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第10回「真夏の夜の夢」

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あらすじ:
ストックホルムに到着した四三(中村勘九郎)だが、夜になっても明るい白夜に苦しめられる。大森兵蔵竹野内豊)の体調が芳しくないため、四三は弥彦(生田斗真)とともに自分たちだけでトレーニングを開始。だが、外国人選手の多くが、監督の的確な指導のもと複数の選手で一緒になって練習に励む姿を見て、明らかな差と孤独に滅入っていく。ついに正気を失った弥彦がとんでもない行為に・・・。そのころ、「朝太」になった孝蔵も、円喬(松尾スズキ)の話術を必死に盗もうと取り組むが、そのすごさに圧倒される。
感想:
17日間の長旅を経てやってきたストックホルム。そこは白夜の国。西欧の選手からの威圧と不眠で追い込まれる四三と弥彦。異国での孤独、不安がよく伝わる回でした。ロシアに勝利した国からやってきた選手として注目されるが、大和魂だけではどうにもならない限界を知ったふたりの心境は、察するに余りあるもの。
 
そのなかで歌う「君が代」が彼らの支えでした。涙がでました。
国歌と演歌、柔道をしっかり身につけて外国に出て行きたいですね。( ^)o(^ )
 
幸い挫折を味わった四三が窮地に追い込まれた弥彦を「我らの一歩は日本人の一歩だ。三島さん、速かろうが遅かろうが、我らの一歩には意味がある」と励ます言葉に泣けました。初めてのオリンピック参加がこのふたりでよかったと、異国にあって強く結ばれていく姿に感動しました。今回の演技MVPはこのふたりでしょうか!
 
外国選手のなかでのポルトガルのラザロとの出会い。彼も貧しくて電車に乗れないで走ったと聞いて足袋をプレゼントすると言うエピソード。ラザロは「オリンピックは生か死だ」という。オリンピックの暗い影の部分を描いていてとてもよい。ラザロの運命は次回に描かれるでしょう。
女性水泳選手の水着姿。このオリンピックの記録映画が撮られたのはストックホルムからだというエピソードもよかったですね。このエピソードのために勘九郎さんは全裸にならねばならなかったという()
 
入場式での国の表記をいかにするか?この話は知らなかった。これを現地で解決せねばならなかったことに驚きました。治五郎が大森に意見を求めると「国際大会なので「JAPAN」でいいだろう」と言い、治五郎もこれに同意した。しかし、「自分はあくまで日本人だ」とNIPONを譲らない四三の気持ちがよく伝わり、涙でした。
 
孝蔵は、師匠円喬の技量を盗もうと懸命に努力するが、先が見えない。
 
今回は、裸になる常連の勘九郎さんと生田さんに加え、たけしさんと神木さんも裸に! 何が狙いなんですかね、気になります。
低視聴率と騒ぎますが、世界の中の日本という視点で観る異色の大河。面白いです!
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ストックホルム到着の翌日、四三はガイドのダニエル(エドヴィン・エンドレ)とマラソンコースを下見した。その後スタジアムで、弥彦とともに現地の記者から取材を受けた。なぜ日露戦争に勝てたかの質問に、弥彦が「大和魂!」と答えた。
日露戦争のためか、日本選手に対する注目度は四三の想像をはるかに超えていた。
同じく取材を受けていたポルトガルのラザロ選手は、初参加で勝か死かだと覚悟を語っている。
 
翌日、四三は治五郎に「日本スポーツ界の黎明の鐘となるべく、本番の一か月半、練習に頑張ります」と、水浴びをして、手紙を書いた。()
 
64日。慣れない白夜のため四三も弥彦も睡眠不足だった。「小さな日本人」という新聞記事に「言いたいように言わせておけ」と弥彦は横柄に言い切る。
 
外国の選手が入って来て練習を開始。四三は坂道を中心に34里の距離を繰り返し走った。四三は外国の選手とすれ違う度に孤独を感じた。外国の選手には一つの競技に複数の選手がいて、互いに批判し合って効果的だと思った。そもそも彼らとは体のつくりが違うと思った。約束通り、午後グランドに出たが三島は来なかった。
 
練習後、四三は大森から、念のために、マラソンに加え1万メートルに出場してはと勧められた。弥彦も100m、200mの他に400mにも出場するという。四三もこれに同意した。
大森は咳が続いていて、グランドには出られないという。安仁子が弥彦には大森の書いた練習メニューを渡す。マラソンは大森の専門外だと、四三には練習メニューを書いてもらえず、自分で走り続けるしかなかった。次の日のその次の日もこの状態が続いた。四三は孤軍となり、他人の力を借りず奮闘するのみであった。
 
そうするうちにアメリカ、フランス、イギリス、ロシアの選手団も現地入りし、ますます練習が激しくなっていった。
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弥彦も100mの練習を繰り返すが、1134では西欧の選手についてゆけない。
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このような状況のなかで、地元の記者が「金栗さん」と弥彦を取材にくるのにげんなりする。
 
