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第17回「消された種子島」

戦備えにと直之によってもたらされた鉄砲。直虎は金がないと内密に自主製作(試作)を命じるも、このことが直次の耳に入り尋問されるという直虎と政次の対立。また、寅松の教育が寺で始まるが寅松が出席しないことで起きる直虎と実母“しの”とのせめぎ合い、直虎のひとことで「父上のようになる」と元気になる寅松の姿が描かれました。いずれも井伊にとっては将来の大きな問題です。

この時代、鉄砲への関心はいずれの領主にとっても重要な関心事。直虎は領民を守りたいと鉄砲の自主製作を始めますが、井伊が鉄砲をもつことを知った今川がどう出るかを考えなかったことに危うさを感じます。寿挂尼健在のいまこそ政次の意見を聞くべき時でしょう。
直之が逞しく成長し、このことでしっかり直虎を支えようとしているのは頼もしい。矢本悠馬さんの溌剌とした演技に好感がもてます。

もうひとつのテーマ、寅松の教育。「父直親のようになれ!」と語る直虎の胸のうちを、虎松がこれを受け入れたことに涙がでます。直虎の胸のなかにはいつも直親が生きていてここでは父親でした。心君の涙の演技はとてもよかったです。叱ってばかりではいけません、教育は「まず教えて、やってみせ、褒めること」です。(#^.^#)
しのさんは、今だ、おとわへの気持ちが整理できていないようです。将来の領主になる子に自分の拘りなど捨て「可愛い子には旅をさせよ」です。いずれその時が近づいているようです。貫地谷さんのうまい演技につい「そうしてあげたら」と思うのですが()

柴咲こうさんの目力が一段と厳しいものとなり直虎の成長を感じます。時代劇ではあるが、いずれの問題も今日に繋がっているようで、面白いです。
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物語、
夏も近づいてきたある日、直之と方久が井伊の館にやってきます。ふたりは大きな木箱をもっており、中身は種子島から運ばれた鉄砲でした。
直虎は、その種子島を初めて見たために驚きます。実際に、使ってみるということで龍潭寺に移動すると、寺では、ちょうど虎松が手習いをしているところでした。虎松は大勢の人を見て尻込みする子で、直虎はちょっと心配します。
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寺の裏で直之が種子島を使ってみせながら使い方を説明します。直虎は遠くの目標を撃ち落としたことに、「これは妖術か?」と驚きます。直之は「井伊には武術の心得のあるものも少ない。これならば百姓でも使える、井伊にはうってつけの武器だ」と必要性を訴えます。

〇直虎、鉄砲試作に乗り出す
直虎は館に帰り詳しい話を聞き、「一つが10貫もするのでは、それを買う金がない。新たに人を移住してきた者の面倒もみなければならず、井伊はお金がない」と言うのでした。
すると、方久が「入用ならばお金を私が貸します」と言い、直之は「民・百姓を守らずしてなんの領主でございましょう。戦備は最も大切な武家の役割だ。銭の話ばかりするな!」と声を荒げる。直虎は思案ののち「これを我々でつくることはできないものか。刀を頼んでいる井平でやらせてみてはどうか」と提案します。
「それでまいりましょう!」と直之が乗り出しますが、方久は「作るのは難しい」というのです。直虎は「やってみなければわからぬではないか?」と、種子島をもって井平へ出向くことになりました。

今川館では、政次は氏真に井伊の状況を報告すると陪臣の関口が「百姓集めはよいが、他国の間者も紛れるかもしれないので注意するように」と釘を差します。政次はそれとなく氏真の本心を探り、自分が後見人になる案が生きていることを確認します。

数日後、直虎・直之・方久が井平の五平の鍛冶場を訪ねます。五平は「種子島を見たことがないので簡単にはできない」と言い「やれるだけのことはやってみるのでこの銃を見本にいただいても?」というので、直虎はこれを許します。しかし方久がひつこくこれに反対します(これでは儲からない)。このことが但馬に漏れては困ると、三人はこのことを六左衛門には教えないことにします。

