映画って人生!

宮﨑あおいさんを応援します

是枝裕和監督新作「真実」日本語吹替版に宮﨑あおいさん出演。

数々の映画賞に輝いた「万引き家族」(2018年)のメガホンをとった是枝裕和監督の初の国際共同製作映画『真実』(10月11日公開)の日本語吹替版キャストとして、宮本信子宮崎あおい・佐々木みゆさんが洋画吹替を担当すると発表されました。

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ゴーイング マイ ホーム」以来、いつか是枝映画にと思っていました。この大役、とても喜んでいます!フランスの名優に当てるとすれば、このおふたりでしょう。(笑) 実を言えば、監督には、世界に向けて、あおいちゃん主演で1本撮って欲しいです!

資料1 作品概要
万引き家族」で第71回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した是枝裕和監督が、初めて国際共同製作で手がけた長編作品。母と娘の間に隠された真実をめぐる物語を、フランスを代表する女優カトリーヌ・ドヌーブジュリエット・ビノシュの共演で描く。

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フランスの国民的大女優ファビエンヌが自伝本「真実」を出版し、それを祝うためという理由で、アメリカに暮らす脚本家の娘リュミールが、夫でテレビ俳優のハンクや娘のシャルロットを連れて母のもとを訪れる。早速、母の自伝を読んだリュミールだったが、そこにはありもしないエピソードが書かれており、憤慨した彼女は母を問いただすが、ファビエンヌは意に介さない。しかし、その自伝をきっかけに、母と娘の間に隠されていた愛憎渦巻く真実が次第に明らかになっていく。女優として優れていることを何よりも優先するファビエンヌをドヌーブ、娘のリュミールをビノシュが演じた。そのほかリュミールの夫ハンク役でイーサン・ホークファビエンヌの共演女優役でリュディビーヌ・サニエら実力派キャストが顔をそろえる。2019年・第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品。日本人監督の作品として初めて、同映画祭のオープニング作品として上映される。
2019年製作/108分/G/フランス・日本合作 映画COM

https://eiga.com/movie/89504/

予告編:


是枝裕和『真実』予告編

資料2 記事
宮本信子×宮崎あおい×佐々木みゆ、是枝裕和最新作『真実』で吹き替えに挑戦 「贅沢な時間でした」
https://realsound.jp/movie/2019/09/post-417581.html

10月11日に公開の是枝裕和監督最新作『真実』の日本語吹替版キャストを、宮本信子宮崎あおい、佐々木みゆが担当することが決定した。
 本作は、『万引き家族』で日本映画21年ぶりの快挙となるカンヌ国際映画祭の最高賞“パルムドール”を受賞した是枝監督最新作。国民的大女優ファビエンヌが『真実』というタイトルの自伝本を発表したことから、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く真実が炙り出されていく。主演を務めるのは、『シェルブールの雨傘』のカトリーヌ・ドヌーヴ。彼女の娘役に『ポンヌフの恋人』のジュリエット・ビノシュ、娘婿役に『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホークらが集まった。
 日本語吹替版では、宮本が、ドヌーヴ演じる国民的大女優ファビエンヌ役、宮崎が、ビノシュが演じるファビエンヌの娘で脚本家リュミール役、『万引き家族』にも出演した佐々木が、リュミールの娘シャルロット役に抜擢された。是枝監督は吹替版でも、佐々木には台本を渡さず、従来の口伝えの演出で台詞を収録した。

コメント
是枝監督:
宮本さんの凛とした声と、背筋のピンとした佇まいは、まさにカトリーヌさんにぴったり重なると思いましたし、宮崎さんは声のお仕事もご一緒させて頂いたことがあるのですが、その繊細な表現力はもう、唯一無二だと思ってましたので、ビノシュさんとの年齢差は気になりませんでした。ダメ元で僕から提案したお二人が、お二人とも、思いがけずお引き受け頂けて、監督としてこんなに嬉しいことはありません。もう一つの『真実』に出会うのを僕自身楽しみにしています。

宮本信子
洋画の吹き替えは初めての事なので、出来るかどうかとても不安で正直悩みました。でも是枝監督からお声掛け頂いたのですから、受けて立たなくては宮本信子はダメだわ!と思いまして。「どうなるか分かりませんが、一生懸命やらせていただきます」とお伝えさせていただきました。真実は一つではないですし、それを『一つであるべきだ』ではなく、色んな風に見られるんだよと言ってくれるような作品だと思います。

宮崎あおい
初めてのことに、何をどうしたら良いのか不安いっぱいでスタジオに入ったのですが、始まってみたらとても楽しく……自分がジュリエット・ビノシュになったかのような幸せな錯覚を味わいながらの贅沢な時間でした。また新しい形で是枝監督の作品に関わら

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せていただけたこともとても嬉しかったです。

佐々木みゆ:
吹き替えのお仕事をするのは私のあこがれだったので、是枝監督からお話をもらったときはとてもうれしくて不思議だなーと思いました。初めてなので、さいしょはちゃんとできるかな? と心配だったけど、シャルロットちゃんの役ができるチャンスは一回しかないからぜったいやります! と言いました。夢がかなって、今もとても幸せな気持ちです。シャルロットちゃんは明るくて元気な女の子なので、吹き替えのときもたくさん笑って楽しかったです。
宮崎あおいの「崎」は「たつさき」が正式表記。

■公開情報
『真実』
10月11日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開
原案・監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:カトリーヌ・ドヌーヴジュリエット・ビノシュイーサン・ホークリュディヴィーヌ・サニエ
撮影:エリック・ゴーティエ
配給:ギャガ
(c)2019 3B-分福-MI MOVIES-FRANCE 3 CINEMA
公式サイト:gaga.ne.jp/shinjitsu/
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資料3 宮崎あおい×是枝監督がドラマで初タッグ!

20191003
「真実」のジャパンプレミアについて。
https://www.oricon.co.jp/news/2145720/full/?utm_source=Twitter&utm_medium=social&ref_cd=tw_pic

「真実」のジャパンプレミアが、10月3日、 是枝裕和監督、カトリーヌ・ドヌーヴジュリエット・ビノシュ、日本語吹替版キャストの宮本信子宮崎あおいさん、佐々木みうちゃんが出席し、行われました

作品は「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞“パルムドール”を受賞した是枝監督最新作。国民的大女優ファビエンヌが「真実」というタイトルの自伝本を発表したことから、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く真実が炙り出されていくというもの。

主演は、「シェルブールの雨傘」のカトリーヌ・ドヌーヴ。彼女の娘役に「ポンヌフの恋人」のジュリエット・ビノシュ、娘婿役に「6才のボクが、大人になるまで。」のイーサン・ホークら。
日本語吹替版では、宮本さんが、ドヌーヴ演じる国民的大女優ファビエンヌ役、宮崎さんが、ビノシュが演じるファビエンヌの娘で脚本家リュミール役、「万引き家族」にも出演した佐々木うみちゃんが、リュミールの娘シャルロット役を演じます。

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是枝監督:
「こんな形で映画を撮れるなんて、現実感がなく、ここに立てるのも信じられない」と感慨深げに語りながら「ゆっくり時間を掛けて映画を作ることができました」とフランスでの撮影に充実感をにじませていました。