他国の選手たちも、世界記録を出した四三が履く足袋に興味を持ったので、四三は辛作に電報を打ち、至急追加で足袋を送って欲しいと頼んだ。
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円喬に弟子入りした孝蔵は、「垂乳根」を練習する兄弟子の落語を聞いていた。これを聞く円喬が咳き込む。半端な芸をしているとわざと咳き込むらしい。師匠が落語をこの話をみごとに喋りながら茶を飲んでいるのを見て、飲むとうまくいくのだろうと師匠の茶わんで茶を飲む孝蔵。師匠が「飲んだらだめだ、俺は肺を患っているから、うつったやつがいる」という。うつっても上手くなりたい! 四三と違って孝蔵には師匠がいた。しかし、大森兵蔵と同じように肺を患っていたとは皮肉な運命でした。
この話を聞いた志ん生の弟子:五りん(神木隆之介)は間接キスだという。馬鹿もの!、風呂の中で死んじまえ!(笑)
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615日、白夜により不眠。冷水浴のやりすぎで水道を止められた。
練習を開始して12日。とうとう誰も部屋から出なくなった。練習に来ない弥彦を心配して四三が様子を見に行くと、黒いカーテンを閉め切った部屋のクローゼットの中から現れた。
弥彦は西欧人選手とのスピード差を思い知らされすっかり自信を喪失していた。
「俺は耐えがたい。西欧人は速い勝ち目はない」と落ち込んでいた。「我々は走ればいい。精一杯やればそれでいい。一緒に練習しよう」と励ました。これには四三の存在も彼を苦しめていた。
「君は走れば人が寄ってくる。金栗ばかりだ。わしは新聞に載らん。君の写真に俺の写真が使われている。俺の記録は12秒台の男でどうにもならん」と泣く。
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「負けて当たりまえ。だったら気軽だかね」と四三が懸命に慰めるが「西欧人にバカにされている。便器が高い!」と激昂する弥彦。

四三は大森の部屋に行き、安仁子が止めるのを振り切って部屋に入ると、そこにはげっそり痩せた大森が苦しそうに咳込んでいた。
 
このような状況について、「この度の大会は、日本人にとって、最初で最後のオリンピックになるでしょう。黎明の鐘は鳴りません」と四三は治五郎に絶望的な状況を手紙で報告した。
 
弥彦の部屋のドアが開き光が漏れているので、四三がのぞくと、弥彦が窓枠に足をかけ今にも飛び降りそうになっている。四三は部屋に飛び込み、必死に弥彦を引き戻した。

「駄目だ!一生後悔するぞ!我らの一歩は日本人の一歩だ。三島さん、速かろうが遅かろうが、我らの一歩には意味がある」と声をかけた。「すまん、ありがとう金栗くん」と弥彦。四三の励ましの言葉には泣けました。しかし、四三が裸の弥彦を押さえつけて説得すがたを安仁子に見られた。() どんどんとクドカンさんらしさが出てきましたね。()
 
この事件以来、四三は弥彦の練習にも付き合うようになり、二人は大森からのメモを頼りに試行誤作を続けた。大森の指示で安仁子が弥彦のスタートを写真に収め、アメリカの選手のフォームと比較しフォームの改善に努めた。
そうするうちに弥彦は徐々に痛快男子振りを取り戻し前向きに練習に取り組むようになった。大森も回復に兆しを見せ、ようやくグランドに出てこられるようになった。
 
四三はダニエルを伴いコースを走る練習を積んでいた。途中、川で水浴びをしていて、西欧の水着姿の女性選手に出会う。びっくりして、真っ裸で岸にあがるというヘマをやらかした。() オリンピックの記録映画はこのストックホルムはら始まったという。このエピソードのために勘九郎さんは裸にならねばなりませんでした。()
 
四三はダニエルの伴奏で、美しいスエーデンの野を走る中で花を見つけ「奮闘の 声もとどろに 吹き鳴らす スエーデンの野に 夏花ぞ咲く」という歌を残した。
 
623日、夏至を迎えたストックホルムでは日が暮れず、夜が全くなくなった。
スヴェーデンの人々は広場に柱を立てて踊り明かす「夏至祭」を楽しむ。毎晩音楽や嬌声が響き、弥彦も四三も閉口していた。
ある夜、耐えられなくなった四三がホテルの庭にいくと、集まった人々が楽団の演奏で歌ったり踊ったりで盛り上がっていた。「すいません!すいません!」と静かにして欲しいと声を上げたが、日本の歌を唄って欲しいと頼まれてしまった。
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四三と弥彦は君が代を歌った。それに拍手があがったところに、「遅くなって申し訳ない。すばらしい、このような大歓迎を受けるとは」と治五郎が入ってきた!

治五郎は四三、弥彦、大森夫妻、内田公使を呼び、四三には清さんから預かってきた足袋を、大森には製本した「オリンピック式陸上運動競技法」を渡した。大森は涙を浮か喜んだ。
 
内田公使(井上肇)が開会式のプログラムを持参してきていた。日本はイタリアの次に入場だという。治五郎は、国旗は三島、プラカードは四三は持つと決めた。
事務局からプラカードの表記について問い合わせがあったと言い添える。治五郎が大森に意見を求めると「国際大会なので「JAPAN」でいいだろう」と言い、治五郎もこれに同意した。
しかし、四三は納得しかね「日本でお願いします。そうでないと出ません」と主張した。どう決まるのでしょうか?
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記事 20190311
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