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第17回「再会」

第17回「再会」
昌幸、家康の上洛要請で見せる秀吉の戦略に翻弄される信繁。信繁はもう一息で天下に登りつめる秀吉の執念達成に駆り出される。テンポよくはらはらどきどきでかつとても面白く脚色され楽しいドラマ。特に、家康に低頭し、秀吉の思うがままに家康に拝謁口上を述べさせるシーンは、ふたりの感情がアドリブのようで、まさに現場に居合わせたような臨場感がある。しかし、今回のハイライトは清水ミチコさんが演じる旭の2分半セリフなしの仏頂面演技だ。これは大河史に残る。
信幸と昌幸の考え方の変化や三成と清正の激化する対立、吉継の立ち位置など豊臣の内情がそれとなく描かれており、今後の物語が楽しみ。 (*^_^*)

○上洛を渋る家康、昌幸
・信繁は馬廻衆に任じられたが、その直後、秀吉が家康に真田討伐を許すという事態に信繁は狼狽える。
イメージ 3秀吉は大坂から帰って、さっそく、三成に「大名の官位を,上げよ。わしはどうでもいい」と指示する。信繁は「真田は滅びる」と必死に徳川の真田攻め中止を訴えるが、秀吉はこれを無視して、面白いものを見せてやると踊り見物に誘う。信繁が「さようなものを見ておれぬ」と言うと、「他言無用、家康への真田討伐を認めたのちすぐ取り消す」と三成が教えてくれる。秀吉が言葉を継いで「家康はわしの顔を立てた、今度は家康の顔を一度立てる、これであいこだ。その上で戦の中止を求める、その時家康がどうでるかでこちらの出方を決める」と言う。また「且元、あれは腹芸など出来ぬ。安心せい、真田は必ずわしが守ってやる」と自信たっぷりの約束です。信繁は、これまでの非礼をわびるのでした。
秀吉の側で出雲の踊りを見ていると、秀吉が「わしの留守時に茶々に会うたそうだな。おまえの顔立ちは茶々に合っている。変な虫が付かぬよう見張ってくれ」と頼まれる。清正に殺されることは無くなったがこの仕事、難しそうでだ。()イメージ 7
そんなとき、踊衆のなかに、なんと松らしき女、あの海に飛び込んだ松を見つける。

上田城では、昌幸が「いよいよ家康が攻めてくる、秀吉の許しを待っていたな。北条はどう出る。こちらに目配りしながら徳川を討つ。この城さえあれば大丈夫」と強気になっている。「ここは、新しき策でゆく」と昌幸。そうは言うものの「信繁、秀吉の側に居ながら何をしておる、一向に何も言うも来ぬ」と焦るのでした。

徳川では、且元から家康に「真田こと一向に上洛に応じず“表裏比興の者”にて候」と記してある秀吉の文を渡し「真田を打ち破り信濃を治められよ」と真田成敗の許可を伝える。家康は「秀吉のために戦うのではない、こんどこそ滅ぼす」と強い決意を示す。
ところが且元のところに本田正信がやってきて「至急来てくれ」と家康の元に連れ出し、「大坂から、この知らせは何だ。われらは今日にも出陣の支度が整っている。待てと言われても困る」と問い詰める。家康は「待てといわれたら待つしかない。してやられたな、猿め!」と悔しがる。正信は「殿の忠誠を試したのでしょう。次にやつはどう出るか、真田が片付いたらなら上洛せいと言うてくる」と進言します。
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徳川は攻撃を中止したと信尹が言うてきている実を言うと少々ほっとしている。上杉にも頼れず、秀吉を敵に回し徳川に責められれば手がなかった。新しい策などそんなものない。真田の値打ちを認めたのよ。秀吉と言う男、家康より二枚も三枚も上手だ。ここに石垣を築く。上洛はせん。もっともっと真田の値打ちを高めることよ。まあ見ておれ。」と昌幸は持論を曲げない
信幸は、妻こうを前に「わしには分らん。はたして大丈夫かどうか? 秀吉を甘くみているように思える」と不安を募らせれば、妻が「ここ(唇)に熱の花ができていませんか。あまり触らぬがいいですよ」と注意を促す。すばらしい助言、すばらしい妻です。(笑)
 
○秀吉、大政所を家康の人質にイメージ 5
信繁は大蔵卿局に連れられて奥に出向くと茶々の警護するように依頼されるが、そこに茶々が出てきて「私の側にいることになったとは、楽しくなりそう」と微笑むのでした。
 ・秀吉に「なぜ、家康が上洛しないか」と問われた三成は人質を差し出すことを進言します。秀吉は、旭をすでに人質にしており、さらに実の母を人質にすることに寧から激しく反対されている。しかし、徳川を呼び出すことが母より重要であるとして「人質期間は家康上洛まで」と母に話すと「そうだ、藤吉のお陰で贅沢をさせてもらっている、喜んで行かせてもらう」と応じるので、秀吉は泣いてこれを喜びます。この逸話、コミカルに大げさに演じられ大笑いです。しかしこの笑いの奥にある天下にもう一歩というところでの秀吉の病んだ権力欲を上手く表現しています。(#^.^#)
・信繁はきりから大政所の出発時期を聞いていると茶々が出てきて、きりを紹介すると「ふたりは仲がいいのか」と聞いてくる。信繁が“ええまあ”と答えると、これを見たキリが目尻を下げる。が、きりは、信繁にとっては、茶々の誘惑防止策のようです?()
 
・三成は大政所のことが心配で家康の人質の扱い方を信繁に聞いてくる。吉継が「何故信繁に聞くのか」と問うと「この男は徳川の人質だった」と答え「私には大政所を守る責任がある」と詳しく聴いてくる。信繁は「大丈夫だ」と答えるのでした。これに吉継が納得し三成を安心させようとするところに、清正がやって来ておばば様を殺す気か、おれが代わる」と三成に食って掛かる。三成が「お主にそれだけの価値ない」と言えば「そんなに奴がおそろしいのか」と清正がいきがる。「家康が上洛することがいかにたいせつか考えよ」と罵倒する三成。この喧嘩に、吉継が「三成のいうのも一理ある」と助けを入れる。清正が「三成、お前には情がない」と罵る。「馬鹿に付き合うと疲れる。あいつらに気に入られようと思うとらん」と三成の悪口。信繁はいたたまれなかったのでは?

