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「ゴジラ-1.0」(2023)圧巻の破壊力をもつゴジラ!抗する人々に戦う勇気、希望を与える!

 

朝ドラ「らんまん」で大活躍のふたり、神木隆之介さんと浜辺美波さんを見ようと本作を選んだ。ゴジラ映画の第一作54年版の「ゴジラは当時映画館で観たが円谷英二さんの特殊撮影映像記憶しかない。ゴジラ映画を沢山観たと思うが、思い出せるのは「シン・ゴジラ」。(笑)それほどにこの作品はよくできた作品だと思う。

「―1.0」とはいかなるゴジラなのかと駆けつけました。

監督・脚本:ALWAYS 三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎貴撮影:柴崎幸三、VFX山崎貴編集:宮島竜治、音楽:佐藤直紀

出演者:神木隆之介浜辺美波山田裕貴、青木崇、吉岡秀隆安藤サクラ佐々木蔵之介、他。

物語は

舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていくという物語。(映画COMより)

ゴジラ誕生70周年記念作品、国内30作目の節目の作品

この作品をVFXの達人、山崎貴監督に撮らせたというのが見所!物語は原点回帰でメッセージ性の高い作品。ここに製作意義がある。「日の出る国」といわれた日本が「日が沈む国」へと進む今日、さらにコロナ禍で醜態をさらした国のありようを思うと、敗戦の中から立ち上がった日本国民の生き様を見る思いがする作品だった。

物語は1945年から1947に渡る物語で54年版ゴジラ作品の前日譚になっている終戦直後の混乱にさらなるゴジラ出現という悲劇に国民がどう行動したか。これが「-1.0」の意味だった。よく分からない(笑)

ちなみに54年版ゴジラ映画は米国の水爆実験で目覚めた怪獣ゴジラを核や戦争のメタファーとして描いた日本初の怪獣映画。大戸島の伝説にあるゴジラが品川から日本に上陸し東京を火の海にするというものだった。


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あらすじ&感想(ねたばれあり:注意)

ねたばれなしでは語れない!最小限で行きたい!(笑)

1945年、特攻隊員の敷島(神木隆之介)搭乗のゼロ戦が大戸島に不時着大戸島守備隊所属の航空機整備のプロ・橘(青木崇)が機体を点検したが異常がない。「いいんじゃない!みんな分かっている!」とひとこと。岸に押し寄せる深海魚を見た敷島は異常を感じた。その夜、15mにも達する怪獣、島では伝説となっている呉薾羅、ゴジラ怪獣が出現した。橘は敷島に20mm機銃で射撃するよう求めたが敷島は機銃の引き金を引けなかった。ヘタレ特攻だった!これで敷島と橘以外の兵士が全滅した。

12月、敷島は大きなトラウマを抱え東京の実家に戻ってきた。父母が空襲で死亡、東京は焼け野原だった。隣家の澄子(安藤サクラ)からは「何しに帰った、軍隊が負けてこの様だ」と嫌味を投げつけられた。(笑)

焼けただれた家に空襲で両親を亡くした大石典子(浜辺美波)が「空襲の火災時に託された子!」と乳飲み子を抱えて飛び込んできた。ふたりは澄子の力を借りて赤ちゃん・明子を育てることにした。

敷島は「給料がいい」ということで機雷処理の仕事についた。掃海艇“新生丸”の乗員は元海軍の艦長・秋津(佐々木蔵之介)、兵器開発に関わっていた野田(吉岡秀隆)、戦争未経験の若者・水島(山田裕貴)だった。仕事は順調で稼ぎもよく、小さいながらも家を新築し、典子らと穏やかに過ごしていた。しかし、戦争とゴジラのトラウマに苦しみ続けていた。

ビキニ環礁で米国の水素爆弾実験があり、異形の生物が発見され日本に向っているという情報があった。日本政府は重巡洋艦“高雄”の日本到着まで新生丸と他の一隻の掃海艇でゴジラの日本到達を遅らせる作戦を採った。

