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「るろうに剣心 最終章 The Final」(2020)

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これまでの“るろ剣”過去3作を観ていて、7年ぶりの本作を楽しみにしておりました。コラナ禍の中での公開でしたが早速観て参りました。

最終章は“The Final”と“The Beginning”の2編からなり、物語の完結はこの“The Final”、ラストでなじみのキャラクターが集合し大円団で終わります。じゃなんで“The Beginning”があるんだということになるんですが、シリーズを通して「なぜ、剣心は2度と人を斬らないと誓ったのか?」という最大の謎に迫るというもの。

“The Final”、

剣心は斬れない“逆刃刀”を手に“不殺の誓い”で、志々雄真実との死闘を乗り越え、今は仲間たちと平穏な日々を送っていたが、彼には妻巴を斬ったという拭ってもぬぐい切れない心の傷があった。巴の弟雪代縁は剣心が巴を斬るのを目の当たりにし、姉の仇をとるため清国に渡り身体と剣技を鍛えマフィアの長となって帰国、想像を絶する憎しみで剣心に挑んでくるのだが・・・。

原作:和月伸宏さんの人気コミックス「るろうに剣心明治剣客浪漫譚―」の“人誅編”。未読です。この未読は“The Final”を観るには” ちと“痛かったですね!

監督・脚本:大友啓史、撮影監督:石坂拓郎さん、音楽:佐藤直紀、アクション監督:谷垣健司、美術:橋本創、

出演者:佐藤健武井咲青木崇高蒼井優伊勢谷友介江口洋介らこれまでのシリーズで活躍してきたメインキャラクターに雪代縁として新田真剣佑が初参戦。

るろ剣”は剣劇圧倒的なスピードアクションで観せるという新風を吹き込んだ作品。本作はこれをさらにアップして見せようという大友監督の気概を感じる作品で、すばらしい剣劇を見せてくれます。おそらく世界にもっていっても負けないと思います。

本作は縁の剣心に対する仇討ち劇剣劇をエモーショナルなものにするためには仇討ちの動機がしっかり語られなければならない。が、この部分の大部を“The Beginning”で描くことになっているので、確かに描かれているのですが、私的には不満でした。そんなわけで早く“The Beginning”を早く観たいです。監督はこれを期待したのかな!(笑)

あらすじ(ねたばれ):

1879年(明治12年)、西南戦争も終わって、剣心は彼に思いを寄せる神谷道場師範代、神谷薫(武井咲)や、道場でともに暮らす門下生の明神弥彦(大西利空)、喧嘩屋の相楽左之助青木崇高)、女医の高荷恵(蒼井優)ら仲間たちと平穏な日々を送っていた。

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このころ上海で身体を鍛え裏社会のボスにまで上り詰めた雪代縁(新田真剣佑)が帰国していた。彼は姉巴(有村架純)を斬殺した剣心(佐藤健)に「痛みだけでない、苦しめてやる」、そのためには剣心だけでないぞ、國も、彼を育てた人、仲間も痛めるという激しい復讐心で“己が下す”という“人誅”を策していた。これほどの復讐心がどのようにして生まれたか?

縁は密貿易組織(長:呉黒星(音尾琢真))を持ち、同志として乙和瓢湖(栁俊太郎)、鯨波兵庫(阿部進之介)、乾天門(丞威)を擁していた。

先ずは剣心への仇討ち宣言として浅草に大筒弾をぶち込み火災を起こさせ、“人誅”という痕跡を残した。薫や恵、相楽の間に不安が走った。剣心には思い当たることがあったが、薫に明かすことには躊躇していた。

そんなときに、薫と昵懇の前川道場と剣心にとって身近な人物として神谷道場がある町を管轄する警察署所長宅が、それぞれ乾大門と乙和瓢湖に襲われた。

剣心が浦村警察署長宅に、相楽が前川道場に走った。

剣心と瓢湖の格闘。大鋏を振り回す瓢湖との闘い、剣心の回転、壁を伝うスピードのある動きに瓢湖は対応できない。前川道場では多くの巡査が斬られた。これに警視庁警官の斎藤一江口洋介)が激しい怒りを見せ、タバコを投げ捨てた。(笑)

浦村警察署長宅からの帰る剣心を掴まえ、縁が「人誅」を宣言した。縁は剣心の周りから復讐し始めた。

剣心は薫、恵、相楽に「俺が斬った妻巴の仇討ちに縁が現れた」と告白し、「顔にある“十字傷”はもう斬らないと誓った傷だ」と話した。薫が動揺したが恵の「剣心は生きている!新しい思い出を作ればいい」という言葉に励まされた。