宮﨑あおいさん:
「この場に立たせてもらえていることが恐縮で、幸せな一日です」と感無量。「このお話をいただいてから、時間が許す限りDVDを観て、ビノシュさんのお顔をずっと見ていた」と明かし「きのう、初めてお会いしたときには涙が出そうになって。棒のように固まり、監督に笑われてしまいました」と照れながらのおはなしでした。

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お気に入りの場面を問われて、宮崎さんは「ドヌーヴさんが撮影所を抜け出して、クレープを食べに行こうとするシーンがある。そこにビノシュさんが迎えにいって『撮影所に戻りなさい』というシーンがある。そこが面白かった。親子の関係性がちょっと逆転しているようなところがあって楽しかったです」とコメント。
それを聞いてドヌーヴは「私もけっこうお気に入りのシーンです。実際に、女優としてそういう撮影現場にいると長く待たされて『やってられないわ!』と思って抜け出したくなるときがある。そういった部分が非常に上手く描かれていて大好きです」と茶目っ気をみせた。
お互い、女優さんでなければ分からないところなんでしょうか、おもしろいお話でした。

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宮崎あおいジュリエット・ビノシュと対面「涙が出そうに…」


宮崎あおい、ビノシュ吹き替えは「すごく幸せ」 子役・佐々木みゆ「これがチャンスだと思って...」発言に会場爆笑 映画『真実』ジャパンプレミア

20191013
是枝裕和監督&宮崎あおい:2人が思う“女優に必要なもの”とは? 映画「真実」吹き替え版オファーの決め手は…
2019年10月11日
https://mantan-web.jp/article/20191011dog00m200026000c.html
女優の宮崎あおいさんが日本語吹き替え版で声を担当した是枝裕和監督の最新映画「真実」が10月11日に公開される。映画はフランスの国民的大女優ファビエンヌカトリーヌ・ドヌーブさん)の自伝本の出版をきっかけに、母と娘の間に隠された愛憎渦巻く“真実”があぶり出されていく様を描いた。宮崎さんはファビエンヌの娘リュミールの声を担当している。是枝監督と宮崎さんに、吹き替えの収録エピソードや女優という仕事について聞いた。

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宮崎あおいへのオファーの決め手は…
 映画は、国民的大女優ファビエンヌが「真実」というタイトルの自伝本を発表したことから、次第に母と娘の間に隠された、愛憎渦巻く“真実”があぶり出されていく……という物語。是枝監督初の国際共同製作作品で、今年度のベネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、オープニング作品として上映された。
 洋画の吹き替えに挑戦するのは今作が初めてとなる宮崎さん。作品に携わることには喜びを感じ、「うれしくて『やりたいです』とすぐに伝えました」と話すが、「吹き替えのお仕事はしたことがなかったので、何をどうしたらいいか分からないという……」と戸惑いもあったという。「監督をはじめ、スタッフやキャストの方が心を込めて作った映画に、こういう形で自分が参加して『どうなるんだろう』とプレッシャーはすごくありました」と明かしつつ、「分からないところからスタートするのは、今考えると楽しかったと思います」と振り返る。
 細田守監督の劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」では主人公・花の声を生き生きと演じた宮崎さん。だが洋画の吹き替えはそれとは異なる感覚があった。「アニメーションの生身の人間ではないものに声を当てるのと、きちんと同じ呼吸をしている人間に声を当てるのでは、こんなに違うんだ、という発見もありました」といい、「ビノシュさんと息を合わせて演技するのが心地よくて、楽しかったです」と声を弾ませる。
 そんな宮崎さんへのオファーの決め手は「声」だったという。是枝監督は、「(吹き替え版を)作るならこの人で、と思ったのが(ファビエンヌの声を担当した)宮本信子さんと、宮崎さん。なぜかと言われれば、声が好きだから(笑い)。『おおかみこどもの雨と雪』も見ていて『いいな』と思ったということもあります」と明かす。もちろんそれだけではなく、多彩な顔を持つリュミールの声を担当するには宮崎さんが適任だと思ったという。「リュミールは母の側面、娘の側面、妻の側面……といろんな表情を見せないといけなくて、ある種、ファビエンヌ以上にいろんな顔を見せる。宮崎さんの声なら全部できるな、と思ったんです」と語る。
 さまざまな顔を持つリュミールの声を演じるにあたり、どのような準備をしたのか、と宮崎さんに尋ねると、「とにかく(作品を)見ました」という。「声を録(と)るときは、台本を見ながら演技する時間が長くなってしまう。だからビノシュさんがどういう表情をしていたのか、台本を読んでいてもここ(頭の中)にあるようにすることが大事になると思ったので、とにかく何度も見て、映画の空気感のようなものを取り入れるようにしました。できる準備は最善を尽くして挑もう、という気持ちでした」と振り返る。
 そんな思いで臨んだ収録本番は、当初の予定より早く終わるほどスムーズに進んだ。是枝監督は「本当は翌日行こうと思っていたんですが『(スタッフに)今日中に終わっちゃいそうです』と言われて、慌ててお昼休みに抜けて、顔を見に行きました。スタッフがみんな『素晴らしい』という顔をしていて、実際に(宮崎さんの収録を)聞いて『すごいな』と思いました」と残りは現場に任せたという。宮崎さんは「気持ちは、自然にお母さんといるときは娘になるし、子供に話しかけるときはお母さんの気持ちになっていたのかな、と思います」と手応えを明かす。
 ◇女優としての思い語る 「きちんと真っ当でいたい」
徹底的にストイックでプライドの高いファビエンヌは、劇中の「私は女優なの」というせりふに代表されるように、たびたび「女優」としての矜持(きょうじ)をのぞかせる。「女優」という存在について、是枝監督、宮崎さんはそれぞれどのように考えているのか。女優に必要な、「持っているべきもの」とは? しばらく考えたのち、是枝監督は「“いい耳”を持っているといいのでは。相手のせりふをちゃんと聞ける耳が、大事な気はします」と自身の見解を語る。
 宮崎さんは「こうあるべき、みたいなのものはまったく何もないんですが……」と前置きした上で、「自分のことで言うと、きちんと真っ当でいたいな、ということは思っています。人として、自分の思う“真っ当”でいたいと思います」と回答。「やっぱり、役者というのは変わった職業だと思うので。いろんな人に優しくしていただけるし(笑い)。でも、別に自分は何者でもないから……もうちょっと若いころは勘違いしちゃいけないなと思っていたんですが、今はもう自分も年を重ねて、勘違いすることが絶対にないはずなので」と笑顔で語る。
「自分がいて周りの人がいるのではなくて、周りの人がいて自分がいる、という思いがベースにあります」と女優として根底にある思いを吐露する宮崎さん。隣に座る是枝監督は、そんな宮崎さんの姿勢に共感し、「素晴らしい。でも、そういう人だと思っています。だから、また仕事がしたいなとも思うんです」とうれしそうにほほ笑んだ。
 *宮崎あおいさんの「崎」は「たつさき」。
 

「記憶にございません!」(2019) 政治家の皆さん、このフレーズは使えなくなりました!

