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第6週「妻の決心、夫の決意」

第6週「妻の決心、夫の決意」
第6週視聴率:23.1%
順調にここまで伸びてきました。このドラマ、細やかな人物設定、心を揺さぶるセリフ、見事に回収されていく伏線等脚本のよさ、そして出演者のすばらしい演技で、これからもまだまだ期待できると思っています。
あおいさんの出演日を追っていくと、とてもいい成績を残していて、うれしいです。惣兵衛が突然失踪してしまいましたが、はつは義父の生きる希望にもなり、あさの姉としてしっかり愚痴を聞き助言をしながら健気に生きています。惣兵衛はなにをしているのでしょうか。
家の近くまで帰っての失踪。惣兵衛の闇、両替屋時代になにがあったか、酒、悪友、金(借金)、女ではない。“はつ”への想いが彼を動かしていることは間違いない。“はつ”でなければ取り戻せないかもしれません。
あさは、幼い時から、新次郎の愛情のなかで生きてきており、全て与えられ、与えることが分らない。はつの忠告を無にしないよう新次郎の寂しさに気付いてほしい。あさの所に訪ねて来た父忠興、あさの案内ではつの様子をそっと見やるさきに、栄達と目が会って会釈を交わすシーン、お互いの想いが見えて泣きました。忠興は何もしてやれなかったことへの後悔、栄達は苦労ばかりさせることへの謝罪。はつの笑顔に救われたのではないでしょうか。
あさは、どんなに忙しく眠くても繕いものをする、下手であっても新次郎のためにこれを続けるあさ。不器用な縫い物にあさの愛おしさを感じて帰宅、そっとあさの寝顔に指を撫でる新次郎に心から妻を愛している姿を見ます。やさしい言葉に代わるこんなすばらしい愛の表現があるとは。あさの不器用なところが新次郎のとっては魅力、どんな困難をもこの夫婦は乗り切れるでしょう。夫婦の描きかたが実にうまい。こんなあさにお妾さんのはなしが出てきて・・。

はつが、大きなお腹を抱え青物を持って、ふゆの行末のことであさを訪ねてきました。あさは上座の布団にはつを座らせ、下座で交わす会話。自慢のおねえちゃんだと言い、ふゆの行末について白岡家で働くことに決まりました。はつに会ったときから、あさの目がうるんでいるようで(妾のことでの不安)、笑わへん気分だという気持ち、姉にも言えない悩みを抱いた表情がとてもよかったです。波瑠さんは演技がうまくなりました。
イメージ 1はつが突然産気づいて、白岡家であさ、うめの力を借りての出産、実家に帰っての出産のようで、はつの笑顔がみなさんへの感謝でした。新次郎、あさの“かわらしやろな、かわらしやろな”をはじめ白岡家のみなさんの喜びそしてなによりも困難なときに見せる姉妹の絆に感動です。出産をこんな形で人と人のつながり、暖かさを表現した脚本がすばらしい。
でも、一番子供を見せたい人がいない“はつ”が不憫です。人前で見せなかった涙を見せ、乳飲み子を抱えて力強く生きようと決心した“はつ”に涙です。
かねてから興味のあった石炭の実物を見たあさ、すっかり気に入り「今を逃がしてらあかん」と炭坑買収を義父正吉に提案。あさの石炭への思いは一気に突っ走りはじめ、正吉の「嫁が家を離れることがどういうことか考えて、行くなら行け」を受けて新次郎に「妾をもって欲しい」と願い出る。
あさは新次郎のことをしっかり考えての決断だと思っていますが、実際は新次郎の考えを何にも聞かないで姑よのや世間体に囚われ自分で苦を抱え込んでいます。いつもの「はい」「すいません」という新次郎が愛してやまないあさの素直さ・可愛らしさが戻ってきて欲しい。
あさはしばしばはつを訪ね、幼いころの京都の二人に返ったように、たわいもない話のなかで自分をみつめる様子が微笑ましい。冗談のように交わされるお互いの旦那さんの問題で、あさの心が癒されていきます。
あさが九州行きのこと、旦那さんにお妾さんを囲むことをすすめたことを話すと、はつは向こうでいい男見つけたらいいという。そんなことできるわけがないと思いながらあさは、「おねえちゃんもええ旦那さん探したら」と返すが、この短いシーンで、あさの心の揺らぎを表現する脚本は、しっかり計算されていてすばらしい。どのシーンも見逃せません、意味がある。

あさは五代を訪ね、鉱山事情を聴いたにもかかわらず新次郎批判をする?五代はあさに早く炭坑事業に着手することを促すため、「ここは旦那のことは考えるな」という意味で言ったことばでしょうが、あさの感情を逆なでしました。
痛快です、「優男の何が悪いんだす。お三味線やお茶や謡かて大事だす。そないな芸事をこなすというのは、大阪商人の粋なんだっせ」、「うちは、男前の力自慢よりふらふらしている、か弱い旦那様が好きなんだす」
あさは幼くして新次郎の許嫁になり、新次郎の愛情のなかで育ってきただけに、新次郎批判は許せなかったでしょう。あさは新次郎が「好きだ、」、波瑠さんは夏目雅子さんに似て来ましたね。
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あさは新次郎にお妾さんを勧めたが、本心は違っていた雨が降ってきてこれは新次郎に吉兆、ああ新次郎はお妾さんを持つことになるのかと泣きながら走る“あさ”、これを探す新次郎のシーン。時代劇でこんなすてきなラブシーンがあるとはビックリポンです。いい雨でしたね。お妾さんは持たんといとくなはれかんにん、わがまま言うてすみません。やっと言えました。
あさは櫛田そえさんは会い、炭坑買収の問題は資金調達でしたが、あさの説明する分割支払いを父親正吉が加野屋の資産売却で裏付けすることで、売買成立でした。
あさの九州炭坑への出発に、新次郎のはなむけのことば、「うまいことなんかやらんかてよろし。無事に帰ってきたらええのや。わて泣かしたらあかんで」。新次郎らしいあさへの愛情が溢れていて泣けます。