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「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」(2020)人生の終わりが007、納得の結末でした。

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真っ白な状態で観て欲しい、面白いから!」という感想文に接して、ダニエル・グレイブ版最終作を観ることにしました。ということで全く素人の感想文になります。

本作はダニエル・クレイグジェームズ・ボンドを演じる5作目にして最後のダニエル版ボンドとなる「007」シリーズ第25作目。「カジノ・ロワイヤル」に始まるグレイブ版ボンド作品に込められた伏線を回収し決着をつけて集大成となる立ち位置にあります。ジュームスボンドで終わるのか007で終わるのかという結末が見えてきた感じがしますね!😊

監督:キャリー・ジョージ・フクナガ、シリーズ初監督、日系3世で今村昌平監督フアンとか。脚本:過去6作のシリーズを手掛けたニール・バーヴィス&ロバート・ウエイド、フクナガ監督、フィービー・ヴォーラー=ブリッジ。撮影:「ラ・ラ・ランド」のリヌス・サンドグレン、音楽:「ライオン・キング」のハンス・ジマー主題歌:ビリー・アイリッシュ

出演:ダニエル・クレイグ、ミラ・マレック、レア・セドゥ、ラシャーナ・リンチ、アナ・デ・アルマス、ジェフリー・ライトレイフ・ファインズロリー・キニア、他。

MI-6を辞職し、現役を退いたジェームスポンド(ダニエル・クレイグ)は、愛するマドレード(レア・セドゥ)と共にジャマイカで平穏な日々を過ごしていた。そんな彼のもとに旧友のCIA諜報部員フェリックス・ライター(ジェフリー・ライト)が訪れ、誘拐された科学者の救出を依頼。現役復帰したボンドは、危険な最新技術を操る正体不明の敵との創造を越える過酷な戦いに身を投じていくというもの。

冒頭、マドレードの幼少時の秘密、トラウマが明かされます。ヘビードリンカーの母親と暮らす彼女のところに、能面を被った男がやってきて「父の仇!」と母親を射殺。マドレーは屋外に逃げ凍結した湖面を走るが、割れて水中に。そこを拳銃で撃ってくる男、ミラ・マレックでした。😊

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しかし、彼はマドレードを殺しはしなかった。いつか彼が殺しにくるというのが彼女のトラウマ。これをボンドに告白したいが、今の幸せを失いたくない。

一方のボンドも自分が幸せであればあるほどに、無念に死なせたヴェスパー・リンドが思い出される。マドレードは「あとで話すから、それを忘れて!」とボンドにリンドの墓参りを促した。

「決着をつける」とやってきたリンドの墓参りで、彼が対峙してきた最大の敵スペクターの残党プリモ(ダリ・ベンサーラ)に襲撃された。ボンドはマドレードを連れ出し愛車アストロン・マーチンで逃げ出すが、敵は執拗に攻撃してくる。なぜこうなるか?マドレードの答えも曖昧だった。これでは殺されると、マドレードと別れひっそりジャマイカに逃れ過ごすことにした。ふたりが別れなければならない理由付けの30分にも及ぶ長い前振り。(笑)しかし、イタリア南部のマテーラも街をバックにしたカーアクションがすばらしく全く問題なしです。😊ダニエル・クレイグのアクションにはリアリティを感じ、彼のこれまでの精進が偲ばれます!

この長い前振りが切ない結末“NO TIME TO DIE”に結び付くといううまい脚本です。ここでのマドレードの恨み節がいい!!😊

この事件から5年後。DNA兵器研究者のオブルテェフ(デヴィッド・デンシック)が、研究試薬とデーターベースとともに、スペクターだと名乗る男たちに誘拐されるという事件が発生した。

MI6のM(レイフ・ファインズ)は秘書イヴ・マネーペニー(ナオミ・ハリス)からの事件の報告を受け、密かに処理したいと後任の007・ノーミ(ラシャーナ・リンチ)に捜査を命じた。

元CIA諜報員フェッリクス・ライターがCIA諜報部員ローガン・アッシュ(ビリー・マグヌッセン)を伴って、悠々自適生活のボンドを訪れ、オプルチェフ確保に協力してくれと依頼した。一方、ノーミも007を名乗って協力を求めてきた。ノーミの007、精悍な感じでいいですね!

