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第13週「東京物語」

第13週「東京物語
13週視聴率:24.1
4週連続24%台、すばらしいです。視聴率が落ちないのは、12週までの積み上げた成果、絶えることのない関連記事(女性週刊誌も毎週のように特集)にみられるように、あさのモデル明治の女性実業家広岡浅子さんへの関心でしょうか。
この週は、あさの実業家としてのキャラクターを浮彫にする展開で、女性が仕事を持つことでの子育ての問題から東京見物で得た実業家あさの志すもの、そしてなによりも心の友としての五代への想いが描かれました。
 
五代のあさにすすめる東京行き、千代のために行けないというあさの気持ちを察して、新次郎よのさんに掛け合いますが、よのさんはあんたは欲張りや!、けどその頑張りがあったから、加野屋が時代を乗り越えてこられたんだす。それをうちらは止められしまへん、千代のことは安心してうちのみんなに任せて、東京で勉強してきなはれ」と後押し。夫正吉の思いを今は自分が代弁するのだという覚悟のようです。あさが東京に向かう時の千代との別れは、ちょっと淋しい想いに。
 
榮三郎が九州に行くと言い出し、これ、榮三郎の本音が変わる予兆?いやむしろ新しい波乱の端緒かもしれませんね。
 
五代の“あさ”を東京に招いた一番の目的は大久保利通に会わせることでした。大久保が語る「大阪には大阪にしかないものがある、古くから商いの町として栄えた歴史、大阪商人の知恵と経験・誇りがあってこそ世界と渡り合える。大阪にこの国の未来がかかっている、友厚をよろしく頼みます」に“あさ”はすっかり舞い上がってしまいました。たったこれだけの言葉があさの目を大きく社会に向け開かせるという、あさの東京行きでのもっと大きな収穫かもしれません。
 
あさは東京で父忠興に会い(予定外)嫁の務めもせず東京に出てきてと責められましたが、そこに福沢諭吉がいて「女性も経済的に独立する必要がある、あなたは女性社長になりなさい」とあさの考えを後押し。ついに忠興もあさを女性実業家として認めます。
これで、あさは、父忠興の商売人としての認知、大久保に託された将来の大阪つくり・大きな世界観、義母よのの“外で働け”に子育てを任せ、大実業家への夢を追っかける基盤はしっかりできました。

東京物語最大のエピソード
イメージ 1大阪に帰る日の号外で大久保の暗殺を知り、急ぎ五代の元に。そこには、悲観で号泣の、自失茫然、泥酔状態の五代。五代にいきなり抱きすくめられて驚くあさ。はじめてのウイスキーに、「五代様、うち、こないなことされて、びっくりポンや」と、ともに酒を飲み励ますという“心の友”としての「男付き合い」のできる“あさ”。男と勝負(対立)するのではなく男社会に飛び込める“あさ”の柔らかさがすばらしい。
遅い帰阪にジリジリする新次郎へのあさの対応は、「そんなことより鉄道やレンガやガス灯や牛鍋の話も聞いとくなはれ!」でした(笑)
 
突然の大久保の死は、彼女の生涯に影響を与える出来事で、五代を助け、大阪いや日本の経済を担う役割のほかに、さらに大久保の想いをも引き受けることになるというシナリオが見え、これから描かれるあさの物語に十分な説得力が出てきます。大久保利通福沢諭吉を直接あさと関わらせたかった作者の気持ちはとてもよくわかります。