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第20回「第3の女」

直親の子だという第3の女:高瀬の出現で、直親の残した形見に荒れ狂う直虎でした。本当に直親の子か、直親の子であれば受け入れねばと揺れる直虎の心、しのの想い、そして政次の直虎への気遣いが、ユーモラスに描かれ大笑いでした。
高瀬に母ユキが存在し直親と一緒だったという情報に接し「曖昧さはあるが井伊家のために娘として認めようか、いや間者であった場合は困る」と考えたあげくに政次に相談すると、「間者の疑いがあれば追い出したとて恰好がつくというておるのだ」と厳しい言葉を投げかけられる。この「恰好がつく」が政次の直虎を案じる気持からでた言葉であることに感づき、己の信条で「娘と認める」と決心する。このことは領主としての大きな進歩です。

しのは、直虎の苦悩は直親が婚約中に起こした不始末の結果だと、「これまで直虎を憎み続けてきたが、直親の直虎への不義を思うと心が痛む」と直虎に憐憫の情を示します。これを聞いた直虎も、一気に直親への怒りがこみあげて、ふたりで直親の不誠実を罵り、「直親は二枚舌だ」、「おのれ、スケコマシ」としのが罵れば、直虎が「卑怯者」と叫ぶ。こうして直親の娘が出てきたことで、直虎としのの間にあったわだかまりが解けていくのでした。
貫地谷さんと柴咲さんの掛け合いの熱演で大笑いでしたが、なんだこの大河!!これが直虎の成長物語かと?()

こんな話のなかで、「武田が織田と組み、松平は織田の配下然となり、武田がいよいよ南下する」という。いずれ井伊はこれら大国の動きに巻き込まれていくのでしょう。
綿の収穫が終わったがその商いは、場所を駿河から気賀に移すという大きな変化があり、そこであの男材木泥棒に会うとは?来週の「ぬしの名は」、楽しみです。
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○直親の娘という女の出現
南渓の立ち合いの下、龍潭寺の一室で、直虎と祐椿尼と共にその娘と対面します。高瀬と名乗る娘は10代半ばで、百姓の出、顔立ちは可愛いが、直親の面影があるかといえばあるようなないような。直虎の心中穏やかでない。
南渓と祐椿尼の問いかけで「娘の名は高瀬。母親が亡くなる間際に父は井伊の亀之丞と聞かされ出て来た。母の名はユキ」ということが明らかになります。
高瀬役の高橋ひかるちゃん、目の付近が三浦さんに似ていて、直親の娘でしょう。()
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直虎は、直親に隠し子がいたなど信じたくないが、当主としてこのまま黙ってほっておくわけにいかない。南渓と祐椿尼に娘がいたという話を聞いたことがあるかと確認しますが、二人は聞いたことがないという。高瀬は、自分の聴き間違いかもしれないと帰り始める。去っていこうとする高瀬に祐椿尼が「行くあてがあるのですか」と聞くと、「なんとかなります」というが、直虎は「しばらく井伊に泊まっていくように」と促します。
直虎が「直親殿は井伊の当主であった」と話すと、高瀬は目が飛び出すほどに驚くのでした。「母ユキの話が本当であれば、そなたは井伊の姫ということになる」いうと、もう放心状態です。直虎は「直親殿の娘かどうか調べるゆえ、明らかになるまでここにおるがよい」と告げます。
現在と違って確認手段の限られたこの時代、子であるということをどうやって確認するのかと興味を持ちます。

祐椿尼が高瀬を井伊の館に連れてかえります。たけが「どう見ても百姓の子。もしまことなら、姫様が夫婦約束をしていたときの子になりますね」と話すのを聞いて祐椿尼は「井伊の主として正しく振る舞うのでなないか」と複雑な気持ちになるのでした。
直虎は「直親からユキという女子のことを聞いたことがあるか」と南渓、傑山昊天に聞きますがみなさん知らないという。直親を気遣って「松岡様があわれに思われてたまたま誰かをあてがわれたのかもしれない」と傑山がいうのでした。そして、南渓に松岡氏への確認を依頼します。

