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第38話 「姑の心 嫁の心」


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イギリス人を殺めたことに天璋院宮崎あおい)は、薩摩が攘夷に打って出たのかと心を砕きます。そこに帯刀(瑛太)からの「薩摩が攘夷を実行したと皆が喜んでいますが、それは違います」という文が届きます。イギリスは幕府に10万ポンド(25万両)、薩摩に25千ポンドを請求してきたが、幕府は払う気がない。謝罪するなどとんでもないという空気。
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天璋院は「わびるべきである。それが人の道」と思いを言えば嗣子(中村メイコ)や観行院(若村麻由美)これとは逆に「薩摩さんは偉い」と言い出す。しかし、これに和宮は疑念をもちます。
 
朝廷はわずか23か月の間に、尊王攘夷を掲げる長州が強い発言権を持つようになっていた。その先鋒とも言えるのが桂小五郎スズキジュンペイ)と久坂玄瑞東武志)で、これに後押しされるように、朝廷は新たな勅使・三条実美(小浜正寛)と姉小路公知(若松康弘)を江戸に送り込んでくる。岩倉(片岡鶴太郎)は狙われ身を隠し、久光(山口裕一郎)は薩摩に身を引く。
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天璋院と家茂(松田翔太)は勅使への対応について話会います。家茂が「宮様に願って、帝に攘夷が困難であることを伝えたいが、これでは宮様が板挟みになる」と和宮堀北真希)への配慮を示すと、天璋院が「わたしが京に行って、帝にお話をしましょう」と言い出せば、家茂は「それなら私が・・」という。しかし、開幕以来、朝廷に屈する上洛がないことに拘りを見せます。
 
これに天璋院は「帝にお会いしてください。公方様の言葉でじかに気持ちを伝えてください。それが日本国のそして和宮のためになります」と上洛を勧めます。家定(堺雅人)が認めたとおり、政について大きな見方を示します。これを演じるあおいさんに、貫禄十分で、まったく違和感がありません。
しかし、和宮にとっては、家茂が天璋院に無理強いされているのではないかという特別な感情が出てくるかもしれませんね。
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家茂は、勅使・三条実美姉小路公知に会い、上洛することを伝えます。これに嗣子と観行院は大いに喜びます。観行院は和宮に「家茂様に情を寄せるのは良いが、役割を忘れないように」と諭します。
 
慶喜は、京の情勢を探るため家茂に先立ち京に上るにあたり、「今の時勢、攘夷などできない。兵を預けていただければ、攘夷派など蹴散らかしてみせる」と大老松平春嶽に語るのでした。
 
家茂が上洛の意思を示したことは、老中や大奥だけでなく、開国か攘夷かの議論と相まって、あちこちに波紋を投じたのでした。滝山はなぜ上洛を決めたのか、天璋院が焚きつけたのではないかと疑う。() 滝山が立ち去ったあと「公方様よくぞ決意されました!」とにんまりと笑顔を見せます。
 
家茂は和宮に攘夷が実行できないことを理解していただくには自分が上洛して帝にお話しするのがよいと話すが、和宮は都はいま危険が一杯で上様が行かなくてもよいのではと心配をします。
 
薩摩では、帯刀が家老職につく。
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坂本竜馬玉木宏)が春嶽の紹介状をもって勝(北大路欣也)の屋敷を訪ねる。勝は開国の必要性を説き、海軍が必要で「公方様ご上洛には軍艦を使用していただく」という。龍馬は勝の人柄に惚れ、勝の弟子になります。
 
攘夷一色に染まっている朝廷に乗り込む家茂のために、天璋院は、仏師に小さな仏像をつくらせ、それを入れるお守りを手ずから縫うのでした。ちゃんと刺繍を施しております。() 
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滝山(稲森いずみ)から家茂が京まで船で行くことを聞いて、「危ないではないか、陸路にせよと申し立てよ!」と指示します。勝が勧めてと聞き、勝を呼び出し、「海軍をつくりたいという魂胆がみえている。陸路じゃ」と一発で勝の企てを一蹴します。この論議、どちらが正しかったかわかりませんが、実の母のように家茂の安全に気遣う気持ちが伝わってきます。でも、随分度胸の据わった天璋院になってきましたね!
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お渡りで、和宮が京での家茂を案じ「止めるよう」促します。家茂が「上洛する決意をしたのは天璋院のあと押しがあった」と語り、和宮は、天璋院への重苦しさを感じるのでした。
 
翌日、和宮天璋院がお守り袋を縫っている部屋を訪ね、「私が母なら、このようなとき笑って送りだせますでしょうか。無事戻ってくるのを楽しみに待つでしょうか。私はあの方の妻です。母とは違うのです。都で何かがあったら、私は大御台さんをお恨みします」と抑えて口調で悲します。天璋院はこの言葉に衝撃を受けます。
大御台として、妻としての感情の行き違いがうまく表現されています。
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文久31863)年2月。家茂が江戸に出発する日が来た。家茂の無事を祈り、天璋院がお守りを渡そうとすると、和宮増上寺から取り寄せたお守りを手渡します。天璋院は遠慮しようかと迷いますが家茂が「それもお渡しください」という。「おふたりに守られているようで心強い」と家茂は行ってしまう。和宮からこらえていた涙が零れ落ちるのでした。
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「ともに、無事をいのりましょう」という天璋院のことばに「嫌じゃ。私は、ひとりでお祈りいたします」と離れていく和宮の背中を、天璋院は無言のまま見送るしかなかったのでした。夫を思う妻と息子を思う母の間の溝は、とても深いもので、埋めようようもないほど深いものでした。
 
家茂上洛で勝に迫り、一発で勝の案を退ける強い天璋院。そして、嫁の和宮と姑の天璋院の間で揺れる想いで見せる演技、お互いの想いがよくでた演技でした。家茂が辛い立場にあったのかもしれませんね!
今回は“西郷どん”第25回「生かされた命」、生麦事件に合わせています。
          ***第38話おわり***