監督があの三木孝浩さんです。優先して観ることにしました。( ^)o(^ )
原作が百田直樹さんの原作小説。未読です。すこし危ないと思っていました。
結果は、監督の作風に、百田さんの思想がよく表われた作品でした。(笑)
予告編に「ふたりの運命の結末は秘密にしてください」とあります。確かに、知ったら面白くないし、泣けないでしょう。しかし、百田さんの顔が浮かんだら分かってしまいます。(笑)
死を目前にした人間が透けて見える”という不思議な能力を宿した青年と、“死の運命”に導かれたヒロインが織りなす切ない恋の行方を描く“ファンタジック・ラブストーリー”です。
若いふたりの夢のような恋愛、誰でもこんな恋をしたいと思うでしょう。しかし、その先に、彼女の運命を知る彼が重大な人生の決断を迫られるという大きなテーマが加わったミステリアスでホラーっぽい、監督にとっては新境地作品です。
冒頭、航空機事故現場にたたずむ子供に助けを求める母の映像。“フォルトゥーナ”とは運命の女神。その瞳を持ってしまった者には「死を目前にした人間が透けて見える」というナレーションが入ります。物語全般にかかるこの伏線が、彼の運命に深くかかわってきます。
航空事故で孤児となった木山(神木隆之介)は、遠藤夫妻(時任三郎、斎藤由紀)が経営する自動車塗装店で10年、友人も恋人も作らず仕事のみに生きてきた。そんな日々のなかでふと目にした男が透けてみえ、目の前で、交通事故で亡くなる。自分には人の運命を変える特殊な能力があることに気付きます。
特殊な能力を持ったことで、人の運命を変えていいのか、その人の運命を背負えると苦悩するなかで、葵に交際を申し出ます。
ここからのふたりのデートが、場所、季節を変え監督らしい美しく映像で見せてくれ、ワンオクの主題歌が、一層盛り上げてくれます。
孤独な木山が葵に出会って明るく強い男になっていく神木さんの演技。架純さんの天然?と思える一方で芯のある葵の演技はすばらしいです。
「こんなセリフ?」と思える会話も、このふたりの演技なら、自然でファンタジーに受け入れられます。
この幸せのなかで、木山は救えなかった人たちのことを思い、自分は何故この世に生まれてきたのか、航空事故で母を救えなかったことを苦しみ始めます。
木山の目には沢山の透けて見える人が現れ、その人たちの運命に関われば自分の命を締めるなかで、重大な決断を迫られる事態に遭遇します。
木山と葵の選択に涙することになります。
結末はとても美しい愛の形を見せてくれますが、この愛のなかにある「人はどう生きるべきか」というメッセージが伝わると良いですね! 現在社会に生きる私たちに喝を入れたおはなしでした。( ^)o(^ )
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主題歌「In the Stars(feat,Kiiara)」