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第25週「誇り高き人生」

第25週「誇り高き人生」
第25週視聴率:23.6%
今週、あさは保険会社を設立してこれからの加野屋の事業基盤を確立するとともに念願であった女子大学校設立という夢を叶えることができました。
千代の結婚と妊娠など次の世代への希望を描きながら、夫婦にも徐々に黄昏時が訪れ、新次郎がすこしづつ人生の終末を迎えるなか、突然の惣兵衛の死という悲しい出来事に、人の生きる意味を静かに問う内容でした。すばらしい脚本です!!
週前半での円熟したあさと新次郎の夫婦の情景、千代と啓介夫婦との触れ合いに暖かい想いやりを感じるなか、金曜日の惣兵衛の死とここでみせるはつの情愛に泣かされました(神回です!)。
物語の終末段階で、みなさんのお芝居はすばらしいものになっていて、期間平均は最高値を維持しているものと思います。来週は最終回、「あさが来た」はすばらしいドラマですが「今世紀最大のヒット作」になって欲しいと念じています(*^_^*)

今週の物語は
ここにきて大阪に最大のピンチ「銀行の取り付け騒ぎやってきました。大きな戦争があって、中国の取引がとまここで儲けていた大阪商人の商いが滞って、倒産のピンチです。平十郎は銀行営業停止しては」と言い出す始末。しかし、政府にいた平十郎と違って、新次郎、あさはすでに幕末で経験していたピンチ、「銀行業務は信用第一、これが加野屋の伝統」ということでこれに立ち向かいます。
あさは、「この騒ぎ、日本中に飛び日します。店あけて全額払いましょう。日本中が困っているから、政府が助けに乗り出す。」と平十郎に支払いを指示します。あさの読みはみごとに的中します。義父正吉の見込んだとおりの才覚発揮です。
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新次郎がやさしくあさの肩もんでいると千代が注意。「わて、難しいことはこの人に託してます」と、長い夫婦生活のなかで出来上がったふたりの情愛を示します。が、新次郎がお茶を飲んでいて震えがくる。あさは大きな不安を覚える。
あさの考えは保険業務を一層大きくすること。行き詰まった保険社会社を2、3買うて合併して、大きくしてはどうかというものでした。
この時期、あさの予想とおり大阪に緊急融資が伝えられ、加野屋にはたくさんの金が戻り、一気に保険事業が進み始め、保険会社の買収計画平十郎が纏めにかかります。年を越して加野生命、古川生命と福豊生命、三会社合交渉は滞りなく進み、新会社名は淀川生命保険会社。社長には、栄三郎、取締役は平十郎。あさは相談役、新次郎は大株主に。資産30万円となり加野屋最大事業になりました。

あさと新次郎は女子大学校を訪れ、学生と寮監を兼て頑張を見て喜びます。そして、念願だった大学で学ぶあさを見て、新次郎の目に一瞬少女のあさが浮かぶシーンは微笑ましい新次郎は、あさの夢を応援し続けてきました

あさ、新しい会社ができほっと甘酒を飲んでいて、「旦那様、けったいな様子せんか」とうめに。うめは「そうだすか、千代の婚礼で張り切っているようですが」と気付かないようですが、「そやったいいけど、わたしみたいな女の感はあたらん」と自分に言い聞かせるが不安そう。夫婦にしか分からない変化に気付くあさ。不安のなかに何かを感じ悲しみむあさ:波留さんの表情が、うまい演技でした。
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新次郎が和歌山を訪ねると、惣兵衛とはつは藁を綯うている養之助に子供ができて、毎日、有田川から水組んで丁寧にみかん育てて、しっかり後を継いだようです。二人のはなしに、酒がすすんで、「もうここまで」とはつに酒を止められる惣兵衛。「大きいお店も家やけどこれはこれで大事な家や」と新次郎に話す惣兵衛。はつという恋女房を得て、みかんという大好きな仕事ができて、和歌山という空気のうまいところに住んで、本当に人生を満喫し幸せそうです。惣兵衛は人生の勝者で
惣兵衛が咳込んで、「寒むなってきたさかいな、風邪と言われた」という惣兵衛「そっとでいいさかい飲んで」とはつ「うまいなあ、おおきになあ」と嬉しそうな笑顔に、不安そうです
イメージ 2千代の結婚式が厳かに行われ、啓介は正式に婿養子に迎えられました母の見立てで、千代が白い洋装でうつくしいものでした。

