映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

“いだてん“第31回「トップ・オブ・ザ・ワールド」日本男子水泳チームは6種目のうち5種目で金メダル

f:id:matusima745:20190818210237p:plain
1932年、田畑(阿部サダオ)率いる日本水泳陣はロサンゼルスオリンピックで大旋風を巻き起こす。200m平泳ぎの前畑(上白石萌歌)も空前のメダルラッシュに続こうとするが決勝レースは大混戦に。IOC会長ラトウールは日本水泳の大躍進の秘密に強く興味を持つ。治五郎(役所広司)はその答えを見せようと日本水泳のエキシビジョンを思いつく。中学生のとき病気で競技を止めた田畑も、それ以来の水泳に挑戦することになる。
感想:
政治の男子水泳チームのメダル数全種目金であったが、ひとつを除き達成。この成果に日系人は大感激、また日本中に笑顔にあふれた。まさに「トップ・オブ・ザ・ワールド」でした。特に日系人の方々の気持ちを思うと、一層このドラマに感動でした!

しかし、政治には悔しさがあった。大横田に金を取らせてやれなかったこと。自分の不手際が原因と泣く政治。この悔しさが、阿部さんの熱演で、よく伝わるシーンでした。
速記の菊枝(麻生久美子)が「ひとつ残したのは、田畑さんの品格です」と政治に初めて声を掛けた。この声に政治は癒された。おそらく、ふたりは「トップ・オブ・ザ・ワールド」の気分。ロサンゼルスオリンピックのうまい締めでした!

***
昭和7(1932)年夏。日本水泳200m決勝の日。熊本に帰った金栗四三中村勘九郎)。池部家を継ぎ廻船問屋の旦那さんになって、働いているようでふりしているだけ。(笑) ラジオの前で、前畑の実感放送を待っていた。前畑が女性と知って、「しっかりせんか」と四三に嫌味を言う幾江(大竹しのぶ)。(笑)

女子200m平泳ぎ。女子チームはそれほど期待されなかったが、前畑だけは決勝に勝ち進んだ。それだけに期待が大きい。控室で前畑は自信ないと震えていた。治五郎、岸(岩松了)が、ナオミ(織田梨沙)も応援にやってきた。

f:id:matusima745:20190818124256p:plain
200m平泳ぎ決勝のスタート台に立った前畑。「何が何でも勝て!」と政治の檄が飛ぶが「まーちゃんがキューリ食べる顔を想像して泳いだら」という初穂(木竜麻生)のことばに思い出しスタート台に立った。上白石さんの目力がいい!

スタート。接戦が続き、残り50mで前畑は3位につけ、総立ちの観衆の応援のなかで、懸命に泳いだ。プールの壁に1、2位ほぼ同時にタッチ。前畑はなにもわからず高石(斎藤工)に引き上げられた。チームメイトの初穂から3分6秒と聞かされた。1位はデニスで3分6秒3だった。前畑は銀メダルで、女子水泳界で初のメダルをもたらした。
試合後の実感放送で、前畑は「私の力で泳いだとは思えない。神様が助けてくださった!うれしさで胸が一杯です」と語った。
放送した河西(トータス松本)は「国民の期待を背負った前畑さんには、レースの興奮を十分しゃべれないで申し訳なかった」と詫びた。

この放送を聞いて四三は「あんたようがまんしたばい!」と称えた。

男子100m背泳ぎでは、日本選手が金、銀、銅メダルを独占した。「君が代」とともに三つの日の丸が掲揚され、岸(岩松了)は治五郎の肩に寄りかかり「これを東京でやったら・・」と号泣した。
治五郎は「君が代」を歌う日系人を示し「あのうれしそうな顔を!この国で肩身の狭い想いをしているものにとって、これほどの贈り物はない」と感激していた。

治五郎はその後、IOCのラトウール会長と会談し、日本の水泳の急成長の秘訣を尋ねられた。「急に強くなったのではなく日本には4百年来続く日本泳法がある。競走するのではなく、自分の技を磨き水と体が一体となって泳ぐ泳法だ」と答えたところ、ラトウールはぜひ見せて欲しいという。

治五郎はこれを了解し、閉会式のエキシビジョンで日本チームが日本泳法を披露することになった。
若手たちはクロールで育っているのでこの泳ぎは無理。ということで松澤(皆川猿時)、野田(三浦貴大)とともに、当初嫌がったが政治も泳ぐことになった。

一方男子は1500mで金、銀のメダルを獲得。最終種目の200m平泳ぎでは「小池(前田旺志郎)の練習台」と政治に言われていた鶴田(大東駿介)が一位、小池が2位となった。放送で鶴田は「小池を助けて一位にするのが私の役目。本気で泳いでも勝てなかった。今日は小池が年寄りに気を使ってくれた」と小池を讃えた。

