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宮﨑あおいさんを応援します

「野球部に花束を」(2022)ブラックということなかれ!言えてる言葉が多い!

 

大谷翔平選手がホームランを打った日は元気が出て、その日一日が快適に過ごせます。しかし、エンゼルス残留が決まってからのエンゼルスの負けっぷりを見ていると大谷選手が可哀そうになります。本作を観て、「そうではない、負けるからこそこのチームで勝ちたい」というのが彼の想いだと思えてきます。シーズンが終わると大谷選手は勝てる他チームに移籍という沢山の記事を目にしますが、そうではないんじゃないかと。その答えがこの作品の中にあるように思うのですが。

原作:クロマツテツロウの同名コミックを実写映画化した青春コメディ。監督脚本:荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」の飯塚健撮影:川島周、編集:森下博昭、音楽:海田庄吾主題歌:電気グルーヴ

出演者:醍醐虎汰朗、黒羽麻璃央、駒木根隆介、市川知宏、三浦健人、里崎智也、小沢仁志、高嶋政宏、他。

物語は

中学での野球部生活を終え、高校デビューを目指して茶髪で入学した黒田鉄平(醍醐虎汰朗)。そんな彼のもくろみは、うっかり野球部の見学に参加してしまったことで失敗に終わる。新入生歓迎の儀式で坊主に逆戻りした黒田は、鬼監督の原田(高嶋政宏と後輩を奴隷のように扱う先輩部員たちのもとで過酷な日々を過ごす。強豪ではないが弱小でもない普通の高校野球で、1年生の仲間たちと時には助け合い、時にはいがみ合いながらも、どうにか日々を過ごしていくが……。(映画COMより)


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あらすじ&感想

「野球は卒業だ!」と黒田は髪を茶髪に染めて高校に進学したが、2学年の野球部員の西川と木村の規律ある姿、優しい誘いについ乗って練習を見学。そこで監督の原田に「何で染めた!よく考えて答えろよ?答えによっちゃ、停学だ」と脅され、怖くなってやってみるかと入部した。(笑)

新入歓迎会。西川から先輩には丁寧に挨拶しろと注意され、そこに3年生の主将・坂内(小沢仁志)が現れ2年生に気合を入れる。主将が怖い!すると2年生が打って変わったように新入生に威張りはじめる。2年生によって「新入部員の儀式だ!」と髪を刈られ、自己紹介し「がんばります!」と宣誓。(笑)これで1年生が先輩の奴隷という過酷な試練にさらされることになった。(笑)しまったと思っても元には戻れない。黒田はやる気を出してグローブを買った。

練習が始まった。黒田はキャチャーを命じられた。グローブは無駄になった。(笑)先輩の打撃練習のキャチャーを命じられ、鍛えられる。細かい指導は2年生のキャチャー西川が対番について指導してくれる。これは軍隊の新兵教育と同じだ。しかし、ふたりの間には絆が生まれてくる。

夜まで練習が続いて最後にグランドをならす作業で終る監督から「5月だ!公立高は私立とは違う!練習は5時間!」と示される。厳しい監督の言葉は名言に聞こえ始め、誰も逆らうものはいない。「相手の側に立って考えることが必要だ。普段の生活からキャチャーであれ」と注意を受けた。

三鷹高校野球部のネーム入りバッグと道具が渡された。もう辞めるとは言い出せない!(笑)ところが亀井が「彼女とうまく行かなくなった」と言い出す。(笑)

授業中は居眠り。3年生の朝の練習に付き合わされる。黒田は先輩の高柳のトスバッティング練習につき合う。一球ごとに文句を言われる。一方、森(市川知宏)の相手は吉村先輩で、バッティングマシーンでの練習。黒田はもう嫌だ!と悲鳴を上げた。

テストが始まった。成績はガタ落ち。それでも3年生は朝の打撃練習につき合わせる。高柳が黒田に「お前も打ってみろ!」というようになってくる。テスト結果は母親には見せられない!(笑)

ついに亀田(駒木根隆介)が退部届を出したが、監督に呼ばれて理由を聞かれ、「勉強ができない、彼女に会えない」というと、「それだけか!野球を好きになれ!」と追い返された。黒田らはこの話を聞いて本当に亀田は野球が嫌いだったか話し合った。黒田は「俺たちの覚悟が足らなかった。亀田野球好きだったろう」と言うと、これを盗み聞きしていた亀井もその気になった。

亀井が監督に「やります!」と報告に行くと「お前は左打ちになれ!チームに必要だ!3年間、野球に狂え!」と発破をかけられた(笑)。これで1年生全員が「野球に狂う!」とことになった。

夏が近づき「生きた玉を打て!隕石が降ってもキャッチしろ!」と練習は厳しくなった。しかし、黒田は「今は恋愛が楽しい時期」という亀田の言葉が気になって、吉村先輩の妹と知らず「怪我した」と聞いて医務室に彼女を見舞って、吉村先輩に出会った。(笑)