こんななかで、年が明けて、千代の子供が授かります。あさは、春休みや夏休みに大阪にやって来る学生たちに、広岡家で、ソロバンなど商いや針仕事や台所と生きた教育に勤め、女子として「己を保って生きていかなあきまへん」と説く日々。そこに、惣兵衛が倒れたという突然の知らせです。
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和歌山では、惣兵衛が咳込んで「寒うなってきたさかいな、風邪と言われた」というこれを見るあおいさんの不安な表情惣兵衛に「そっとでいいさかい飲んで」とはつ。「うまいなあ、おおきになあ」と嬉しそうな笑顔に、つの不安は大きくなります
はつとあさ、人生の黄昏に入って来て、物語はこれを表すように淡々と進みますが、はつ、あさのあおいさん波瑠さんの名演技のなかに、これまでの人生が想い出され、涙です。
急な知らせに藍之助が帰って来てきました惣兵衛は床についていて肺の病が続いて、」と養之助が言葉をかけます。
はつの介護、惣兵衛「笑うてくれ」。泣くなつ「わて、笑らえしません、わらうたら力になるかもと思うに、旦那様がいなくなったら、・・もう笑わへまへん」、「ようよう弱いとこ見せてくれました、わて、助けてもろうてばっかりだった。」
思い出のシーン。惣兵衛「ちょっとええか、おい、藍之助、養之助。」「お前らに云うときたいことがある。わしな、ええ人生だった。ええ人生だった誰にあいそわらいしてさげず、の上に立って、自分で耕して、みかん作って、家立てて、子を育て、こないな幸せあらへん。孫までみせてももろうて、お釣くるわ。笑うてくれ」、はつは悲しみを見せながら笑いました。こんな演技は、他の人ではできません。はつの、惣兵衛の大好きなかなでなれるなかで、逝ってしまいました。イメージ 5
抑圧無表情で屈折し生きてきて、はつに出会い助けてもらい生の喜びを知り、思うがままに生き、愛する家族に囲まれ安らかに逝った惣兵衛の人生は「誇り高き人生」でした。
縁側で魂が抜けたように座っているはつ。駆け付けたあさは「おねえちゃん」と声をかけ、はつの手を取って「初めて惣兵衛さんに会うた日のこと覚えている」「あんたがぽんと転んでな。」
はつ「あの時は自分がこのようになるとは思いもせんかった。」、「惣兵衛さんはそうでなかった、あのときから一目ぼれやった」と旦那さんがこちらきて聞いたと言い、お姉ちゃんがそばで笑うてくれたら何にもいらん」とあさ。はつは泣きながら「笑うて生きないかん、淋しいな、悲しいな」。悲しいシーンでした。あおいさんの惣兵衛を偲びを揺さぶる演技に魅入りましたあおいさんまさに「役に生きる熱演でした。

あさと新次郎は大阪に帰ると成澤さんがやって来て、新次郎に悔やみの言葉を・・。
成澤の言葉は「死と生はあまり違いがない。生があるから死がある、死があるから生がある。この二つは常に一つのリズムとしてわれの日常に流れている。この身体はただの衣服であり本当の身体はもっと奥にある。それは永久に滅びません。」という死生観で、今の新次郎には染み入る言葉でした。見応えある神回、人の生きる意味を静かに問うものでした。
記事1  20160328
<あさが来た>25週連続の週間視聴率20%超え