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「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(2012)

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1960年代の米ミシシッピを舞台に、白人女性と黒人家政婦たちの友情が旧態依然とした街を変革していく様子を描いたベストセラー小説の映画化。
 
本作はアカデミー賞で作品賞にノミネートされ、オクタヴィア・スペンサー助演女優賞を受賞しました。他の出演者、ヴィオラ・デイヴィスが主演女優賞、ジェシカ・チャステイン助演女優賞にノミネートされるという女優さんたちの演技合戦がみどころの作品です。監督は俳優のテイト・テイラー、初監督作品です。
 
南部の上流階級に生まれた作家志望のスキーター(エマ・ストーン)は、当たり前のように黒人のメイドたちに囲まれて育ったが、大人になり白人社会に置かれたメイドたちの立場に疑問を抱きはじめる。真実を明らかにしようとメイドたちにインタビューを試みるスキーターだったが、誰もが口を閉ざすばかり。そんな中、ひとりのメイド:エイビリーン・クラーク(ビオラデイビス)がインタビューに応じたことから、社会全体を巻き込んだ大きな事態へと進展していく・・・。(映画COMより)
 
当時の米国はベトアム戦争の泥沼化に、黒人問題で大きく揺らいでいた時代。
この時代の黒人問題を扱う作品でありながら、ユーモアで黒人メイドの苦悩を見事に描き出しています。
タイトルを「糞っ喰らえ!」にした方がよかったと思います。()
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黒人メイドたちの最大の悩みは、雇主の都合で突然解雇されること。雇用主の便器を使ったことで突然解雇された黒人メイドの涙と笑いの物語です。
 
スキーターは夫人会長:ヒリー・ホルブルック(ブライス・ダラス・ハワード)から、家庭では黒人専用トイレを作るべしなど黒人処遇の改善策を担当コラムに掲載するようしつこく求められる。
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スキーターは乗り気でなかったが、ヒリーの文章drop off your old coatscoatsseatsと誤タイプします。()
このことで彼女の庭に市民から大量の便器が捨てられたというもの。()
 
スターキーはこれで黒人メイドの信頼を一気にものにしていきます。
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ヒリーのお婆ちゃん付き黒人メイド:ミニー・ジャクソン(オクタビア・スペンサー)は、嵐の夜、白人用トイレを使ったことで一方的なヒリーに解雇される。
ミニーは腹いせと“ウンチ”と詰め込んだチョコパイをヒリーに食べさせるというとんでもないことをやってしまいます。()
 
解雇されたミニーは、料理下手で友人関係に悩むシーリア・フット(ジェシカ・チャステイン)に雇われ、料理はもちろん人生の師匠となって行きます。
ヒリーにバカにされて悩むシーリアに、ミニーが「糞チョコパイ」の話をして慰めてやります。()
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ヒリーが主催するパーテイに参加したシーリア。酔っぱらったはずみで、ヒリーに「糞チョコパイ」の話を持ち出して脅します。ヒリーの慌てっぷり!()
 
メイドたちはインタビューに応じたことがバレないよう、スキーターに「糞チョコパイ」の話を本に書くことを条件にします(ヒリーがこの話はこの町の話ではないと主張させるため)。スキーターは、この事件を匿名で触れることにした。
 
本が出版されると大好評。シーリアはヒリーの勧めるアフリカ支援かんぱとして「糞チョコパイ2片分」として200ドルを郵送します。()
 
しかし、この論文を目にしたヒリーは黒人メイド・エイビリーンがナイフとホークを盗んだと因縁をつけて解雇してしまう。エイビリーンはヒリーを脅して立ち去ります。この後のヒリーは・・・・?
 
スキーターはミニーとエイビリーンに感謝されますが、ふたりに迷惑をかけるとニューヨークに去って行きます。
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オクタビア・スペンサーは「ドリーム」(2016)で、NASAの天才数学者でありながらトイレ問題で苦しむという役を演じています。()
 
今にして思えば、4人の夢の共演でした。若いエバ・ストーンが瑞々しく映っています。幼いころのメイドが亡くなったことを知って涙ぐむシーンが絶品でした。
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主題歌「The LivingProof