○直虎に示すしのの憐憫
井伊の館にもどった直虎のところに祐椿尼がやってきて「しのに高瀬のことを伝えるべきかどうか」と相談します。二人は、しののことを考えると今は言うべきではないと決めますが、そこに寅松から高瀬のことを聞きつけたしのがやってきて、「娘はどこじゃ」と探します。すると、高瀬が「おらのことで?」と顔を出す。
直虎が、高瀬にしのを紹介すると「直親殿の娘ならわたしの息子とは兄弟になるから新野の屋敷にも顔をだすように」と言う。しのは、怒ることなく高瀬のことを受け入れている。

直虎は、しのを自屋に誘い「今身元を確かめている」と話すと突然涙を流しはじめます。「おいたわしや、直虎様。直虎様は出家までして修業に励んでいたのに、直親殿はどこぞの女子を甘ったるい言葉をかけ子まで作った、そのことが不憫におもえてならない」と悔し気に話すのでした。
直虎が「われはそのようなことはまったく思うていない、寅松に姉上ができてよいのではないか。娘が増えれば調略もでき、直親は宝をよこしてくれた」と言うと、しのは「御立派なこと。とても真似ができませぬ」とふっと息をつきその場を去っていきました。

○高瀬は武田の間者?
イメージ 4一方、政次は、なつからその話を聞き、表情が曇ります。翌日、井伊家では評定が行われ、中野直之と六左衛門、政次が参加してその後の盗伐事件の有無を確認し、その後直之が「本当に娘なら井伊家に入れてはどうか」という意見を持ち出すと、政次が「その者武田の里から来た者。もしかしたら武田からの間者ではないか」と疑義を挟みます。
これに直之や六左衛門は「まだ子供なので、そのようなことはないだろう」と詰め寄るのでした。直虎も「考えすぎだろう」という。これに、政次が「武田と今川が戦う兆しがあります。武田の間者が入ってもおかしくない」と強く注意を促します。

岡崎城そのころ家康のもとに敵対する今川から書状がきていました。「今川はなんと」と書状を呼んでいる家康に酒井忠次が待ちきれず聞く。「今川は飯尾を許してもよい」と言ってきていると家康。「武田とのことで苦しくなりこちらと結びたい」と石川数正が言い出す。家康が「今川も苦しかろう」と呟けば「なりません!人質に取られていたことを忘れてはならない」と忠次。数正の「今の今川には手を差し伸べる余裕はない」という言葉に、常慶を呼び「引馬に戻り、成り行きを見届け報せよ」と命じるのでした。

直虎が龍潭寺を訪ね南渓に高瀬が間者の可能性について相談すると「常慶からはまだ返事がないが、松岡様からは知らせてきた。ユキという女はおった。直親の世話をしていたのは確かで、一緒にいたところを見たという者もいる。しかし、ふたりの間に子供がいたかどうかは定かではない」という。
南渓は、「子の父親など曖昧なものだ。どこまで調べても間違いなく娘であるかどうかなどわからんぞ」と助言します。

○高瀬は直親の子
直虎は、高瀬の処遇について政次に「いずれは寝返らせるということも考えたうえで、受け入れる手はありうるか」と相談を持ち掛ける。政次は「なきにしもあらず、そこまでして受け入れることはない」と言えば「まことの娘なら井伊のためによい」と煮え切らない態度を見せる。「追い出しても“恰好”はつくというておるのです」と憮然と返事する。直虎が「恰好」と問うと「間者の疑いがあれば追い出したとて恰好がつくというておるのだ」と言う。「それだけのために間者じゃないかと言い出したか」と問うと「真の間者ということも十分にある」答える。政次の気持ちを汲んで「われは恰好ではなくて本心から・・」とその時高瀬が廊下を歩きながら、直親がよく笛で吹いていた歌を唄っている。
高瀬に聞くと「亡くなった母がよく口ずさんでいた」(アフレコが合っていない)というのです。直虎は「あれは井伊のために直親がよこしてくれた忘れ形見じゃ」と高瀬を正式に直親の娘と認めますが複雑な気持ちです。 直虎がしっかり政次の真意を汲み取り、自らの信念で決心するようになったことは領主としての大きな進歩です。

