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第44回「築城」

茶々の反対で軍議でまとまった「打って出る」案は反故となり、幸村は籠城案に勝ち目を見出そうとする。敵は大坂城南則の弱点に攻撃を仕掛ける公算が高いとして、ここに出城を築き敵を阻止・減殺し好機を捉えて打って出るというもの。しかし、豊臣家高官らに反対され、五人衆のなかにも城を去るという者が現れ窮地に陥るが、幸村のねばり強い説得と沈着冷静な秀頼の判断で反対派を押し切り真田丸の築城が完成する。ここでの秀頼を演じる中川大志さんの爽やかで威厳ある演技は説得力がある。中川さんのキャステイングが利いている。
幸村にとっては戦場で闘うより頭脳を使っての戦闘準備こそが彼の決戦。2回にわたって準備状況を詳細に描いているのがいい。
五人衆のキャラがしっかり出てきて、これまでのスター昌幸、三成らに代わる新たな登場者に期待できる。
徳川方は家康は住吉、秀頼が平野に陣を敷く。上杉景勝伊達政宗らも駆けつけその兵力30万に達する。家康は「しょせん牢人たちだから徳川に勝ちは間違いない」と檄を飛ばして、力に任せ一気に攻め込んでくる気配
オープニングタイトルがなくいきなり物語りに入りラストにタイトル。いよいよ「真田丸」の本編はじまり、この演出は見事!!
豊臣にチャンスが訪れそう。来週が楽しみ。
 
○幸村の出城案
・軍議で決まった打って出る作戦は、茶々の反対で籠城に決まる。又兵衛らは幸村に「あの軍議はなんなのだ、秀頼様は俺たちを信じていない。籠城で勝てるのか」と責める。幸村は「私は勝つためにやってきた、次の案を考える」ととりあえずこの場を収め籠城で家康を討ち破る案の検討に入る。
・二条城の家康は「大坂方は籠城」という報せを受けこれで勝てると自信を示す。
・幸村は大坂城の図面を眺め、内記を相手に籠城で勝つ案を練る。南側に敵の攻撃を遮るものがなく弱点があることが分かる。自分が家康なら南に本陣をおき攻めてくると判断し、ここに出城を築くことを思い至り父昌幸であれば同じことだろうと確信する。
幸村は現地を視察しここに出城を築く以外に籠城で勝つ策はないと確信を持イメージ 1つ。ここに駆けつけた作兵衛に会い「よう来た、これまで以上に働いてくれ」と大いに喜ぶ。作兵衛はすえが十蔵と仮祝言をあげたことを告げると幸村は「苦労掛けた」と礼を言い、この一言に作兵衛は泣く。幸村は力強い援軍を得たようだ。佐助から兄源三郎は江戸に残り、その子信吉・信政が秀忠軍に従軍していることを知らされる。「すべては定め」と幸村。
大坂城の南に出城を築きたい旨を治長に申し出ると「わしもそれがいいと思うが後藤又兵衛も同じことを言ってきた」と言う。そこで又兵衛に会いに行くと厨で「太閤には桶狭間のころ出会いお世話になった」という大角与左衛門に出会う。「あんたは戻ってくると思っていたよ」と声を掛けてくる。
又兵衛は「あそこで徳川を迎え大暴れするつもりだ。わしはここで死ぬつもりだ」と言う。イメージ 8
幸村は「ここを自分に譲ってくれ、勝てる城を作ると」と申し出て図面を示しながら勝てる策をふたりで詰める。「出城の前に空堀を掘る。手柄を上げようとはやる敵は留まることなく一気に入ってくる。ここに坂盛と乱杭を配しておく。先頭の兵は勢いを削がれ、ここえ後ろから来た兵で身動きがとれなくなる。この道は誘い道、この道を通れば早く出城にたどり着ける。敵はまずここに押し寄せる。そこが我らの攻めどき。まずここの鉄砲弾場からひしめく敵を一斉に撃つ。堀に降りた兵は身を低くしてやってくる。この溝を超える時にいったん身体を起こす、ここを狙い撃つ。ここに2列に鉄砲を配置しておく。先ず下段の狭間を一斉に開き上ってきた敵を一斉に討つ。その間に上段の兵が次を構える。ことごとく敵は倒され堀の底が累々と屍を重ねる。それを間のあたりにした後ろの兵は必ずひるむ。我らは脇の個口から飛び出し一気に攻めれば敵は崩れだ。これが真田の戦法」。これに又兵衛は納得しすべてを幸村に任せる。 イメージ 7
幸村は他の五人衆も集めて軍議。「私は6000の兵を置き出城を守る。木村殿の8000は平野口、長曾我部殿の8000は八丁口、明石殿の4000は木津川口で海からの敵に備える、後藤殿は遊軍としてこの間を埋める、毛利殿は4500を持って天神橋に陣取り北の守りを固める」と五人衆の配備を示すと全員一致でこの案に賛成する。
 
