嘉永5年(1882)7月。アメリカが軍艦が日本に通称を求めていることが幕府に知らされます。老中首座阿部正弘(草刈正雄)はこれを極秘とする。一方、薩摩では斉彬が錦江湾の防備を強化を忠剛に命じ、自らは急ぎ江戸に向います。
8月末の江戸城。水戸斉昭公(江守徹)が幕府に「日本を夷敵に踏ませてはならぬ」と強硬に申し入れしてくる。これに斉彬は軍艦の建造を提案します。斉昭公が「幕府は斉彬の知恵を借りろ」と言い去る。
斉彬は「これで軍艦が作れる。これからの日本の運命は海にかかっている。薩摩の役目だ」と清獣に言い放つ。そして、於一の城入りを早めるよう指示します。このあたりの歴史背景はとてもわかりやすく的を得た描き方です。
いよいよ於一の城入り準備が始まり、本家から侍女は不要と断ってきますが母お幸さん(樋口可南子)の進言で侍女はしの(小林麻子)に決まります。於一に「これからは、強い女になれねば」と教えます。
お幸さんは、菊本の死で父忠剛に疎遠になった於一に「間もなく会えなくなるのでしっかり話をするように」と促します。今回は家族との別れ就中父との別れが大きなテーマです。
於一が城に上がる前夜。家族で祝いの食事。その席に、尚五郎(瑛太)が祝い品をもって訪ね
てきました。尚五郎と於一はこれが最期と囲碁勝負。差し終わり、於一は深々と頭を下げてお礼を述べます。於一は尚五郎にお近さん(ともさかりえ)にと櫛を渡し、尚五郎の希望でお守りを交換します。「尚五郎さんをお守りしますように!」と。お互いに精一杯の笑顔を別れます。尚五郎の涙は止まりませんでした!
嘉永6年(1853)2月20日。別れの盃を交わします。忠剛が「上座につくのもこれまでだ。島津77石の姫となればわしとは格が違う。そのこと心しておくように。「一はこの家に生まれて誠に幸せでございました」、「わしもそなたの父でなんというか愉快であった」。ここでのあおいちゃんが見せる眼差しの輝きに、両親に対する恩への感謝が見てとれます。嘘のない演技でした!“良し”の曲が流れます。
駕籠に乗り、今泉家を後にする於一。深々と礼をして見送る忠剛とお幸さん。
忠剛は幼きころよく上ったモチノキに於一を忍び涙を流します。それを見て泣くお幸さん。
途中で尚五郎が正座し、お守りを見せて見送ります。涙が止まりません!
本家養女入り前の家族との尚五郎とにいとおしい時間の過ごし方に涙でした。特に父忠剛との別れは、父親の寂しさが情感たっぷりに丁寧に描かれて感動しました。お幸さんが於一に贈った言葉がすばらしい。
***第7話おわり***