〇政次、直虎に疑念を持つイメージ 5
その晩、政次が駿府から戻ってきたところに亥之助が訪ねてきます。亥之助が「これは何ですか、叔父上ならお分かりになるから」と小さな鉛の玉を見せます。政次はこれが弾であることに感づき、「種子島か、何故?」と直虎が何事かを始めたなと感づくのでした。

直虎が井伊の館に戻ると、政次が訪ねてきます。直虎は政次に会いますが目を合わさない。政次は「何か変わったことなど?」と問い掛けますが、直虎は「虎松が手習いを始めたぐらいだ」と素っ気なく答えます。直虎が「駿府について何か変わったことはないのか?」と尋ねると「特には、殿にはお励みになるようにと、では」というだけでその場を去るのでした。政次は大きな胸騒ぎを覚えるのでした。

〇直虎、寅松の教育に悩む
翌日、直虎は南渓を訪ねて龍潭寺にやってきたのですが、南渓は法事にために出かけていました。すると、虎松が亥之助と五目並べをしているのを目にします。
虎松の後ろには直久がいて答えを教え、虎松は勝ててうれしそうにしている。その様子をみた直虎は「それでは勝負になっていない。手加減しては、虎松が強くならない」と注意します。
虎松は、怒られたと思い直之・亥之助の後ろに隠れ怯えています。直虎は「これからは相手が虎松だからと手加減は無用じゃ」ときつく言いその場を去っていきます。館に帰った寅松が何もはなさないことに母“しの”が疑念を持ちます。

直虎が綿の育ちを確認に瀬戸村に出向きます。途中方久が鉄砲作りを諦めるようにと誘いますが、直虎、聞く耳持たずです。()
綿がしっかり育っています。甚兵衛がしっかり新しい移住者たちの面倒をみており、綿毛事業が軌道に乗りそうです。「この者たちを守ってやりたい。戦になったらいい道具を持たせたい」と思うのでした。

その後も三年荒野を聞きつけて百姓が井伊谷にやってきましたが、しかし、逃げ出す者がいることに直虎は気付かなかったのでした。

そんなある日、昊天が困った顔で直虎に報告にやって来ます。「虎松が手習いに来なくなった」と打ち明けます。前に、直虎が手加減をしないようにイメージ 7言ったことが原因で、虎松が何をやってもまったく勝てないようになった。それが原因で寺に来なくなってしまったというのです。マンガがおもしろい!!
昊天が「“しの”殿から、これからの手習いは寺に通うのではなく館に伺う形に変えてほしい」と言われていると伝えると、祐椿尼は困った顔をして「いいではないか」と言う。直虎は「なりません!井伊の後継ぎがそのようなひ弱なことで、どうするのですか」と言い、虎松がいる新野の屋敷に乗り込んでいきます。

「寅松様は具合が悪い」と言い訳をする桔梗にかまうことなく、しのが止めるのも無視し「虎松、虎松どこじゃ」と探し襖を開けると、虎松はそこであやめと桜に刺繍を習っている。イメージ 6
直虎が「出て来い、話をしよう」と大声を上げ「井伊の後継ぎなのでそのようなことでどうするのか」と叱責すると寅松が泣き出し、それを見ていた母しのが「それならば井伊の後継ぎにならずとも結構です。立派なあなた様の跡継ぎは務まらない」と言い「自分で腹を痛めて産んではどうか。厚かましい、人の子に文句ばかりつけて」と虎松をそこから連れ去って行こうとします。それを見た直虎は、「悔しくないのか。叶わぬと尻尾巻いて、それでよいのか!」と叫ぶのでした。
館に帰り祐椿尼に事の顛末を話すと、乳母のたけが「姫様のお子というものいい。たけももう一度頑張れる」と言い出し直虎は「井伊は直親の子が継がねば」と大声を上げるのでした。
この頃、政次は亥之助と五目並べしながら「種子島など、なぜ」と思案するのでした。

