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「フォレスト・ガンプ 一期一会」(1994)

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バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのロバート・ゼメキス監督と「グリーン・マイル」「プライベート・ライアン」などで知られるオスカー俳優トム・ハンクスが贈る、米アカデミー賞で作品賞含む6部門を受賞した、今なお色褪せない映画史に残る傑作。

2022年3月18日、4Kリマスター版でリバイバル公開されました。韓国でリメイクされているとか?

原作:ウィンストン・グルームの小説「フォレスト・ガンプ」、監督:ロバート・ゼメキス脚本:エリック・ロス音楽:アラン・シルヴェストリ撮影:ドン・バージェス、編集:アーサー・シュミット。

出演者:トム・ハンクスサリー・フィールドロビン・ライトゲイリー・シニーズ、ミケルティ・ウィリアムソン、他。

あらすじ

キャッチコピー:人生はチョコレートの箱のよう。開けてみないとわからない。

アラバマ州グリンボウの田舎。生まれたとき知能障害で下半身が動かないフォレスト・ガンプ。母親(サリー・フィールド)は離婚して、女手ひとつでフォレストがひとりで生きていけるよう厳しく育てることにした。小学校入学時には特殊学校でなく普通の学校に入れた。だから、勉強が苦手(デキない)で足にギブスをはめたフォレストはバカにされてばかりだった。遊んでくれるのはスクールバスで一緒になった優しい女の子、ジェニー(ロビン・ライト)だけだった。

ある日、同級生たちにいじめられていたフォレストは、「走って!」というジェニーの声で駆け出すと、足のギブスが吹き飛び、猛烈なスピードで走れた。脚力は知能障害とは関係ない、神によって与えられた力だった!彼は特別な能力を持っていた。

ジェニーは父の性的暴力で親戚に預けられ、ガンプとは疎遠になっていった。

高校生になってもいじめられていたフォレストは、追いかけてくる同級生の車から逃げ切りアメフトの試合中のコート内に進入した。それを見たコーチにその俊足ぶりを見込まれ、1963年、アラバマ大学へ入学しフットボールチームに入った。大学ではアメフト全米代表となり、ケネディ大統領の賞賛を受けるという栄誉に浴した。

卒業後軍隊に入隊。新兵教育で黒人の漁師バッバ・ブルー(ミケルティ・ウィリアムソン)と親友となった。彼は兵役が終ったらフロリダに帰ってエビ漁師になるというのが夢だった。

フォレストは言われたこと“ハイハイ”と受け入れる素直な青年、それに手先が器用で小銃の分岐結合がうまかった。ブラインドで小銃を操作できる!しかし、彼は一兵卒であることには問題ないが、プロの軍人にはなれない。

フォレストは新兵教育を終え、ベトナム戦場に送られることになった。ベトナムに発つ前に、ジェニーがストリップ劇場で踊っていることを知り訪ねていった。ふたりはホテルに泊まり、ジェニーはフォレストと結ばれたかったが、彼はどうしていいか分からなかった。旧交を温め、フォレストはベトナムに向かった。こういう別れ方はふたりにとって絶対に忘れられない!

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戦況が泥沼状態のベトナム戦線。配属部隊の小隊長はダン・テイラー中尉(ゲイリー・シニーズ)。「無事帰国したいなら俺のいうとおりに行動せよ!」という。頭の弱い兵隊は手足惑いになるのにダンはよく引き取った!フォレストには「お前がエビ漁を始めたら俺が船長になってやる」という面倒見のよい小隊長だった。

毎日の戦闘、フォレストにとって戦う目的はジェニーに手紙を書くことだった。毎日ジェニーに書いた(後で分かったのですが、配達されていなかった)。ジェニーがいなかったら生きて帰れなかった。

ある日。ベトコンの襲撃に遭い、戦火のなか負傷したバッハを救いだした。彼は「エビ漁師になりたかった!」と言い残して亡くなった。「全員を救い出す!ここで死んでも構わん!」と両足を負傷しながら無線機で近接航空火力を要求するダン小隊長。フォレストはダン小隊長を担ぎ、戦火の中を奔った。

