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第7週「だんな様の秘密」

第7週「だんな様の秘密」
第7週視聴率:24.0
7週連続の右肩あがり、ここ数年の尺度では予測できない領域に入っていくと思われます。“あさ”のモデル広岡浅子さんは、炭鉱開発に成功、銀行・生命保険会社、日本初の女子大を創立した人。ドラマは前段の山場に差し掛かったところ。ここからは事業が広がり見どころは一杯です。このドラマ、あさの事業家としての成長を縦軸に、そのときどきの家族や彼女に係わる人々が情感豊かに描かれ、笑えて、涙して、とんでもないすばらしいものになってきていて、きっと記録にも記憶にも残る朝ドラになると思います。
あさはやっと炭坑事業に着手。そこで見た坑夫達は、働かず博打三昧で、これをなじると「働いて欲しいと言うても女子と話す気はないと馬鹿にする。「大旦那から一任されていると石炭の必要性を説いても通じる相手でなく、「もう許しません」と意気込むあさ。波留さんの演技が、これまでになく言葉に凄味がでて女親分に見えます。「これからは石炭の時代や、掘って、掘ってと・・」と説いても、坑夫には呑気な女将の言う事にしか聞こえない、罵声の山です。
玉利の家畜小屋、宇奈山藩の加古部屋に寝て待ったという持ち前の辛抱強さで長期戦にでると、治郎作の妻カズから「石を掘り出さないと生活がやってゆけない」という訴えに、炭坑での仕事ことを聞き持ち前の好機心から、提灯付けて坑内へ。
これには治郎作の張り手が、“炭坑の恐ろしさ、何にも知らん“。こんな手荒なことは経験してない“あさ”もさすがにこの事態に落ち込みます。
新次郎への手紙に、坑夫との軋轢や坑内に入って叱られたこと、そこで働く女達の逞しさ、そして誠意をわかってもらい働いてもらるまで頑張るという。弱音を吐かないあさの手紙に新次郎は「もうやめて帰るという考えはないのか」と心配します。
しかし、事態は一向に動かない
こんななかで「旦那様は今頃なにしていはる?」と新次郎を思い、ここの男たちは自分のいうことには「おなごのくせに」と聞く耳を持たないが、何にも言わないで自分にまかせてくれる旦那様のほうが男らしいという“あさ”。新次郎が側にいてほしいという女心が見えて、坑夫とやり合う険しい表情と違って可愛く、この落差のある表情で新次郎への想いが伝わってきます。
ついにあさの感情が爆発「この卑怯者、おなごやゆうて、なめたらあきまへんで」と波瑠さんの威勢のよさ、みごとです。掴みかかろうとする坑夫に、懐に入れていた袱紗が落ちて、衝撃で撃鉄がはずれピストルが暴発。
この時、あさを気遣うて新次郎が籠で駆けつけ、あさの「今回はもうあかんと思うた、もっと強くならねば」に、「あんたの武器は大福餅や、あんたが強うでたら相手も強うでてくる」と言う新次郎の一言に“あさ“は生かされます。
ピストル事件に対するあさの挨拶、「坑夫がこの国を支える」という言葉が出てきて、石炭がピストンを動かしこれで汽車や船が動き物を世界に運ぶというあさのこの事業に賭ける情熱が伝わり、坑夫の仕事の厳しさを知り坑夫に寄り添った感謝の気持ちが込められています。”この気持ち”は拳銃では絶対に伝えられません。
まさに義父正吉のいう「あさちゃんは人を引き付ける言葉を持っている」でした。人を動かすためにもっとも大切なことが学べるすばらしいドラマです!
そして、あさの四股踏み、さまになっていましたね!!「お金はおそろしい」と言う新次郎の告白、新しい大きな伏線が加わり、ますます面白くなりそうですね。記録にも記憶にも残る朝ドラになるでしょう。

“よの”さんが藍之助に会いにくる“あさ”がいなくなっての加野屋での“よの“の侘しさが伝わってきます。
菊は“はつ”から藍之助を預けられ、これまでの鬱憤を孫に聞かせているところに“よの”がやってきたので身を隠し、“よの”の「藍之助と一緒に加野屋に来ては」を聞いて、ねずみの鳴き声で追い出すというシーン、「米が無いのに鼠がいるか」に笑いました。
はつはよののすすめに「加野屋に住む気はない、妹をよろしく」と云い、菊の空意地に微笑ます。
ある日、
はつのもとに五代が訪ねてきて、惣兵衛が寺町の賭場にしばしば現れると言う。“はつ”は友厚が詳しく調べようという申し出を、内輪で調べてみると断りま。自分が出かけねば惣兵衛は逃げてしまうと感じたのでしょう。この2年間、惣兵衛に会えることのみを支えに生きてきた“はつ”、早速賭場に。
やっと会えた惣兵衛。泥だらけの顔の眼は助けを求めていると、一緒に走り逃げる。惣兵衛が「お前に申し訳のうて」というが、“はつ”はそのすべてが自分への愛に聞こえて、「今のうちが、あの家にいた時より不幸に見えるか」と全てを許し家に連れ帰る。“はつ”は菩薩のような人に思えて泣けます。
あおいさんの短いシーンでも感情移入が半端なく、惣べいが帰ってきた嬉しさでこみあげる泣き顔に、はつの人生を見る思いでした。
人の幸せなんて、その人の覚悟できまる。今の“はつ”はきっとこれまでの人生で一番希望に溢れる時なのでしょう。