垣、江藤、大隈が「こんな政府、騙し打ち」と怒鳴りこんでくる。岩倉が「先に政府が潰れる」と悲鳴を上げる。
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大久保が、「手足まといは辞めていただいて結構」という。これに後藤たちがいきり立つ。木戸が「西郷がいない。御親兵が動けてこそ実行可能。西郷が陣頭指揮を執ることになっている。君は騙したのか?」と大久保に問う。岩倉が「仲たがいしたのか」と心配する。
 
そこに、西郷が入ってきて御親兵の調練を見入っていたという。
後藤、板垣が「袂を分かつことになった。好きにしてください」と言い、去ろうとする。西郷は呼び止める
大久保が「かまわん。君が来てくれただけで十分だ」と、彼らの参加を無視しようとする。
 
これに西郷が「まだ、長州、薩摩だけでは出来るはずがない。一枚岩になってできる」と断固反対する。大久保が「そのために御親兵がいる。西郷がいる」と食らいつく。
西郷は「皆、おいたちを信じて集まっている。すべての民にそげん政府を見せてはいかん。我々の肩には戊辰で死んだ8000魂が乗っている。もう一度話そう。それでも出来ない膿なら反乱でもなんでも、おいがすべて引き受ける」と頭を下げる。こうして再び話し合いが持たれることになったのでした。そのシーンは熱く胸を打ちました。
 
皆が去ったあと、「おはんはなにか間違っていたか」大久保が告白する。
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「おはんはそれでよか。何年後、何十年後にこれでよかったと皆が思える日本にすればよい。それが、おはんがしようとする政ではないか。おはんが抱え込めんものは俺が代わる」と言って、握り飯を差し出す。
 
明治4年714日、諸藩の知藩事が集められ、廃藩置県の勅書が読み上げられ断行された。藩は完全に解体され、前藩事たちは全員罷免され新しい日本へと生まれ変わったのでした。
 
感想:
廃藩置県がいかにして出来上がったかの回でした。今回は家族の話はなく、()トキュメンタリーのように淡々と語れ、史実を踏んでことで、とてもよかった。
これが出来たのは、昼飯弁当でやってくる西郷の威圧ということのようですが()、これほどに木戸が西郷を恐れる理由がわからない。西郷のどこが怖いのか?
 
戊辰の戦いをすっ飛ばし、西郷が見せた軍統帥能力(人間力)がいかに優れていたかが描かれていないからでしょう。握り飯の弁当の話などではなく、軍(士族)が圧倒的に信頼を寄せる西郷を描かないと、わけわからない。鈴木さん、軍人にはもっと目力が必要です!
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記事 20101029
西郷どん>第40回「波乱の新政府」視聴率11.7% 西郷、再び表舞台に立つも…