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三谷幸喜監督作品ということで、公開4日目、朝一番に。パンフレットください」というと「どちらの?」、「記憶にございません!」。笑いましたね!!満席でした。( ^)o(^ )
映画が始まると、笑い声が一杯で、最近ではめずらしい光景でした!

ある日突然記憶喪失になった総理大臣が、3人の秘書に守られながら事実を隠して公務をこなしていくなかで、まともな総理になっていくというコミカルでファンタジーな作品。

政治ねたが満載ですが、監督は、風刺喜劇ではない、コメディーだと。もしこの作品がヒットしたら政治家は「記憶にございません!」というフレーズを使えなくなると笑っています。今の状況では、先生方はもうこのフレーズを使えなくなりますね。頭に石が飛んできますよ!(笑)

監督は小さい頃から「総理になったらまず何をしよう」と考えたそうで、一般の人と変わっていらっしゃる。さすが、国民的コメディー作家、脚本、監督と称せられる方です。

有頂天ホテル」(2006)年から13年間温めてきた構想だそうで、ネタも多いしどのネタも面白い。笑いの羅列のように思えますが、そこには監督の人柄、楽しんでほしいという願いがこもっています。
この作品の面白さは監督の脚本、演出のほかに監督の期待に答えようとする俳優さんたちの熱演です。なかでも、三谷組初出演の吉田羊さん、木村佳乃さん、有働由美子さんの演技に七転八倒の笑いでした!
スタッフ・キャステイング:
https://eiga.com/movie/89619/

物語の軸は、こんな日本になって欲しい、そして、身近な家族の絆、夫婦、友情などではなかったかと。あまりにも頑張りすぎましたね。少々、冗長すぎました。
あらすじ(ねたばれ):
物語は、石をぶつけられて入院していた総理大臣が、病院を抜け出し、街の人の罵声を浴び、ポリスに掴まり、警護官たちによって官邸に連れ戻されるが、家族が思い出せないシーンから始まり、まともな総理になった姿に息子が自分も総理大臣になりたいというラストシーンで終わります。
後半は「妻を愛せないものに、国が愛せるか」と妻の愛を取り戻すために「世界に中心(官邸)で愛を叫ぶ」という“ファンタジー・ドラマ”です。(笑)

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家族の誰をも思い出せない。バナナチョコの味も分からない。しかし、閣議は「例の話、あれのあれ・・」「うん、あれのあれね・・」と総理が務まるという可笑しさ。(笑) 影の総理、官房長官鶴丸草刈正雄)に完全に支配されている。

野党党首に挨拶伺い。「頭打って、変わったね!」と白いスーツから黒のランゼリーになり、挑みかかってくる国民党党首・山西あかね(吉田羊)。長回しで、羊さんが「党を合併しよう」と色っぽい演技を見せてくれますが、与野党のなれ合いを最大限に風刺しているようで、大笑いです。

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妻・総子(石田ゆり子)は筆頭秘書官・井坂(ディーン・フジオカ)と浮気しているらしい。フリーライター・古那(佐藤浩市)に浮気証拠写真があると脅かされ、さらに「ミス“しらたけ”」の表敬訪問にまともに対応できず、日系三世の女性アメリカ大統領スーザン・セントジェームス・ナリカワ(木村佳乃)の来日を控え、「もう総理を辞めた!」と言い出す。

しかし、井坂の勧めで、小学校時代の先生・柳(山口崇)の教育を受ける。「あんたは記憶を無くした。憲政史上、もっとも自由な総理だ」とおだてられ、本人がやるきになる。
中井貴一さんの、ここまでのなんとなく体の動きがおかしい、身体全身でおかしみを見せてくれてこれだけで笑えますが、ここらあたりから身体がしゃんとしてくるから驚きです。(笑)

官房長官を追い出したい」と言い始める。井坂が、事初めに、K-2プランを取り下げることだという。K-2プランとは銭湯付きの国会議事堂建設計画。これを笑えるかどうか。
総理と井坂は公用車内で「あきらめろ!」と建設会社社長・小野田(梶原善)を説得する。小野田は「よくぞ止めてくれた」と泣く。ドロドロの国会審議にならなかったと痛切な皮肉。(笑) 風刺まではいかないか。

総理は、これまでの数々の行状、女性をチンパンジー呼ばわりしたこと、SMクラブに8回行ったことなどを国民に謝罪する。(笑)

ニュースキャスター(有働由美子)が「これで帳消しにはならない。大間違いです!」と宣う。このキャスター、厚化粧で、本心が読めない。いつもこの発言で終わる。(笑) キャスターが有働さんとは分からない。大笑いでした。

アメリカ大統領を迎えての接待ゴルフ。大統領への大サービスに、そこに現れた古那のキャディ姿に大笑い。おそらく総理と古那の会話はアドリブでしょう。佐藤さんのこういう役はうまい!

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大統領との会談が終わり、記者会見。大統領が「交渉はうまくいかなかったが、お互いに言いたいことを言い合えた」と首相を褒め上げる。木村佳乃さんの意外なキャスティングに驚き、英語スピーチは完璧でした!

いよいよ、鶴丸官房長降ろし。ここはお笑いでなく、フリーライター古那の文屋魂の出しどころ。中井さんと佐藤さんが、アドリブを入れながら長回しで演じてくれます。真面目にやるから可笑しい。これで、鶴丸は尻尾を掴まれ、官房長を投げ出す。アロハシャツでの会見に大笑いです。

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後任の官房長が義兄の鰐淵(ROLLY)。ROLLYさんのキャラクターが生きています。(笑)

仕上げは、いかに妻の愛を取り戻すか。党首討論で妻を愛していることを訴え、官邸バルコニーから「世界の中心で愛を叫ぶ」と国民に訴える。ここまで描くかと思うのですが、中井さんが演じると嫌味がない。大笑いしました!

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大いに笑いましたが、2時間はちと長かった。テーマを明確に、ネタの絞りと深みが欲しかった。

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映画『記憶にございません!』予告

「アベンジャーズ エンドゲーム」(2019)全過去作に繋がる、3時間では終わらない!

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壮大な宇宙戦争の完結、11年にわたり重ねてきたMCU作品の総括作品でした。
すべての作品を一巡りし、トリビアの満載。フアンにはたまらないでしょう!そしてもう一度これを確認に行くでしょうね。(笑)
キャスト・スタッフ:
https://eiga.com/movie/84951/

前作「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」で、宇宙最強の敵サノスに立ち向かうも、ヒーローたちを含めた全人類の半分を一瞬で消し去られてしまうという敗北を喫したアベンジャーズが、残されたメンバーたちで再結集し、サノスを倒して世界や仲間を救うため、史上最大の戦いに挑む姿を描くという、

 

消えたメンバーを取り戻したいというアベンジャーズの絆。
この絆に泣けます。どのような作戦があったか。量子世界に入って時間を戻し、必ず取れるところでインフィニティ・ストーンを集め、指パッチンしようという作戦。驚きました!

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事前に強力な力を持つキャプテン・マーベルが公開されただけに、これを当てた人は痛快だったでしょう!
いまだに、ドクター・ストレンジャーの読みは分からないですが・・(笑) この世界感を生み出したマーベルが凄い!

