クリント・イーストウッド主演、セルジオ・レオーネ監督作品のマカロニ・ウェスタン3作品の「荒野の用心棒」に次ぐ第2作目作品。
監督：セルジオ・レオーネ、撮影：マッシモ・ダラマーノ、音楽：エンニオ・モリコーネ。
出演：クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ、ジャン・マリア・ヴォロンテ、他。
あらすじ：
馬と一緒に列車に乗り込み悪党を追う初老のモーティマー大佐（リー・ヴァン・クリーフ）、拳銃の射程外から相手を仕留める。これに対し、荒野に落ちる陽を浴びてやってきた流れ者のモンゴ（クリント・イーストウッド）、早打ちで一気に数人を倒す。
銀行強盗のインディオ（ジャン・マリア・ヴォロンテ）が監獄を脱走して、行方不明者となり、1万ドルの懸賞金が賭けられていた。
インディオはエルパソ銀行を襲い100万ドルの入った金庫を奪うことにした。
モーティマー大佐とモンゴが「エルパソ銀行に現れたインディオを狙う」と目を付けた。
インディオの手下がエルパソ銀行の偵察に現れた。モーティマー大佐とモンゴはどちらがインディオを追うかと決闘。お互いの帽子を拳銃で吹っ飛ばし、これを拾えるかで争ったが、決着がつかなかった。(笑)
ふたりは協力して強盗団を狙うことにした。
モーティマー大佐が「ふたりだけで14人の強盗団と戦うことは無理！」とモンゴに「強盗団に潜り込め！インディオを殺したら賞金はやる」と約束し、オルゴール付の懐中時計を渡した。
モンゴはインディオの仲間で入獄中のサンチョ（パノス・パパドプロス）を救出し、彼の案内で強盗団に潜り込んだ。
インディオは4人の先発隊で銀行を襲い保安官を引きつけ、その隙に金庫を奪う作戦に出た。モンゴは先発隊に同行することになった。
先発隊。途中でモンゴが全員射殺した。モンゴはエルパソに取って返し、「銀行が襲われた」と電信を保安官に流し、モーティマー大佐とともに強盗団主力が現れるのを待っていた。
馬車をまじえた強盗団主力が現れたが、銀行前を済々と通過。何事もなくほっとしたところで、銀行内部で爆破が発生。主力が引き返して金庫が運び出し馬車に乗せて逃走した。インディオの見事な作戦に騙された！
モーティマー大佐はモンゴに一発見舞い顔に傷をつけて、「その傷ならインディオは信じる！強盗団を北のリオグランデ渓谷に誘導、ここでやる」と再び強盗団に潜り込ませた。
モンゴは顔の傷でインディオに信用された。「襲撃があるから南に逃げるべし」と意見を出したが、東のアグアカリエンテの街に入った。ここはインディオが支配する街だった。そこにモーティマー大佐が現れ、ふたりはインディオに捕まった。
モーティマー大佐は「金庫の開け方を知っている」とバーナーで焼き切って金庫を開けた。インディオは「今分配して逃げると捕まる、1カ月ここに留まり様子を見る」と仲間を説得し、秘密の部屋に金庫を隠した。「ふたりを殺して、銀行犯に仕立てる！」と配下に殺害を指示したが、グロッギー（ルイジ・ピスティッリ）は「あんたが独り占めする気か！」とその嘘を見抜いた。
モンゴとモーティマー大佐がサンチョによって解放され、強盗団と撃ち合い。残ったのはインディオとグロッギーのみとなった。モーティマー大佐は「結婚前の妹を殺した憎いやつ」とインディオと決闘することになった。が、決闘のための拳銃がない！モンゴは自分の拳銃を貸し、決闘を見守った。
モーティマー大佐は見事にインディオを倒し、「賞金はお前に譲る！」と去って行く。モンゴがグロッギーを倒し、馬車に強盗団の遺体を満載して去った。
感想：
「マカロニ・ウエスタン」と揶揄したように聞こえ、夕陽のガンマンというタイトルもよく分からなかったが、めちゃくちゃに面白い！
モンゴはインディオに掛けられた賞金の他にその仲間の掛けられた賞金、さらに銀行から奪った金を得て、「これで殺し屋を辞める」というエンディングに笑った。(笑)
大佐とモンゴの正義。大佐が妹の仇を討つという愛に満ちた正義なら、モンゴは悪を懲らしめ、賞金を稼ぐ正義。ふたつの正義がぶつかりどうなるかとハラハラする物語。
プロットがなかなか凝っていた。大佐とモンゴは見方か敵か、ギャング内の内輪もめと、ストーリーが予測不能でスリリング、それだけでない奇想天外な拳銃アクション。
銀行強盗シーンもしっかり騙しを入れて、一変通りのものでなく、手が込んでいた！悪党どもの描き方も複雑だ！終盤の強盗団の内部崩壊なんてよく分からないが(笑)、観る者を飽きさせない。
なんといってもモリコーネの音楽、口笛とギター演奏が圧巻でした。どのシーンも音楽で生きている。永久に忘れられない作品になっています。
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