ゴジラ探索中の新生丸の前に、原爆で爛れたゴジラが青い光を放つ背ビレ姿を見せた。

敷島はこの異様な姿に「大きくなった!」と驚いた。新生丸は全速力で魚雷網に掛けようと逃げ廻る。口を開けたゴジラが追ってくる。射撃しても効果なし。到着した高雄が襲われ一瞬の間に沈没。秋津はゴジラに魚雷を食わせ、この魚雷を敷島が機銃で撃つ作戦に出たゴジラは青い光を放って海に消えた。

敷島はゴジラが東京を襲うと恐怖したが、政府はこの事実を隠した。敷島は不安だった。悪い夢でうなされ、典子の介抱を受けていた。敷島は「特攻で死ぬのが嫌で不時着したこと。そしてゴジラ出現に射撃できず多くの兵士を死にやったことを告白した。典子は「残された者は生きる使命がある」と励まし、敷島はこの言葉と典子、明子の存在に救いを見出した。

典子は銀座で働く決意をした。彼女は明子を育てるために必要だと考える強い女性だった。典子は通勤電車の中で、ゴジラに襲われた。ニュースで「ゴジラが銀座に向かう」と聞いた敷島は銀座に急いだ。

品川に上陸したゴジラの暴れ方大混乱の人の群れ。これをすばらしいVFX映像で見せてくれる。ゴジラの太い足に特徴があった。この足で踏みつけ、尾っぽで払うビル群が木っ端みじんに飛び散る。カメラアングルがよかった。ハリウッド並みの映像だと思った。典子が乗っていた電車はゴジラが咥えで振り回す。車内で宙吊りの典子、東京湾にダイブした。典子は銀座で敷島に出会った。戦車の射撃を受けたゴジラが青い炎を吹き、大暴れ。咆哮するゴジラ。怖いと思った。よく出来ているゴジラだった。爆風でふたりは吹き飛ばされた!敷島は必死で典子を探したが見つからなかった。

典子の葬儀の日。訪れた野田から“ゴジラ撲滅作戦”に参加しないかと誘われた

敷島は民間人の参加を求める集会に参加した。作戦隊長は駆逐艦雪風”艦長の堀田(田中美央)。「軍隊を持たない政府に力がない。米軍がソ連のことで頭が一杯だ。そこでゴジラ撲滅戦を民間の力でやる。かっての軍隊とは違う、命を大切して行う!」と参加を求めた。「そんなことが出来るか?」という声に、野田がやり方を説明した。「フロンガスを用いてゴジラを急速に1500m沈め、風船を使って一挙に浮揚らせて浮上、この圧力差でゴジラをやっつけるというものだった。海の力で海を鎮める作戦「わだつみ作戦」だという。問題はいかにしてゴジラ相模湾沖に連れてくるかだという

「俺の戦争は終わってない」という敷島の頭にある案が閃いた。この表情を見た秋津が「あいつもやっと戦争の呪いから解放されるか!」と呟いた。

あとは劇場で観てください!

まとめ:

ラストシーン、敷島の攻撃でゴジラは青い光を放ちながら海に消えていった。そのあと大音響のゴジラの咆哮が続いた。54年版「ゴジラ」にバトンタッチ。典子の最後は劇場で確認してください。

これまでゴジラ映画はゴジラの行動映像を楽しむものだと思っていたが、この作品でゴジラと戦う人たちの物語だということを強く感じた

 敷島と典子の苦難の中で生きる愛の物語だった

敷島はゴジラと戦うことで戦争の悪夢から放たれた。野田以下のゴジラと戦った人たちは「心を合わせやれば出来る」という民間の力“叡智の力”を知った。ゴジラはその時代の人々に戦う勇気、希望を与えるものだと思った。いたるところにかっての政府・軍部批判メッセージがあったが、これはちょっと鼻についた!

ゴジラの映像、戦う戦場シーン。新生丸に迫るゴジラ、銀座で暴れまくるゴジラ、恐怖で逃げまくる群衆、秀逸なシーンだった

神木隆之介さんと浜辺美波さんの演技にハズレなしだった。昭和の女性を演じると浜辺さんと安藤サクラさんに敵う女優さんはいない!

メッセージ性のある作品で迫力のあるゴジラを楽しむことができました

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