映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「パーフェクト・ケア」(2020)ロザムンド・パイクなしではこの作品は語れない!彼女の最高傑作!

f:id:matusima745:20211205121857p:plain

この作品、ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクが主演していること、そして予告編での雄叫びシーンに魅せられ、観ることにしました。第78回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞したクライムサスペンスコメディです。

「ゴーンガール」(2014)の続編のような作品でした。(笑)

監督は「アリス・クリードの失踪」のJ・ブレイクソン脚本:J・ブレイクソン撮影:ダグ・エメット、美術:マイケル・グラスリー、衣装:デボラ・ニューホール、編集:マーク・エカーズリー音楽:マーク・カンハム。

出演者:主演にロザムンド・パイク、共演に「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジ、「ベイビー・ドライバー」のエイザ・ゴンザレス、他。

あらすじ:

法定後見人のマーラ(ロザムンド・パイク)は、判断力の衰えた高齢者を守り、ケアすることが仕事だ。常にたくさんの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラだが、実は医師やケアホームと結託し高齢者たちから資産を搾り取る悪徳後見人だった。パートナーのフラン(エイザ・ゴンザレス)とともにすべては順風満帆に思えたが、新たに獲物として狙いを定めた資産家の老女ジェニファー(ダイアン・ウィースト)をめぐり、次々と不穏な出来事が発生し始める。そう、身寄りのないはずのジェニファーの背後にはなぜかロシアン・マフィア(ピーター・ディンクレイジ)の影が……。迫りくる生命の危機、まさに絶体絶命、マーラの運命は果たして――⁉(HPから引用)

マーラの運命?果たしてテーマは金亡者であるマーアの突き抜けた人生感、介護地獄、クライムストーリーかと振り回される展開に共感不能だったが、ラストで一気にこれが晴れるというカタルシス。見事な作品でした!

感想

冒頭のマーラの人生感。「世の中欺瞞で溢れ幸せなんて大嘘。何度も騙され貧乏だったからこれが嫌。人間は喰うか喰われるか、私は獰猛なライオンよ」。

まさにこの作品のロザムンド・パイクの演技はこの人生感で貫かれ、金金金と度が過ぎた彼女生き方が、怖いを通り越して、ここまでやるかと滑稽に見えてくる。この滑稽さ!彼女なしではこの作品は語れない!「ゴーン・ガール」を凌ぐ彼女の最高傑作でした!

マ―ラの悪徳後見人ぶり。冒頭で後見人となっている母親の息子が「ケア・ホームで母に面会できない」と訴訟を起こしますが、後見人であることの認可許可書に何の落ち度もなく「息子がホームに来ると混乱が起きること(警備員が騒ぐ)、そして母親の死後の遺産相続の主張こそが大問題だ」と息子の主張を撃退!そのあと「私と争うならペニスと玉を抜き取るよ!」と威嚇する。これをロザムンドが喋ればなんの違和感もなしです。(笑)裁判所、ケア・ホーム、医療機関、警察等、みんなグルになっているという老人ケア・システムが凄い。

とんでもないマーラですが、マーラの言い分に同調できる部分もある。子供が親の介護を他人に預けっぱなしにしているという現実。皆さん、一度、施設を訪ねて現場を見てください!介護の世界には闇が一杯ある!この作品はこれへの警告でもあり、近い将来日本もこうなるかもしれない。

こんなマーラにも失敗がある。アランという女性の後見人はマーラだけではなかった。(笑)そこに飛び込んで来たのはジェニファー・パターソン。カレン医師(アリシャ・ウイット)からの推薦だった。資産家で子供が居ない!マーラは飛びついた。カレンは見返りが欲しいという。(笑)

マーラはパートナーのフラン、この女性も謎が多い、と一緒にジェニファーの邸宅を下見して、直ぐに後見人となる処置をする。年寄りを鴨にしたサギで、ジェニファーが嫌がっても、後見人認可書と警官をちらつかせ、ケア・ホームに収容(連行)し、「困ったら知らせて!」と携帯を渡して、特別メニューの薬を飲ませ、おそらく亡くなるまで放置。

f:id:matusima745:20211205122040p:plain

このあと、邸宅を家探して金目の物は売却、銀行の預託金庫の鍵を押収、家屋は塗装して売却。この荒ましさ!金庫にダイヤモンドが隠されており、これは隠し持つことにした。

ジェニファーの家を塗装していると変な運転手が顔を出し、ジェニファーの所在を聞く。次に弁護士・ディーン(メイコン・ブレアー)がやってきて「サギで稼いでいる。ジェニフを戻せ!」と抗議してくる。ディーンから30万ドルで決着しようと提案されたが、マーラは500万ドルを主張してお流れとなった。ディーンの言い分が正しいが、マーラは「男は脅すに限る!」と一向に意に介しない。こんな鼻息の荒いマーラーを見るのが面白い!(笑)

f:id:matusima745:20211205122106p:plain

ディーンが裁判所に訴えたが、マーラが「この人は弁護士という証拠がない」と反論して、裁判は終わった。(笑)