登校に遅刻すると校門に生活指導の広瀬先生と監督が待っていて「遅刻は世間の信用を「失う」と怒られ腕立ての罰則が課せられた。

練習が終わり監督から呼ばれて「公立高が負けるのが自滅だ!コールド負けだ!空気に反発、飲まれるな!飲まれそうになったらお前が食い止めろ!日常からキャッチャーであれ!」と注意された。監督は黒田に目を掛けるようになっていた。

夏の甲子園大会地区予選に出場する20人の選手に、監督から背番号が選手ひとりひとりに手渡された。背番号を受け取った選手は監督に感謝しこれを受け取った。3年間野球をしてメンバーに入れないものがいる。フェンスの向こうとこちら側に分けられる。これが高校野球なのだ

監督は19番垣野には「俺はケガするやつは無能なだけだと思ってる。わかるな?チームのために働け!」と、最後の20番の1年生・桧垣(黒羽麻璃央)には「下の名を変えろ!死ぬ気でやれ!野球に狂え!」と言い添えた。「ベンチに入ったものは入れない者の気持ちを汲んで死ぬまで戦え!野球に狂え!野球に狂え!」と激励した。

1、2回戦は無名の高校同志の闘いで、3回戦は有名校との対戦だった。監督は「1点でも取れ!コールドになるな!ただひとつ気持ちで負けるな!狂え!」と訓示した。雨の中の試合だった。

瞬間に生きる選手たちは美しいが、選手の99%は陽の目をみることはない、それが高校野球

選手はよく頑張った!負けた!雨の中、応援してくれた人たちに「ありがとうございます」と挨拶した。これを1年生が見て「俺たちもこんなチームになろう!」と誓った。

「これで終った」と思ったら、間違いだった。(笑)監督は3年生に「髪は伸ばしてもよいが野球部員。練習は4時間だ」と言い、3年生に後輩をしごかせた。暗くなるまで練習して、3年生の先輩に「ありがとうございました」と挨拶すると「頼んだぞ!」と返事がくる。こうして野球部の伝統が引き継がれてゆく。

3年生が引退、これで俺たちの新チームだと思っていたら、監督が出てきて試合形式でのノックを始めた。

監督の試合シナリオでノックして選手に身体をぶつけて指導する。監督の奥さんが現れると血まみれの手の平を見せて談笑していた。監督は決して鬼ではないと遠くでランニングする生徒たちに伝わった。

秋の大会であっけなく敗れた。10対1でコールド負け。監督は「野球を舐めている!」と激怒した。「エラーのせいで負けた。桧垣はいるか?」と怒鳴る、黒田が「病気で休んでいる」と答えた。桧垣は野球が嫌になり、彼女のことが気になっていたのだった。

監督は黒田と桧垣を教員室に呼び、「地の果てまで逃げろ!(笑)こいつか仲間に嘘ついて」と桧垣を殴った。桧垣が監督に謝ると、「相手が違う」という。桧垣は黒田に「すまんかった」と謝った。ふたりに腕立て伏せの罰が下された。野球が嫌になることがあるが野球に狂った想い出が部員たちを繋いでいく

黒田たち1年生が2年生となり、かって彼らが野球部に勧誘されたように、坊主頭の端正な姿で1年生の勧誘にあたった。

新入歓迎会では亀井が新入部員を前に「ここでは学校ではないもの、知らないものが身につく伝統芸だ」とぶち上げる。一番ダメだったものが鬼に変身するらしい!(笑)

新しく女性の高瀬が入部してきたが、基本はこれまで通りで、部の活動が始まった。

まとめ

大部の高校野球部は原田監督の指導に近い監督の指導下、部員の厳しい上下関係という環境下で練習しているのではないでしょうか。原田監督の横暴で一見無茶くそな指導ですが、子細に見ると理にかなった、選手想いの愛情のある指導なのですが、これをどう見るかです。外国人には分からない!

 

社会問題になりつつある野球部の問題を爽やかでコミカルに描いてみせて面白い作品でした。この問題は他の部活にも通じるもので、観る人は恐らく自分の体験に重ねて観たと思います。

3年間、狂って一生懸命野球を練習し夏の甲子園大会に参加。選手として参加しようがしまいが、勝とうが負けようが、汗を流し泣いて、喧嘩して友を得て、応援してくれた人々に感謝して、これでよしと自分が納得する体験は尊い。狂うというのはあらゆる苦痛を吸収すること、青春の象徴だ!この作品の中でも泣けるシーンでした

 友を見捨てないということはリーダーとして最も大切なこと!これを学んでいる。

このような環境で育った大谷選手は一緒に野球をした仲間を大切にするでしょう

野球部員ではなかったが、ある部で同じ目に遭っていました。爆笑しながら“あの頃”のことを思い出し涙しました。

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やっと勝てた!ここから驀進!