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宮﨑あおいさんを応援します

「オットーという男」(2022)4度自殺を試みて掴んだ人生は!

 

トム・ハンクス出演作ということでWOWOWで観ました。自らの製作出演作品、彼にはこういう作品が多い!ライフワークなんですかね!

人生を楽にしてくれる!本作は定年で職場を去り、妻を亡くして孤独に苦しむ男が如何に人生を終えるかという話です

原作:スウェーデン発のベストセラー小説を映画化したもので、第89回アカデミー外国語映画賞ノミネートされた「幸せなひとりぼっち」こちらは未見です。

監督:プーと大人になった僕」のマーク・フォースター脚本:「ネバーランド」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」のデビッド・マギー撮影マティアス・クーニクスビーザー、編集:マット・チェシー、音楽:トーマス・ニューマン主題歌:リタ・ウィルソン。

出演者:トム・ハンクスマリアナ・トレビーニョ、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、レイチェル・ケラー、トルーマン・ハンクス、他。

物語は

町一番の嫌われ者で孤独だった男が隣人一家との触れ合いを通して再生していく姿を描いたヒューマンドラマ。

町の嫌われ者でいつもご機嫌斜めなオットー(トム・ハンクス)。曲がったことが許せない彼は、近所を毎日パトロールしてはルールを守らない人に説教を垂れ、挨拶をされても仏頂面で、野良猫には八つ当たりをするなど、面倒で近寄り難い存在だった。

しかし、そんなオットーも人知れず孤独を抱えている。最愛の妻に先立たれ、仕事も失った彼は、自らの人生を終わらせようとしていた。ところが、向かいの家に越してきた陽気な女性マリソル(マリアナ・トレビーニョ)とその家族が、なにかと邪魔をして、死のうと思っても死ぬことができない。しかし、そんな迷惑なはずの一家の出現が、彼の人生を変えてくことになる。(映画COM)


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あらすじ&感想

停年退職前日、オットーは雑貨店でフックと6フィートのロープを買って、ヤード単位での支払いに難癖をつける。(笑)いかにも理系らしい情緒のない男だった。(笑)モノトーンの人生に色を付けてくれたのは亡くなった妻だというのが分かる。(笑)

停年当日、出勤前に日課、アパートまわりに犬猫の糞はないかと点検(笑)、ゴミ箱の点検、アパート前の道路、駐車場、車庫前の駐車違反はないかと見回り。これを厳格にやって注意するから嫌われ者だった。

会社に出勤すると形ばかりの送別会、「堅物で大変だった」の声を聴きながら花束で送りだされた。(笑)

#1回目の自殺失敗

退社したオットーのやることは決まっていた。保険金・電話契約を止めて、天井にロープをかけ首を吊る。が、フックがハズレて失敗。(笑)そこにアパート前で縦列駐車が上手くできず騒ぐ女の声。オットーが駆けつけ正しく停めた。隣に引っ越してきたマリソンとトミー(マヌエル・ガルシア=ルルフォ)夫婦だった。マリソンがお礼にとメキシコ料理をもってくる。

#2回目の自殺失敗

雪の朝。雪かきをしているところにマリソンがケーキをもってくる。(笑)トミーがペンキ塗りするから梯子貸してくれという。その際、隣のアニータさんのところの暖房ラジエーターの調子が悪いからレンチを貸してくれという。

オットーがアニータを尋ねラジエーターを調整した。ところが夫のルーベンが車椅子に坐り身体は動かず会話もできない状態だった。これを見て、生きることに絶望して車庫にある車の排気ガスで自殺することにした。ところがマリソンが「夫が梯子から落ちて怪我、私は妊娠中で運転ができない、病院に連れてって!」と激しく車庫のドアーを叩く。またして、自殺をマリソンに妨害された。(笑)

#3回目の自殺失敗

電車のホームから電車に飛び込み自殺をしようとしたところが、先客があった。オットーが男を救助したことがSNSで大評判になった。

雪の朝、猫が寒さで動けなくなっていた。お節介なマリソンの勧めで猫を飼うことになる。(笑)

