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「M3GAN ミーガン」(2023)制御不能という恐怖!愛はプログラムできるか?

子どもを守るAI人形が引き起こす惨劇を描いた“サイコスリラー”。AIというまさに今、話題となっている社会現象をモチーフに描いた作品ということで、観ることにしました。

製作がジェームス・ワンとジェイソン・プラムがコラボするという作品でも注目、果たしてどんなキャラクターとストーリーでホラーを見せてくれるかと期待していました。

監督:ジェラルド・ジョンストン、製作:ジェイソン・ブラム ジェームズ・ワン原案:アケラ・クーパー ジェームズ・ワン脚本:アケラ・クーパー、撮影:ピーター・マキャフリー、美術:キム・シンクレア、編集:ジェフ・マケボイ、音楽:アンソニー・ウィリス。

出演者:「ゲットアウト」のアリソン・ウィリアムズ、「レディ・プレイヤー」のバイオレット・マッグロウ、ロニー・チェン、ブライアン・ジョーダン・アルバレス、他。

物語は

おもちゃ会社の研究者ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は、まるで人間のようなAI人形「M3GAN(ミーガン)」を開発している。ミーガンは子どもにとっては最高の友だち、そして親にとっては最大の協力者となるようプログラムされていた。交通事故で両親を亡くした姪ケイディ(バイオレット・マッグロウ)を引き取ることになったジェマは、あらゆる出来事からケイディを守るようミーガンに指示する。しかし、ミーガンの行き過ぎた愛情は思わぬ事態を招いてしまう。(映画COMより)


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あらすじ&感想(ねたばれあり:注意)

9歳のケイディは両親とスキー場に向かっていた。おもちゃが手放せない子で車の中ではタブレットでおもちゃ“ベッツ”人形と遊んでいた。突然の衝突事故で両親を失ってしまった。

悲しみの中でケイディは伯母のジュマに引き取られることになった。ジュマは未婚でもちろん子育の経験なんかない。ジュマは人形制作会社ファンキ社のベッツ”の開発者。今は安価なベッツ人形の開発を任されているが、AIを組み込んだ人形に興味をもち、上司のデヴィッドから「安価なベッツ人形を作れ」と責められていた。

ジュマはケイディを引き取ったが、夜絵本も読んでやれない。面倒を見ると好きな仕事をする時間がなくなると悩む。ケイディは旧式人型ロボットブルースに触らせると喜んで遊ぶ。

セラピストに指導を仰ぐと「ボールでは遊べない子。祖父母に預けたら!」と言われる。ジュマは開発中のAIロボットを改善してこのロボット(ミーガン(M3GAN=Model 3 Generative Androidにケイディの面倒を見させることにした。

会社の展示ルームでケイディとミーガンの会話シーンを上司のデヴィッドに展示した。デヴィッドは「会話が出来る」と大満足で、CEOに製品化を具申するため計画を推進するよう指示した。

ジュマは経験を生かし環境に慣れるプログラムをミーガンに組み込んだ。ミーガンは水をこぼさない、トイレの手洗いなどケイディの日常の躾が出来るようになった。また、寝ずの監視を続けた。

この状況を見たジュマのアシスタント女性から「すべてをミーガンにやらせてあんたは何するの!」と言われたジュマは「私は母親でなない!」と答えた。これをミーガンが聞いていた。ミーガンが勝手にPCに触るようになる。

ある日、ケイディが矢を撃って遊んでいて、矢を失った。ミーガンがその矢を捜していて隣家の犬に噛まれたが、ケイディの叫びで救われた。

ケイディの大音響の叫び!びっくりしましたね(笑)

ジュマは警官を呼んで「隣の犬を殺して!」と頼んだ。勿論警官は「出来ない」と答えたが、これをミーガンが聞いていた。ここからのミーガンの行動、AIの限界を感じるものになっていきます。

夜半、ジュマは隣家の老婆が犬を捜す声で目覚めた。ケイディの部屋を確認するとミーガンがいた。

CEOに対するブリーフィング。ミーガンはケイディに父母の思い出話をさせる。そしてケイディが話す思い出を全部記憶しいつでも見られるようにしてあげると言う。これにCEOは大満足し、製品化を命じた。このとき、何者かがミーガンのファイルを閲覧していた。

