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第47回「反撃」

家康の放った砲弾により状況は一転、豊臣は籠城から一転和睦に傾く。和睦交渉は女たちに委ねられるが徳川方の阿茶局に翻弄され、真田丸砦は破却され大坂城の外堀を埋められ幸村は戦う術を失ってしまう。しかし勝たねば生きていけない牢人たちにこれまで見られなかった強い団結心が生まれる。この力こそが次回以降の家康への反撃力になるというストーリー展開。牢人たちの変化していく心情を追う演出はうまい。また、女たちの和睦交渉も物柔らかい阿茶局の語りとこれに巻き込まれていく大蔵卿局、交渉を止めにはいるキリの行動、笑った。
○豊臣、和睦することに決定
 砲撃は茶々を狙って行われ、茶々の居場所を教えたのは且元。「茶々は避けて行う」と聞いていたので「違うではござらぬか!」と家康に抗議するが家康は無視。豊臣家を裏切ったことを恥じ、これより半年後に急死する。
・治長から茶々が和睦に変わったことを聞き、幸村は「徳川は弾が尽きている。今は和睦の時ではない」と強く治長に進言する。幸村は茶々を訪ね意見を申し延べようと部屋を訪ねるがきりに「今は動転していてその時でない」と止められる。そこに現れた大蔵卿局に和睦の時でないことを伝えるが「戦は勝ったのだから和睦です」と聞き入れず茶々の部屋に入ってしまう。
秀頼がこれからの首尾を治長に問うと和睦の案を双方が出し、話し合いの中で落としどころを見いだすのがよい」と進言する。

・五人衆たちが集まり「和睦は本当か?和睦したら我らはどうなるのか」と不安を口にする。勝永が「仮に和睦してもちゃんとこの兄貴が面倒を見る」と言えば「俺に任せておけ」と又兵衛。この場を仕切る明確なリーダーがいないことで混乱を招いている。
幸村は重成と治房に家康の出方を聞かれ「我らを処分しようとするだろう。一端和睦に持ち込み、牢人たちを追い出したうえで新たに攻めてくるだろう」と答えると治房が「和睦はならぬ」と反対し、そこに兄治長が居るのを認めて不信感を募らせる。治長は評定が始まることを告げ「まことに済まぬ」と謝る。

○両陣営の和睦案イメージ 1
・秀頼、有楽斎、大蔵卿局、治長、幸村で評議が始まる。幸村は「和睦をするためにまずしなければいけないことは牢人たちの処遇、それなりの扶持を与え豊臣の家臣とすることを徳川に認めさせること」と切出す。これに大蔵卿が反対。「牢人たちがいるからこそ敵は和睦を言い出した」と幸村が反論する。「勝ったのだからもう用済み。これ以上牢人たちをのさぼらせたら豊臣家が内から滅ぶ」と大蔵卿が意気込む。秀頼は「出来るだけ報いたい」と牢人たちを庇う。「その代わりに人質に取られる。お上様は江戸に下ることになるかもしれない」と有楽斎が秀頼を揺さぶる。これに大蔵卿が「ならぬ」と反応、秀頼もこれに同意する。
有楽斎が次の手として「大坂城を出て西国の一国でも貰って西の要の大名になる」案を示すと、秀頼は「わしは大坂に拘らない。太平の世が訪れるのであれば喜んで出よう」と有楽斎に同意する。豊臣の和睦案として、牢人たちを養うために領地を増やすこと。その代わりに秀頼は大坂を出て四国のうち二国はもらい受けることが決まる。そこにキリがきて茶々が呼んでいることを伝える。
イメージ 2・茶々は「侍女たちが血を流しているのを見て動転、きりが助けてくれた」と不安を露わにし幸村の胸に倒れ込む。幸村は「いま和睦を考えている」と伝え茶々を抱いてやる。茶々は「もうこのようなことはしたくない」と意気消沈。
幸村はきりに「大坂を去るのも悪くはない、あのお方の心は休まらん」と話かけると「何年大坂にいると思っているの?」と弱気の幸村に不満を示す。
・牢人衆たちは幸村に「使い捨てにするのか」と食って掛る。「断じてそれはない」と幸村。「お前はお上様のところによく出入りしているではないか疑っているぞ」と勝永。斬るぞと脅しの声が上がる。
イメージ 3江戸、お通の屋敷に信之がお忍びでやってきて「弟が向こうで命を賭けた戦をしている。これを思うと居ても立ってもいられん」と重い気持ちを吐きだしているところに稲とこうは突如現れる。「お通殿は書を教えていて、話を聞いてもらって心が休まる」などと言うから稲とこうにその役目は私たちとやり込められる。お通は「これは業、金をとっての客です」とお代書きを信之に見せる。信之は「膝枕が200文は高すぎる」と文句をつける。そしてこれを取り上げる稲の怖い顔。笑えるが、どうでもいい話になっている。

・又兵衛が畑仕事をしている作兵衛のところに幸村の素性を聞きにやってくる。「命を賭けるに足りる男か」と聞かれ作兵衛は「側にいたのはわずかでよくは分からないが父親の安房守は、どんな手でも使うから卑怯な手の使うが、忠義の人だった。その血を引いた息子だから太閤殿下の恩に報いるためには何でもする」と答える。この言葉が又兵衛の心を捉えたようだ。