○死せる直親、生けるふたりを結ぶイメージ 3
直虎が井戸で直親に報告をしていると、しのがやってきます。しのは祐椿尼から「高瀬を直親の娘としてお披露目の席を設ける」との連絡を受け様子を見に来たのでした。
しのは、「お寂しかったのでしょう、直虎様を忘れていたわけではないから。そうでないなら、ふたりの絆に悩み続けたわたしは浮かばれません。これまでずっと直虎様のことを憎み続けていました」と話し帰ろうとするところに、直虎が「直親が帰ってきたときに何といったか。竜宮小僧になったと聞いて這いつくばっても帰ろうと思った、もう一度おとわに会いたい。・・おとわに井伊を捧げる」を思い出し「この嘘っぱちが」と一気に怒りをぶちまけます。しのも「寅松を生んだ時、しのに井伊を捧げるなどと自分に都合のいいことばかり言うた」とぶちまけ、ふたりは「直親は二枚舌だ」と「おのれ、スケコマシ」としのが、直虎が「卑怯者」と井戸に叫ぶのでした。
直親の娘第三の女が出てきたことで、直虎としのの間にあったわだかまりが解けていくのでした。貫地谷さんと柴咲さんの掛け合い漫才のような熱演で大笑いでした。他に話はないんですかね!!
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高瀬を呼んで「直親の娘であるから、これからはわれの娘じゃ」と告げます。申し訳ないと泣く高瀬。
高瀬のお披露目の日、直虎は井伊家の面々に「高瀬は直親の忘れ形見」と紹介します。高瀬は、虎松に「高瀬でございます。よろしくお願いします」と挨拶するが、寅松が返事しない。直虎が「寅松、きちんと返事しなさい」と促すとこれを見たしのが「殿という通り」と叱りつけます。このありさまをみて政次が驚くと、なつが「別の敵が現れて、敵どうし、手を結んだのかもしれません」と言う。政次は(これが三国志の故事に言う)「死せる直親、生けるふたりを結ぶか」と思うのでした。()

その日から、高瀬は読み書きができないこともあり虎松らと一緒に寺で手ならいを始めます。南渓が「むかし幼いおとわに聞いたように井戸の赤子の話を聞かせると、高瀬は『河三郎という妖怪がいてその仕業ではないのか』と答えた」と言うのでした。そして「母親ユキという女子はお主に似ていたのではないか」と言うから、直虎は「直親の舌はいったい何枚あるのか」とぼやきます。()

○織田・武田、松平、今川の動き
そんな話をしている二人の後ろに山伏姿の常慶が立っていました。そんな三人の姿をなぜか高瀬が見つめていたのでした。やはり間者?
直虎は、さっそく武田が今川切りに踏み切った理由を尋ねます。「これらの動きを操っていたのは織田だ。武田が織田と手を結べば武田は西に味方を得ることになりさらに松平を封じることができ、南の海に出るには都合がいい。織田も東の憂いを封じたことになる」というのです。
南渓は「うまい絵を描く男」と感心すると、常慶は「武田では、幽閉した義信の代わりに四男の勝頼に織田から姫を迎えることになる」と告げます。井伊を取り巻く大国の関係はますます混迷を深めそうです。

常慶がいなくなった後に、直虎は政次を呼び「今川と松平が手をつなぐことはない。松平は今では織田の臣下と同じ、織田の意に逆らうことはできない。一度勢いを失うと盛り返さないものだ」と常慶の情報を教えます。

こうして、直虎が城主になった年は暮れていき新しい年を迎えます。年が明けると、政次は今川氏真に挨拶に出向き高瀬が井伊家にやってきたことを報告します。そして、氏真から武田との縁は切れたこと、決して武田を海には出さないという決意を聞きます。この席で関口氏から方久に「種子島作りの商いは駿河の商人友野に引き付いてもらう」と指示されます。

井伊家では、直虎に綿布をもって甚兵衛がやってきました。そこに、方久もいたので六左衛門が声を掛けるがいつもの覇気がない。直虎が「駿府で商うことができるか」と問うと「駿府など糞くらえだ。古から出入りする商人に利することしか考えていない」と今川との商いがうまくいっていないという。
そして、「これからは気賀が商いにはいい」というので、綿布を気賀で売ることにします。
気賀に出かけると、「頭また頼むよ」と声を掛けられ店から出てくるあの男、盗賊男とすれ違うのですがお互いに気付かないままでした。
この盗賊男と直虎は再び引き寄せられることになるという来週の「ぬしの名は」、楽しみです。
                      ***つづく***
記事 20170522
おんな城主 直虎:第20回視聴率は14.5% 隠し子騒動で揺れる井伊家