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退役中のボンドはMにノーミの件を確認すると「CIAを出し抜く!」と自慢げに言うから、旧友ライターに協力することにして、スペクターが開催するキューバの集会に参加することにした。

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現地ではキューバの諜報員・パロマ(アナ・デ・アルマス)が待っていた。ふたりで会場に乗り込むとボンドの出現を待っていたように、刑務所にいるはずの元スペクター元首領ブロフェルドの声、「逃げられんぞ!」と。液体噴霧下、一斉に襲い掛かるが、相手がバタバタと火傷して倒れる。その隙にオプルチェフが逃走。スペクターの残党にパロマが対応、ボンドはオプルチェフを確保してライターが待つ船舶に戻った。何が何だかよく分からなかったが、パロマ役のアナ・デ・アルマスが美しく、舞うような格闘シーンが見事です。彼女の出番はこれでお終い。ここまではテンポよく、アクションに音楽が上手く絡み、臨場感のあるアクションドラマになっています。

会場での顛末をオプルチェフが「ボンドのDNAをスペクターのものに入れ替えていた」と自慢げに語る。「これを指示したのはアッシュだ」と言った途端に、アッシュがライターを射殺し、船舶を爆破して、オプルチェフを連れ準備していた水上機で飛び去った。ライトが亡くなり、オプルチェフ取り逃がしトリックはよく分からなかったが、スパイドラマらしくていい。(笑)

ここでいよいよ冒頭の仮面男・サフィンが登場です。マドレードはボンドと別れたあと、精神科セラピストとして病院で働いていた。そこにサフィンが現れ、マドレードは震えあがった。「あのときの貸しを返せ!」といわんばかりに、ある薬(ナノポット)を飲まされた。サフィンは悪魔のような男ですが、ミラ・マレックの冴えない表情では少し物足りない!(笑)

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ボンドはオプルチェフを取り逃がし、そのことの重大性でMに会うためMI6を訪ねたが、受付で名を名乗らねばならぬ身。Mは聞く耳を持たぬ!幸いオプルチェフが残したUSBを秘密兵器担当主任Q(ベン・ウイショー)が分析したところ、世界がひっくりかえるほどにデーターがあり、これでボンドは現役復帰した。

ブロフェルドは誰に攻撃されているのか?本人に聞きたいと、彼を良く知るマドレードとともに刑務所に捕らわれている彼に会いに行く。

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再会したボンドとマドレードが撚りを戻す切っ掛けは何か、その後のふたり、そしてボンドの最期を見届けてください!感動的です。しかし160分は長すぎる!アクションもダブリが多く、森林内の戦闘シーンなんぞ不要で、ここからはかなりカットできますよね!でも監督の日本へのサービス映像があって楽しめます。

感想:

一見さんに!過去作知らなくても、大丈夫です!十分に楽しめます。分からないところは解説ブログがわんさかありますから、これで肉付けです。😊しかし、ダニエル・クレイグの007としての成長を、過去作を通して見たくなりますね!

諜報員に勲章を授けるとしたら、膨大なものになるでしょう。名も知られず、使命に生きる人たちだから泣けます。

この作品はスパイ物語というより愛の物語。随分変質したんだなと思っていましたが、ボンドの最期は“NO TIME TO DIE”、007として亡くなるんですね!名も財も遺すことはなかったが、娘を遺すという最後、泣けますね!

エンドクレジットでサッチモが唄う「女王陛下の007」の愛のテーマ「We have all the time in the world」。クレイブ・ボンド追悼として、なんとも感無量でした。

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