マーラはジェニファーを「あなたは何者?あなたの金庫調べた、」と問い詰めるが、ジェニファーも曲者で「あの子が帰ってくる」と奇妙な返事をする。このお婆ちゃんも気持ちが悪い。(笑)マーラは頭にきて「お前を絶対にここから出さない」と言い渡し、投薬を強くした。

ここからねたばれ(要注意):

フランがジェニファーは何者かと調べていて、ジェニファー・ピーターソンというは生後3か月で死んだ子の名だと分かった。

ところが、ケア・ホームにピーターソンと名乗る男が、数人の男を伴って、ジェニファーに面会を求めてきた。マーラは不穏な動きを感じてケア・ホームを訪ねると、ピーターソンが、サム所長を殺害し、まさにジェニファーを連れ玄関に出てきたところに遭遇、この男から彼女を奪回した。

ピーターソンを逮捕し警察に突き出すと名はニコラス、ロシアン・マフィアの一員だと判明。取り調べ刑事がフランに「フランキー、よく捕まえた」と感謝している。どうやらフランはかってこの組織と関係があったらしい。

マーラは体力管理もしかりできていて(笑)、フィジカルトレーニング中にTVのパターソン事件ニュースで、ジェニファーの邸宅の廻りをマフィアの連中がうろついているのを見た。

マーラはケア・ホームのジェニファーを訪ね「あんたの後ろにロシアン・マフィアがいる。あんたをここから絶対に出さない!」と挑発して、首を締めさせ、これを裁判所に訴えて、よりセキュリティのしかりした独房に移した。本当にマーラのやることはえげつない!

マーラはすぐに家具等貴重品の売却を急ぎ、闇市を訪れていたところを、マフィアに捕まった。同じくしてファランは自宅で逮捕された。

f:id:matusima745:20211205122138p:plain

マフィアの首領ローマンの登場マーラはビニール袋を被せられ、両手を縛られて彼の尋問を受けた。「俺の名を辱めた!ジェニファーに化けてお前を殺す」という彼に「1000万ドルでどう!私が死んだらダイヤは取り戻せないよ」と太っ腹に交渉に出た。ローマンの「始末しろ!」でマーラは注射を撃たれ、車に乗せられ、河に放り込まれた。

ここから生還するマーラの水中での動き!もう突っ込みどころ一杯だが、これを許さないロザムンドの存在感が凄い!(笑)

水中で車番を暗記して浮き上がり、陸に上がって、予告編にある雄叫び!「もう許さない!!」という形相がすごい!

彼女の怒りに、一段とギアが入った。

ガソリンスタンドで着替え、タクシーを呼んでもらって帰宅。フランが倒れていた。

フランの回復を待って、ローマンへの復讐を謀ることにした。覚えていた車番を頼りにローマンの運転手を見つけ出し、彼を追跡して、ローマンを掴まえた。

ローマンを裸にして麻酔を嗅がせ、道路上に放置。車は焼却処分した。

ローマンは早朝ランニング中の男に発見され、病院に収容。ここにマーラが登場、

意識不明で運ばれ、あんたの後見人は私!1000万ドル振り込んで!」と要求した。(笑)ところが、ローマン「一緒にやろう!俺の80社を使い介護の総合ビジネスをやろう」と提案してきた。マーラはダイヤの取り分を五分五分として、これを受け入れた。

f:id:matusima745:20211205122213p:plain

マーラの法廷依頼人は一挙に増加。話題の人となりマスコミのインタビューを受けた後で事件が起きた!!

ラストは言えない!ホットしました。うまい物語の締めっ括りでした。

こんなケア・ホームには入りたくない!(笑)老後をどうすべきか考えさせてくれました。😊絶対に引かないマーラの生き方に震えた!

                                  ****