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「キングダム」(2019)

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中国の春秋戦国時代を舞台(BC250)に、大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信と、中華統一を目指す若き王・エイ政(後の始皇帝)の物語。
2006年より「週刊ジャンプ」に掲載されている同名コミックで、現在までに単行本54巻まで刊行されており、映画化されたのはそのうちの5巻分とのこと。未読です。この壮大な物語、どのような時代だったのかと観ることにしました。

登場人物で、エイ政と同盟を組む“山の民”の女王:楊端和を演じる長澤まさみさん、大きな力を持つ役でまるで「ワンダーウーマン」(2017)の主人公のような衣装で登場ですが()、肌の色が白すぎる。
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よく見ると男性たちも兵馬俑展で見た人物像とはかなり体躯が貧弱()。ということで、信ぴょう性にやや疑問を持つものの、ハリウッドから美術、メイク、衣装のベテランやアクションのためにジャッキー・チェンチームのスタッフが参加しており、できるだけCSVFXを使わないで現地中国でロケしのべ1万人のスタッフ・エキストラによる映像は見事でした!もっとロングの映像が見たかったですね。
史記」などはとても読む力がありませんが、シンプルなストーリー展開による物語の圧倒的な面白さとこの時代の空気感に引き込まれました。

あらすじ:
紀元前245年、春秋戦国時代の秦。戦災孤児の少年・信と親友の漂は、天下の大将軍になることを夢みて剣術の鍛練に励んでいた。そんなある日、漂だけが王宮に召し上げられ、2人は別々の道を歩み始める。しかしその後、致命傷を負った漂が信の前に姿を現わし、地図を信に託して落命する。
悲しみに暮れる信が地図の示す小屋にたどり着くと、そこには漂と瓜二つの男が静かに佇んでいた。男はクーデターを起こした弟・成キョウによって玉座を追われた秦の若き王・エイ政だった。いわゆるお家紛争。
漂がエイ政の身代わりで命を落としたことを知り、一度は激高した信だったが、エイ政の中華統一に懸ける信念と漂から託された遺志を受け止め、エイ政と行動を共にすることを決意する。こうして王宮奪還への過酷な戦いに身を投じていく信だったが…。<allcinema>より転用

これで十分すぎるほどの説明です。() この後は楊端和を誘い威陽宮に乗り込み成キョウ派を打倒するアクション。
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冒頭、信が土地のまとめ役・里典に引き取られ馬車で移動中に、草原の彼方に六大将軍のひとり王騎(大沢たかお)とその副官謄(要潤)を認め、奴隷の子・信が将軍に憧れるというシーン。ずらりと並んだ軍勢がすばらしい。
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なかでも体重を増やしゆったりと微笑む大沢さんは将軍にふさわしい佇まいです。出番があと2シーンですが、歴代の大将軍として風格もセリフも恰好よくて、この作品のいいところどりです。() 信の夢がこの将軍のようになりたいというのが本作のテーマです。
里典に引き取られたふたり、漂と信が将軍を目指して互いに練磨し合うシーンが、美しく、時間が過ぎ去り、漂・吉沢亮さんと信・山崎賢人さんに成長していく過程がうまくつながり、ふたりの格闘技がよく演練されています! 
 
エイ政の将来を心配する大臣・昌文君(高嶋正弘)がエイ政にうり二つの漂を貰い受けて帰るシーン。そして、時を経て、漂がエイ政の身替りとなり瀕死の傷を負って戻ってきたシーン。いずれもふたりの演技は、少しひつこいというぐらい熱が籠ったのでしたが、すばらしい出来でした。
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山崎さんの格闘シーンは、このあと2シーンの闘いを経てラストで弟・成キョウ側の凄腕剣豪・左慈坂口拓)との決戦に臨む。この時代はまだ剣術の決まった型はなかったそうで、山崎さん流の激しい動きのある豪剣ぶりを見せてくれます。
 
天幕張りの小屋で信がエイ政に会うシーン。信には漂を死に追い込んだ男だということで当初エイ政を信用しない。いずれも母親がいないこと、特にエイ政の母親は下層階級の出らしくこれが理由で弟成キョウが反乱を起こしたこともあり、エイ政と信が対等に口を利き助け合うところが、血縁や民族ではない結び付きの新しい国家建設へとつながっていくことになるのでしょうか
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そこで、羽根を被り蓑を付けている女の子・河了貂(橋本環奈)が加わり、ふたりを手助けするようになる。おかしな恰好なので、おもしろいことをやるのかと思っていましたが、大真面目な役でした。()ラストで彼女の存在感が出てきます。

威陽宮を脱出する際に行方が分からなくなっていた昌文君がその部下とともにエイ政に加わり、威陽宮奪回のため険しい山越えして、“山の民”の女王:楊端和に会い行く。
山の民の兵士たちは顔を隠すために動物の被りものをしていた。まるでスター・ウオーズを観る思いでした。()
なかでも楊端和がひどいもので、面を取り長澤さんの顔が現れると、びっくりでした。兵士としての姿が、そしてセクシーな戦い方にまたまたびっくりです。()
エイ政が楊端和を「過去の諍いを捨てるため、国境のない新しい国を創ろう」と説得するところに、エイ政の人の大きさが見えます。

8万人の成キョウ派軍とエイ政と山の民の連合軍3000で如何に戦うか、エイ政と楊端和が描く威陽宮奪回作戦。
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数万の兵と見せ掛け、同盟の交渉で宮中に入り、一気に中枢を叩くというもの。成キョウ派も入場人員を50名と制限をしてくる。覆面をして宮中に入る楊端和、エイ政、信ら50人の奮戦。大団円の激戦シーンは、見応えがあります!
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そして、突然現れた王騎軍と将軍の下したあざやかな取りなし! エイ政の「俺は中華を統一する最初の王になる」に、成キョウの武将・魏興(宇梶剛士)を斬り捨てた。 
 
沢山の方に支持されて続編を観たいですね!
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