映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

「42 世界を変えた男」黒人差別に堪え、驚くべき勇気でチームに貢献し、野球の世界を変えた男の物語。

 

2013年製作作品2023年4月15日のフエニウェイパークエンゼルスレッドソックスの試合。大谷選手が背番号42で出場、「これはなんだと驚きましたが、この日はジャッキー・ロビンソンが黒人として初めてメジャーの試合に出場した記念日(1947年4月15日)でした。この日、メジャー選手は全て背番妓42で出場するとのこと。野球に人種は関係ないということの表明。この史実を知って大谷選手の活躍を見ていると感無量です。こんな時期にNHKBSで本作を放映してくれ、ナイスなタイミングで観ることが出来ました。

史上初の黒人メジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンの半生を、ブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)のジェネラル・マネージャー、ブランチ・リッキーとの交流を軸に描いたドラマ

監督・脚本:ブライアン・ヘルゲランド撮影:ドン・バージェス、編集:ケビン・スティット、 ピーター・マクナルティ。音楽:マーク・アイシャム

出演者:チャドウィック・ボーズマン(故人)、ハリソン・フォード、ニコール・ベハーリー、クリストファー・メローニアンドレホランド、ルーカス・ブラック、ハミッシュ・リンクレイター、ライアン・メリマン、他。

物語は

1947ブルックリン・ドジャースGMだったリッキー(ハリソン・フォード)は周囲の反対を押し切り、ロンビンソン(チャドウィック・ボーズマン)とメジャー契約を結ぶ。2人はファンやマスコミ、チームメイトからも誹謗中傷を浴びせられるが、自制心を貫き通し、プレーに徹するロンビンソンの姿勢に、次第に周囲の人々の心もひとつになっていくというストーリー展開。(映画COM引用)


www.youtube.com

あらすじ&感想

1945年WWⅡが終り戦場から野球選手が復員した。黒人のロビンソンもそのひとり。戦士としては平等だか、戦場からもどれば人種差別、隔離政策でメジャーチームには入れない。当時400人の選手の中に黒人の姿はなかった。彼は黒人だけのニグロリーグで全国を巡回し、隔離政策に強い反感を持っていた。

1945年8月ドジャースGMリッキーはロビンソンを“配球を読み盗塁をする野球を面白くする男“と評価し、全てが反対する環境の中でロビンソンを傘下の3Aロイヤルズに迎えた。

リッキーが契約時ロビンソンに約束させたのは「怒りを押さえよ!」だった。白人だけのリーグに黒人ひとりだ!増悪の目標だ。人々は人種統合を嫌う、罵倒する。「優れたプレーで対抗しろ!」「紳士であり、偉大な選手になれ!」。これがリッキーとロビンソンが取り交わした約束だった。

この物語は、この約束を守るために苦悩するロビンソンとその妻レイチェル、そしてリッキーの物語です。野球を全く知らないで大丈夫、泣けます

 ロビンソンは契約を済ませると直ちにカリフォルニアのパサディナ大学にいるレイチェルに結婚を申し出た。

ロビンソンは妻を帯同し、フロリダのドジャーズデイトナキャンプに参加。航空機の席が白人優先で突然キャンセルされる。選手たちと同じ宿に泊まれない。タクシーが使えないという隔離政策に苦しめられる。

リッキーはロイヤルズ監督のレイに「選手に紳士的に接するよう指導しろ!守らないなら解雇する!」と言い渡した。

ロイヤル対ドジャーズの練習試合

シティ・アイランド球場。黒人たちが大挙押しかけロビンソンの活躍を見守った。白人たちの「黒人、出て行け!」の大歓声の中で、ロビンソンはフォアボールで出塁しホームに戻って来るという脚を生かした活躍に、黒人たちは溜飲を下げた!しかし、その夜、ロビンソンは襲撃されるかもしれないデイトナに逃げだす事態になった。

白人選手とのクロスプレーではポリスが出てきて、「ここは南部だ!ニガーは隔離しろ」と騒ぐ。

1946年4月18日、3Aインターナショナルリーグ開幕。試合全に記者たちのインタビューに応じた。

ビーンボールを投げられちゃらどうするか」と聞かれ、「避ける!」と応えた。試合ではロビンソンの初ホームランが飛び出した。以後、順調にロビンソンは成果を上げて行った。レイチェルが出産した。

1947年3月パナマにキャンプ中、ロビンソンのドジャーズ入り拒否著名運動が起きた。ロビンソンのドジャーズ入りのためファースト守備の猛特訓が始まった。ロビンソンはこの訓練によく堪えた!

