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第8回「あかちゃんはまだか?」

お家の興亡に関わる、いかに子をもうけることに苦労したかというこの時代の領家の悩みが、どじょうや妙薬の効用から、“しの”の狂おしいまでの次郎への妬みとこれを払う痛烈な次郎の言葉による女の戦いとしてユーモラスに描かれました。大河としてはめずらしいテーマでしたね。この騒動で、直親夫婦にやっと子をつくるということに目覚めました。しの:貫地谷しほりさんの熱演でした。
家を守るということで次郎の意識は直親夫婦を凌いでいるという格の違いを見せました。父直盛の次郎への未練が伝わってきます。騒動が戦さ準備のなかで描かれることで、女が子供を作ることは戦さ、一層このことの大切さが浮かび上がります。
今川氏の織田氏攻略の準備のなかで、囲碁で戦術・戦略能力の練磨に勤しむ元康が、子沢山だからしっかり働くようにと瀬名に励まされ戦場に。井伊家と比較しながら戦国の女はどうあれとおもしろく描かれています。(#^.^#)
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直親と“しの”は夫婦になって4年、しかし子に恵まず、“しの”は気を病むのでした。瀬名は文で「駿河は以前に増して賑やかになり、今川は我が世の春だと。自らは松平元康に嫁いで男竹千代をもうけふたり目の子を孕み、あらうらめしや、あらうれしやの気分だと伝えてきます。
〇しの、子が授からない!
・次郎はしのに会うと「わたしのことを笑うた」とケチをつけられ、困惑していると、南渓は「ひょっとすると今川館が焼け落ち、次郎が還俗して直親に嫁ぐことがあるかのしれんな」と軽口をたたく。次郎は瀬名の文により今川が焼け落ちることなどないと思っていたので何を冗談をと聞き流しています。イメージ 7
南渓は「大原雪斎は元康は賢い男だと褒めているが、瀬名の文ではなんというてきている」と聞くので次郎は「ぼうっとしていて口数がすくない。暇さえあればひとりで碁を打ち、自分に負けて癇癪を起すことがある。なんだかんだと言っても夫婦仲はいいようです。昊天さんによい薬はないかと聞いてきます」と答えます。
・直親はしのが効果があると勧めるので、毎日どじょうを食べていました。()「これではそのうち井伊谷にはどじょうが居なくなる」と冗談を言うと「このまま子が出来なければわたしはお払い箱になるから堂々と別の女性と一緒になれるでしょう」とめそめそ泣く始末。直親の冗談はしのには通じないようです。
・次郎は昊天から「麝香という登来品がある」ことを聞き、政次に「駿河なら手に入ろう。そこで叔父直満から買ってもらった鼓を売ってその金で麝香を買ってほしい」と話すと「その薬をおまえが使えばよい。直親の子を孕んで妻の座につけるのでないか」と揶揄う。おもしろく描くとしてもこれはひどい!!
このとき政次の弟玄蕃となつの間に子が泣き出して、次郎は「子宝にめぐまれる良い方法はないものか」と聞くと、玄蕃は「愛」だと言い、なつは「何でもないことです」と答えるのでした。
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・その頃、すでに三河を手中に収めた今川義元は、その先の尾張進攻に本腰をいれるために、家督を息子の氏真に譲り、駿河遠江は氏真の管轄となっていました。佐馬之助と政次が氏直を尋ね兵糧の差し出しについて報告していると、氏直が「父は三河守の名をもらうことに奔走している。元康は戦に詳しく父上に気に入られている」と話すと元康は「めっそうもない」と後ろに飛び下がります。この演技が今回の一番の笑いでした。ここで、井伊家は春までに槍200本をつくるよう命じられます。
〇妙薬
・次郎が千賀と側室のことで話すと「武家の女であるからには側室を受けねばならない」と言い、次郎は「しのよりさきに側室に子ができたら面倒なのではないか」と心配します。そこに駿河から戻った政次がやってきて「お土産を買ってきた」と千賀には扇子、次郎には小箱を渡すのでした。次郎は千賀に「これはなんの薬か」と問うと「子つくりの妙薬です」と言う。それならこれを“しの”に渡して欲しいとお願いするのですが、千賀は「あなたと“しの”の間のわだかまりをなくすために、あなたから渡しなさい」と勧めるのでした。イメージ 1