マリソンが夫が怪我ではショッピングにも行けないと車の運転を教えてという車が趣味のオットーはこれを引き受け、マリソンが期待する以上に熱心に教えた。(笑)喫茶店でコーヒーを飲みながら「若い頃、隣のルーベンと車自慢をしあったが、彼がトヨタセリカGTを買ったのを機会に絶交した」などと話す仲になっていった。(笑)

マリソンが夫と出かける際にはふたりの子供の面倒を頼まれる。本の読み聞かせ玩具で遊ぶことに喜びを感じるようになった。

#4回目の自殺失敗

オットーが車庫に車を収めているところに、女性のSNSリポーターが「自殺者救助で有名な人。日常の生活をリポートさせて!」とやってきた。オットーは「見せられない!」とリポーターを「勝手に開けろ!」車庫に閉じ込めた。(笑)

そこにマリソンがやってきて「ひどい!」と怒る。そして、「父が亡くなったときそうだったの!気分がよくなるから奥さんのものを整理してあげる!」という。さらに通りがガリの不動産屋が「奥さんには虐められた!あんたももうすぐアパートを出ることになるよ!」と声を掛けた。

妻が忘れられないオットーには妻のものを整理するのもこのアパートを出ることも耐えられなかった。兵役検査に落第し悲観の中にあった自分を慰めてくれ、大学卒業と同時に結婚。妊娠したがナイヤガラ観光旅行に出かけ交通事故に遭い腹の子を失い障害者となったが、ボランティアとして子供の本を読み聞かせ、常に優しく支えてくれた。

オットーは妻の思い出とともにと部屋に戻り猟銃を持ち出し自分の喉を撃った。が、弾が外れた。(笑)

音を聞いて駆けつけたのはマルコムだった。マルコムは妻が教員時代の教え子で「先生はトランスジェンダーの自分を認めて優しく接してくれた」と言い、今は車を買いたいと新聞配達員をしている少年だった。彼に慰められた。

もう自殺は止めた!

不動産屋が息子の希望で隣のルーベンのアパートを空けさせようとしている話を耳にしたオットーは「息子はそんな男でない!」とこれを阻止するためにSNSリポーターの力を借りることを思いつき、マリソンに電話を使わせて欲しいと頼みにきた。

マリソンが「先日の態度はないよ!」と断った。「あなたは自分のことしか考えない!相手の気持ちを察することができない」と理由を述べた。オットーは「ルーベンのためだ!」と説明し、これをマリソンが受け入れた。

不動産屋がやってきたとき、SNSリポーターがカメラを廻す中で「息子がそんなこと言い出すわけがない!」と交渉し問題は解決した。

そのときオットーが心臓肥大症で倒れ、入院した。介護してくれるのがマリソンだった。急に産気づき、マリソンが女の子を出産した。オットーは妻が妊娠時準備した乳母車を贈った。

このあとオットーはより深くマリソンの家族とお付き合いをするようになっていった。大型車に買い替え家族で旅行するとか、子供たちとゲームや本読みをすることでお爺ちゃんと慕われるようになっていった。

自分の死を嗅ぎ取ったオットーはマリソンに遺言を残し亡くなった。そこには「葬儀をお願いする。自分を好いてくれた人だけでよい。車はあなたに譲る!」とあった。

まとめ

原作の「幸せなひとりぼっち」は観ていない。どうリメイクしたかは分からない。ひとりぼっちは自由を満喫できるが、その最期をどう考えるかという問題がある。死を考えるほどの孤独感のあるオットーがこの問題をどう解決したかで描いてみた。

オットーに変化が出た、人が変わったのは、押し付けがましくもあるが、マリソンから言われた「自分のことばかり考えないで相手のことを考えてよ!」だった。この当たり前の言葉がいい。頼られることで生きる目的が出てくる。自分が入院してみてマリソンの存在の有難みが分かった。年取ったら、身内より近くにいる他人です。

思わぬところで助け人があらわれるのも事実だ。人生は何が起こるか分からない!他人に大切にだけはしておけ!

 マリアナ・トレビーニョはTV女優でコメディーを演じているとか。押し付けがましいが愛嬌があるマリソン役がよく似合う。これがトム・ハンスに馴染んでくるから、人は分からないものだと思った。(笑)

たいした物語ではないが、トム・ハンクスの暖かさが滲み出た作品で、最期まで観てしまう。徳のある人だと思う

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