 フォレストは尻に銃弾を受けたが、小隊長は両足を失った。フォレストが小隊長を見舞っても“死にたい”と物も言わなかった。

フォレストは傷が癒え、戦友を救った勇敢な行為に対しジョンソン大統領から議会栄誉勲章が贈られる。兵士慰安部隊に移動し、卓球で兵士を慰安することになった。フォレストはここでも、走るのと同じように卓球に熱中して腕を上げ、米国チームの一員として中国を訪れ親善試合をした。これが縁でニクソン大統領の劇的な中国訪問(1972)となり、新しい米中関係は開かれることになった。ニクソン大統領から栄誉勲章が授けられた。またテレビのトーク番組でジョン・レノンと共演することもあった。

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ワシントン広場で行われた反戦集会に、フォレストは軍服で参加し演壇に上がると、「ガンプ!」と歓声を上げて走ってくるジェニーの姿を見た。ふたりは再会を喜んだが、ジェニーにはフォレストの姿が眩しかった!「カリフォルニアで運動する」と反戦運動家リーダーたちと去っていった。

フォレストは退役し、卓球で得た資金で漁船を買いエビ漁師になった。しかし、素人のフォレストにエビが獲れることはなかった。そんなとき、ハリケーンで他の漁船が全滅。そこにダン中尉がやってきて船長となって、ふたりでエビ漁を始めた。これが大当たりで大金を稼いだ。

ダン中尉は「果物も会社だ!」とアップル社の株を買ってフォレストに渡し、漁師の仕事を辞めた。アップル株が莫大な資産となり、フォレストはこの金を寄付し、悠々自適な生活へと入って行った。しかし、たったひとりの家族だった母親を癌で亡くし、フォレストは孤独な日々を過ごす。

ジェニーが突然訪ねてきた。ふたりはやっと結ばれたが、ジェニーは黙って家を出て行った。ジェニーにはやはりフォレストは眩しく身を引いた!これがジョニー流の愛の愛し方だった!

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フォレストは再び走り始めた。何度もアメリカを横断することになった。大勢の人々があとを追うように走りはじめ、いつしかフォレストは「平和を願って走る男」となっていった。フォレストの走る姿に感動し生きる力を得た人、走る姿をプリントしたTシャツを作って儲けた人も出た。最後は「疲れた!」と走ることを止めた。

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TVで放送されるフォレストの姿を見たジェニーが訪ねて欲しいと住所を送ってきた。フォレストが訪ねると幼い男の子とジェニーがいた。「子供はフォレストの子で自分は癌なので育てて欲しいい」という。

フォレストはジェニーと結婚式を挙げた。ダン中尉も東洋人女性と伴ってやってきて、一緒に挙式した。

フォレストが見守るなかでジェニーは安らかに亡くなった。フォレストに育てられた子供はフォレストに見送られスクールバスで小学校に通うようになった。

感想:

あらすじが少し長くなりました。

何度観ても面白く感動的な作品。ある事件で収監され、罪を後悔するより愛された記憶の方が多いことに気付き、罪は自分の傲慢さと反省し、“世界は愛に溢れている”とこの作品を思い出して一気に書いてみました。

精神障害があるが強力な脚力保持者のフォレスト。愚直に人を疑うことなく走る続けることで、よき人の縁に恵まれ、思いもしなかった子供を得て、未来につなげるという痛快な物語。

ガンプの人生はうまく行きすぎているというかもしれないが、愚直に人を信じて生きる人にはこれくらいの幸せが訪れてもいい、“きっとこうなるぞ”と大きな心の支えになります。

物語の面白さはケネディ大統領からレーガン大統領時代の歴史の中の人物として描かれ、アメリカの歴史を辿ることになるところ。そしてフォレストの人生に大きく関わるダン中尉と恋人ジェニーの人生が、作中で詳しくは描かれないが、降りかかった不幸をいかに克服していったかと魅力的です。フォレストの物語よりこちらの方が面白いのではないかと思うほどです。

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