もうひとつ、ビランのサノス
アベンジャーズから見ればとんでもないやつに見えますが、「宇宙のバランスを保つ」という哲学で動くから憎めない。ソーにより切り落とされたサノスの首を見るネピュラの表情。痴呆状態のサノスを殺す必要はなかった?

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ネピュラのこの表情は、もう一度父にチャンスを与えると2014年の世界のサノスを呼び戻す展開はおもしろかった。この戦争の首謀者はネピュラかもしれない!

ぶれないヒーローたちの生き様
ティーブとトニーの友情。宇宙から戻ってきたトニーにあれほどひどいことを言われながら見捨てないスティーブの友を見捨てない生き方。最後には身体改造選抜試験で彼を押してくれたペギー・カーターの元に帰るという・・。

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いい加減なやつに見えて、開発することを諦めないトニー。アイアンマンとしての最後の決死行動、その後もカンカンとハンマーを振るう。

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ナターシャが見せたクリントへの愛、その結末。ナターシャの死に泣いたブルース・・・・・

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ヒーローたちの総力戦

サノスとアベンジャーズのヒーローたちが総力で戦うシーンがすごかった。なぜあいサノスはガントレットで指パッチンできなかったか? なかでもキャプテン・アメリカ、マーベル、ソーの戦い振りが凄かった。
この戦闘シーンには、11年間のシナリオが詰まっていて、そう簡単には現れますまい。

とりあえず、宇宙に平和が訪れたようです。「エンドゲーム」は過去のいずれの作品にも光を落としています。これを楽しむには、何度もこれら作品を見直すことだと思います。
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映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』60秒新映像!

「人間失格 太宰治と3人の女たち」(2019) テーマは何かが見えにくいですが、

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二階堂ふみさん出演作ということで観賞。太宰治の名前を知っている程度の文学音痴です。小説「人間失格」に何が書いてあるかなど全く知りません。(笑)
この作品は、太宰が3人の女性と交わるなかで、俺は人間として失格だと、「人間失格」を書き、書き終えて命を絶つというはなし。

監督は「さくらん」ヘルタースケルター」の蜷川実花さん。主演は小栗旬さん。3人の女性を宮沢りえ沢尻エリカ二階堂ふみさんが演じています。ほかに藤原竜也高良健吾成田凌千葉雄大瀬戸康史さんら豪華キャストが参画。


複数の女性と浮き名を流し、自殺未遂を繰り返す天才作家の太宰治小栗旬)。その破天荒で自堕落な私生活は文壇から疎まれる一方、ベストセラーを連発してスター作家となる。やがて身重の妻・美知子(宮沢りえ)と2人の子どもがいながら、同時に2人の愛人、作家志望の静子(沢尻エリカ)と未亡人の富栄(二階堂ふみ)ともただれた関係を続けていく。それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、自分にしか書けない小説に取りかかる太宰だったが…。(映画COM )
あらすじ:

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宮沢さん演じる美知子。太宰の才能に惚れ、女ができようが、金を入れなかろうが、ひたすら夫の才能を信じる美知子に太宰は甘え、「壊しなさい、私たちを」とこれを許す美知子。凛としてゆるぎない太宰への献身。時に絶望し、子供と顔に墨を塗り苦しみに耐えようとする宮沢さんの演技は見事でした。小説を書き上げて亡くなった夫への“はなむけ”が洗濯、命の洗濯とは美知子らしいです。

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沢尻さん演じる静子。太宰が見せて欲しいという日記を担保に、太宰との恋を楽しみ、子をもうけ、太宰死しては自ら本を出版するという、自分の思うがままに生きる静子。沢尻さんの明るく、清潔感があって、大胆な演技が見事でした。

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二階堂さん演じる富栄。戦場で行方不明の夫を持つ身。いきなりメガネを外され「君は僕が好きだ」とキスされてメロメロになり、愛欲の限りを尽くして太宰を虜にし、胸を患い血を吐きながらこれに応じる太宰、それでも満たされず最後には一緒に死ぬという本望を遂げる。愛に執念深い女性を二階堂さんが体当たりで演じてくれました。

小栗さん演じる太宰。静子と冨栄と愛欲生活しながら、美知子のところに帰るときは身を縮め神妙な顔をしている。祭りの風車がぐるぐる回るとそれが子供の顔に見えてくる。静子の子の写真を見れば自分に似ていると喜ぶ。いたるところに懺悔の気持ちを持ちながら、放蕩のかぎりを尽くすという滑稽な男です。それでいて文壇のお偉い先生には激しい闘志を見せ、最後には「殺す!ぶっ壊す」と書き突き進む。複雑な感情の持つ太宰、特に後半の痩せこけた狂気の太宰を、小栗さんが魅力的に演じています。

感想:

人間失格 太宰治」というが、ダメ男でモテ男の中途半端な生き方も、こういう生き方をした人を多く見てきて、格別に驚くことではなく、「傷ついた者だけが美しいものを作り出す」と小説家ならこういう生き方をしてもおかしくない。
彼は、破天荒な行動をしているようで、実はそれを打ち消すような行動をとっていて、真似しようとは思いませんが(笑)、人として見れば愛すべき味のある人です。そして小説とは何か、何を読者に届けるかと考え続けた生き様に共感できます。

ラストの太宰と富栄の入水シーン。太宰が入水してぱっと目を開けますが、生きてもっと書かせたかったという監督の心遣いだと解釈しています。

そんな太宰に引きずりまわされて、地獄を見るのかというと、全く違う。3人の女性がいずれも自分の意思で動き、本望を達成しています。その生き方は、現社会の女性に通じています。

本作のテーマは何かが見えにくいですが、監督が、太宰を書こうとした狙いはここにあったのだろうと思います。

三人の女性の生き方を宮沢さん、沢尻さん、二階堂さんが見事に演じてくれています。監督らしく、女性の生き方が色彩で表現されていました。

監督独特の色彩・構図、キャステイングが絶妙で物語に引き込まれ、楽しめる作品でした。監督には、太宰を描くというのは大変な勇気がいったでしょう。ある部分、自分を重ねているかもしれませんね!!
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映画『人間失格』予告

“いだてん“第35回「民族の祭典」オリンピックに政治が入ってはいかん!