日本男子水泳チームは6種目のうち5種目で金メダルを取り、メダル数は12個に上った。

8月14日閉会式のエキシビジョンで治五郎が英語で今大会における日本の水泳競技成果をあげ日本泳法を展示するとスピーチ。役所さんの英語は完璧です。嘉納治五郎という人はこんなに英語の上手い人だったのですかね。
政治らがふんどし姿で各種日本泳法を披露した。実演の最後には、立ち泳ぎをしながら文字を書く「水書」を行った。9人の選手で書いた文字を掲げると「Xth ORIMPIAD」。世界の水泳選手がプールに飛び込み、日本の勝利を祝ってくれた。この光景に政治が「オリンピック、最高!」(トップ・オブ・ザ・ワールド)と声を上げた。

f:id:matusima745:20190818212205p:plain
実感放送も好評のうちに終了し、河西(トータス松本)と松内が政治に別れの挨拶にやってきて、二人は「すぐに帰国せずヨーロッパを視察旅行に向かう」と言い「満州事変に関するリットン調査団の報告書が作成されることになっており、その内容によっては日中関係の悪化は避けられない」と漏らす。

 

プールの監視員・エイブが「一種目を失う名」と書いた張り紙の意味は何だと聞いてくる。政治は「no meaning」と答える。実はこの貼り紙、「オリンピックは勝つことではなく参加すること」というクーベルタンのオリンピック憲章の上に貼ってあった。(笑) 不思議そうな顔をするエイブ。(笑) オリンピック憲章クソクラエだった。オリンピックの理想は国意発揚のためには隠される。

 

日本選手団がロサンゼルスを去る8月15日、リトルトーキョーでは、日本人もアメリカ人も日の丸の旗を振って見送った。
バスに乗って声援に応えているとひとりの日系老人がバスの前に立ちはだかりる。ナオミ(織田沙織)が老人に付き添っていた。老人は「白人から日本の水泳選手はすばらしいと声をかけられ感激した。母国を見直した。」と政治に声を掛けた。「アメリカに来て27年になるがこんなことは今までなかった。白人が私の手を握ってくれた。自分は日本人がということが出来ます」と大感激し。
ナオミが「祖国を見直した、前畑さんはすばらしい」と前畑に抱きついて感謝していた。

f:id:matusima745:20190818212256p:plain
「俺は日本人だ!」と老人が叫ぶと、次々とあとが続いた。政治もバスの上から「おれも日本人だ!」と答えると、バスの後ろに止まっていた車から治五郎が下りてきて「わが同胞のみなさん約束しよう。東京でオリンピックを開く暁になったら、皆さんを招待します」と。巻き起こる大歓声に、「次は東京であおう」と声を上げた。とても良いシーンで熱いものを感じました。

池部家ではオリンピックに刺激を受けて四三が久しぶりに冷水浴をして金栗足袋の紐をしめ駆け出そうとすると、スヤが「気をつけて、もう若くはなかけんね」と。

帰国した日本選手団は東京駅で大歓迎を受けた。その後、政治は新聞社に立ち寄ると、政治部では菊枝(麻生久美子)がひとりで作業していた。
これまでに発刊された号外の記事を見ていて、「全種目制覇ならず!大横田、銅」の見出しを見つけた政治は「大横田、すまん気付いていてやれなかった!腹巻して寝るやつ、俺の責任だ。間違いなく1位だった。牛鍋なんか食わせなかったら、ああ悔しい」と泣いた。

f:id:matusima745:20190818212327p:plain
これを見た菊枝、「全部取らなかってよかったと思います。全部取ると面白くないし、次の目標がなくなります。一個残してきたのは、田畑さんの品格です!」と、初めて口を利いた。(笑)
政治は「へんな声、聞いたことなかったな、君の声、誰だったかな」、「酒井です、酒井菊枝」、「酒井君ね、ありがとう、品格、うん、そんな気がしてきた」と政治。これを聞いて「トップ・オブ・ザ・ワールド」と菊枝がほほえんだ。

そこに緒方(リリーフランキー)らが戻ってきて、「おつかれさん、ひとつ残して残念だったな!」と政治に声を掛けた。「品格ですよ!」と政治。

日比谷公園で大市民大歓迎会。ここで大問題が起きた。東京市長の永田(イッセー尾形)が前畑に「なぜあなたは金メダルを取って来なかったんだね。もう銀とか金はいらん」と問いかけた! 
                                                          ***


カーペンターズ トップオブザワールド The Carpenters HQ