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「犬も食わねどチャーリーは笑う」(2022)夫婦とは“うなぎ“のようなもの!なるほど!(笑)

今週の新作選び、ちょっと迷いました。ということで、結果が出てるようなタイトルですが、香取慎吾さんと岸井ゆきのさん主演の本作に決定。劇場は女性のみなさんで埋まっていました。(笑)

監督・脚本市井昌秀撮影:伊集守忠、編集:木谷瑞、音楽:安部勇磨主題歌:never young beach

出演者:香取慎吾岸井ゆきの井之脇海浅田美代子余貴美子的場浩司、マルちゃん、他。


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あらすじ

ある夫婦の互いにゆずれないバトルをコミカルに描いたブラックコメディ。

 結婚4年目となる裕次郎香取慎吾)と日和(岸井ゆきの)は、表向きは仲良し夫婦に見えたが、鈍感な裕次郎に日和は不満を募らせていた。そんな日和が鬱憤を吐き出さすツールとして出合ったのが、SNS「旦那デスノートだった。そこには世の夫たちが見たら驚がくするであろう、妻たちが投稿する本音の数々が書き込まれていた。

ある日、裕次郎はそのSNSの存在を知り、自分について書かれていると思われる投稿を見つけてしまう。書き込んでいるのは、チャーリー(マルちゃん)というハンドルネームの人物だった。チャーリーとは、裕次郎と日和が飼っているフクロウの名前だった。

裕次郎はチャーリーの呟きに行動でいちいち反発、家で飯食うのやめて、「家事やるのはお前が決めた」「あなたは自分のことしか考えない」と口論になり、遂に日和はソファーで寝るようになった。(笑)

日和にはある秘密があった。「旦那デスノート」SNS参加メンバーの集いで、酔っぱらって裕次郎の同僚・蓑山さん(余貴美子)にしゃべっちゃった。これに同情した蓑山さんが会社で裕次郎をいじる。

裕次郎は同僚の若槻広人に「俺2年半セックスレス」と秘密を明かし、「旦那デスノート」見て結婚を不安がる若槻に、セロトニンを摂ればいい!肉喰え!」と教えた。(笑)実は裕次郎は若槻の結婚披露宴スピーチを引き受けていた。

ふたりはなんとか若槻の結婚式まで持ち堪えて参加。ところが裕次郎は準備したスピーチ原稿をタクシーに置き忘れてステージ上に立往生!見かねた日和が、かって裕次郎から教わったリラックス法を「肘は絶対に舐められない!」をサインで送ってリラックスさせ、裕次郎が円満な結婚生活の秘訣は「ふたりで気にいった家具を買うこと」(笑)と話し、参加者の大喝采を得た。

これでふたりは元の関係に戻れるかに見えたが、アパートに裕次郎の母(浅田美代子)がやってきて、「1回の失敗でやめたらダメ、子供をつくりなさい」と言い出す。日和は「あなたが喋ったの?」と離婚届けを置いて家を出た。はたして裕次郎は日和を連れ戻せるか?

夫婦のみなさん、ここで描かれるのはみなさんが経験していること。分かっていて実行できない(笑)

旦那をデスるセリフに、はっちゃかめちゃかシーンに大いに笑えます!特に女性は溜飲を下げたでしょう。(笑)旦那さんたちはしっかり反省する作品になっています。(笑)

市井監督の「同棲1年目とか結婚1年目の夫婦ではなく、ある程度時間を経た夫婦の危機」を経験に基づき書き上げたのがこの脚本。若槻の結婚式後にひとひねりあるという凝った演出、ここが見どころです。また、香取慎吾さんと岸井ゆきのさんの演技も!