○出城に対する大蔵卿と有楽斎の反対
・治長が幸村の陣立てを秀頼に報告すると「見事な布陣だ」と賛意を示す。しかし有楽斎が「すべてが牢人どもで守ることになっている。一人でも裏切れば城は落ちてしまう」と反対、これに大倉卿局が「金で集まったものは金に転ぶ」と同調し「左衛門佐が危ない、あの者の兄は徳川の家臣すでに攻め手に加わっている。左衛門佐はすでに徳川に寝返っているかも」と口を挟み、有楽斎が「要所には木村重成のようなものが沢山おり信頼のできるものを」と言うと大蔵卿局は「作り直しじゃ」と言いながら図面を破る始末。
・これを聞いた又兵衛や勝永、盛親らは「牢人のわしらを信用しない」と豊臣家を見限ろうと言い出す。そこで治長が新しい布陣だと案を示す。五人衆の名が消えている。又兵衛は幸村に「あんたの出城もなくなっている。おれは降りる。徳川につく」。幸村は「お上様に話すので自分にまかせて欲しい」と彼らの行動を止める。
・幸村が茶々に「味方同士が反対しては勝てない」と掛け合うが「わたしは分かっている。左衛門佐が裏切ることはない。そのような声があるのも確か、少し大人しくしていては」と言う。「我らを呼んだからには全てを任せて欲しい」と要求するが「出来ぬ」と。「お前はいいが、あの者たちを信用することはできぬ」とカルタを並べながら次は源二郎の番とせかしながら「秀頼も成長しいまはあの子に任せている。秀頼殿の決めることには反対できぬ」と言う。
「お前が作った城だけは作っていいことにする。これでどうか」と問うてくるので「牢人たち全部を認めて欲しい」と申し出ると「出城の件は許しません」と茶々は引かぬ。幸村は「他の策を考える」と席を立つ。茶々はめんどくさいという感じ。
・幸村が再度大野治長に諮ると「腹は括った、城を作るのはそちたち。すぐに取り掛かられよ」と出城案に賛意する。これにより築城開始となる。
 