リッキーはドジャーズ監督のレオ・ドローチャークリストファー・メローニ)に著名運動を止めるよう指示した。やめない者は解雇するというリッキーの強い意思だった。ところが、大リーグコミショナリーは女優と不倫を理由にレオ監督の追放を決めた。監督不在状況の中でリッキーはロビンソンをドジャーズに格上げした。

1947年4月15日のエベッツ・フィールド、リーグの開幕戦。

ロビンソンに背番号42が準備されていた。大ブーイングと黒人の歓声の中で試合開始。第1打席が内野ゴロでファーストに全力で走り込んだが、アウト。アナウンサーは「普通ならセーフ」と放送!ここからロビンソンへの虐めが始まった。

ジャイアンツ戦で初ホームラン。

4月22日、フィリーズ。初球にビーンボールを投げられ、ロビンソンは凡打に終わった。フィリーズの監督チャップマンのロビンソンと妻を罵倒する声が鳴り響く。ロビンソンは遂に耐えられなくなりバットをへし折って泣いた。これをリッキーが「耐えろ!グランドで打て!試合に勝って世界を変えろ!」と励ました。

9回、チャップマンの罵声が飛んでくる。見かねたドジャーズベンチから投手のスタンキーが抗議に出てきた。これでロビンソンはヒットで出塁。3塁まで盗塁し、次のマンクシーの安打でホームを踏んだ。ロビンソンがスタンキーに礼を言うと「同じチームだ!」と言い放った。こうしてロビンソンの勇敢なプレーがチームに認められるようになっていった。シャワーにも「一緒に!」と誘われるようになった。

次のフィラデルフィアでのフィリーズ戦。相手GMから「ロビンソンを外してくれ」とリッキーに要請が入ったが、これを拒否した。

1947年5月9日、フィラデルフィアドジャーズ選手団は予約ホテルから宿泊拒否され選手の中でロビンソンに「謝れ!」と批判が出たが、彼は断固とこれを拒否した。

スポーツ紙に「フィリーズ球団が差別主義を取っているのではないか?」という記事が出て、急遽ロビンソンとチャップマンがグランドで和解の握手を交わすことになった。ロビンソンはバットを介して握手することにした。

パイレーツ戦ではオスター・ミューラー投手ビーンボールを投げられ、嫌がらせは続いた。

シンシナティでの試合直前、同市出身のピーウィー・リー遊撃手(スルーカス・ブラック)が「脅しの手紙がきた」とリッキーに訴えると、リッキーはロビンソンに届いている何百通もの脅しの手紙を見せた。

1947年6月21日、シンシナティクロスリー球場。「黒人は来るな!」の合唱。ピーウィーがロビンソンに寄ってきて「全員が42番をつければいいのに!」と肩を抱き観衆に応えた!観客から拍手が起きた!

ブランカ選手が「君は誰よりも勇敢だ!」と励ました。ロビンソンはチームメイトから強く信頼されていた。

1947年8月20日、ブリックリン。激しい闘いを続けていたカージナルスの試合。

11回裏、2対2の同点。凡打で走ってくるスローター選手に足を引っ掛けられ負傷した。しかし、ロビンソンはチームメイトに「報復はよせ!と止め、立ち上がって観客に応えた。

見舞ったリッキーは「心配せんでもよい。お前が土をつけてバットを握るのを真似た子を、途中で見てきた」と励まし、「黒人選手のチャーリー・トーマスは優秀だったが挫折した。野球が腐っていた。お前がまたいい野球を見せてくれるのがありがたい。俺は野球が好きでやっている」と言った。

ロビンソンの忍耐が功を奏し、「野球を超えた理想のため、彼には驚くべき勇気がある。何者をも恐れない強さが皆を動かし、屈することなく世界を変える。だが、野球はテニスと違ってチームが必要だ!先ずは仲間を作り、受け入れられ、共に戦ってこそ勝利をつかめる」と評価されるようになっていった。

1947年9月11日、ピッツバーグドジャーズはパイレーツとの試合に勝てばナショナルリーグ優勝が決まる戦いだった。 相手投手はあのビーンボールを投げられたオスター・ミューラー。ロビンソンは「しっかりなげろ!」と声を掛けてバッターボックスに入り、ホームランでお返しした。チームは優勝しワールドシリーズに進出した。

まとめ:

399人の中にたったひとりの黒人選手ロビンソン。白人、マスコミ、野球選手、監督から、彼に加えられる人種種別のいわれなき罵声、妨害、脅迫。見ているだけでも辛くなる。これに堪える姿に涙がでました

ロビンソンはこれに堪え、驚くべき勇気で何者をも恐れず皆を動かし、チームの一員となり、世界を変えた。これには妻レイチェルの献身的支えを忘れてはいけませんね!

シンプルな人生の成功譚でしたが、とても感動的でした

主人公のチャドウィック・ボーズマンの真面目な演技が前面に出た作品でしたが、裏方のハリソン・フォードが見せてくれました。

結構、メジャーの裏事情も分かって面白かった!(笑)

日本選手が今日ではメジャーで大活躍ですが、こうなるにはロビンソンの努力があったことを忘れてはならない。

大谷選手の行動を見ていると、この作品を観たせいか、どことなくロビンソンに似ているように思います。2023年4月19日の大谷のNY戦。相手キャッチャーの打撃妨害で出塁し、盗塁で相手のミスを誘い3塁に。味方のヒットでホームを踏む。まさにロビンソンの野球でした。これに目をつけているアーロン・ブーン監督?来期が楽しみですね!

            *****