・いよいよ今川氏が尾張へ進攻しようとしていた。このとき今川氏と織田氏では戦力に大きな差があり、誰しもが今川氏の勝利を疑わず喜んでその陣に加わろうしていた。直親は「遂に初陣のときがきた」と喜ぶのでしたが、直盛は跡継ぎがいない直親を戦に出そうとせず留守居を命じるのでした。
イメージ 2・次郎はしのを訪れ薬を渡しますが、しのは「持ち帰れ、この薬は子のできない薬ではないのか」と暴言を吐きます。これに次郎は「恥をしれ!情けない。そなたはそれでも、直親殿の、井伊家の奥方様なのか!このことは父と母上に告げます」と立ち去ろうとする。すると、しのは「勘弁して欲しい」と次郎にしがみつきふたりがもみ合っているところに直親が現れる。しのは「次郎さまは私に子ができないように、おそろしい人です」と泣き叫ぶのです。次郎は直親の目配せで、引き下がります。
夜になって、次郎のもとに直親がやってきて「すまなかった。しのは浮き沈みの激しい気性なので許してやって欲しい」と謝り「このままでは井伊谷のみんなに申し訳ない。子を設けることも自分の役目であるからにはしのにも側室を受け入れてもらわねばならない」と話すのでした。
その後直親は側室を置きたいと直盛夫婦に願い出ると千賀が「4年待ったのだからそれがよい」と言い、側め探しとともに戦支度が進められるのでした。
戦さ準備をしている中野直由は「戦さでは兵の分断、兵器を準備する、一番槍のみが戦さでなない。準備で8割が決まる」と戦の準備の大切さを直親を説くのでした。直親もこれに納得します。
〇“しの”の戦さイメージ 3
一方、直親の側室候補に奥山家の遠縁の後家の女性が上がったことが決まり父朝利が“しの”に「相手はふたり子をなした女。しっかりせよ。これでは直親にも捨てられる」と言い聞かせます。しかし“しの”はこれを聞いて「あの女のせいだ」と書置きをして失踪します。
寺にいる次郎のもとにしのが失踪したことが知らされます。捜索の結果、見つかった“しの”は懐剣を首にあてる。次郎はこれを制すると「私が、おとわ様じゃたらとだれもが思うておる。殿も、お方様も、屋敷の皆が」と震える声で言い「ほかに誰を恨めばいいのですか」と次郎に問うのでした。これを聞いた次郎は懐剣を“しの”に渡し「正室がいなくなれば自分の還俗も認められよう。勝手に自害なされよ」と言い放つ。さらに「薬も手元にあるからすぐ子にも恵まれようぞ」と挑発します。すると“しの”は懐剣を掴んで次郎に突進する。間一髪のところで傑山が止めに入る。“しの”は泣きながら「必ず子を産んで見せる。絶対に次郎を還俗させない」と意気込むのでした。
イメージ 4そこに駆けつけた直親が謝る姿に「子はふたりでつくるものであろう?なぜもっと、ともに哀しんでやらぬのだ。なぜ、しの殿はかようにひとりなのだ!そなたの女房なのだから、そなたがなんとかせよ」と薬の小箱を投げて去って行くのでした。
その夜、“しの”の失踪に戸惑う直盛と千賀に次郎は「しのは本当に愚かな女子じゃ。新しい側室がくればわたしと同じ憂き目に会おう。しかし、もし母となれば躊躇なく敵を刺し殺す心強い母になるだろう」と強く話し寺に帰って行きます。
・“しの”と相談した直親は直盛と千賀に今回の騒動を謝り「側室のことは1年待って欲しい」と申し出るのでした。
イメージ 8千賀はこのことを認める代わりに二度と次郎を襲わないよう言い含めるのでした。明けて永禄3年、南渓の彫った世継観音を前に、井伊家が一同に会して子宝祈願が行われました。
祈願が終わって、父がやってきて「直親には謝らせる」というと次郎は「竜宮小僧の役割でしょう」と応じます。直盛は「おとわ、いつか、いつか、もし・・」と語り掛け、言葉を飲み込むのでした。イメージ 5
この年の5月、井伊家は今川義元から尾張出陣を命じられた。直盛は直親と家老たちに留守を託して出立する。
元康の出陣に瀬名は「甚だしい武勲をたてること、大師さまの近くにいろ、子沢山だから出世しろ」と発破を掛けています。
尾張の織田勢3000、対する今川勢は2万5000.誰もが今川氏の勝利を疑わなかった桶狭間の戦いが始まった。・・つづく・・
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記事1 20170227
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