○家康の上洛
・母親を人質にだすとは、秀吉も思い切ったことをと驚く家康。「そろそろ上洛してやりますか」と正信が提案する。家康は「本当に母親か、わしは母親の顔を知らん」と心配する。神経質な男なんですね。「なにか手立てはないか」と問うと、正信は「旭に会せてみては」と提言します。早速、家康直々に旭を訪ね「良い知らせだ、母がくるぞ。大坂を出発したという。苦虫を噛んだような顔をせず笑ってくれ」と旭を喜ばせます。旭の顔は笑っていても変化がない。大政所の山田昌さん、旭の清水ミチコさん、うまいキャステイングです。清水ミチコさんが演じる旭は2分半セリフなしで仏頂面貫く見事な演技だった。イメージ 6
三河岡崎城で大政所は旭と対面、大泣きのおふたり。本当に悲しくなりましたね。大政所が本物と確認した家康は涙ぐみ、ただちに大阪に向かうのでした。家康というのはやさしいところのある人ですね!!
 
信繁は、きりを伴って出雲の踊り練習中の踊り子を見にやってきて、「富士の髪飾りの女が松に似ていると思わないか」ときりの意見を聞く。「踊り子は皆巫女か」と聞くと「おおかたは旅の途中で拾った女だ」という。「明地軍に追われて身を投げた人はいないか聞いて欲しい」と頼んでいるところに、女がやって来て、「姉上ですね」と聞くが「あなたたち、人違いだ」と言い「お藤という名だ」と言う。
 イメージ 1
・信繁の部屋に秀吉と三成が訪ねてきて、「わしの相談に乗ってくれ」と助っ人を頼まれる。
「正直家康に会うのがおそろしい、あいつの前に出るとしゅんとしてしまう。今夜のうちに会う、仲立ちをお願いする。頼むぞ、力になってちょ」と秀吉。
信繁は秀吉を従え(?)家康と会うと、家康は「まさか大坂で会うとは、あの折は痛い目に負うた、真田の戦上手には感服した。兵法の極意を教えて欲しいしい」と言い出し「今夜はどうしても徳川様に話しがしたい」などと信繁が悠長な話しをしていると痺れを切らしていた秀吉、「面倒臭い、わしじゃ」と自ら家康とはなし始める。人あたりの良い信繁を話の導入に使い一気に家康を落す秀吉の戦略でした。この意表をつく秀吉の出現には説得力がある。「徳川殿とは久し振りだ。わしは、明日、関白秀吉というから頭をさげてくれ、そして大きな声で誰もが聞こえるように、全身全霊で殿下にお仕えしますと言うてくれ」と一気に頼み込むのでした。「かんべんしてくれ、芝居は苦手じゃ、がちがちに上がってしもうて」という家康、ここが付け目だった。()「そこは鍛錬で、腹に力を抜いて・・」と信繁が口上を指南します。秀吉が「殿下にはこの陣羽織はもはや不要、殿下に刃向う者は家康が成敗致すと言うてくだされ」と頼めば「殿下、芝居が難しくなっています」と家康が戸惑う。「我々ふたりは新しい世を造るのだ、どうか」と秀吉が頭を垂れる。ここまでくればもう家康の「わかりもうした」しかない。実に面白いシーンでした。秀吉、三成、信繁の三人で手を取り合って喜び合いました。(笑)しかし、三成は「今夜のことだれにも漏らすな」と釘をさす。信繁は秀吉と家康の危うい関係を知ることになりましたね。
さらに、真田へ宛てた手紙を渡され「もっとうまくやれ」と注意を受ける。「決して戦をせぬと言うたはずだ。慌てふためいたのはお主だけだ。もっと裏を読め。素直なだけでは生きていけぬ。しかし、不思議な奴だ、上杉に気に入られ、徳川に取り入れ、お前は何者だ」と三成は呆気に取られています。
 
・信繁は、兄信幸からの「返事が欲しい。お前は兄のことをよく知っているはずだ。父上のことを心配している」という手紙を受け取る。家康の上洛を知っても昌幸は、まだ秀吉の勢いを信じない。いまだに秀吉の滅ぶ日が近いと言う「父上には上洛する気は全くない」と嘆く信幸でした。
 
イメージ 2すでに定めた芝居どおりに家康は秀吉に「その陣羽織いただけませぬか」と申し出「なに故に」と家康に問う秀吉。家康の秀吉拝謁が行われているというのに「父上はなぜ上洛せず生きる道があるのか、源次郎教えてくれ」と絶句する信幸でした。どうしても信長に臣従し裏切られた記憶が忘れられない昌幸と家康の上洛を対比しながら、真田の行末を描く演出はすばらしい。
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記事2 20160504清水ミチコ2分半で強烈印象「真田丸」でほぼセリフなし仏頂面貫く