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1936年夏。ベルリンで4年後の次回大会の開催地を決めるIOC総会が始まり、嘉納治五郎役所広司)は「日本で平和の祭典を!」と熱く訴える。その直後に開幕したベルリンオリンピックは政権を握るナチスが総力を挙げて運営する大規模な大会となり、田畑政治(阿部サダオ)を圧倒し当惑させる。マラソンでは金栗四三中村勘九郎)と同じハリヤマ足袋を履くランナーが出場。水泳では前畑(上白石萌歌)のレースが迫る。
感想:
ヒトラー製作の「オリンピア」を見ながらのベルリンオリンピックの観戦、とてもよかった!!オリンピック記録、何よりもこの時代がわかるという意義が伝わりました。

1940年のオリンピックは開催地・東京と決定された。嘉納治五郎の開催地主張趣旨は「オリンピックは“すべての民族”に開放されるべきものである。極東は今、戦争と平和のはざまにある。だからこそ日本で平和の祭典を開催する意義がある」というものであった。東京が選ばれたのは中国代表の王正廷が協力してくれたこと。さらにヒトラーのIOC会長ラトゥールへの圧力があったという。
こうして認められた東京オリンピック、軍部の抬頭著しい日本でどう進めていくのか。なかでも中国を納得させられるのか、治五郎には大きな責任が課せられた。

1936年のベルリンオリンピックは、強力な軍事政権のもとユダヤ排斥を隠して行ったナチス・ドイツ民族の力をアピールの場と化した。政治を持ち込まない平和な民族融和の場としてのオリンピックを行うことの難しさが描かれた。
田畑は目の前で繰り広げられる徹底的に統制された豪華絢爛たる大会運営に圧倒されるが、ロサンゼルスの経験から、自由が制限され、選手間の交流のない大会運営に強い嫌悪感を示した。田畑もまた東京開催における大きな問題にぶち当たることになる。しかし、この不満を晴らすように、前畑に勝って欲しい!

ベルリンでの陸上選手の活躍は、フィールド競技で、幅跳び・三段跳び田島直人選手、棒高跳びの西田修平選手、大江季雄選手の活躍があった。
特にマラソン競技では孫、南選手が金、銅という日本マラソン界悲願の成果をあげ、日本中は歓声に包まれた。しかし、両選手が朝鮮出身者であり、両者を讃えての国家「君が代」と日の丸には、複雑な感情があった。ここにも、民族の祭典と言いながら悲劇があった。この悲劇を二度と繰り返してはならず、大河ドラマで描いたという意義は大きい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/孫基禎

金栗に劣らない厳しいトレーニングや金栗シューズを通じての絆あっての勝利。この勝利に金栗やハリマヤが大きな喜びを表したことに、政治を抜きにした“スポーツのすばらしさ”に感動した。

四三は小松(仲野太賀)をともなって上京しハリマヤを訪れると、なんと関東大震災で行方不明になったシマそっくりのリク(シマの娘)に出会った。(笑) 杉咲花さんにまた会えるとは粋な演出。今度は幸せな花ちゃんにして欲しい!

***
昭和36年秋、五りん(神木隆之介)がハリマヤ製作所を訪れ、古い集合写真を見つけるが「父も母も映っていない」というシーンから始まった。五りんの母と父の出会いが、ひとつのテーマでした。

四三は小松を連れて5年ぶりに東京へ戻り、ハリマヤ製作所を訪れた。すると若い女工が姿を見せた。なんとシマちゃん!!

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関東大震災で亡くなったシマだと抱きついたら「娘のリク」ですと声を上げた。
夜の四三の歓迎会。リクはハリマヤで働き父と大塚で暮らしているという。
四三は「聖火リレーのランナーになる。そして、小松を東京オリンピックのマラソン選手に育て、金メダルを取らせる」と皆に紹介した。小松は東京の学校に入る手続きを終えていた。小松はリクにひとめぼれしたようです!そしてリクは小松のためにはじめて金栗足袋を作った。

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この頃、日本のマラソン界は、日本統治下の朝鮮出身のランナーが席巻していた。代表格は孫基禎、南昇竜は金栗足袋を着用しているという。小松は辛作(三宅弘城)に、孫の足型を見せてもらい闘志を燃やした。

7月31日、ベルリンオリンピック開幕前日に、ブランデンブルグ門の側のアドロンホテルでIOC総会が開かれた。4年後のオリンピック開催都市が決定される場に、治五郎、副島(塚本晋也)、政治がいた。最終決定は、ヘルシンキとの一騎打ちとなった22。米国の代表ガーランドとブランデージがロスでの日本の協力に感謝し2票を投じると伝えてきた。これで22票が集まり、あと2票が必要と票読みをしているところに、中国代表の王正廷が通りかかった。彼は満州事変交渉の当事者。この表が入るか?「東京が選ばれない場合は日本はIOCを脱退する」と覚悟して治五郎は最終スピーチに臨んだ。

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「すべての大陸、くべての国、すべての民族にオリンピックは等しく解放されるべきである。“極東は今、戦争と平和のはざまにある”。だからこそ日本で平和の祭典を、紀元2600の東京で開催したい」と演説し、大拍手を得た。

午後3時、東京対ヘルシンキの投票が始まった。開票の結果は東京の勝利した。アジア初のオリンピック開催の瞬間だった。政治は歓喜した!!
治五郎が王正廷に手を差し伸べお礼を述べると「アジア人として東京を支持した。スポーツと政治は関係ない」と返してきた。感動するシーンでした。
ところがラトゥールが政治に「ヒトラーにお礼を」と耳打ち。政治は困惑した。

東京オリンピック開催決定はラジオ中継で日本に伝えられた。担当アナは河西(トータス松本)。マイクを向けられた副島は感激ですすりなくばかりだった。代わりに治五郎が「24年前にわずか2名の選手を連れてストックホルムに行ったときは、まるで勝海舟が渡米したときのような気持ちだった。金栗君、三島君、ありがとう」と語りかけた。
この言葉を四三はハリヤマ製作所で辛作や小松と聞き感動。四三は早速小松を連れ出し「東京まで4年しかない」と走り出した。

それから3日間、東京はお祭り騒ぎとなった。2・26事件も戒厳令もすっかり忘れられ、花火が上がり、祝いの提灯行列が行われた。

8月1日、聖火ランナーブランデンブルグ門に到着し、熱狂とともにベルリンオリンピックが開幕した。ヒトラーはかって「オリンピックはユダヤの汚れた芝居」と揶揄したが、ゲッペルスの助言で態度を急変させ、総力を挙げてオリンピックの準備に取り組んだ。10万人収容のスタジアムを作り、初の聖火リレー、映画「オリンピア」(監督レニ・リーフェンシュタール)製作を行うなど、オリンピックはナチのプロパガンダの一環になっていた。

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政治は、ベルリンの街を走る聖火ランナーの周囲を兵士が取り込むさまや、五輪の旗とナチスの旗が並んではためいている光景を目にして、河野(桐谷健太)が話した「ヒトラーがラトゥールに圧力をかけ、日本に恩を売ったんだ」を思い出し、ヒトラーのやり方に違和感を覚えた。
ヒトラー製作映画「オリンピア」の映像からでしょうか、この情況を目にすることができました。今の北朝鮮のパレードでした!

ヒトラーのやり方に合わせるように、日本選手団のユニフォームはブレザーに灰色の戦闘帽というもの。政治は、開会式で、ロサンゼルスオリンピックの時のカンカン帽をかぶり、「俺はスポーツをやりに来たんだ。歩くのは戦場ではない競技場だ。ナチに媚びているのか日本軍への気遣いか知らんが、こんなものはオリンピック精神に反する」と抵抗した。

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開会式は何もかもが豪華絢爛で、ドイツ人らしい統制のとれた選出に日本人はただただ圧倒されるばかりだった。ラトゥールが嘉納に「東京は東京のやり方でいいんだ!」と声を掛けた。嘉納は「責任は重い。中国が協力してくれたことを重く受け止めている。本国でひどい目にあっているのではないか?しかし、オリンピックはアジアの悲願なんだ」と先行に不安を示した。

選手たちが「ハイルヒトラー」と真似ている。政治は不快感を示す。郵便物は検閲される。ロサンゼルスでは、選手村で各国選手と交流できたが、ベルリンではこれがなかった。政治にはこれも不満だった。日本選手団の担当通訳はユダヤ人のヤコーブだったが、ヒトラーが大会期間中に限っての特別な差別緩和だった。このときまだ試作中のTVが展示されたが、映りが悪い!

