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「カサブランカ」(1942)花の名ではない!1942年に製作・公開されたことに意義がある!

名画としてよく紹介される作品、まだ観ていなかった!

1942年に製作開始し、同年11月には公開されたという作品。「親ドイツのヴィシー政権下のフランス領モロッコカサブランカを舞台に、かつて深く愛し合った末に別れた男女の思いがけない再会とその愛の行方を描くラブサスペンス。

 まさか戦時下でこのようなラブサスペンスドラマが?という思いと、「20センチュリー・ウーマン」(2016)を鑑賞した際、アネット・ベニング演じる1924年生まれ母親ドロシーが映画「カサブランカ」を繰り返して見てハンフリー・ボガートが理想の男性だったという話、何故か?

このふたつの疑念を持ってこの作品を観ることにしました!なるほどそういうことであったかと納得する作品でした!(笑)第16回アカデミー賞(1943)で、作品賞、監督賞、脚色賞を受賞しています。

原作:マレイ・バーネット、ジョアン・アリスンによる舞台劇「皆がリックの店にやってくる」(未公開)

監督:マイケル・カーティス脚本:ハワード・コッチ、ジュリアス・J・エプスタイン、フィリップ・G・エプスタイン。撮影:アーサー・エディソン、編集:オーウェン・マークス、音楽:マックス・スタイナー主題歌:「時の過ぎゆくままに」助監督:ドン・シーゲル。(まさかドン・シーゲルが絡んでいたとは!)

出演者:ハンフリー・ボガートイングリッド・バーグマン、ポール・ヘンリード、クロード・レインズ、コンラート・ファイト、他。


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あらすじ

1941年12月カサブランカ。「ドイツの連絡員2名が列車で殺害された。犯人はカサブランカに入っている。疑わしき人物を逮捕せよ。失われた文書を回収せよ」と警察電話。疑われたひとりの男が逃げる際、ヴィシー政権首班のフィリップ・ペタン元帥の肖像画の前で官憲に射殺された。市内/は疑わしき人物が引っ張られていくという緊張状態。

この状況下で現地司令官としてドイツ空軍のシュトラッサー少佐(コンラード・ファイト)は着任してきた。少佐は警察署長のルノークロード・レインズ)はに「例の犯人は?」と問うと「リックの店に現れる!」と自信を持って答えた。

リックが経営する店「カッフェ・アメリカン」。カフェと隠し賭博場で稼いでいる。そこにはドイツ軍に占領されたヨーロッパ各国からアメリカ脱出を目指す人が闇の通行券を求めてやってきて、渡航資金を稼ぎ出すために賭博をやる。

キャバレーでは黒人のサムの弾くジャズが大評判。街の親分・ファレーリ(シドニー・グリーンストリート)が訪ねてきて、「サム付で店を売れ!」というが、断った。

そこに闇の通行券売人ウーガーテ(ピーター・ローレ)が訪ねてきて、「ちょっと隠れるからこれを預かってくれ」と封筒を渡す。リックはふたりのドイツを殺材したのはウーガーテだと分かったが、これを預かった。

ルノー署長がやってきて「有名なレジスタンスの男・ラズロ(ポール・ヘンリード)がナチ強制収容所から脱獄してここにくる、美人と。協力して欲しい」とやってきた。私には関係ないと席を外した。

店を厳重警備にしてシュトラッサー少佐がやってきた。ここでウーガーテが官憲に見つかり射殺された。少佐からラズロ逮捕に協力してくれと頼まれた。

店にラズロと美しい女性・イルザ(イングリッド・バーグマン)が入ってきた。サムが女性に気づいた!バーグマンの美しさと気品に魅入りしますね!席に着いたラズロは「ウーガーテに会えなかった」と話す。そこに同志が顔を出し「バーに来い」と合図してきた。

ルノー署長が席を訪ねてきた!イルザが「あの黒人は?」と署長に訪ねると「サムだ」と教えた。次に少佐がやってきて「明日10時出頭せよ」と言って、去った。

女性歌手(コリンナ・ムラ)がギターを持って歌い始めた。ラズロは席を外し、バーの同志のところに。「ウーガーテに会えなかった」と伝えると、「明日同志の集会がある、来い!」と告げられた。ルノー署長がバーにやってきた。同志は帰って行った。

サムが「久しぶり」と挨拶。イルザが「昔の曲を弾いて!」とリクエストした。「リックは?」と聞かれたサム、「もう帰った、女がいる」と言うがイルザは信じない。「あの曲を弾いて!」というイルザに「禁止されている」と答えた。「弾いて!」と迫られ、彼は曲「時の過ぎゆくままに」を弾いた。歌ってというから歌った!

この曲を聞いてびっくりしたようにリックが現れた。そこにイルザがいて驚く!ルノーとラズロがバーから戻ってきてテーブルに着いた。パリが陥落した日のことをイルザは楽しそうにリックに話す。それをラズロが聞いていた。

イルザとラズロが帰ったあと、リックは「他に店もあろうにどうしてここに!」と悔やみ、サムにあの曲を弾かせて、パリにいたころを回想した。

リックはイルザと出会い「君の瞳に乾杯」と愛し合う仲になっていった。しかし、ドイツ軍のパリに進攻にことになり、彼はかってスペインで対独工作をしていたことから、イルザを連れてアメリカに戻ることにした。しかし、疎開客でごった返す雨のパリ駅でイルザを待ったが「私が愛していることを忘れないで」と置き手紙をホテルに残して、現れることはなかった。