家康が和睦案を見て「牢人を養うために領地を増やして欲しい。秀頼が大坂城を出るから四国2か国をくれ」というて来たと言えば「今こそ総攻め」と秀忠がこれに噛みつく。家康は正信に声を掛け「戦を止めるとは言っていない。和睦して、それから総攻撃をする」と説明させる。家康は豊臣案の四国2国を安房と上総に修正し秀頼の案を呑む。

家康の和睦案を見て、幸村は家康の本心ではないと見ぬく。有楽斎が自分が交渉に行くと言うので、徳川に通じている人を行かせるわけにはいかないと「向こうには正信がいる、ここは(身分の高い)常高院がよい」と主張、これに大蔵卿が同行することになる。
・家康は向こうが常高院ならこちらはと思案し「阿茶局」に決める。

・初は大役に不安が募る。初は「阿茶局とはどのような女ですか」ときりに聞くと「女狸でございます」と言う。その様子を見ていた幸村は、きりに「お前しかいない、行け」と初の付き添を命じるとなんときりの答えは「お ま か せ あ れ」と不服?。

○京極忠高の陣での交渉イメージ 4
阿茶局は「男の勝手で始まった戦を女だけで始末をつけるというのは愉快です」と柔らかく話を始める。ここには、きりが阿茶局に不快感を示す。
・秀頼は幸村に「お主はしぶとい。真田丸をつくり、こんどは女だけでの交渉」と褒めると「望みを捨てぬ者だけに、道は開けるのです」と幸村。交渉を心配する秀頼
阿茶局が「まずはお上様について。人質とはいたしませぬからご安心下さいませ」とそれはそれはやさしい声で語る。茶々が無事と聞いて大蔵卿がすっかり乗せられてしまう。阿茶局の「まずはお上様」という落としどころがいい。
秀頼に関しても「大坂の城を明け渡せとは言わない。もし離れるなら領地は好きな国を選んでよい」。そして「牢人たちは処罰しない」あとは「おいおい」だと微笑む阿茶局
これ以上ない条件に、話が上手すぎると察したきりが「急に足がつった」と転び初に発言を促す。
ここで初が「牢人のために領土を増やしてくれなければ牢人たちが困ってしまう、どうなっていますか」と問うと「あんなえたいの知れない人たちがいると眠れない。真田丸、あんなものは壊せば、あるから居つきのです。真田丸は取潰す。堀も埋めましょう。つぶせば牢人たちがいなくなる。居なくなれば大御所様は喜ぶ」と阿茶局が牢人を追放する案を指南するものだから牢人嫌いの大蔵卿が「そうしましょう、そうしましょう」とこれに乗ってしまう。またまたきりが転がる。() 気付いた初は「持って帰って検討して・・」と発言するが「こうして女たちが集まっているのですから決めてしまいましょう」と阿茶局と大蔵卿で決めてしまい、和睦が成立。
・家康は和睦の五か条を正純から聞いて「勢いで決着が一番」と阿茶局を褒め肩をもんでやる。

真田丸の取り壊し
大坂城では大蔵卿が和睦の五か条を秀頼に報告。「ひとまずこれでよい」と有楽斎。幸村は秀頼の決に従うと述べるがあまりにも条件が良すぎるのできりに確認すると「真田城を取り壊し、掘りを埋めることを聞いていないのですか」と逆質問。事情を調べている間に、早くも真田丸の撤去工事が始まる。
大蔵卿を問い詰めると「私が許しました。牢人たちに出てもらえればよい」とふてくされて答える。幸村は「城を失い、ほりが埋められては何もできない」と激怒する。「すべては豊臣のため」と大蔵卿。「これでよかった」と有楽斎。幸村が秀頼に会うと「済まなかった」と詫びられる。
・家康は「堀が埋め立てられのであとは向こうが和睦を破るのを待つのみ。秀忠、これぞ城攻めよ」と高笑い。

・幸村は牢人たちに「大坂城は城郭を壊され、堀を埋め立てられる。二の丸、三の丸も取り壊される、残されるのは本丸のみとなる」と和睦結果を伝える。イメージ 5
これに五人衆たちが「これでどう戦うのか」と幸村に問うてくる。「もはやこの戦、勝ち目はなくなった。すべては私の力不足」と牢人たちに力なく頭を下げる幸村。
幸村は「皆さっさと城を立ち退くように。城を枕に討ち死にしようなどとおろかなことを考えぬように」と話し席を立つ。「ここにいても先がない」と長曾我部が去る。ここで、又兵衛が「お前ら行くあてがあるか?ない者がここに集まったのだ。おもしろいではないか」と声を上げる。
 
幸村が部屋に戻り春に上田に戻れと話していると、五人衆と重成、治房がやって来る。又兵衛が「早く策を立ててくれよ」と促す。また、重成は「あなたは、勝つためにここへ来られたのではないのですか」と問うてくる。そこに、秀頼と治長がやって来る。「望みを捨てぬ者にだけ、道は開けるとそなたは言った。私はまだ捨ててはいない」と秀頼が幸村の手を取る。これに幸村もうなずき返す。「ようし」と又兵衛が音頭を取り勝鬨を上げる。やっとここにきて、豊臣に欠けていた牢人たちの団結心が生まれ、幸村の大将が認められる。
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記事1 20161128
真田丸」第47話は15・3% 女たちの和平交渉 真田丸取り壊し