斉彬(渡辺謙)は篤姫(北川景子)に公方様(への輿入れを明かし厳しい教育を受けさせる。そして、第13代将軍家定(又吉直樹)との対面を果たし、阿部老中(藤本直人)の口添えで篤姫との婚儀の件を伝える。しかし、家定はカラスに「カーカー」と話
しかけるのみであった。(笑) 西郷が心配する気持ちがわかります。
斉彬は、幕政を抜本的に変えようと、篤姫を将軍家に嫁がせ一橋慶喜(松田翔太)を将軍にするよう阿部老中と輿入れ計画を進めている。一方、井伊直弼(佐野史郎)は血筋として最も正統な紀州藩主徳川慶福(荒木飛羽)を推していた。九歳の慶福が将軍につけば、自らが後見として幕政を意のままにできるというもの。
薩摩邸の庭。「見合って、見合って」と楽しげな篤姫の声。土俵には虎寿丸(藤本悠希)と吉之助。虎寿丸は6歳、斉彬の五男だが、兄たちが夭折したため、たった一人残った男児だ。「もう一番西郷(鈴木亮平)と」と言いながら倒れ込む。
数日後、斉彬に虎寿丸がなくなるという悲運が襲う。篤姫たちは泣き崩れるが、斉彬は悲しむ暇もなく、産業の近代化を目指し集成館事業に邁進する。
ある日、記録所に久光が宝島事件(1824)の記録を読みたいと訪ねてくる。正助が調べる目的を聞くと「これからは薩摩もエゲレスと闘いになるかもしれんから知っておきたい」という。事実このようになるわけだ!
江戸で虎寿丸が亡くなった件を持ち出し、「あなたならこの騒動を収められる」と進言するも返事はない。資料を持ち帰る姿に、正助はこれまで知らなかっ久光の向学心に驚く。これが縁で正助の運命が大きく関わることになるという伏線ではあるが、これは後づけの作りばなしのようで・・・。
江戸・薩摩藩邸。斉彬、松永慶永(津田寛治)、徳川斉昭と慶喜(松田翔太)が集まり、密談を開いていた。そこには慶永に随伴してきた橋本左内(風間俊介)がいる。慶喜が「西郷もこっちに来い」と誘う。西郷も座に加わる。こうして、篤姫輿入れについての話し合いが始まる。斉彬が「篤姫が輿入れしても、薩摩が幕府を思い通りにする気などない」という。これに慶永が「万一にも公方様に世継ぎができるはずはない」と言い添える。
斉昭が「水戸を挙げて尽力いたす」と同意すると慶喜が「誰が将軍になりたいと申したか」と反対する。これに、斉彬が必死に慶喜にこの案を受けて欲しいと訴える。しかし慶喜は「自分はそのような人物にあらず。考えただけでも逃げたくなる」と退席してしまう。斉昭が「父の命が聞けないのか」と言えば「まともな父親がいない。篤姫の行き方も知れぬ!付き合いきれない!」と出て、品川遊郭に急ぐ。それには彦根藩主長野主膳(新保悟志)がつけていた。
その夜、西郷が斉彬に「公方様に子が出来ぬは本当ですか?」と聞くと、斉彬は突然倒れ、床に就く。西郷は斉彬のために、日夜水に打たれ、菩薩に祈る。
幸い三日後に目を覚まし、遅れを取り戻すように働き始める。西郷らが事後策を練っていると誰かの気配が!面を持つ男?
吉之助は斉彬の膳からこっそり餅を持ち出し磯田屋を尋ねる。そこには慶喜も来ていて、彼の前で左内に調べてもらうと、「毒が盛らている。幼子にはたとえわずかでも命取りになる」という。
そこに面を被った男が聞き耳を立てている。男が左内を連れて逃げ、階段落ち!しかし、逃げられてしまう。男は薩摩訛り!慶喜はまた逃げる。ミステリーだ!
吉之助が「もう許せん!」と斉興(鹿賀丈史)と由羅が隠居暮らししている高輪の屋敷に押しかける。
斉興が菓子を出し喰えという。西郷が喰わぬ。と、お由羅が食べて「証拠などない、毒など盛ってない?」。斉興が「あれを憎むは私だけではない、大勢いる。卑しき身の分際で、なんの証拠もなくこれ以上疑うなら、容赦できん」と怒る。鹿賀さんが出ると芝居が締まる。
これでは西郷は何をしに斉興を訪ねたのか分からない。西郷は、まだまだ、こういう正義心だけで動く男?
これが斉彬の耳に入り、吉之助は「この大馬鹿が、この大事な時に何をしている」と平手で殴られる。当たり前だ!
「時がないのだ!わしの命など惜しくない。命に代えてやらねばならぬ、この国を強くする、異国から民を守らねばならんのだ」と言い「西郷、お前をなぜわしの傍に置くか分かるか?お前も同じ大バカ者だからじゃ。お前も民のために、己の命を捨てられる男であろう」と叱責される。西郷はもう感激でむせび泣く。一段と吉之助が殿を好きになっていく!
将軍後継問題で紀伊派と一橋派の争いが激化するなかで、「次期将軍慶喜案」に水戸斉昭の同意を得たが、あてにしている慶喜からは良い返事が得られない。嫡男を亡くし自らも病に倒れるという、何が起こるかわからない。斉彬は万一の場合、西郷に賭けたい!
「斉彬暗殺」と殿の命を守ろうと必死の吉之助に、そんな仕事は誰かに任せて「お前が考えることは何か、俺が死んでもそれを継げるようになれ!」と鍛える斉彬でした。ならば、ありもしない斉彬、斉昭、慶永、慶喜の会同に西郷を参加させるのではなく、江戸で会った名士たちとの逸話を描くべきです。物語が小さくなっている。
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