映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「今夜、ロマンス劇場で」(2018)

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クリスマスイヴにWOWOWで観賞。とても評判の良い作品。綾瀬はるかさん狙いで観ることに!(笑)
時代は‘60代、モノクロ映画の中のヒロイン(綾瀬はるか)と現実世界の青年が織りなす切ない恋の行方を描いたファンタジックなラブストーリー。

こういう役は天然の綾瀬さんにぴったりでした。(笑)

監督は「のだめカンタービレ」シリーズの武内英樹さん、脚本は「信長協奏曲」の宇山佳佑さん。「パッピーフライト」(2008)以来、綾瀬に惚れ込んで作った作品とか。
主演は綾瀬はるかさん、坂口健太郎さん。共演に本田翼・北村一輝中尾明慶石橋杏奈西岡徳馬柄本明加藤剛さんら。加藤さんの遺作になりますが、とても魅力的な役で加藤さんにピッタリでした。

あらすじ:
映画監督を目指す青年・健司(坂口健太郎)はモノクロ映画のヒロインである美雪(綾瀬はるか)に心を奪われ、スクリーンの中の彼女に会うために映画館に通い続けていた。そんなある日、美雪が実体となって健司の前に現われる。モノクロ姿のままの彼女をカラフルな現実世界に案内するうち、健司と美雪は少しずつ惹かれ合っていく。しかし美雪には、人のぬくもりに触れると消えてしまうという秘密があった。
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脚本がとても面白い。
物語は、入院中の老人(加藤剛)が、看護師さんにせがまれて、未完の脚本を読み聞かせ過去を振り返るという形で老人の恋物語が、現在と過去を交差させながら語られる。老人は健司、そこに訪ねてくる美しい人を“孫”と紹介するんですね。なぜか?

若き健司はお蔵入りになる映画がもったいないと館主と懇意なロマンス劇場に通いに、美雪主演の映画「お転婆姫と三獣士」(某国の王女さまの美雪が城を抜け出して三匹の狸と冒険する物語)に熱を上げ、その熱が伝わって、美雪が白黒映像のままで健司の前に現れた。(笑)

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この物語はオードリー・ヘプバーンの「ローマの休日」(1953)をオマージュし、美雪が白黒映画の世界を抜け、華やかな色彩のある現世界に触れ、健司の求愛で元に戻れなくなるという恋物語

美雪が現れるや「お前!」「おい下部!」と健司を呼びつけ「尻の穴が小さいぞ!」と宣う。これで、綾瀬さんをオードリー・ヘプバーンと比較するなと釘を刺し、ユーモアたっぷりな作品になっています。しかし、綾瀬さんは美しい!

’60年代の映画世界。笑って、その結末に泣けます。
人気俳優の後藤龍之介(北村一輝)の「ニュー・シネマ・パラダイス」撮影現場に紛れ込み大騒動を起こすという当時のドタバタ喜劇のエピソードが描かれ、美雪が何をしでかしても笑えるというこの時代の映画なんですが、「カツベン」(2019)と被ってしまいましたね!

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いろいろなエピソードに古今東西の名作へのオマージュがちりばめられているらしいが思い出せない! 映画愛に富んだ作品です。

製作会社の令嬢・成瀬塔子(本田翼)の提案で、社員から脚本を募集し映画化することになり健司もこれに応募することにする。美雪をいろいろなところに連れ出し脚本のネタ探し。美雪の色彩の美しいファッションが見どころ。しだいに美雪に惹かれていく。

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塔子が健司に愛を告白したことで、健司は悩む。健司は美雪に指輪をプレゼントしようとするが「人の温もりに触れると消えてしまう」と断る。健司は脚本を書き終えねば一緒におれるとその結末を先延ばしにし、「好きな人には触れずに生きれる」とふたりはいつも一緒に過ごすことにした。

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健司は歳を重ね老人となり入院生活となるが、美雪は歳をとらない。映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」(2008)の逆です。(笑) 老人が脚本を書き終え、死を迎えるとき美雪が「温かくして!」と老人に縋り、ふたりは映画の世界に戻る。よく考えましたね、こんなストーリー。(笑) 

これ‘60年代“昭和の恋愛ドラマ”でした。健司って「映画って、いいですね!さいなら!さいなら!」の淀川長治さんですよね!(笑) 主題歌がすばらしい!
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映画『今夜、ロマンス劇場で』主題歌PV シェネル-奇跡-【HD】2018年2月10日(土)公開