年末、稽古納めが終わったところに、巻町操(土屋太鳳)が京から、剣心が寺に預けていた巴の日記を届けるために、四乃森蒼紫(伊勢谷友介)と伴って訪ねてきた。蒼紫は警視庁の知合いから「剣心が絡む案件で東京に血の雨が降る」という情報を得て街に出掛けた。

斎藤が率いる警察隊は中華人街の“倉庫”で待つ乾大門逮捕に向い、組合員たちとの戦闘になった。まんまと縁の策に嵌った!(笑)

夜間、気球に乗った縁が空から「人誅」のビラを撒く。大筒で砲弾を街中にぶち込んでくる。火災の発生、縁の東京襲撃が始まった!ビラを拾った蒼紫が剣心の居場所を探す!

浅草にいた剣心に鯨波兵庫一派が襲いかかり、駆けつけ蒼紫と操に無名異が襲い掛かった。

縁自らが手土産に刀狩の沢下条張(三浦恭介)の死体を持って神谷道場に乗り込み、相楽を倒し、道場を荒らし、薫をさらって自邸に戻った。薫の首を絞めて殺そうとするが殺せなかった。そして泣いた!

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剣心と鯨波兵庫の格闘、いきなりアームストロング砲を撃ってきたが、剣心は屋根を走り、空を跳んで斬っていく。兵庫の最後、「俺を斬ってくれ!」というが剣心は「人を殺めぬ!生きてくれ!」と去った。

神谷道場に戻ると薫は連れ去られ、相楽は無様な姿だった。(笑)最後のときが来たかと縁の屋敷に向かった。斬りかかってくる黒幕の男たち。斬りまくって、先ずは呉一派を倒して縁と対峙と、呉の館に入るとそこに瀬田宗次郎がいた。(笑)

呉は縁の仇討ちが終わった暁には組織を譲り受ける約束が出来ていたが、剣心が生きていては叶わない。そこで宗次郎を呼び寄せていた。

宗次郎は「お久しぶりです緋村さん!私もるろう人になっています」と挨拶。(笑)ふたりで息を合わせて、空と飛び壁を走り、男たちを斬って、斬って、斬りまくる。最後は宗次郎に任せて、縁の待つ館に。

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館で待ち受ける縁。空間を利用して倭刀を振回し、四阿を斬ってしまうほどの怪力の持ち主。さらに限界のない復讐心をもつ。これに対し、許しを請う剣心の剣。最期に宗次郎の小刀を腹に受け止め、駆けつける薫の姿に「薫を守ってくれてありがとう、悪かった!」と。縁が泣いた!

縁は牢のなかで姉巴の日記を読んで泣いた!そこには「あの人は人を斬り、その先に殺すより、大勢の人を守る。ここで死なせてはならない。私は彼を斬ろうとする人に、替わりに斬られたい!私が命を替えて守ります」とあった。

感想:

スピードと空間を使った剣技が最高でそのバックの建物や美術品が素晴らしい。ロケ地がまた良い!この時代の独特の世界感、空気に酔わされました!あっという間の138分だった。

あの人も、この人もと無理して出てくるキャラクターたち。(笑)そして迎える剣心と縁の死闘、憎しみを押さえきれない縁の剣、どう贖罪するかの剣心の剣。剣を交えながらお互いの心を探る。剣心は死んだほうが良いのか生きてどう贖罪するか?縁は剣心の謝罪に何を求めるか?これがハイライトでした。ラストで見せる剣心と薫の愛の姿、泣けますね!

ストーリーも面白い。それ以上に剣術アクションが圧巻だった。剣心を始め、敵役の方々みなさんも含めて、皆さんの演技がすばらしかった。きっと随分練習したんでしょう。新田真剣佑さんのキャラクター作り、剣技演技が目を惹きました。すばらしかったです。冒頭の横浜駅での大暴れシーン。彼の身体能力の高さを示してくれました。

そして土屋太鳳さん、いつの間に蒼紫が消え(笑)、ひとりで八ツ目無名異に“舞うように”立ち向かう剣技は見事でした。武井咲さんの柔らかくなった演技にうっとりしました!

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大友監督の大河ドラマ龍馬伝」から始まったと言ってよい“るろ剣“シリーズ作品、「3月のライオン」「影裏」を経て、すべてがここに結集された作品に出来上がっていたように思います。

さて“The Beginning”、愛の物語であり、戦の絶えない今の世界にどんなメッセージをくれるかと楽しみにしています。

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