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第22回「偉大なる兄、地ごろな弟」

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吉之助(鈴木亮平)の薩摩帰還が、正助(瑛太)の尽力で叶った。3年ぶりの薩摩、井伊大老が倒れ、幕府の権威が失墜し、武力で幕府を倒そうという動きが起こり、久光(青木崇高)の出兵計画が全国の注目を浴びていた。吉之助は名を大島三右衛門と変え、久光に会う。
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久光は「先君斉彬の遺志をわしが継ぎ、薩摩の精兵をもって公儀に迫り、慶喜公を後見に押し、腐った政を正して世を変える」と上洛の意欲を示す。吉之助は「3年前の策は、亡き殿でなければ無理です。亡き殿には同志がいた。国父様にはそれがない。松平様、慶喜様に会ったこともない国父様に、いかほどの藩がついてまいりますか?」と反対する。久光は「わしを薩摩しか知らん地ごろと申すか!」と激怒する。正助が「亡き殿のことしか見えていないのか」と吉之助を叱るが、吉之助は「世を変えるなら、世を知る必要がある!」と言い返す。久光と西郷の不仲はこのときから始まった。
久光が自分で「地ごろ」と言い出したことに、“ほっと”です。そして、ちゃらんぽらんだと思っていた吉之助の、今回のさわやかな弁にびっくりです!!
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吉祥院での吉之助帰還を祝う席。一蔵(瑛太)と吉之助が憮然と座っている。海江田(高橋光臣)が「城で何があったか」と大山(北村有起哉)、新八(堀井新太)に聞く。誰も酒を口にしない。そこに、有馬(増田修一郎)が造士館の連中を連れてやってきて、吉之助との再会を喜び合い、「国父様とぶつかったか」と問う。吉之助は、「国父様はご自身の器が見えていない。出兵しただけでは世を変えれんと進言した」と言えば、有馬が同意する。
一蔵が「有馬は脱藩し、ほかの志士たちと京で倒幕の狼煙を上げようとしている」と吉之助に忠告する。有馬が「幕府を倒す。おいと一緒に行こう」と誘う。
 
これを聞いた吉之助は血相を変え、「血を流せば良いと思っているのか。ここにいるのはみんな同じじゃ。日本を強くしたいと思ったら、今が騒ぎを起こすときでなない、策を練る時じゃ」と有馬を一喝する。「お前の考えには従えん。腐った幕府には従えん」と有馬は造士館の連中を引き連れて去っていく。有村がここまで言い張るのは何故か、わからない。有馬・増田さんの演技が光っている。
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久光は、「天子様の前で馬揃えをすれば、望は聞き届けられる。出発を、3月16日先君の月命日をする」と令し、吉之助に「命令に従わない者は島流しで済むと思うな!下関で待て」と命令する。吉之助の反対が、久光の決意を後押ししたように思える。
 
有村ら造士館組が京に発とうとしている。正助が「これを読め。国父様の命令だ。藩命に背くは罰せられる」。正座して「郷中で一緒に生活した者が敵にならねばならんのか。行くな!」と諭す。しかし、有馬は「行かねばならぬ。同志が待っている」と発つ。
 
新八とともに下関に着いた吉之助は豪商・白石正一郎花王おさむ)で久光の受け入れ準備をしようとしていた。白石から「京には、薩摩と同じ考えを持つ者が続々と集まっている。弟の慎吾が薩摩の兵を京に受け入れるための資金30両を持って京に発った」と知らされる。
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京の町では、薩摩の若者たちが肩で風を切って歩いている。その中心に西郷慎吾(錦戸亮)がいる。長州藩久坂玄瑞(二神光)、土佐藩の吉村虎太郎(兼松若人)などの志士が集まる茶屋で「西郷どんの弟」と呼ばれ、酒を飲み交わしている。慎吾は、兄のことを聞きたがる芸奴「おゆう」(内田有紀)に、妬いている。()
 
白石邸の吉之助。志士たちから「薩摩兵の到着に合わせ、彼らは幕府の役人を襲い、騒ぎを起す」と聞き、有馬が船で京に向かっていると知り、久光の下関到着を待っていては彼らを説得する時機を失すると、新八をともない京に向かう。
 
吉之助は、自分と分からぬなりで、京に入り、旅籠・鍵屋に駆け込む。さっそく「西郷はん!」と女中の虎(近藤春菜)が迎えてくれる。“虎”はもういい!()
主人・直助(西沢仁太)に有馬の居所を聞くが「ここには来ていない。慎吾が派手に遊んでいる」と聞く。
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慎吾はおゆきを口説いているところに、吉之助が現れる。「白石殿の30両に手をつけたな!」と慎吾を投げ飛ばし、「この様はなにごとだ!腹を斬れ」と叱りつける。慎吾は「家にもいなかったくせに、今さら兄貴面するな!俺は脱藩を決めている、有馬についてゆく」と開き直る。
吉之助は「有馬に合わせろ」と迫るが、慎吾は一瞬の隙をついて逃げだす。“おゆう”から、有馬の居場所を聞き、急ぐ。
 
有馬は脱藩した浪士たちとともに伏見の寺田屋に潜伏していた。吉之助は「おいの命を、おはんに預けようち思ってな」と話しかけると、有馬は了承し「まず、京都所司代を襲う計画だ。われわれが先頭を切り、諸藩の志士たちの先駆けとなる。そうすれば事が動く。腐った幕府は倒れ、尊王攘夷を遂げることができる」という。
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吉之助は「今じゃなか。徳川の世を終わらせたとしても、その先どうなる。この隙に、日本は異国の食い物になるだけだ。」と激しく言い合う。「どうしてもやると言うなら、ここで俺を斬れ!おれの屍を乗り越えて、行けばよか」と説く。この気迫に圧され、有馬は早まった行動はしないと誓う。このシーンも見ごたえのある、とてもよい芝居でした!
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その夜。吉之助は慎吾と枕を並べて寝る。吉之助は投げ飛ばしたことを詫びると、慎吾は「兄ちゃんは立派過ぎて、まぶしい。今日はじめて命がけの兄を見た」という。吉之助は「名前だけが立派になっている。そんな大きな男ではない。島では惚れた女と幸せだった。これで生きようと思った。3年で世の中が変わった。お前には苦労を掛けた。寂しい思いをさせた」と優しく労わる。
 
そのころ、下関では、思いもよらぬ事態が起きていた。「わしの命に背けば切腹じゃ!ひっ捕らえろ」と久光。
 
薩摩に戻り、いきなり久光の「公武合体を押して、幕府を支える」を聞いて、実行の可能性がないとしこき下ろす吉之助。論理も見事で、見違えるほどの成長にびっくりでした。() 久光に嫌われるのは、久光の束縛を受けず、革命家としての吉之助には都合がよい。
奄美で変わったという吉之助を演じる鈴木さんの熱のある演技はよかった!有馬を演じる益田さんの演技が光っていた! 西郷慎吾の成長には、吉之助同様に、びっくりでした!
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記事 20180611
西郷どん」第22話視聴率13・4% 吉之助、弟・信吾と“衝突”