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第13回「決戦」

第13回「決戦
7000の兵を持って攻める徳川軍を、2000の兵で木端微塵に撃破するという第一次上田決戦。戦闘準備から1日の戦闘をドキュメントで見るような戦場ドラマ。昌幸の巧みな戦法、信繁の戦場での活躍、激しい戦闘シーンを楽しみましたが、この戦で信繁が最愛の妻を失うという悲劇が加えられ、大勝利の痛快戦争ドラマでなく、、戦の厳しさを描いた演出がすばらしい。信繁は、梅の意志を継ぎ、人の命を大切にし、これからの戦には常に梅の想いを胸に戦場に立つでしょう。ここから人として大きく成長していく信繁が楽しみです。
 
○徳川の上田決戦イメージ 3
家康は、長久手・小牧の戦で勝利した後の上田決戦だが、秀吉の出方を気にかけ「お主の出るほどの戦ではない」と勇猛果敢な武将本田忠勝を浜松に残し、家康が最も信頼する古参武将鳥居元忠に真田攻略を命じる。
鳥居元忠7000の兵を率いて甲斐より北国街道を進み上田盆地に進出。
なお、信尹にはこのまま囚われの身でいるか、「家来になるか」を問われ牢に繫がれる。
 
○真田軍の戦闘準備
徳川軍は神川に進出、ここに陣を張る。鳥居元忠からの「沼田城を明け渡せば兵を退く」という手紙が届く。昌幸は返事を待たせて時を稼ぎながら、城下町の大通りのあちこちに千鳥掛け柵無数の杭を巧みに組み合わせて設置するなどの妨害工事を進める。
この戦さ、華々しい戦いの場よりこの苦しい、地味な作業こそが戦力。映像には、溝を掘り、柵をめぐらし、炊き出しなど工事の様子がしっかり描かれ、戦闘の特性に合っている。
 イメージ 2
トリおばあちゃんが、“勝てるという臭いがする”というのは、城内が活気ついて士気が高いということ。梅がお乳をやることに薫がやさしい心使いを見せる。
 
○昌幸の戦法イメージ 4
実に武人らしく簡潔、明瞭に示す。見事!!
”策を伝える!” 昌幸は(“もち”を持ち出して)「7千の軍勢に真正面に挑んでも勝ち目がない、この餅のように細く長く伸ばしていけば、わずかな兵でもたやすく切崩すことができる」(誘致導入して各個撃破)。
布陣(部隊運用)は、図で示しながら、これで勝てる”(ここで、コマが一つ足りないと思案するなかでの信繁の帰着)”
信幸:今夜のうちに戸石に入り待て。別命により攻撃。
信繁:神川河原に行き、向かいの徳川勢をからかってやれ。川を越えて城下に向ってくる。すんなり通してはいかん、ほどほどに戦いつつ少しずつ城まで引いてこい。
この戦さで大切なのは、意志のある敵をいかにして仕掛けた罠に引っ張りこむかで、これには知恵が必要。
作兵衛:お前の兵は横に隠れて横合いから戦え。源次郎を助けよ。
この城に入ったら迷路で正面から俺が突く。
信幸:城から逃げるやつを戸石から出て横を狙え。
出浦:神川の堰を切って退路を断て。
叔父上:沼田に戻り、沼田を守れ。
 
軍議を終えて、
信繁は、久し振りに上田に帰って梅に会いに城に行くが、梅は兄作兵衛の戦さ手伝いで隠れ場所となっている寺に行っていて不在。我が子“すえ”にやっと会えたことを喜び梅に会いに寺に出向くが、梅は逆に兄の知らせで城に戻ろうとして二人は擦れ違う。まさかここですれちがうとは、不運だ。
 
信繁は戦うため河原に急がねばならず梅に会えなかったが、キリが梅から預かっていた「お守り」、真田家の家紋である六文銭が入っている袋を渡される。“三途の川の渡し賃だ”といわれる六文銭には「悔いのないように心置きなく戦え」という意味が込められており、梅の心意気に感謝する。
神川河岸で徳川軍を前に信幸から「勝てるか」と問われ、信繁「大軍ならではのスキがある」と自信を示す。必ず力に頼り押してくる。(この読みが必要)
 夜が明けるのを待って、敵前で、信繁は六文銭の旗を掲げ、「高砂」を謡い、敵を罵倒し、挑発する。8月2日朝、第一次上田合戦が開始。
 
○戦闘経過
信繁の挑発に乗って、敵は街に入ってくる。準備した千鳥掛け柵に引く掛かり蛇行する敵に、隠屋から長槍を繰り出し、熱湯を浴びせるなどで混乱させる。このような戦闘状況を描いたドラマがあったろうか? 実にリアルな戦場が描かれている。
イメージ 6 このような戦闘が続いているなかで、梅が母乳を与えるために城に帰る。授乳を済ませた梅が戦場に行こうとするのを、きりは必死に止めるが梅は行ってしまう。キリが「何故梅は戦うか」を問うと、「子供のために戦う」と言う。「戦は嫌いだが、戦になれば戦うほか生きる道はない」という母親の気持ち。現代人には受け入れられないので、キりを使って、この時代の母の気持ちを強調したのでは?。
イメージ 1 
信繁は、さらに挑発を繰り返し、敵を誘い込み、作兵衛ら農兵を使って横槍で攻撃し、そして城門を開き後方に退がる。ここでちらっと梅を見たような・・。
敵が城前で一瞬攻撃を躊躇するところを前方・側方からの一斉射撃で混乱させ昌幸が攻撃するシーンはよく工夫がしてある。
さらに、逃げる敵に丸太を放り投げ止めて、ここに信幸が攻撃をかけるシーンは息をのむ。
そして止めは、出浦の手配による神川の鉄砲水で敵の退路遮断し、殲滅戦に
 
信幸による勝どき。信繁は梅のくれた六文銭のお守りに感謝する
出浦の「家康は引き下がるか」に、昌幸「長い戦さになるかな!」
成果は、徳川軍の死者は1300人あまりに、真田側の死者は50人に満たないという決定的成果であった。が、信繁は作兵衛とともに梅を探すが、探しあてた梅に脈はなかった。イメージ 5
泣き崩れる信繁、悲しみは想像を絶する。梅には何度もすれ違いながらこのような形でしか会えなかったことを思うと涙が出る。
きりは梅に、すえを育てることを涙ながらに誓う。この無念を胸に、これまで常に苦難な時に力を貸してくれた梅への感謝は一生忘れられないもので、六文銭とともに常に梅の想いを胸に戦場に立つことになると・・。

記事1 20160404
真田丸>第13回は視聴率175% 第1次上田合戦が開戦