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宮﨑あおいさんを応援します

第27話「徳川の妻」

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「どちらにもつかぬですと!薩摩の殿にどう言い訳をするのですか」と怒りを露わにする幾島(松坂慶子)。迫力のある松坂さんの演技です。そのとき、滝山(稲森いずみ)が井伊直弼中村梅雀)を大老職へ推すための嘆願書を携えて篤姫宮崎あおい)の元に訪れます。これに幾島は激しく反論します。ここでのおふたりの論戦も見事です。篤姫は「両名とも控えよ!」と制し、1000人を統べる者として、嘆願書を一旦預かり改めての返答を約します。
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大奥総取締に対してどう応えるべきか。滝山の立場もあるであろう、ふたりの意見を十分に承知した上で、御台所として自分の意見を今言わないのがよいと決断します。
幾島は「嘆願書を跳ね返して欲しい」とひれ伏して願い出るが、もはやこれにとらわれる篤姫ではありませんでした。
 
家定(堺雅人)は本寿院(高畑淳子)に「できない場合は自害する」と慶福(松田翔太)推挙を勧められても「これは私のしごと、自分で決めます。これも元気な嫁を薩摩からもらってくれたから」と受け付けない。
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夜の寝所で碁を楽しみながら、家定が「母のことは気にするな、そちの好きなようにしてよい」というが篤姫は「本寿院さまはあなたをお産みになった方、無下にはできません」と断ります。「中立の立場をとることは御台にはできないだろう、そちが熱い心を持つからだ」と言い、疲れていると表に戻ります。途中で胸の痛みにおそわれます。
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一方、薩摩では大久保(原田泰造)の家に同志が集まり、京での出来事の件を話題にする。「いよいよ斉彬様(高橋英樹)が立つときが来た」といきりたつ中で、大久保が「朝廷が幕府に盾突くことなどこれまでなかった。大変なことになる、殿はどうするのですか?」と帯刀(瑛太)に問う。帯刀は大久保を連れ出し「わたしは、殿の建白書に対して無礼な物言いをした」と反省の弁を述べると「殿の言い分はよく分かる。しかし、人には非情にならねばならんときがある。天下のことなら仕方がないことだ」と言い切ります。
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この言葉で、帯刀が殿斉彬を尋ね建白書での非礼を詫びると「篤姫には無理を強いてきた。別のやり方として越前の慶永様(矢島健一)を大老に推挙しようと考えている。慶永様は御三卿田安家の出、これなら井伊に対抗できる」と明かし、2通の文を渡す。1通は篤姫あてであった。「これがわしの思いのたけを書いたものだ。これが最後の文になるかもしれない」という。
 
大奥では、嘆願書の返事を求めてきた滝山に、篤姫は「例がないので、御台所としてわたしが名を連ねることはできない。この話は聞かなかったことにする。そちが正しいと思うなら己の気持ちに従って好きにするが良い」と言い、嘆願書を差し戻します。幾島が「御台様!」と縋ろうとするが、襖を閉じて幾島への想いを断ち切ります。
 
嘆願書が井伊直弼に渡される。一方、松平慶永は斉彬からの文を見て、大老役を引き受けることにします。京より戻った堀田老中(辰巳琢朗)は家定に「自分の後任の大老には慶永様を」と進言します。
 
幾島は篤姫に「慶永様を大老にと公方様に推して欲しい」と涙ながらに訴え
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ます。この件について、寝所で家定に聞くと「ふたりで会ってみないか?今では信じる者は誰もいない。わしの補佐をして欲しい」。この言葉に篤姫は満面の笑顔。ふたりが、碁石で、会ってみようと喜びを表します。(#^.^#)
 
大老職を決めるにあたり家定は篤姫を傍らに置いて井伊直弼松平慶永に会うことにします。ふたりが着座したシーン、信頼し合う夫婦が、一身同体とふたりで政を考えるという意思が見えます。特に、あおいさんの若いが威厳と気品のある美しい御台姿がすばらしい。
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先ずは長慶から「力のある諸侯が連合して政にあたる仕組みに改めたい。ドイツを範としたい」と提言する、これに直弼は「外様が加わることなど言語同断、徳川将軍家を譜代と直参が支え盛り立てる従来の「強き幕府」を求め、異国に対峙するためにも身命を賭して将軍家を守りぬかねばなりません」と提案します。
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家定は篤姫にどう思うかと意見を求めます。「私は中立を保つ身」と篤姫。家定は「徳川将軍家を守りたい、越前の考え方では徳川は大名家のひとつに過ぎない。200数十年の将軍家の誇りも格式も失う。家族である御台所と子孫を守りたい。わしの家族を守りたい」と。篤姫は「家族」という考え方にうたれ、家老井伊直弼案に同意し、涙します。
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これに幾島は翻意を期待し「これを読めば分かる」と斉彬からの文を差し出しますが、もはやこれを読むことはなかった。「私は表に参る。上様にお会いする。扉を開けよ!」と仕来りを破り表に出向き「上様、どうしても申し上げたいのです。気付いたのです、自分がこれまで徳川の人間でないことに。これまで勝手なことをばかり申してきました。お許しください。私、本日よりひたすら徳川の妻として生きてまいります。上様の心に添うてまいります。これが妻たるものと勤めです」と決意を述べます。家定は大いに喜びます。
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安政5422日、井伊掃部頭大老に就任。幾島は「井伊様が大老では次期将軍は慶福様、これは何としても抑えねば。姫様についてきたのもこのため、今日までに費やした歳月6年、そのことをお忘れですか」と悔しさで慟哭します。篤姫は「わたくしは徳川の人間じゃ。上様に従うのみじゃ」と決意は揺るぎません。ここでみせる松坂さんの涙の演技がすばらしい。「許せ、幾島。許せ」と涙する篤姫でした。
 
薩摩、鶴ヶ城。斉彬は、帯刀と事業計画を改めていて急に篤姫のことを思い出し「こういう時は先行きが短い」と云い、帯刀に窘められます。斉彬の覇気がうすれています。
 
寝所での家定と篤姫。家定は疲れたと休みながら「次の将軍を慶福に決めた」と告げます。
そして「理由は慶福が若年であるからだ。女が口をだすことなど考えもしなかったが、そちを見て、そちの物事の見方深さは目を見張るものがある。慶福の後見としてそちの力が使える。慶福を補佐し、表の政を助けよ。井伊にも言い含めておく」と言います。
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「まだまだ先のこと」という篤姫に抱き寄せ「よう見ておきたい。わしのような力のない、身体の弱い男の妻となったこと、後悔はないか」と聞きます。「上様は日本一の男にございます。公方様だからではなく、わたくしにとっての日本一なのです」。「もう鳥などごめんじゃ!わしもわしでよかった、そちに会ったから」と抱き合う家定と篤姫。史実をしっているだけに切ないですね!!

次回は「西郷どん」第15回「殿の死」に合わせ、「篤姫」第28話「ふたつの遺言」につなぎます。
***第27回おわり***