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銀魂2「掟は破るためにこそある」(2018)

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前作で大いに笑わせてもらったので期待していました。日本一笑える作品だが決して日本アカデミー賞には選ばれない今作()、前作に比して何倍も面白かった。
 
笑いも凄かったが、タイトルどうりのストーリー展開で“テーマ性”があり、決しておばかギャクのおもしろ映画ではなく、泣かせてくれます。今年の熱夏を吹っ飛ばすには最高の作品です!
 
原作は空知英秋さんの大人気ギャグ・マンガ。原作のなかで最も笑える“将軍接待篇”と最も熱い“真選組動乱篇”をベースに、お金に困ってばかりの便利屋・坂田銀時と仲間たちが思わぬ陰謀に巻き込まれながら繰り広げる大騒動の行方を描くというもの。
前段でコスプレと変顔で笑いを取って、後段でバトルを見せる構成になっていますが、前後段の繋がりがよく、はなしねたが新選組芹沢鴨をモチーフにしているだけにストーリーが面白く、バトルもよかった。本作の主役は真選組の面々です! 
 
監督は、勿論、福田雄一さん。出演者は万事屋一家の小栗旬菅田将暉・橋本環奈さんコンビのほか、中村勘九郎長澤まさみ柳楽優弥岡田将生堂本剛さんらの前作出演者に、新たに堤真一三浦春馬窪田正孝勝地涼夏菜さんらが参加、とても豪華です。
 
あらすじ(HPから引用)
時は幕末。地球人・天人とともに暮らす江戸・かぶき町。仕事がなく金欠の万事屋メンバー金時(小栗旬)、新八(菅田将暉)、神楽(橋本環奈)は、キャバクラに床屋とバイトを始めるが行く先々で将軍・徳川茂茂(勝地涼)に出くわしてしまい、打首覚悟で接待する羽目に。
 
そのころ、真選組始まって以来の大事件が勃発。局長・近藤勲中村勘九郎)の暗殺計画が企てられ、副長・土方(柳楽優弥)は第2の人格=ヘタレオタク“トッシー”に身体を乗っ取られ真選組を追放されてしまう。
 
犬猿の仲の金時に頭を下げて助けを求める土方だが、裏では銀時の因縁の相手・高杉(堂本剛)率いる鬼兵隊が将軍・徳川茂茂の命を狙い、幕府の転覆を企んでいた。果たして銀時は、江戸の町を守れるのか・・!?
 
冒頭で邦画の中での本作の位置づけが説明され、決して撮影、録音してはいけないという注意があります。()
 
前段
家賃を払わない銀時を「金払え!」とウンコババア・万事屋の大家(キムラ緑子)が追っかけるシーンから始まり、ラストはまたこのシーンで閉じられます。ここでのぶっとんだキムラさんの演技に大笑いです! 出だしがいい。
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なんとか金を作ろうと大飯喰いの神楽を新八の姉・妙(長澤まさみ)が務めるキャバクラ「すまいる」にアルバイトにやとってもらおうと訪れると、幕府の偉いさんが来るというのに従業員が風邪で人でがないという。これにどう対応しようかと、店長(佐藤二郎)が長々とひとり話芸を繰り広げる。面白くなかった。()
そこで、店を訪ねてきた志士・桂小太郎(岡田将生)と神楽の友達・猿飛あやめ(夏菜)が加わり、妙さんを加え6人で対応することに。ここで小栗さん、菅田さん、岡田さんが女装です!笑えます。いい女は岡田さんかな? これを下品というか、とにかく笑えます。桂ラップもよかった。() 
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下見にやってきた警視庁長官・松平片栗粉(堤真一)に、桂を隠せと、“しゃっくれ”顔での応対。みなさんの顔芸に笑えますが、夏菜さんの割箸を使った“しゃっくれ“は絶品です。()
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将軍・徳川茂茂が「将ちゃんと言われている」と訪れる。この名前を聞いただけで幕末で活躍した人物を思い出し、このパロデイーぶりに笑えます。

松平が、面白い余興がないと、「着せ替えゲーム」?を始めるが、どういう仕組みか将軍が脱がされ遂にモザイクで覆うことに。() 将軍曰く「どうして俺だけに当たるのか?」。
勝地さんは笑わず、気品があって、大真面目に演じてくれます。これが面白い。() 堤さんは演技してない。() すべてアドリブです!!
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将軍護衛でやってきていた真選組副長土方が、攘夷侍に襲われ、首に「ヘタレオタクタイプ」のマイクロチップを埋め込まれる。本人は首を虫に噛まれたというが、これでヘタレになって、戦う意思もなくなり、マンガオタクになり果てる。