〇旅の男との再会イメージ 3
虎松のことで落ち込んだ直虎は、困ったときにいつも向かう龍潭寺の井戸に行きます。すると、そこで以前人手が足りない時に会った男に出会います。しかも、あの時に忘れていた直虎の水筒までもっています。直虎が「何をやっている」と問うと「南朝の神子が隠したという財産を探している」と。「あるのか?井伊に」と聞くが「それを探して旅をしている」と言う。男が思い出したように「人手、どうなりました?」と聞くので「あれは解決したが、子供に手習いをさせるのに四苦八苦している」と悩みを打ち明けます。男は「何をやっても勝てぬのなら一度勝たせてやればいいのではないですか?」とアドバイスします。すると、直虎は「それじゃ」とまたも水筒を持たずにそのまま立ち去って行きます。

〇虎松の挑戦
虎松が、夕飯を終え横になって、碁石に目が行き直虎の言葉を思い出していると、突然、直虎が部屋に入って来て父直親の話を始めます。
「幼いころの父上はおとなしく体も弱く笛ばかり吹いていたが、やがて弓もうまく智恵もある肝の据わった頼もしい男になっていった。なぜじゃ」と問うと寅松「悔しかったからだ、本当は誰よりも強くならないといけないのにできない」と涙を出しながら答えます。この姿が直親の姿に重なり直虎には寅松が大きな希望に見えます。心君の演技は上手のでもらい泣きです!
直虎は「何か一つでいいから勝とう」と説得しているところに、「賊だ!」と大騒ぎになるが直虎とわかり騒ぎは収まります。
しのが「何をいわれたのじゃ」と問うと「寅松は勝ちたい。父上のようになりたい」としっかり自分の意志を示します。そこで、直虎は寅松を勝たせることを条件に特訓をすることを“しの”に認めさせます。そして、五目並べで亥之助に勝てるように特訓を開始します。しかし、虎松はなかなか上達せず、泣きながら頑張ります。
しのは「取って行かれる気がする、直虎様の血がながれているから」と心穏やかでないようですが、桔梗が「直虎様は母上にはなられません。父上のようではございませんか」と応じるのでした。
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亥之助と五目並べで対決する日がやってきて、直虎は、試合の直前に「勝つまで何度もする」と、かって今川館での鞠蹴りで勝った直虎の経験から、秘策を教えます。
そして、対決が始まります。接戦で進みますがやがて亥之助の碁が5つ並びます。
すると、悔しさに震える虎松が「亥之助、もう一度じゃ」と勝負を挑んでいきます。その様子を見て、直虎は安堵の表情を浮かべ「諦めねば勝負はつかぬ、これで勝っったことに」と“しの”に約束を果たしたことにしようとしますが、しのは昊天に「しっかり寅松を育て挙げてください」と願い出ます。これに南渓は「後見直虎様も形無しじゃな」というと「これでよい。われは直親の代わりだから、戻ってきてくれただけで上々」と答えるのでした。
そこに、直之が血相をかえ「急ぎお戻りください」と駆けつけます。
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種子島、政次による尋問
館に戻ると、方久・六左衛門に鍛冶屋の五平が居る。五平が「種子島が盗まれました」と報告します。慌てた直虎は、急ぎ井平に向かおうとします。しかし、そこに政次が「探し物はこれですか」と入ってきたのでした。

直虎は、なぜ政次がこれを手にしているのかと怒りで震えています。すると、政次は「目付けとして鉄砲を作らせているのを黙って見過ごすわけにはいかない。謀反をたくらんでいるのではないですか」と直虎を追及します。直之が「謀反を起こすためにこのようなことをしたわけではない。戦になったときに、今川のために戦うための備えだ」と言い返し、政次は「謀反を企むものはみなそう言う」と受け付けない。これに直之が刀に手を掛け殺気立つ。「助けて欲しければ自ら降りられよ、かように脇の甘いそなたに井伊が守り切れるとは思えない。それが井伊のため御身のためだ」と政次が直虎に迫るのでした。
             ***つづく***
記事 20170501
おんな城主 直虎:第17回視聴率は自己ワーストの11.0