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「FALL フォール」(2023)高度600mの恐怖、うまい演出だ!高所恐怖症、それだけではなかった。

 

地上600メートルの超高層鉄塔に取り残された2人の若者の運命を描いたサバイバルスリラー

スリラーというジャンルでこういう作品を観たことがない、ということでWOWOWにて鑑賞。

う~ん、面白い!アイデア勝負の作品だと思う。一度この恐怖を味わっておくのもいいかなと。(笑)

地上600mとは

東京タワーの高さか330M、世界で一番高いビルはブルジュ・ハリファ(ドバイ)828m、2位はムルデカ118(クアラルンプール)678m。ちなみに日本百名山の中の最低標高の山は筑波山、877m。

監督:「ファイナル・スコア」のスコット・マン、脚本:スコット・マン ジョナサン・フランク、撮影:マクレガー、編集:ロブ・ホール、音楽:ティム・デスピック。

出演者:「シャザム!」のグレイス・キャロライン・カリー「ハロウィン(2018)」のバージニア・ガードナー、メイソン・グッディング、ジェフリー・ディーン・モーガン、他。

物語は

山でのフリークライミング中に夫を落下事故で亡くしたベッキーは、1年が経った現在も悲しみから立ち直れずにいた。親友ハンターはそんな彼女を元気づけようと新たなクライミング計画を立て、現在は使用されていない超高層テレビ塔に登ることに。2人は老朽化して不安定になった梯子を登り、地上600メートルの頂上へ到達することに成功。しかし梯子が突然崩れ落ち、2人は鉄塔の先端に取り残されてしまう。(映画COM)


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あらすじ&感想

ベッキー(グレイス・キャロライン・カリー)は夫ダン(メイソン・グッディング)とザイルを結び岸壁を登攀中。夫の「俺を愛しているなら跳んでこい!」に励まされながら登攀。こんな二人を置き去りにして先に進むハンター(バージニア・ガードナー)。ダンがクライミングフックの打ち込みに失敗して落下、ベッキーがこれを確保できず、転落死。1年近く経ってもベッキーは死んだような状態。このようなベッキーの姿を見て、父親(ジェフリー・ディーン・モーガン)が心配して付きまとう。

そんなとき、ベッキーが600mのTV鉄塔に登ろうと誘う

ハンターはユーチューバーとしてスリリングな映像が欲しかった。ベッキーは一度は断ったが「頂上でダンの遺骨を撒いたら!」とハンターに薦められ登ることにした。

鉄塔の構造は、台脚は高さ400mの3角構造で内部に梯子があり、その上部に、外周に梯子が設けられ170mの円筒鉄塔途中にTVアンテナが取り付けられ、その頂上部にふたりが座れる半径1mの展望台がある。さらにその上部に30mの航空管制灯を支える鉄柱がある。

ハンターの車で600km走って目的のTV鉄塔に到着。立入禁止の立て看板があり、外柵が閉じられていた。徒歩で中に入るとハゲタカに襲われた鹿がいた。ハンターはこれをSNSでアップするとナイスの反応があった。気持ちの悪い映像だった。(笑)

ハンターが先頭でベッキーとザイルを結んで登攀開始

服装は軽装、ハンターは胸が目立つように。(笑)。ベッキーはダンの遺骨を、ハンターは水筒と自撮り棒、ドローンをザックに。

途中、腐食した梯子のステップ部がはずれる、ボルトが抜けることがあったが、無事TV鉄塔の最上部、展望台に着いた。ハンターはユーチュブ映像を作るために床から落ちるベッキーを片手で支える映像を撮った。ドローンでTV塔に登攀したふたりの姿を撮った。ベッキーはダンの遺灰を播くことが出来た。

ここに到着するまではハラハラドキドキだった

ベッキーがおしっこしたいと降り始めて、梯子が崩れた。ハンターはザイルで懸命にベッキーを確保。ハンターが手袋なしで円筒にザイルを巻くのは嘘っぽい!