8月2日に始まった陸上競技は波乱の幕開けとなった。男子100m走でメダルが期待されて“暁の超特急”こと吉岡隆徳選手が予選で敗退した。吉岡は過度の期待に押しつぶされ不眠症になり、半年ほど睡眠薬が手放せなくなっていた。
このとき活躍したのがアメリカの黒人オーエンス選手。ヒトラーは白人選手が負けたとオーエンス選手と握手しなかったという。

その後は田島直人走り幅跳びで銀メダル、三段跳びで金メダルを獲得。棒高跳びでは西田修平と大江季雄がそれぞれ銀メダル、銅メダルを獲得した。この情況を、映画「オリンア」で観ることができ、これはよかった。

陸上の最終競技であるマラソンでは、日本から孫、南、塩飽玉男の三選手が出場した。
号砲とともに28国、56人がスタート、ロサンゼルス大会優勝のアルゼンチン選手・ザバラを先頭にスタジアムを後にした。折り返し地点では1位ザバラ、2位イギリスのハーバー、3位孫。暑さのため途中棄権する選手が続出し、33km地点で優勝候補のザバラまでもが棄権した。これも「オリンピア」で観賞。

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四三はマラソンの結果をハリマヤのラジオで知った。「孫1着、孫1着、2着ハーバー、3位南昇竜!わが国は苦節20数年にして、孫君によりマラソンのテープは切って落とされたのでした」。

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アナウンスは山本照(和田正人)の放送を聞き、日本は国を挙げて喜び、四三が「ありがとう、ありがとうございます」と涙した。
孫の優勝を讃えて日章旗が掲げられ、国家が演奏された。だが、孫と南選手はこのことを知らなかった。

ラジオから流れる「君が代」を聞きながら、辛作の息子・勝蔵(波多腰由太)が「どんな気持ちだろう」とつぶやいた。すると辛作が「うれしい。日本人だろうが朝鮮人だろうがアメリカ人だろうが、俺の作った足袋を履いて走った選手はちゃんと応援するし勝ったらうれしい」と返した。

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四三は「よかった!よかった!ハリマヤの金メダルばい」と叫び、辛作を表に連れ出し、町内の人々とともに胴上げして喜びを分かち合った。

政治は大会のやり方に不満で、真夜中練習プールに出てくると前畑が練習している。「俺は好きでないんだこのオリンピック」と話しかけると、「私は好きになります。金を取ったら好きになります」という。「そうだ、頑張れ!」
                                                      ***

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018) ねたばれ

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アベンジャーズ崩壊を見透かし、練りに練ったサノスのインフィニティ・ストーン奪取戦略で、ヒーローたちが完膚なきまでに叩きのめされる物語。圧巻のストーリー展開と戦闘シーンで描かれる物語に感動しました!!

アベンジャーズ」の実写映画シリーズ第3作目。「MCU」シリーズとしては第19作品目の映画。
監督アンソニー・ルッソジョー・ルッソスッタフ・キャスト:
https://eiga.com/movie/84139/

あらすじ:
6つ集めれば世界を滅ぼす無限の力を手にすると言われる「インフィニティ・ストーン」を狙い地球に襲来した宇宙最強の敵サノスに対し、アベンジャーズが全滅の危機に陥るほどの激しい戦いを強いられる。
              
見どころは、この戦を首謀するサノスの生き様。敗北のなかで予言したスティーブン・ストレンジの戦略、そしてカンネーの戦い“を彷彿とさせる最終戦ワカンダでの壮大な戦闘。
生き残ったアベンジャーズは、いかにサノスに挑むべきか。この壮大な宇宙戦争の決着を見届けたいと次作を待ちきれないという気持ちにさせてくれます。

****(ねたばれ)
「ソコヴィア協定」を巡り分裂したアベンジャーズの弱点を突くように「パワーストーン」を手にしたサノスは自らが地球に向かう“アスガルドの避難船”を襲撃し「スペース・ストーン」を、腹心を“ニューヨーク” “スコットラン”に派遣して「タイム・ストーン」「マインド・ストーン」を狙うという3地域同時作戦とストーンの数を増やしながら最終戦に臨むという作戦がみごとです! 

アスガルドの避難船「ステイツマン」:
パワーストーンを持つサノスにソー、ロキ、ハルクはなすすべもなく「パワーストーン」を奪われた。この際、ヘイムダルが自分のもつ全エネルギーを使ってハルクを船外に出し地球に向かわせた。ロキは兄のソーを庇ってサノスと戦い殺された。このことにソーは泣いた!
サノスはステイツマンを破壊して、「リアリティ・ストーン」を目指してノーウェアに跳んだ。ソーは宇宙ゴミとして宇宙を漂っていた。(笑)

ニューヨーク:
ハルクはサノスに殴られ、その衝撃でブルース・バナーとなり、ハルクには戻れない身体になっていた。(笑)
ブルースはストレンズに「サノスにストーンを盗まれた。ここにやってくるかもしれない」と伝え、ストレンジともにトニー・スタークに対応を話合いにゆく。トニーはスティーブ・ロジャースが必要だというが、まだ「スコビア協定」のわだかまりがあり、連絡を躊躇している間に、サノスの大型宇宙船Qシップでエボニー・マウとカル・オブシディアンが現れ、襲い掛かる。登校中のスパイダーマンQシップを見て駆けつけた。ここでの戦闘がなかなかの見せ場。

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エボニー・マウがストレンジをQシップに閉じ込めたまま飛び立つ。飛び立ったQシップをアイアンマン、スパイダーマンが追い船内に侵入して、エポニー・マウを罠にかけ、宇宙に放出する
アイアンマンとストレンジが事後の行動について協議。ストレンジは地球へと戻るよう主張するが、トニーは、地球での戦闘には大被害が出るとサノスをタイタンで待ち伏せて倒すことを主張。トニーにはソコヴィアの記憶が消えていなかった。ストレンジがタイム・ストーンをサノスに渡さないことを条件に同意する。この判断が正しかったか?