回想を終えたところにイルザがひとり訪ねてきたが、リックがイルザの不誠実をなじったことでイルザは帰っていった。

翌朝10時、ラズロは居イルザを伴ってシュトラッシャー少佐の元に出頭した。少佐からグループの指揮者の名を明かせば出国させると示されたがラズロは拒否。これで出国許可書は手に入らなくなった。ルノー署長からウーガーテは死んだと聞かされた。

シュトラッシャー少佐は「ラズロはここでも外に出しても危険な人物だ!確保せよ」とルノー署長に指示した。

ラズロが闇市で闇の男フェラーリに会えばなんとかなると聞き、彼を探していた。フェラーリは訪ねてきたリックに「ウーガーテの持っていた通行証を売れ!」と急かす。リックはそのとき闇市をうろつくラズロを見た。そして布地を見るイルザを見つけ、近づいて昨夜のことを侘びた。そして「別れて俺のところに戻るか?」と聞くと「ラズロは夫、パリにいた時から」と言って去って行った。

ラズロとイルザはフェラーリの店を訪ねた。フェラーリは一枚なら何とかなるという。ふたりは一緒に行くことにしてフェラーリに断ると「一枚はリックが持っているという噂がある」と教えてくれた。

リックの店。大勢のドイツ兵が入ってきた。ドイツ兵とイタリア兵が喧嘩する。

そこに若い女性が「アメリカへ亡命への資金作りの夫が賭けで負けそうだ」と応援を求めてきた。リックはこの若いカップルのためにいかさま賭博で金を作るのを手伝った。彼は店を経営しながら裏ではヨーロッパ各国からアメリカへの逃亡を手助けしていた。

そこにラズロとイルザがやってきた。ラズロが「アメリカで行動を持続したい!」と協力を求めたが「わけは奥さんに聞け!」とリックはこれを断った。

そのとき、ドイツ兵たちがドイツの国歌「ラインの守り」を唄っていた。これに憤慨したラズロがフランス国歌「ラ・マルセイエーズをバンド演奏させ、店内の全ての客が起立して、ドイツ兵たちに対抗して歌った。(「ラ・マルセイエーズ」の歌詞を知らない人がぜひ調べてみて!)これに怒ったシュトラッシャー少佐が店の停止をルノー署長に命じた。

ラズロはイルザに「リックが一枚持っている。渡さないという、理由はお前に聞けと言われた」と言い、仲間の集会に出かけた。

イルザはひとりリックの部屋を訪ね通行券の発行を依頼した。リックは「何を今更!」と拒否した。イルザは「女のことで仕返しなどしないで!もっと世界のことを考えて欲しい!」と説得しようとするが、リックが聞く耳を持たない。イルザは拳銃を向けて説得しようとしたが、出来なかった。イルザは「今でもあなたを愛している!」と涙し、ことの顛末を語った。「ラズロを逃がして欲しい。自分はあなたといたい!Zあなたに任せる!」という。リックは「君の瞳に乾杯だ!」とこれを認めた!

そこにラズロが集会で官憲に追われ手に傷を負って戻ってきた。リックはウェイターのカール(S・K・サコール)にイルザをホテルに遅らせ、ラズロを話し合った。ラズロは「あなたと妻の関係は知っている。でも妻を愛している。妻を出国して欲しい!」と訴えた。そこに警官たちが踏み込んでラズロを逮捕した。

リックはルノー署長を訪ね「ラズロを店に散れて来い。強制収容所に送って手柄を立てよ!俺はルイザとずらかる」と言い含め、フェラーリを訪ねて「カッフェ・アメリカン」を売った。

リックは釈放されたラズロとイルザを部屋に招いてふたりで脱出することを傳えた。そこにルノー署長がラズロを逮捕すると部屋に入ってきたが、リックが拳銃を突きつけ空港に2人が搭乗することを電話させた。が、署長の電話はシュトラッシャー少佐に繋がっていた。少佐が空港に急いだ。

空港に着いたところでイルザは昨夜話したことと違うという。リックは「彼には君が必要だ!一生後悔するぞ!俺達にはパリの記憶がある。俺にも大きな仕事がある。君の瞳に乾杯!」と搭乗を急がせた。

そこにシュトラッシャー少佐が駆けつけたがリックが拳銃で射殺した。警備隊にルノー署長が「犯人を捜せ!」と指示した。

ふたりの乗った航空機を見送って、ルノー署長が「お前をレジスタンス支部へ送ってやる。美しい友情の始まりだ!」とリックに話しかけた。

感想                                                     

ルノー署長とリックが連合国の未来に希望を持たせながら宵闇の中へ消えていくラストシーン。この結末、なかなか読めませんでしたね!とてもスリリングな物語の展開でした。

 リックとラズロ、イルザの三角関係。リックの“忍ぶ恋”という結末。戦争勝利のためにとイルザとの恋を諦めたリックの男らしさに、前述の「20センチュリー・ウーマン」に出てくる母親ドロシーは憧れた!(笑)

イングリッド・バーグマンとにかく美しく気品がある。数度にわたるキスシーン、この時代にこのシーンは圧倒的に受けたでしょうね!

この作品はアメリカのプロパガンダ作品だと言われています。いたるところにそのエピソードがあり、その匂いがする作品でした。しかし、リックとイルザの恋の結末にどの程度関与があったか?関係していても名作です!

イングリッド・バーグマンは失敗作だと思っていたが、戦後この映画を見て「こんなによく出来た映画だったんだ!」と述べたと言われています。

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主題歌:「時の過ぎゆくままに」


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