○出城の構築
・幸村は内記に築城を急かせる。そして作兵衛に「真田の兵は赤備え」と真田兵すべての鎧、兜を赤に染めるよう指示をする。これで準備の士気がおおいにあがる。
・家康の陣では、秀忠は挨拶に訪れるといきなり「考えが浅い」と叱りつける。「ゆっくり進軍してこそ徳川の大きさを世に知らしめすことが出来る。この戦、急いでかたを付ける理由がどこにあるか。いつまでも関ケ原を引きずるな。信正がついていてなんだ」。徳川には全国から兵が集まっておりその数30万。イメージ 3
・松は秀忠軍の真田の陣を訪れたいが女人は入れぬと断られる。運よくかって踊ったことのある出雲阿国の一団に出会いこれに紛れ込み陣内に入り信吉、信政に父信之の言葉「叔父上が敵方にいる。決して真田同士が刃を向けるな。戦ではうしろの方でじっとしていろ」を父上の命だと伝えると信吉は受け入れるが、信政は不満で席を外す。
・江戸の信幸は、京から呼び寄せたお通に「わしは耐える人生。父と弟は豊臣につき断腸の思いだった。徳川が勝って9万の大名になったがうれしいことは何もない。稲には内緒で九度山の父たちに仕送りを続けた。こんどは弟と息子たちが戦おうとしている。いつになったらわしの心は休まるのか。決してこのようなことは言わぬ。そなたがいると何でも話してしまう」と本心を吐露している。「兄、弟としてともに戦いたい」という気持ちが伝わってくる。お通がやさしく信之を労わっており、信之を見る稲の目はきつい。イメージ 6
・出城の築城現場では幸村が赤く塗ったという胴を見て「もっときつい赤にせよ」と作兵衛に指示しているところに有楽斎がやってきて出城が作られていることを知り、城に帰って治長を前にし「これは違反である」と茶々、秀頼、大蔵卿局に諮る。治長は「すべて自分に任せられている」と主張するが大蔵卿局が「決して許してはならぬ」と言い、有楽斎は「真田を許してはならぬ。裏切って生きてきた昌幸の倅」と言い、これを聞いて秀頼は苦悶する。有楽斎が現場にやってきて「すぐにやめよ。すべて引き上げよ」と指示を出す。治長は幸村に「今やめれば御咎めなしだ。済まぬ」と言い去る。
イメージ 2・これを聞いた又兵衛と毛利勝永が「今夜城を出る。お前もどうか」と幸村を誘うと「城を見捨てるわけにはいかぬ」と応じているところに秀頼がやってきて「ここに城とはよく考えた。私もここが弱いと思っていた。さすが戦上手の真田。左衛門佐、豊臣を捨てぬと言うは真か?」これに幸村は「太閤殿下に誓った」と答える。「この城を仕上げよ。私が許す。そなたらを信じる」と秀頼が築城を認めると幸村は「われらが存分に働き命に代えて殿を守る」と誓う。
秀頼は母に会い「城の主はわたし。この戦、牢人たちの助けを借りねば負ける。御免」と築城を命じたことを報告する。秀頼の決意の籠ったこの言葉に茶々も大蔵卿も何も言えない。ここにきてしっかり判断し責任をとる秀頼の態度が頼もしい。
 
真田丸の完成
・京では家康が住吉に、秀忠は平野に陣を敷く。佐助によりと徳川の布陣状況が知らされ、幸村は信吉はとはぶつかることがないことそして上杉軍、伊達が参戦していることを知り「このような形で会いまみえるとは」と嘆く。
 ・住吉の家康の陣。伊達政宗が「大坂城を攻めるとは思わなかった。陣に左衛門佐がいるとは?愚かものですな」と上杉景勝に話しかけるが景勝は返事をしない。
家康が出てきて諸将に「よく参陣してくれた」と挨拶し「大坂城に立て籠もる不埒者をこれより成敗する。難攻不落というが立て籠もるは宥象無象の牢人のみ。我らが勝ち」と気勢を上げ高笑いの家康。これに景勝は不機嫌。
大坂城では五人衆が各武将の陣を回って配備状況を確認中。大野主馬、団右衛門らに出会う。「赤石軍は今夜ミサだ」を聞いた幸村は「死えを恐れぬから強い」と言い、そこに「出来ましたぞ」と作兵衛が赤兜を持ってくる。又兵衛の「こんな兵で30万に勝てるのか」の問いに「我らは関ケ原で負け苦渋を体で知っている。敵はほとんど戦場を知らぬものばかりだ」と勝てる自信を示す。
イメージ 4・家康も各陣を回って戦闘準備を点検中。「仕寄」の訓練が気に食わないと自ら「身を隠しながら土を掘り高い壁を作り、じわじわと進んでいくいのだ」と展示して教える。年老いた家康と信正が指導する姿に秀忠が不満そう。疲れて休む家康の元に大坂城の配備情報が届く。「細かくて読めん。急ごしらえの出城、よう見えん、真田、又真田か」と家康は不安を隠せない。イメージ 5
・堂々たる出城が出来、この上にたつ幸村。作平衛に赤く染めた真田の旗を掲げさせ出城の名を「真田丸」と名付ける。
今回はいつものオープニングタイトルがなくいきなり物語りに入りラストにタイトル。「真田丸」入城を盛り上げ次週「完封」へつながる演出、見事です!!
 
記事1 20161107
真田丸」第44話は15・3% “真田丸”完成 エンディング異例演出が話題に