スコットランド
ワンダ・マキシモフとヴィジョンは、アベンジャーが分裂後、ここスコットランドで住んでいた。

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ふたりで外出中にサノス副官のコーヴァス・グレイヴとプロキシマ・ミッドナイトに襲われ、ふたりは激しく戦うが、ヴィジョンが負傷を負った。が、そこにブルースから連絡を受けていたスティーブ、ロジャーズ、ナタシャ人が現われたため、コーヴァスたちはストーン奪取を諦めて撤退。

ティーブたちは、ヴィジョンの持つ「マインド・ストーン」をどうすべきかとアベンジャーズ本部を訪ねた。本部にはまだ怪我が癒えないジェームズ・ローディがいた。彼らはヴィジョンを守るためにマインド・ストーンを摘出すべきと優れた医学技術のあるワカンダ王国へ向かった。

「ミラノ号」
宇宙を遊弋中のガーディアンズたち。ミラノ号のワイパーに引っかかったソーを救出。(笑)

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ピーター・クイルはサノスの宇宙制覇の話を聞き、ガモーラ、ドラックス、マンディスを伴って「リアリティ・ストーン」を保持しているノーウェアのタニリーア・ティヴァンの店に向かう。この際、ガモーラは「万一サノスに会って危機に陥った場合は殺して欲しい」とクイルに話すが、クイルには理解できなかった。
一方、ソーはサノスと戦うには武器が必要と、ムジョルニアに代わる新たな武器を求めて惑星ニダベリアへ向かう。これには、パイロットとしてロケットと相棒のグルートが加わった。

「ノーウェア」:
ノーウェアに辿り着いたクイルたちは、タニリーアから「リアリティ・ストーン」を手に入れたサノスと対峙した。ガモーラがいきなりサノスに斬りかかり、胸を突かれたサノスは「なぜだ!」と怪訝な顔を見せる。

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サノスにはゼホベリ星を攻め全滅させた際、ガモーラを養女として、「宇宙の平衡を守るためだ」と渡したナイフで無心に遊ぶガモーラの姿しかなかった。サノスには「宇宙の平衡を保つ」という大義にために戦を仕掛けるが、これが悪であるという意識は全くない。だから、ガモーラが父である自分に剣を向けることが分からなかった。大義のために徹底的にガモーラを鍛え、王座をガモーラに譲る気でソウル・ストーンを探す旅に出していたのだった。
「見つかった?」と聞くサノスに「ない」いうガモーラ。サノスが責めると、ガモーラーはクイルに「私を撃って!」と叫ぶ。サノスはガントレットの強力な力で、クイルらを退け、ガモーラーサンクチュアリⅡに連れ戻した。

サンクチュアリⅡにはサノスを殺しにやってきて捕えられ拷問にかけられている義妹ネビュラがいた。ネピュラの頭脳の中は調べられており、ガモーラはもはや誤魔化せなかった。
サノスとガモーラがヴォーミアに発ったのち、ネピュラはマンティスに援助を要請し、Qシップでタイタンへ急いだ。

「惑星ニダベリア」:
ここに辿り着いたソーたち。ここでサノスがガントレットを作り、その後工房は破壊されていた。ソーは職人のエイトリを元気づけ、ムジョルニアを超える王の武器ストームブレイカーを手に入れ、ロケットの操縦する「Mショップ」でワカンダに急ぐ。ソーはロケットから目玉をプレゼントされた。(笑)

「惑星ヴォーミア」:
サノスはソウル・ストーンが存在するという岩壁に立って、案内人レッド・スカルから「ソウル・ストーンを手にするには愛するものの魂と引き換えだ」と聞かされる。ガモーラは「何も愛してこなかった者への罰だ」と微笑むが、サノスはガガモーラに涙を見せ谷に突き落として「ソウル・ストーン」を手にした。サノスにはガモーラへの愛はあったが、それ以上に「宇宙のバランスを保つ」という大義への思いが絶対的だった。

「タイタン」:
先着のアイアンマン・ストレンジ・スパイダーマンたちと駆けつけたクイルたち、の間で戦闘になったが、互いの敵や目的が同じであると知り協力して闘うことに。(笑)

ストレンジが時空を超えて未来を見てきて「1400万605通りのなかに勝てるものが1つだけある」と語る。答えはエンド・ゲームで!

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やがてサノスが到着し戦いが始まる。ヒーローたちの奮戦で、サノスの動きを止めた。しかし、ガモーラの死を知り激高したクイルがサノスの意識を呼び戻してしまい状況は逆転、サノスはタイタンの月を隕石として落下させヒーローたちを追い詰め、サノス一撃がトニーを貫く。この窮地を救うためストレンジはサノスにタイム・ストーンを差し出した。サノスは5個のストーンをガントレットに収め、ワカンダに跳んだ。

終戦「ワカンダ」:
国王ティ・チャラがスティーウ・ナターシャ・サムらヒーローたちを受け入れヴィジョンからのマインド・ストーンの摘出手術を行っていた。
そこに、ヴィジョンを追ってプロキシマ・ミッドナイトらブラック・オーダーが無数のアウトライダーズを引き連れ襲来。ティ・チャラはワガンダ兵のバリアで損耗させ正面で損耗させ、左翼を開放して敵を誘導しせん滅を図ろうとする。

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ヒーローたちが苦戦する中、ソーたちが飛来し圧倒的戦力の加勢に戦況は好転。ワンダはヴィジョンの最期の願いを聞き入れ、彼もろともマインド・ストーンを破壊した。

しかしサノスが出現して戦況が一転。ヒーローたちを次々に倒し、返り討ちにして行く。サノスは、タイム・ストーンの力で時間を巻き戻し、再生したヴィジョンの頭部からマインド・ストーンを抉り取る。
全インフェニティ・ストーンを手にしたサノスの指パッチンで、全宇宙の半分の生命がチリとなって消滅した。

生き残ったスティーブやトニーは途方に暮れ、サノスは夢の中で幼いガモーラに「役割を終え全てを失った」とつぶやき、何処かの惑星で日の出を眺めていた。

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サノスのキャラクターに圧倒されました。「宇宙のバランスを正す」ことに娘さえ差し出す。非情に見えて、数千年単位の物差しで見れば、宇宙人にとってはかけがえのない人。指パッチンで宇宙の生命の半分を消すという、これは自然界の大地震や台風をモチーフにしたような人だ。自分の人生においてもこういう怖い人はいた。しかし、今となっては、最も感謝すべき人になっている。
                                                ****


映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』予告編

「風をつかまえた少年」(2018)教育が生き方を変える!

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大変評判がよく、NHKの「あさイチ」で取り上げられた作品。やっと観ることができました。タイトル通りの主人公の感動的な物語でしたが、そのバックグランドである貧困国“マラウイ”(6位)の因習をぶち破った教育のすばらしさに感動しました。

冒頭で描かれる、風で砂が巻き上がる大地、枯れてなびくトウモロコシ畑、葬儀列の先頭をゆく「グレワンクール」、色彩豊かな衣装の女性たち、目の澄んだ人たち、アフリカンメロディー。
マラウイの光景とここに住む人たちの日常が鮮やかに写し出され、なかなか観ることのない世界に誘ってくれます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/マラウイ

監督はアカデミー賞作品賞それでも夜は明ける」(2013)でアカデミー主演男優賞にノミネートされたキウェテル・イジョフォー
主演は、オーディションで見つけたマックスウェル・シンバ、共演に監督自身、マラウイ出身本作で女優デビューのリリー・バンダ、セネガルダカール出身のアイサマイサ、南アフリカ出身のレモハン・ツィバ、マラウィ出身フィルベール・ファラケサらです。

