映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

第20回「正助の黒い石」

イメージ 1
吉之助(鈴木亮平)は菊池源吾として愛加那(二階堂ふみ)と島で生きていくことを決意する。新しい家族のための魔よけにと、ユタ(秋山菜津子)は愛加那の左手にハジキを入れる。
 
吉之助がいない薩摩では、どんなことが起きていたか。1年前にさかのぼる。
 
大久保家では、両親が隠居して祖先の墓がある川上の地に住むことになった。妻の満寿(美村理江)はもうじき出産を控えている。父次右衛門(平田満)は「家は任せた」というが正助は「つつがなくはゆかん。政を正す」と返す。「お前の思うように生きるがよい」と次右衛門。
 
斉興は斉彬のやり方を捨て、ひたすら幕府に恭順の意を示す。
大山格之介(北村有起哉)や村田新八(堀井新八)らは、毎日のように吉祥院に集まり、「吉之助を早く島から返すためには斉興を斬るべきし。いや今は薩摩を強くし日本を強くするときだ(?)」と騒ぐ。
イメージ 2
住職の真海和尚と碁を打っていた正助が「ご隠居を斬るは愚策じゃ。吉之助を生かしたはご隠居ぞ!」と反対する。これに有馬新七(増田修一郎)が「せっせと斉興(鹿賀丈史)のもとに出入りしているのも俺たちを裏切る気か」と怒りを露わにする。
 
鶴丸城。斉興が久光(青木崇高)に「城下の若者たちの怒りや不満を知らせてくれる。使える男、それに碁が打てる」と大久保正助瑛太)を紹介する。
 
久光は大久保と碁盤を囲む。正助は手加減することなく打つ。久光が「負けた。本気で殺しに来る。お前、何を考えている? 兄の側にいた西郷の友ではなかったか?」と嫌味をいう。これに応えず「しかるべき時がやってきます」と返す。「父が死ぬときか」と言わせ、「その時、公儀に薩摩の意志を示すとき。あなた様しかいない」と進言。これに色をなす久光であったが
イメージ 3
「国父に従わないものなどいない。みなが、その日を待っています」と伝えると、「国父じゃと!気に入った大久保、しかるべきときまでにどげな手を打つべきか?」と問うてくる。正助がうまく久光に取り入る。先手先手と打ち、うまく久光を操る。
 
このころ満寿はお由羅の花見の宴に呼ばれ、久光が囲碁に熱中して困るというお由羅に「囲碁は政に役立つ」と助言したことで大いに気に入れられ、子犬を預かることに。しかし、正助はお由羅に近づくことを禁じ、子犬は西郷家が預かることになる。なぜ、ここまで描かれるのかわからない。
 
斉興が病に倒れ、枕元に久光を呼び「斉彬にはなれんぞ!蘭癖になるな!古き良き薩摩を守れ」と言い聞かせるが「天下は薩摩にかかっている」とこれを拒否する。「やることは、下の者に任せておけ!君子然としておれ」という父に「おれには出来ん。長生きしてくれ」と泣く久光には、これまでにない親しみがもてる久光でした。( ^)o(^ ) 斉興の最後がしっかり描かれよかった! 鹿賀さんが観れなくなるのは寂しい。
安政6年9月12日、久光は斉興に代わり後見の座につく。藩主の父として国父と呼ばれる。
 
大久保家に熊彦が生まれる。お由羅が「お久しぶりね!」と()子犬を引き取りにくる。近所は大騒動。正助は家を締め切り満寿に「こんなことをするな!お前はおれの頭の中がわかってない」と叱りつける。満寿は「言うてください!私はあなたの妻です」と引き下がらない。こんな立派な妻であったとは知らなかった。しかし、お由羅さんの出番が多い?
 