感想(ねたばれあり:注意):

夫・裕次郎(38歳)はホームセンター勤務。毎日筋トレで身体を鍛え、店では丁寧に商品をお客さんに説明し、力仕事を一気に引き受けてとても頼りがいのある副店長だが、家庭では脳天気な生活!一方、妻:日和(32歳)はコールセンター勤務。「いい意味で!」の言葉が嫌いで、お客さんの難題対応に「システムの問題ですから」と断れず悩むが、家庭では笑顔で家事を引き受けている。

日常のふたりの朝食・出勤風景が描かれますが、どこの共稼ぎ夫婦にもある風景ですが、コールセンターの仕事を持っている日和は旦那に食事を作って食べさせ、昼はキーマカレーが食べたいと能天気にしゃべられ、フクロウのチャーリーの世話をしないのが癪にさわる。(笑)ある秘密がるからこれが限界近くになっていた。

そこで不満を吐き捨てるために始めたのがSNS「旦那デスノート」。一方通行で“ナイス”目当で書く文章だから過激!しかし読み手には堪らない笑いがある。どんどん過激化していく。しかし、これを読んだ旦那は堪らない!(笑)

しかし、日和にはブレーキがかかっていました。出版社から「本にしませんか?」と勧められたが、「主人に言いたいだけ!」と断った。これがなかったら復縁はない!

夫婦関係がSNSで崩されていくという視点、その対処法が提起されているのがいい。

なんとか夫婦として若槻の結婚式に参加することができ、「結婚当時の記憶を取り戻し再出発できるか」に見えたのですが、ふたりの間には深い問題が残されていた。

日和が流産をしたとき裕次郎がそこにいなかったことに対する日和の拘り!

裕次郎はいつものように店でお客様に商品案内をするが、耐震支柱“ふんばり君”の説明では泣いてしまう。日和との最初の出会、日和の探しものがこの商品で、説明すると即買ってくれ、これが縁でふたりは付き合うことになったから。

蓑山さんに「夫婦って何ですか?」と聞くと「うなぎのようなもの。掴んでもす~と逃げられる。また掴みにゆく!」という。

失ってみて、失ったものの大切さが分かる

商品開発のきたろう(きたろう)が店にやってきて「家具は労りが大切!」という。これを耳にした裕次郎は日和が置き忘れたソックスを持って、日和の職場に急いだ!

裕次郎は走りながらコールセンターに電話するが、「シシテム上・・」を切られてしまう。とうとう「システムが悪い!」と叫びコールセンター室に入った。するとセンター管理課長の葛城(長島秀和)に「システムに問題はない」と注意を受けた。これを見た日和は日ごろの鬱憤が爆発!コールセンター室内全員の鬱憤が爆発して課長を攻撃しだす!(笑)

そんな中で裕次郎が「(結婚)システムが悪い、何で俺が慰謝料を払う!システムなんか糞くらえだ!」と叫んで倒れた。離婚届けを相手に突きつけて話もぜず別れるシステムなんぞ馬鹿げている。(笑)

裕次郎は立ち上がり、「自分は逃げていた!俺は日和のことを見ていなかった!」と告白した。日和も「怖くて言えなかった!」と応えた。

「システムだから」とシステムを逃げ場にする風潮はありますね!システムより人間理解が大切です。

ふたりは結婚時、掴めば幸せになるという空に舞うビニール袋を掴めなかったが、今度はしかりふたりが協力して掴むことが出来ました。いい終わり方でした。

私は、蓑山さんが入院中の夫を励ますために「旦那デスノート」に投稿して、それを読んだ夫が喜ぶという蓑山夫婦の細部を観たいですね!(笑)

平凡な結末でしたが、実行は難しい! この作品では裕次郎と日和の甘ったるい馴れ初めが何度も映し出されますが、これが一番大切なことかもしれませんね!

香取さんは見たことのないほどの鈍感な裕次郎でした。(笑)岸井さん、生っぽい演技で、日和でした。(笑)そして蓑山さんの余さんが、とぼけた演技で全部持っていきましたね。(笑)ずいぶん笑わせていただきました!

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