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「THE UPSIDE/最強のふたり」(2018)

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フランス映画「最強のふたり」(2011)のハリウッドリメイク版。フランス版をすっかり忘れていて再挑戦。どんな作品だったかなと思いながらもとても面白く楽しい作品でした!

全身麻痺の大富豪と彼の介護人となったスラム街出身の無職の男が、思いがけない友情を育んでいくさまを描くという作品。なんでこのふたりがくっつくの?

要介護者と介護者の生活を描いたこの作品が面白かった?楽しかった?とんでもないと叱られそうですが、これがこの作品のテーマでした。要介護者と介護者はどうあるべきか、毎日に変化があって、わくわくすることが起きなければ“生きる”必要がない。そう、身分の差などぶっ飛ばせ、ふたりの間の障碍など考える必要はない!という痛快な物語でした。( ^)o(^ )

わが国では「こんな夜更けにバナナかよ」(2018)があります。

フランス映画との差は、二人の心が結ばれていくエピソードがド派手なユーモアで描かれるところ、もうひとつは障害者の性の問題を前面に持ってきたこと。これを主演・ケヴィン・ハートがノリノリで演じてくれ、まったく嫌味がない。笑った、笑った!

さらにニコール・キッドマンが出演していること。彼女にどんな役が与えられたか?楽しみにしていましたが、あっと驚く結末に大満足でした。(笑)

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監督は「それぞれの空に」「ダイバージェント」のニール・バーガー。主演は「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」のブライアン・クランストンと「ライド・アロング ~相棒見習い~」のケヴィン・ハート。共演にニコール・キッドマン、ジュリアナ・マルグリースらが出演です。

あらすじ:
スラム街出身で職もなく、妻子にも見放されたデル(ケヴィン・ハート)は、全身麻痺で車椅子生活を送る大富豪フィリップ(ブライアン・クランストン)の介護人として働くことになる。秘書のイヴォンヌ(ニコール・キッドマン)をはじめフィリップの周囲の人々は、キャリアも教養もなく、お調子者のデルを雇うことに否定的だったが、周囲の反対をよそに、フィリップとデルは互いにひとりの人間として接し、充実した日々を送る。しかし、フィリップは誰にも言えない秘密を抱えており、ある日、ふたりの友情を揺るがす出来事が起こる。
(映画・COM)

****(ねたばれ)
冒頭、デルが渋滞のニューヨークの町を暴走しポリスの尋問を巧みにかわして、フィリップを病院に送るシーン。何をやっても仕事が手につかないデルが、半年後、フィリップの“生活援助者”の採用面接を受けて合格するが、何故デルが合格したか、この冒頭シーンが作品のテーマであることをしっかり示すという秀逸なシーンでした。物語の展開テンポがいい。

デルが冷徹な眼差しを送ってくるイヴョンヌの監視下で(笑)、フィリップの日常生活を介護することになる。乱暴な食事や入浴介助などユーモラスに描いて笑わせてくれる。身障者のためにと優しく丁寧にというのと違って、「痛い」「いい加減にせい」ということから会話が始まるのが良い。食べないフィリップに「生きたくないのか」と問えば「蘇生措置なんぞ無駄」というあんばい。

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フィリップがデルを誘って自分の高級車を見せるとさっそくドライブ。猛スピードで走る車のふたりには、貧富とか教養の差とか面臭い障碍はない。これでフィリップはこれまでできなかった絵画を鑑賞、購入するという趣味を取り戻す。デルは高級車を運転でき、喜ぶフィリップの笑顔を見るだけで十分だった。

夜はフィリップにとって孤独な時間。自分の趣味であるパラグライダーにガンの妻を誘い天候判断ミスで失った妻を思い出し、厭世気分で過呼吸に陥る。夜間起き出して「生きろ!」と酸素マスクを付け励ますデル。

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フィリップから苦しみの理由を聞いたデルは、書斎で見つけた本「水平思考」をヒントに、水平思考とは「一番近くにあるハッパを探すアプリiDealだ」と言い(笑)、薬の入ったタバコを吸わせ、ハンバーガー店で14個ものバーガーをふたりで食べる。このデルのやりかたにフィリップは「お前は賢い」と心を奪われる。死の恐怖から逃れるにはこのくらいのショックが必要でしょう!

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ふたりの仲が縮むなかで、排せつは療養士マギー(ゴリシフテ・ファラハニ)の役割りだったが出て来れないという事態が発生。イヴョンヌはデルがやれと指示。デルはマギーのやりかたを見てはいたがまさか自分がやるとは?フィリピンも笑って“やれ”という。デルは尿道カテーテルの装脱に挑戦!抜くのは簡単だったが、装着時フィリップのあれに異変が!(笑)

これを知ったデルは町の女たちを呼び寄せふたりでマッサージを受ける。(笑) ふたりで音楽会に行くと、デルがフィリップのためにと女性に声を掛ける。(笑)
ここで聞いた歌劇「魔笛」にデルはいたく感激、フィリップの趣味に関心を示し、自分も絵描き気分で絵を描き始める。犬を描いた絵「グーベルマン」が大金で売れるとは!富豪のフィリップが値をつければそれが値。最強の友フィリップでした。(笑)

フィリップへの手紙を整理していて見つけた。1年も続いているペンパルからのもの。デルは相手の女性リリー(ジュリアナ・マルグリース)に電話を繋いでフィリップに話しをさせる。フィリップも会ってみたいという気持ちになる。

そしてフィリップの誕生日。この日、デルはフィリップと一緒に高級車で息子アンソニーに会いに行き、紹介する。実は自分が盗んでいたフィリップの大切な本を息子に与えていて、これを返すためだったのだが。こぅいうデルの律儀さ、正直さ、親子の情にフィリップは感動する。

フィリップは夜の友人たちのお祝いの席に出ないという。なんのために集まった人たちかと説得し、デルが仕切ってお祝い会を盛り上げる。クラシックからヒップホップ、ソウル・ミュージックを楽しみ、全参加者によるダンス。笑わないイヴォンヌが踊り笑い、これを見るフィリップが大喜び。雰囲気が一変する。私的な話をしないイヴォンヌとフィリップが身の上話をした。

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土曜日、フィリップがリリーとレストランでデート。食事が始まるとリリーが甲斐甲斐しく食事を介助する。これはフィリップが最も嫌うこと。この作品のテーマでもある。フィリップは怒って席を立った。

帰ったフィリップはデルと大喧嘩の末、デルを解雇した。

整備士として働いているデルのところに療養士マギーがやってきて、辞めたという!
これを聞いたデルは、イヴャンヌの企みを見抜いて、フィリップを訪ね、ふたりでパタグライダー場に向かった。大空に舞い上がったふたりに、ここでは喧嘩はできない(笑)、もう喧嘩の種はなかった。
デルはフィリップにしっかりおめかしさせて展望の利くレストランに案内し「最高の気分にさせてやる」と去って行く。そこにイヴャンヌが現れた。

これは実話、現在もふたりの関係が続いているとのこと。やはりこれは最高のふたりでしょう! 面白い楽しい感動作品でした。
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映画『THE UPSIDE/最強のふたり』12/20(金)公開/本予告