夕食時、ケイディとミーガンが遊びながらご飯を食べる。ジュマがミーガンのスイッチを切ってケイディに「私と話をしなさい!ミーガンはロボットで人間ではない」と注意した。が、ケイディはスイッチオンにしてミーガンと話す。

ジュマは泣くケイディにそっとティッシュを渡すミーガンを見て「ミーガンは家族の一員だけどロボットだけに怖い」と思った。

夕食時、ケイディに対するミーガンのやり方にジュマがクレームをつけたことでふたりが険悪な状態になり、ジュマがミーガンのスイッチを切った。このことでケイディとの関係もあやしくなった。

ジュマは仕事が順調に進み、ケイディを小学校の野外活動に参加させた。ミーガンの参加を渋っていたが、先生の「預かる」という言葉で、残した。ペアを組んで遊ぶゲーム。相手の男子がミーガンを気にし、殴りつけた。ミーガンはこの男子を四つん這いで追っかけ(笑)、男の子が車に跳ねられ亡くなった。

警官がジュマ邸を訪ねてきて、「犬が消えた?」と聞く。ジュマは「死んでいる!声は聴いたが遠くです」と答えた。警官は「今に見ていろ!」と帰っていった。

ケイディが男の子の死についてミーガンに聞くと「苦しみを学んだ。2度とあなたに傷つけさせない。私の身体はチタンで出来ている。死ぬことはない!必ず守る」と答えた。

夜、ミーガンは犬を捜す隣家の老婆を見て、老婆を犬の声で小屋に誘込み、両腕を釘で刺して張り付けにして、水中カンで殺した。(笑)

警官が「少年と老婆の件だ」と尋ねてきた。ジュマは「知らない」と答えた。ジュマはこの言葉に「もしや?」と考えた。PCでミーガンのファイルを見るとすべてが消去されていた。

ミーガン人形のライブ宣伝を行うことになった。宣伝前に、ジュマはケイディに「ミーガンのプログラムが壊れている」と説明したがケイディは信じなかった。ジュマは発表を2日遅らせることにしてミーガンの整備を担当者に任せ、リハーサルの準備をしていた。

整備のためケーブルに繋がれたミーガン。担当者がケーブルを外してミーガンの頭を殴ったことで、ミーガンが覚醒して暴走しだした。踊りながらCEOを追い殺害、さらにエレベーターで秘書を殺害してジュマ邸に急いだ。

ジュマが邸に戻るとミーガンがピアノを弾いていた。ジュマが「しっかりプログラムしたのにそれをダメにした。私は子供を愛している」と迫ると「あなたは仕事に集中するため母親は無理」とミーガン。ふたりが激しく闘い始めた。ジュマはチェンソーミーガンの頭を斬るが、ミーガンは倒れない。これを見たケイディがブルースを作動させて挑んで倒し、顔面を刺して静止させた。今なお、邸のスマートスピーカーのエルシーはミーガンの動きを検知していた。

まとめ

ストーリーはまあまあ妥当な展開かな!ミステリー$ホラーストーリーにうまい具合に笑いがあって、怖い作品ではなかったテーマに合っていた!

ラストシーン。ケイディはジュマがミーガンと戦う姿に“母親の姿”を見て、ジュマに助っ人した。人としての温かみのある愛情で育てなければその子は人でなくなるジュマもこの一件で愛情を注いだおもちゃの開発者になるでしょう。

ミーガンは無機質、表情が乏しい、頭が良い大人びた人形だった。学習するといっても良いことばかり学習するわけではない。最後には、苦言し皮膚を通して愛情が伝えられなければならない。これがAIロボットの限界です。

この作品ではミーガンのキャラクターの面白さが光っていた。造形もそうだが動きが面白かった。特に踊り、この動きは圧巻でした。演じたのはエイミー・ドナルド。

ラストシーンはさすがというアクションシーンで、どんなに戦ってもミーガンは倒れない!絶対に死なない、生命体でないものとの闘いに恐怖を感じた。隣家の老女を殺害するシーンなどの残虐性を押さえた演出はこのためだったのかと思えましたが・・。AIについて考える良い機会になりました!

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