TV鉄塔から下りる手段を失ったこれは怖い!

スマホで救援要請したいが、圏外。展望台には眼鏡とフレアガンを収めた箱があった。

ハンターはスマホが通じる地上に自分のスマホを下ろすことにした。重しに自分の靴を使い、落下時の衝撃防止にスマホをブラジャーで包み保護した。これが後に彼女にとって致命傷になるのだが・・。途中までロープで降ろし、ここから地上に落としたが、

スマホからの反応がない

眼鏡で探すとフェンスの外に止まっているキャンピングカーを発見した

ふたりの男がいる。ふたりは大声で助けを求めるが通じない。鉄塔に近づいたこころでベッキーが靴を投げたが気付かない。夜になってフレアガンを発射。男はこちらを見たが、ハンターの車を見つけ、これに乗って去っていった

、ハンターがベッキーの脚の傷を手当し、「あなたにダンを取られて辛かった」と言い出す。ハンターは仇うちでこの計画を始めたかとびっくとしたが、そうではなかった。思い出だけだった。(笑)

ここからはサバイバルだ!水少々、食べものなし

TV鉄塔登頂2日目

ハンターがロープで降りるのを試すベッキーがザイルでこれを確保。ハンターはTVアンテナに飛びつくのがやっとだった。無理と判断してベッキーが転落時落としたバック(水)を回収して展望台に戻った。

ドローンに手紙を乗せて飛ばすが、電池容量が限界でUーターン

ハゲタカがベッキーの傷を狙い襲ってくる

夜、「日の出前に充電しよう」と航空管制灯を見ながら休んだ。

3日目日の出前、ベッキーが30mの鉄柱を登り航空管制灯の電源からドローン、スマホの電池充電に成功。モーテルのチェックアウト時を狙ってドローンを飛ばした。モーテルを発見し、低空飛行に入ったところでトラックに衝突。ドライバーはトラックを点検するがドローンに気付かない。

夜、天候が急変、雷が鳴り出す!ベッキーに激しくハゲタカが攻撃してくる。

4日目朝、ベッキーは空腹を満たすためハゲタカと格闘しその内蔵を食べた

ベッキーがハンターに「もう一度スマホを地上に落とす、靴を貸して!」と話しかけると「嫌だ!」という。顔を見るとハゲタカについばまれ血だらけ!ハンターはアンテナの上に落ちていた。

ベッキーは寒さと疲労で幻覚を見ていた

ベッキーは自力でアンテナ位置まで降りてハンターの死を確認した。ベッキーの靴を借り「今度はうまくやる!」とスマホを地上に投げたベッキーは気を失った。

ベッキー父が現場でベッキーを捜していた。ベッキーの「パパ!」と呼ぶ声が聞こえた。

ベッキーはこの事件から、「人生は儚い。かみしめて生きるべきだ。その姿勢が人生の尊さに繋がる」と学んだという。 

まとめ;

高所恐怖症の私には前段のTV鉄塔に登り半径1mの展望台で繰り広げられるドラマ、これは怖かった。梯子の破壊、ボルトのゆるみ、それに風。空撮で地面を覗かせ、不気味な音楽で上手く恐怖が描写されていた。後半のサバイバルシーン、ドローンによる作戦が失敗し、天候の急変、ハゲタカに襲われ、疲労と空腹で意識障害を引き起こし、恐怖はホラー化し、倍増された。

107分でTV鉄塔とほぼベッキーとハンターふたりの演戯で観せるスリラー劇。十分楽しめた

高所恐怖は15mの高さで最大だと言われ、空挺隊員はこの高さで飛び降りる訓練で恐怖心を克服するという。

20mの塔とCGで作った恐怖作品。グレイス・キャロライン・カリーとバージニア・ガードナーの恐怖の演戯も自然で、高度600mの恐怖が見事に感じられ、このアイデアに感服です。

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