11月、薩摩を脱藩して江戸に潜伏していた俊斎の弟たちから、井伊直弼佐野史郎)の過酷な弾圧を知れせる文が届く。橋本佐内(風間俊介)も吉田松陰も死罪になり、幕府に反対するものはことごとく処刑されたという。俊斎(高橋光臣)が「井伊を斬る」と声を上げる。
俊斎らは水戸の脱藩浪士たちと手を組み、井伊を襲う計画を進めているらしい。有馬が「われらも脱藩してともに立つ!」と声を上げると正助が「まだ、いまはまだ早か」と反対。俊斎が正助の胸蔵をつかみ威圧するが、有馬
イメージ 4
がこれを止め、ふたりが「なぜ早いか、脱藩じゃ!」と出て行く。
正助は残った新八と大山に「今は藩の様子をみよう。脱藩は最後の手だ」と諭す。なぜ、誠忠組が俊斎らと大山らに分裂したのか?わからない。俊斎は江戸でこのことに関わっていたのか?
 
正助は久光に事態を説明し、「殿からの直々の諭し書きがあれば止められる」と作成した文を渡す。
 
吉祥院に、多くの同志が集まり、有馬と俊斎の指導で激しい稽古が行われている。正助がやってきて皆に集まるよう声を掛けると、そこに久光が現れる。正助が捧げる文箱から書を取り出し、「いずれ時がくれば亡き斉彬の遺志を継ぎ、薩摩は乱れた世で必ずその務めを果たす。それまでは藩の名を汚さず、忠義を尽くしてほしい」と訴える。これに皆は大いに感激する。
夜、大山たちがやってきて、「あの書き諭は正助が書いたものか」と問う。正助が「言えん」と断る。「犬まで飼って、国父様に取り入ったか!そこま
イメージ 8
でして出世したいか」と非難する。「ああ、出世したい。出世して藩の政を握らねば、この国は変わらん」。有馬が刀の柄に手をかける。正助に迫る俊斎と有馬を大山が全身で止める。どう国を変えるというのか?正助の声は大きいがよくわからない。
 
新八が、正助が書いていた吉之助を呼び戻す嘆願書を見つけ、「見てくれ!」と掲げる。「これで取り入ったのか」とみなが納得。正助は「俺たちには先を走っていた西郷吉之助がおらんといかん。俺には俺のやり方しかできん」と叫ぶ。このシーンは大久保の性格をよくあらわしているように思える。() しかし、有馬は「西郷に会いたいか!」と言い残し、去っていく。
 
生まれた赤ん坊の熊彦は安心しきったように寝ている。正助が息子の寝顔を見つめていると満寿が「お休みになっては」と声を掛ける。正助が「わしは吉之助のように皆をひとつに束ねることができない」と本音を漏らすと、「西郷さんにはなって欲しくない。私は大久保さんに惚れて妻になったのです。これからは私に相談してください」という。今回は、満寿の賢さを際立たせているが、なにかあるのですかね。()
 
イメージ 5
愛加那は左手に新しい入れ墨(ハジキ)を入れ、入れ墨をいれることを許してくれた吉之助に感謝する。ふたりは手を合わせ、愛加那は「これで旦那様を守ることができる」と喜ぶ。
吉之助のもとに、木場(谷田歩)が正助の文を持って駆けつける。
イメージ 6
そこには「33日の雪の降る朝、井伊直弼は水戸と薩摩の浪士に暗殺された。井伊にとどめを刺したのは俊斎の弟・次左衛門(山田大生)は斬られ、薩摩に戻ったもう一人の弟・雄助は切腹させられ、介錯は俊斎だった。犬死だ、脱藩じゃという俊斎。おれを斬って行けと止めた」とあった。
吉之助に「いよいよですな、薩摩に帰るときも」と木場が声を掛ける。愛加那が不安そうに見ている。
 
斉興は亡くなり、久光が国父として藩の権力を握ることになり、正助は久光にうまく取り入り信頼を得ていくが、有馬ら誠忠組の過激派は正助のやり方が気に入らず対立を深め、吉之助の薩摩帰還が待望される。吉之助は「桜田門で井伊弼が暗殺」されたことを知り、・・という展開。
今後の薩摩の動きを理解するうえで、西郷と誠忠組の関係、なぜ有馬らの反目が起こったのか、よくわからない。そもそも俊斎らは、江戸では遊郭に入り浸りで、何をしていたのか?
イメージ 7

映像は美しい。吉之助は幸せそうだった。吉之助と愛加那の物語に、ドローンを使って描かれるとは驚いた。史実の意義をわかりやすく伝わるようにしてもらいたい。
                                              ***
記事 20180528
西郷どん」第20話視聴率12・2% 久光が実権握り“国父”に