はしがき:
2001年、アフリカの最貧国のひとつマラウイを大干ばつが襲う。14歳のウィリアムは貧困で学費を払えず通学を断念するが、図書館で出合った1冊の本をきっかけに、独学で風力発電のできる風車を作り、畑に水を引くことを思いつく。しかし、ウィリアムの暮らす村はいまだに祈りで雨を降らそうとしているところで、ウィリアムの考えに耳を貸す者はいなかった。それでも家族を助けたいというウィリアムの思いが、徐々に周囲を動かし始める。(映画COM)

***(ねたばれ)
物語には「クフェサ」(種まき)、「ククラ」(生育)、「クコロラ」(収穫)、「コンジャーラ」(飢え)、「ムポヘ」(風)の章立てで、農作物の生育状況に合わせるように国や組合の動き、家族の暮らし、主人公の行動が描かれます。こうして、風車発電を作り上げるまでの環境を広くとらえているのがいい。

冒頭で、主人公ウイリアム(マックスウェル・シンバ)の叔父の葬儀が執り行われ、牧師が「死者が何を残したかでその人を知る」として叔父がこの地を切り開いた人であったことを皆に披露し「この仕事を継ぐ」よう促します。そして、皆で叔父を「グレワンクール」で見送る。

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このようにして、農民はこの地に踏み踏み留まり、繰り返される旱魃にどうしようもない辛い運命と諦めて背負う運命サイクルが出来ていた。
洪水が予測されても、旱魃が予測されても田を耕し続ける父・トライウェル。きっとうまくいくと信じ一生懸命やっておればなんとかなるという農業を、この土地固有の風を生かした風車発電で変えていくという、ウィリアムの葛藤は想像を絶します。

「クフェサ」(種まき
「種まき」、ラジオで雨を気にするシーズン。ウィリアムは日本でいう高校に入学。子供たちの15%ぐらいだそうです。
土地を持たない父親には異例のこと。しかし、このことが家族を、村を救うことになりました。

ウィリアムは入校式を終えると担任のカチグンダ先生(フィルベール・ファラケサ)に「学費の未払い分がある」と学費を納めるよう言われる。先生にはウィリアムの姉・アニー(リリー・バンダ)と付き合って、彼女に大学教育を受けさせたい思いがある。

雨が降り続き、ニュースでモザンビークでの洪水被害が伝えられる。集会ではもうタバコ栽培は出来ないと土地を売る、木を伐採して生計を立てようとする。土地を持たない父親には、兄の土地で愚直に農業を続けることしか生きる道はなかった。
放課後、父の農作業を手伝い、小鳥を獲って食料にしようとする。(笑) 廃品集積所をあさり、電気部品を拾ってくる。電池などでラジオ電源に困る人を助けていた。
先生の自転車を見てダイナモでライトがつくことを知った(父の自転車には装備されてなかった)。のちの風車発電の着想につながっていく。
この廃品がどこから出たものかはっきりしない。車両の廃品もあることから、街に住む裕福な外国人が捨てたもの?社会構造に大きな歪みがあるようです。

雨が降り続き、もう農業はできないと父は村長のところに出かけ訴える。この時期、アメリカでテロ事件が発生し、海外支援の影響も予想される。

「ククラ」(生育)
日照りで葉っぱが枯れる。母・アグネス(アイサマイサ)は娘・アニーに「20年前にこういう危機があった。これを切り抜けたのは妻たちだった。いい嫁になりなさい。いい人いるの?」と聞きます。アニーは「この村にはいない」と答えた。
危機の辛いことが、弱い女たちに掛かってくるこの皮肉。しかしアグネスは、家計をやりくりして、ウィリアムに教育を受けさせるという叡智がありました!アグネスのいつの子供を抱っこしている姿が印象的でした。 

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ウィリアムは廃品置場でバテリーを拾い、これを充電すれば、風車を回せるのではないかと考え始めた。
先生が姉と密会していることを秘密にすることを条件に、図書館のエティス先生(ノーマ・ドゥメズウェニ)を紹介してもらい、「Using ENERGY」という本を見つける。

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この本で、“風車”でダイナモを回して電気を起こし、バテリーに貯めて、モーターを回して水をくみ上げるシステムを学ぶ。この書物は貧民支援としてアメリカ大使館が贈ったものだという。このシステムを作るためにウィリアムは廃品置き場を漁った!

折しも大統領選挙。村長が応援に出かけ、災害支援要請のお願いしたところ、連れ出され、拳銃で脅され負傷させられるという事態をウィリアムが目にする。

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この国には、貧民に対する政治がない。貧困の原因が、旱魃だけではないことを示唆しています。父親は困れば村長のところに相談にいくが、こんなことで旱魃は解決出来ない、「自分で道を探さねば」と強く思ったのではないでしょうか。

「クコロラ」(収穫)
保存してある食糧は70日分しかない。次の収穫までどうするかと心配するアグネス。
屋根のブリキを剥がして金に換える。急激な物価上昇で父は抗議行動に参加し家を空けるようになる。
姉のリリーは先生の家族と会話ができないと家出を渋っていた。この国は多民族国家で、言葉という障害がある。

ウィリアムは内緒で授業に出ていたが、金を払えないと退学になった。母・アグネスは校長に「先祖のように雨ごいのお祈りをしない。学校で学ばせたい」と願い出て、図書館だけは使えるようにしてもらった。

こんなときに泥棒に入られ、食料を盗まれる。母・アグネスが泣き叫ぶ!食料危機になってきて、盗難事件が増える。
緊急に食料配給がなされることになり、ウィリアムが父代わりに受け取りにいくが、受けられない人が大勢押しかけ暴動が起きる。外国の援助支援があっても端末までうまく配分されないという現実がある。

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15kgの配給を受け、家族は1日1食として、夜だけ食べることにした。

「コンジャーラ」(飢え)
1日1食、飢えをしのいで乾燥した畑を耕す。愛犬カンバには餌が与えられなくなった。姉・リリーが食扶持が減るようにと先生と駆け落ちした。これは母に大衝撃を与えた。

しかし、先生はウィリアムが望んでいたダイナモを残して行ってくれていた。このダイナモでモデルの風力発電機をつくり、ラジオを鳴らし、このやり方で実用できると説明し、沢山の協力してくれる仲間を得た。そして、姉・リリーに「先生の自転車のダイナモがあれば発電できる」と訴えたが、返事は「わからん」だった。

父・トライウェルにもモデルを見せ、「自転車を譲って欲しい。私にはお父さんの知らないことを知っている」と申し出たが「唯一の移動手段、ばかばかしい!」と受け付けてくれない。これが一番の難関だった。そして、愛犬カンバが亡くなった!

この状況で母アグネスが「あなたに従って全てを失った。大地もアニーも。教えて欲しい、失わないことを」と泣いてトライウェルに訴えた。

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「ムポヘ」(風)

父親が「土地を失い、これで全てを失った」と自転車を譲ってくれた。ウィリアムは「違う、私を学校にやってくれた。すべてではない。風を使ってうまくやっていく」と答えた。
友人たちの助けを借りて、木を倒して櫓を組み、風車を取り付け、電力発電を開始した。

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学問は、物つくりだけでなく、制度や偏見などいろいろな壁を壊してくれ、貧しさから逃れる大きな力であることが分かります。沢山の暖かい手が差し伸べられることを願ってやみません。
                                                      ***


映画『風をつかまえた少年』本編映像