新任の伊東鴨太郎(三浦春馬)は、「真選組を改革」すると言い近藤の心を捉え、土方をバカ扱いし、ヘタレっぷりから「自分で決めた掟も守れず」土方は首になる。これを契機に、沖田総吾(吉沢亮)は土方を見くびり、伊東につく。が、伊東の地位欲に疑問を抱く。
 
伊東役・三浦さんの真面目さが、他のバカまるだしのキャラクターのなかで、光を放ちます。また、沖田役・吉沢さんは、本作の主演といってもいいほどの大活躍、熱演でした!
 
万事屋の面々が床屋でアルバイト中のところに松平に案内されて将軍が髪結いにやってくる。松平がキャバクラに。二度と失敗は許されないと神楽が慎重になりすぎて、髷を斬り落とす。これは大変だと、残された髪を引っ張る、引っ張る。するとなんと将軍の顔を変形する。この顔に大笑いです! 新八が「将軍が笑ってない」とビビるので神楽が、「これが似てる」と犬の糞を将軍の頭に乗せる。() 笑いはこれでお終い!
 
万事屋に、土方がノースリーブのGジャンにバンダナで刀を背負うという出で立ちでやってきて、「パパイヤラインを出せ」と。「マンガで儲けないか」と誘う。「こいつ狂っている」と平賀源外(ムロツヨシ)に診てもらうと、「手にお負えない」と診断。()
土方は「もう土方とおさらばだ。チップに乗っ取られた。最後の頼みがある、真選組を守ってくれ!」と金時に頼む。正気からヘタレオタクになった柳楽さんの変身ぶりが可笑しい。()
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後段
このころ、近藤は、熱海で保養する将軍警備に向かうとの伊東の誘いに乗り、列車で移動中。
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突然、真選組に囲まれ、伊東から「おれの眼中にあるのは真選組の座のみ」と告げられ、びっくり仰天の近藤・中村勘九郎さん。前作のふざけ演技から、人としてのやさしさが一杯出た近藤の演技に、泣かされます!
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真選組の異変を知った金時。迎えに来たパトカーを乗り、無線で「すべての税金泥棒に告ぐ。土方だ!くたばるなら大切な者の側で、剣を振って死ね!」と江戸所在の全真選組を熱海に向かわせる。これを知った鬼兵隊の車が追う。「怒りのデス・ロード」(2015)もどきのカーアクションから、列車の爆破・鉄橋での宙吊りと、どこかで観たようなシーンがよく出てきます。()
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列車内では、浮田が近藤を守ろうと奮戦。これを神楽が応援。ふたりのバトルシーンが見せ場です。
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警備が薄くなった江戸に、黒の皮ジャン?にサングラス、ギターを背負い、ヘッドホンを掛けたダンデイーおじさん姿の川上万斎(窪田正孝)が、オートバイを駆って江戸城に乗り込み、松平と対峙し、将軍の首を欲しがる。
伊東の騒動もこの万斎の斬り込みも、裏で糸を引くのは高杉晋助堂本剛)。出番は少ないが、堂本さん、存在感がある。しっかり作戦が練れているのでストーリーが締まっている。 
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松平は忍者部隊を投入して応戦するも、千人斬りの異名をもつ万斎に苦戦する。
 
頼るは金時。熱海の戦闘を桂に任せ、急遽「ネコバス」(となりのトトロ)?で江戸城に入り、万斎とバトル。
万斎が繰り出す弦に絡まれ苦戦する金時。万斎が「この国はつぶれる。主の力では止められん。天人に支配される国、どうにもならん」と木製ヘリで飛び立つ。万斎役の窪田さん。不気味で、勝ったか負けたかわからない風で去るのがいい。
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金時は「国が亡ぶとか侍が亡ぶとかはどうでもいい。俺は今もいつも、俺の守るべきものはひとつ、変わっていない」とつぶやく。なんだか、今に通じますね!
 
騒動を起こした伊東の処分。近藤は、騒動は自分の局長としての器の無さにあると、掟を破った者への戒めと剣の達人であり組員のひとりであったことに対する情けから土方と決闘させ、涙のなかであの世に送る。柳楽さんと三浦さんのバトル、よかった!
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笑って、泣いて、笑って!! 楽しみました。
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